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今月の特集

逗子開成中学校・高等学校

 
逗子開成中学校_
校長 高橋純先生

創立113年、中学再開から30年を迎えた節目に、国内では唯一無二の海洋教育を柱に、進学準備教育、情操教育、グローバル教育をさらに進化させ、進学校としての新たなステージをめざす逗子開成中学校・高等学校。今春2016年の大学入試では東大10(うち現役8)名をはじめ、難関の国公私立大学への合格実績をさらに伸ばし、大きな期待のかかる同校の教育と今後の抱負について、校長の高橋純先生、教頭の三須浩幸先生、教科研究委員長の小和田亜土先生、入試委員長の小西信行先生、広報部長の片山健介先生から、それぞれお話を伺いました。

 

創立113年(中学再開30年)を機に
世界標準をめざす「日本一の男子校」へ!

逗子開成中学校_
教科研究委員長 小和田亜土先生

逗子開成が中学校を再開したのが、いまから30年前の1986(昭和61)年。その2年ほど前に、同校OBとして、その後の大改革の先頭に立ったのが故・徳間康快理事長(徳間書店創業者)でした。
「ちょうどその時期に教員として採用されたのが我々で、その時期から新しい学校になったという感覚を持っています。それから30年を経て、その世代の教員が最年長となりました」と校長の高橋純先生。
その間の改革と変遷に直接関わり、逗子開成の進学校への歩みと、生徒の成長の確かな手ごたえを感じてきた先生方ですが、この期に同校は、さらなる進化をめざすといいます。
中高一貫化の再スタートを切ったとき、逗子開成では、①進学校化、②海洋教育を柱にした情操教育の充実と、コンピュータを使ったAVC教育(現在のICT教育の走り)、③1990年からスタートしたアメリカ海外研修を軸にしたグローバル化、という3つの目標を掲げて、その方向性に向けて改革を重ねてきました。
現在では、神奈川だけでなく首都圏でも指折りの進学実績をあげる男子進学校として、確固たる地歩を築いてきた逗子開成中学校・高等学校。今春2016年の大学入試では、東大10(うち現役8)名をはじめ、難関国公立大学、難関私立大学への進学実績をまた一回り厚みのあるものにしています。

しかし、その成果に満足することなく、中学再開30年の節目に、これまで行ってきたことを検証し、発展させていく作業が必要だと考え、同校では新たな目標を掲げ、次の歩みを踏み出したといいます。
「いつも生徒に言っているのは、20年~30年たって君たちが世の中に出て活躍するときに、どんな力が必要とされるのか、そのための基礎を本校で学んでほしいということです。そこで新たなスローガンとして打ち出したのが、日本標準ではなく、世界標準の高校生を育てたいということです。グローバル化といっても、生徒がやがてどんなところで、どんな環境で生活することになるのかはわかりませんから、変化に対応できる力が必要になります。そのためにこの数年、授業の見直しをしてきました」と高橋先生。

逗子開成中学校_
海洋教育のひとつの柱であるOPヨットの製作と帆走。海
での実体験から学べることは非常に大きな意味がある。

「ひとつは、2年前から、インプット中心からアウトプットに比重を置いた、双方向の授業へと意識してシフトしてきたこと。もうひとつは、プレゼンテーション、コミュニケーション力を育てる教育を重視して、その機会をなるべく多く設けるようにしたこと。また中学入学までに受け身の勉強をしてきた生徒に、早い時期に自ら計画を立てて学ぶ姿勢と、勉強の仕方を身に着けさせることを、教員の目標として意識してきました」。
いまでは逗子開成の代名詞、アイデンティティーともいわれるようになった海洋教育についても、「これまで本校では体験を重要視して、中学生全員で取り組むOPヨットの製作・帆走と、逗子湾での1.5kmの遠泳を2本柱にしてきましたが、これをさらに広げて、自ら学ぶ海洋教育へと広げていきたいと考えています」と高橋先生は言います。
「これまで行ってきた体験中心の海洋教育にも大きな意味があったと思っていますが、それをさらに、本校と隣接する『海』を切り口にもっと広げていけないかと考えたのです。振り返りや評価、社会や理科など他の教科とのつながりも工夫することで「合教科型」の学びもでき、その結果、生徒が自ら学ぶ意欲を高め、今後(2020年から)の大学入試改革に十分対応でき、その先の社会で求められる"世界標準の"力を、十分に育てていけるのではないかと考えています」と高橋先生は、今後の抱負を語ります。

逗子開成中学校_
校舎と海洋教育センターの間に位置する
コンピュータ棟。

ちょうどそうした時期に、東京大学の海洋アライアンス「海洋教育促進研究センター」から声がかかり、2014年からは提携して、講演やワークショップなどの協力を得てきました。
「海での教育の良いところは、座学で得た知識や技術と体験的なことがうまくかみ合っていくことだと思っています。ヨットをうまく走らせるためには、ヨットの作りや技術的、理論的なことをわからないといけませんし、それがわかったからといっても、実際に海へ出て、自分で体験してみないとうまく操作はできません。学習したことと経験したことがかみ合って初めて進歩することができる。生徒もそれを実感できるところが良い点だと思っています。また、そうした教育を行うために、様々な準備やサポート体制を整えて臨みますが、実際には生徒自身が勇気を持って海に出ないと先に進めません。何かあれば助けてあげられますが、前に踏み出すのは生徒本人だという、それも教育の形として良いものだと思っていますので、これをもっと発展させたいと考えています」と高橋先生。
編集部からの「日本一の男子校をめざしますか?」という質問に対し、校長の高橋先生は「何を基準に日本一というかにもよりますが、故・徳間理事長が『日本一の男子校にしよう』と言っていたことは事実です」と笑顔で答えてくれました。

 

男子校としての特質も生かして
自己肯定感と挑戦心を養う!

逗子開成中学校_

「環境、防災についての教育も工夫していきたいと考えています。正直なところ、「3.11」の震災直後は、海が近いという理由から本校を志望しない保護者も増えたようですが、逆に我々は、だからこそ『海』を使って、防災や安全にも十分に配慮して自らの命を守る教育に力を入れていく姿勢を持ち続けていきます」と高橋先生は当時の状況も振り返り語ってくれました。
さらに、グローバル教育についても、これまでの取り組みをベースに、さらに広げていく方針です。
「たとえば、中3全員が参加するニュージーランド研修は11年目を迎えましたが、これは中学3年間の集大成として行っています。それに加えて、希望者を対象にした現地の学校との3か月の交換留学制度を、今年6月から初めて実施します。
また高校では、アジアに目を向けようということで、韓国やマレーシア、ベトナムでのホームステイを中心にした海外交流のプログラムや、その他にもカナダの1年間の留学プログラムを持っています。
また今後はアメリカの大学のエンパワーメントプログラムなどを導入し、これらの留学や海外研修を通して、海外大学に進学したいと考える生徒の進路希望をかなえるサポートにも力を入れていきます。大学進学を考えるときに『国内の大学も海外の大学も進学は可能だよ』といえる体制を整えていきます。」(高橋先生)というように、男子校のなかでも積極的な英語力の強化、海外体験の重視、海外大学進学への対応などへの備えを整えつつあります。
一方では、私立中高一貫校のなかでも、いまでは希少な存在となった男子校としての特色も、さらに生かしていきたいと逗子開成では考えています。
「保護者からの質問もあるのですが、本校は男子校はやめません(笑)とお答えしています。やはり男子校ならではの魅力があると思っていますし、海洋教育などは、男子校でないとやりにくい点もあると思います。やはり男子と女子では発達段階も違いますし、中高6年間は男子校で過ごすのも良いと考えています。
ただし、お近くの鎌倉女学院は創立のルーツも一緒で、すでに交流もありますので『お互いに何かできることは一緒にやりましょう』と話しています。互いの授業を見学する教員の交流、クラブでの交流、生徒のコンテストなど、まだまだ工夫できると考えています」。
ところで、この高橋校長先生がお話の冒頭で述べた「世界標準の」高校生(=人間育成教育)とはどのようなことを意味するのでしょうか。
「まず、協調性が必要だと思います。世界のどういう場所に行っても生きていける力というか、高校のアジア研究旅行などはそうした意味合いもあるのですが、マレーシアに行って、マレー族の家でホームステイするとか、かなり強烈な異文化体験もします。要は、日本と比べて暮らしの違いを知るだけではなく、こういう暮らしもあるという、多面的な物の見方をできるようになることがまず大事だと思います。
また、ちょっとしたことでくじけないとか、学園祭や体育祭などの行事の際の苦労やもめ事なども体験して、失敗を経験してほしいと思います。在学中の失敗は問題ないわけですから、むしろたくさん経験してほしい...。逆にちょっとした成功で自己肯定感が高まることもあります。そういう経験が"世界標準の"人間育成につながるように思います。あとは何より、指示がないと動けないという高校生にはしたくないと思っています」と、高橋先生は「男子校での失敗体験と成功体験」の大事さを伝えてくれました。

生徒の成長の軌跡が読み取れた
OPヨット帆走体験の感想文

日本国内の学校では他に「海洋教育」を行っている学校はあるのでしょうか。
「私たちも最近まで知らなかったのですが、普通科の高校では他にないようです。2014年に提携した東京大学海洋アライアンスの方からも、本校が唯一『海洋教育』を謳っている学校だということで関心を持ったと伺いました」と、同校の新たな「海洋人間学」を中心になって担当している社会科主任の小和田亜土先生が教えてくれました。
「創立当初から海での水泳などを行ってきたようですが、1986年の中学再開にあたり、OPヨットの製作・帆走と遠泳を取り入れ、本格的な海洋教育に取り組んできました。どちらも共通して、個々の生徒の自立心を育てるとか、仲間との協調性や連帯感を高めるといった、単に身体を鍛えるだけではなく、人間学的な目的もあったと思います。
ただし30年続けてきた従来の海洋教育に対し、確かに自然のなかで何かを成し遂げる経験をするという意味での手ごたえはあったのですが、果たしてこれだけで良いのかという反省も教員間から生まれてきました。ちょうどその時期に、東京大学海洋アライアンスからの提携の打診もありましたので、この機に本校の海洋教育に広がりを持たせ、海洋教育が生徒の将来にどう活きているのかということもあらためてきちんと分析し、もう一歩それを進化させて『海洋人間学』という形に発展させたいと考えたわけです。
2014年7月から提携した東京大学海洋アライアンスの先生方には、その関係を生かして『海洋学特別講義』を中学の各学年に行ってもらうようになりました。また、さらに興味を持った生徒たちが、東大の先生の指導を受けて研究発表をするなどの試みも行っています。日頃の授業でも、社会科と関連した領海の問題や、理科では地形や気象の問題など、現実の社会の問題や、起こり得る自然災害などとも関連づけて、自分自身の問題として考え、それを研究発表までつなげていきたいと考えています。本校の『海洋人間学』の教育プログラムに『活用知』と謳っているのは、OPヨット製作・帆走や遠泳などの活動のなかで、日頃の授業で培った知識をうまく活用することを意味しています」と小和田先生。
「理科では津波の話をするときにも、この逗子の地形と考え合わせて話をしたり、夏休みにハザードマップを作成するときにも、近隣の地形も考え合わせて作成させたりしています」(高橋先生)
つまり同校では、津波や防災の研究をする際にも、身近なものを重ね合わせて、新たな発見をしていける内在的な力を育成しようとしているように思えます。
「自分たちで作ったOPヨットの帆走では、毎年生徒たちに自由に感想文を書いてもらってきました。その文章からは生徒の段階的な成長が感じられます。

逗子開成中学校_
1.5キロの遠泳は、仲間同士の連帯や励ましが力になる
という。卒業生にとっては忘れられない思い出になる。

たとえば中1での初めてのヨット帆走体験時の感想は、その体験を時系列で物語るものが多いのですが、生徒は最初に恐怖や不安を抱いて帆走していることが分かります。『沈没したらどうしよう』『下手したら死んじゃうんじゃないか』等、前日から帆走し始めまでの不安や恐怖の心境を綴っています。緊張しながら帆走しますが、時間が経つと、徐々に安心感も生まれて帆走の楽しさを感じるようになっていきます。このように中1の生徒は海との共存を、生死や恐怖を感じながらも海で風に乗れたことの喜びとして文章に書いています。
中2での体験時には、『去年はヨットの操作にあたふたしていたけど今年は海から見える陸の景色がきれいだった』『海の水は想像していた色と違っていた』など少し余裕がでて視野が広がります。中1時の感想に多かった恐怖感は、もはや感想文に見られなくなります。
中3時の帆走はヨット帆走実習の集大成となるわけですが、感想文には、仲間の協力や支援などに目を向けるものが顕著になります。なかには、3年間の帆走体験による学びを就職して仕事で一人前になることと同じではないかと書いた生徒もいました。仕事と同じで、失敗と反省との繰り返しや仲間との協力・支援をへて成長できるものだと。3年間のヨット帆走実習は、学年によって内容が大きく変わることはないのですが、経験を重ねることで、生徒の視野が広がるとか視点・観点が変わるという面があるようです」と小和田先生。
そして2015年からは、このヨット帆走の感想文をさらに進化させ、質問を絞って、レポート形式にしたといいます。
「自由に書かせる形式の作文もよかったのですが、帆走回数を重ねると目新しい経験がなくて、書くことがないと感じる生徒も出てきました。そこで実習ごとに新たな視点を持てるように、ヨットの部位の知識を問うたり、ヨットの操作のなかでどんなところが上手くいったか、あるいは上手くいかなかったかを問うたり、様々な質問を提示したうえで、それに回答するレポートに取組んでもらうことにしました。
すると、その時の風の吹き方を把握して上手に操作ができたとか、操作は上手くいかなかったけど操作の理屈はきちんと理解しているとか、彼らの海との向き合い方などが具体的にレポートを通じて読み取ることができ、教員にとっても新鮮な発見がありました」と小和田先生は新たな手ごたえを語ってくれました。
感想レポートにある程度条件を加えたことで次元がひとつ上がり、生徒が自ら分析する力を引き出すことができ、それによって教員は生徒の振り返りを促し、意識づけをする材料を得たということでしょうか。
逗子開成が積み重ねてきた体験プログラムの次元をさらに上げたことで、"世界標準の"人間を育てる教育に一歩近づいたことになるのかもしれません。

浮遊した状態で物事を考える
海洋史観からのグローバル化

逗子開成中学校_
高校の総合学習・土曜講座の
中心を担う教頭の三須浩幸先生

いずれにしても他校では類を見ない海洋教育。その効用や意義はどんなところにあるのでしょうか。
「人間が物事をきちんと考えていくときには、地に足を着けて考えることが普通ですが、海の上では浮遊している状態です。土台のない浮遊した状態で物事を考えていくことになります。このことを海洋教育で突詰めていくと面白いところに行きつけるかもしれません」と小和田先生。
まさにこの点は、日常の生活で体験するものとは大きな違いでしょう。
「ふだん逗子湾の浜辺から海に浮かぶヨットを見るのと、海に出てヨットから陸地を見るのとではまったく違う景色です。浜からは子どもたちの姿は近くに見えるのに、海から陸地はすごく遠く感じます。
また、海は毎日見せる顔が違います。ヨットも同じで、天気の状態と海の状態、風向きや水温でも帆走できるかどうか変わってきます。この違いを体感することは、やはり貴重な経験だと思います」と小西先生。
「現代はいろいろ難しいことがあって、あまり危ない経験はさせられないですよね。中1の感想のような『下手したら死ぬかも...』という恐怖感とか、浮遊してふわふわした感覚とか、これはなかなか経験できないことですよね」と高橋先生も言います。

逗子開成中学校_
入試委員長 小西信行先生

確かに、欧米の陸上史観と、日本などの足場が浮遊した島国の海洋史観の違いを考えると、この経験がきっと貴重なものになってくるように思えます。
「生徒は中1のヨット帆走で不安や恐怖を抱きますが、中2~中3で落ち着いてきます。そして中3で遠泳を経験するのですが、初めて海で水泳授業をしたときにレポートを書かせてみると、再び海での恐怖を綴ります。泳いでいるときに底が見えず足が底に届かないことに恐怖を感じるというのです。
そのレポートではプラス面とマイナス面の両面から海を捉える生徒が多いです。海が人にとって役立つ(プラスの)面と、自分の思うようにいかない(マイナスの)面の両面を書いています。いくらヨット帆走の経験で海に慣れたとしても、泳ぐとなると帆走とは違った観点から海を再認識してくれるようになったと思います。海を開発して人間のために役立てることと、海は人間の思惑どおりにはいかない存在であることの両面を感じてくれることが、自然に対する畏敬の念につながるでしょうし、彼らがこれからの世界のあり方を考えるうえで大切だと考えます。この意味で、ヨット帆走実習と遠泳実習を通じて、倫理的な教育の基盤となるであろうとも感じています」(小和田先生)
「本校には、かつてボートでの海の遭難と、山の遭難という二つの不幸な事故がありました。毎年1月23日には慰霊祭をして、そこでは私も校長として話をしてきたのですが、今年は開成祭で研究発表をした高2の生徒たちが『自分たちが話をさせてほしい』と言ってきました。話は稚拙だったかもしれませんが、これまで本校で体験してきたことが、そういう積極的な行動につながったのかもしれません」(高橋先生)

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「だからこそ、先ほどのOPヨット帆走や遠泳にしても、命を守るための教育には本校は非常に厳しいです。ライフジャケットの着方ひとつでも、雑だったら何度でもやり直しをさせて、きちんとしないと海には出しません。ひとつの間違いが生死を分けるかもしれない...。そういうことを繰り返し言われてきて、生徒自身も実際に海の恐怖を体験して、自ら注意して命を大切にするという意識が根付いてきたのかもしれません。
特徴的なのは本校の避難訓練です。毎年、全校生徒で(同校から約800m先にある)披露山の頂上めがけて昇るのですが、実に見事に、無駄口も叩かずに、速足や駆け足で上っていきます。面倒くさいとか、やりたくないなとか、そういう表情は見せません。やはり命を大切にする意識は、根付いてきたのではないかと思います」(小西先生)
逗子開成のそうした教育の側面に賛同して、多くの保護者がわが子を入学させたいと願うのでしょうか。
「説明会ではもちろんそうした話をしたり、遠泳やヨット帆走の映像や写真を見せています。その場面では涙ぐんでいるお母さん方も確かにいます」と小西先生。

高1の総合学習では
「交渉学」「デザインシンキング」も!

逗子開成中学校_
有志の生徒が海洋サミットで発表した「深層海流」の研究ポ
スターを紹介してくれた広報部長・社会科の片山健介先生。

中高一貫教育30年の節目に、逗子開成が進化させようとしている教育プログラムは、海洋教育だけではありません。「総合学習『人間学』」・「土曜講座」での学びをさらに広げる中心的役割をしてきた、教頭の三須浩幸先生にお話を伺いました。
「グローバル化や大学入試改革への対応など課題は多々ありますが、やはり大事なのは、コミュニケーションをする力をつけることと、働くってどういうことなのかをきちんと考えさせること。この二つを高1、高2それぞれのテーマにしていこうと考えました。高1では、『交渉学』や『デザイン思考』を取り入れた講座を総合学習のなかに取り入れました。また、高2では、『必修土曜講座』として各界で活躍された方を講師に迎え、ワークショップ型の授業を行うようにしました。特に、学年生徒全員で取り組む『交渉学』と『デザイン思考』は、生徒に良い影響を与えており、手応えを感じています。
『交渉学』は、人と交渉する力は、決して持って生まれた能力ではなく、しっかりと考え方やメソッドがあり、それは身に着けることができるものだという説明を受けるところからスタートして、90分×2週のワークショップ型で行いました。

逗子開成中学校_

面白かったのは、クラブ活動での交渉に使えるとか、文化祭の模擬店の仕入れ交渉にも使えるとか、すぐに応用してみようと考えてくれたことです。
それでコミュニケーションの仕方の第一段階を経験した生徒は、次に11月~12月に『デザイン思考』の授業に臨みました。
「何かを考え、生み出したり物を作っていくことにも方法があり、単にひらめきだけによるものではないということの説明を受けるところから授業に臨み、たとえばみんなで議論しながら良いものを作っていくことにも、やり方があるということを学びました。
そこでは『自分はアイディアを出すのは苦手だと思っていたが、センスの有無だけではなく、やり方を知っていることでアプローチできるということを知りました』と書いてくれた生徒がいました。多くの生徒は、人と話し合うなかで解決の方向性が決まってくるということも学んでくれたようです」と三須先生。
『交渉学』の授業では、「二分法の罠」などについても学び、いわゆる近江商人の「三方良し」という、日本に古くから使わる考え方にも触れて、ユニークな発想を形にしていくための疑似体験をしたと言います。
自然と社会、社会と人間とのつながりのなかで、逗子開成の生徒が海の上の実習の場面で、常に自分との交渉、自然との交渉、技術との交渉をしなければならないところにも「交渉学」が生きてくるように思えます。こうした学びの連環は、他の学校では簡単にできるものではないでしょう。

逗子開成中学校_

そうした考え方と取り組みの成果からか、生徒が東大の先生のアドバイスを受けて研究をまとめ、昨年12月の海洋サミットで発表してきた「深層海流」についての研究が評価され、今年3月に行われた海洋学会では、その発表ポスターが展示されることになったといいます。
「卒業生には海洋分野への関心を持ち続ける生徒が多いですし、保護者のなかにはJAMSTEC(海洋研究開発機構)の方がいて、土曜講座でも話をしてくれています。先には東大の先生が『深層海流』が地球を一周するのに何年かかるのかという話をしてくれたことがあり、それに食いついた子どもたちの質問にも応じてくれて、それで興味を持った生徒が、先日の海洋サミットでの発表に取り組んだというわけです」と小西先生。
やはり逗子開成で育まれる『海』への探求心は様々な方向で深まり、成果として花開いているようです。
もうひとつ、「総合学習「人間学」」には、教員全員と外部の方が講師として関わっていますが、そのなかで提示されてきたテーマの論文を、教員全員がまとめた『世界が抱える100の問題』という冊子も生徒に配布されています。
中学再開から30年の節目を迎えた逗子開成の教育は、いまあらゆる面で進化しているようです。

ビューティフルジャパン
 神奈川・セーリング篇 海の世界に惹かれて

 https://www.youtube.com/watch?v=3ICS3ZdoiIU

 綾瀬はるか meets 逗子開成中学校ヨット部 Long Ver.
 https://www.youtube.com/watch?v=DifwDuDhAbc

 
 
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