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2017/02/09

入試

2017年入試でも注目された、2/2聖学院の「思考力ものづくり入試」とは?

20170202_seigakuin_21.jpg今春2017年の首都圏中学入試の話題として、マスコミ(新聞・TVなど)各社がスポットを当てた「思考力入試」。その中学入試における思考力入試のなかでも、先進的かつユニークな形式として注目されているのが、聖学院中学校〈東京・北区。男子校〉の思考力入試です。20170202_seigakuin_41.jpg

今年は2月2日に実施された同校の思考力入試には、「思考力+計算力入試」と「思考力ものづくり入試」の2つのタイプがあります。昨年は2/2に「思考力+計算力入試」、2/3に「思考力ものづくり入試」が行われましたが、今年はその両方とも2/2に同日実施する形になりました。

聖学院中学校ではこの2月2日(木)の午前中に、「思考力+計算力入試」と「思考力ものづくり入試」に加えて、「英語選抜入試」が行われ、午後には「4科・2科選択」による「特待・アドバンスト入試」が行われました。

20170202_seigakuin_40.jpgこのうち、今回は「思考力ものづくり入試」を、特別に取材させていただくことができましたので、その様子をお伝えしていきます。

この日の午前入試の受験生集合時刻は8時15分。7時30頃から到着し始めた受験生の親子は正門を入って長い坂道と校舎に向かう階段を上って、右手の講堂に入っていきます。入り口では、係りの先生方と、きれいに飾られた生徒作品のレゴブロックや生花が受験生親子を迎えてくれます。

講堂でしばし暖を取りながら、保護者とともに試験の開始を待った受験生は、やがてそれぞれの試験教室に向かうべく案内されて、講堂のピロティ奥の階段から校舎棟の各フロアへと上っていきます。20170202_seigakuin_22.jpg

今回様子を見せていただく「思考力ものづくり入試」の試験教室は、5階のフューチャーセンターとなっています。試験開始時刻の8時30分が迫ってきたので試験教室に伺うと、すでに19名の受験生(志願者は23名)が着席し、静かに開始を待っていました。2つずつ机を横に並べた受験生の席が、教室の両脇に10列ずつ用意されて、その中央のスペースに、数多くのレゴブロックが、3つのテーブル上に用意されています。

別の会場で実施される「思考力+計算力入試」の志願者は35名。この2種類の思考力入試が、今年の聖学院では2月2日(木)同日に実施されます。

20170202_seigakuin_01.jpg数分前になると、「思考力ものづくり入試」の進行から評価・採点までを担当する先生方も揃いました。この入試の責任者の一人、内田先生から注意事項が伝えられます。「80分は長いようでも作品作りに熱中していると時間がたつのが早いですから、時間配分に気をつけてください」という意味のアドバイスも内田先生からありました。

8時30分になると、これから80分間(8:30~9:50)行われる「思考力ものづくり入試」がいよいよスタートしました。受験生は一斉に問題用紙を広げ、課題を読み始めます。

この試験開始から終了まで、教室前方と廊下側一面のホワイトボードには、残り時間が大写しでデジタル表示され、受験生がペース配分の参考にすることができるようになっています。20170202_seigakuin_03.jpg

今回の出題は当面非公表となりますが、基本的な形式や内容は、ほぼ前年と似たものになっているようです。

最初の問いは、「自分の好きなこと」をレゴの作品で表し、150字の記述で書かせるものでした。

2番目の問いは、配布された問題用紙に示された、海外の食糧問題と食糧自給率などの資料(表やグラフと文章)を見て、その解決方法をレゴの作品で作らせ、やはり150字の記述で書かせるものです。

20170202_seigakuin_04.jpg今年はレゴで作品を作る問いは2題(前年は3題)で、最後の問いは、自分自身がその解決案にどう関わっていきたいかを、やはり150字程度で記述させる問題でした。

問題用紙と向き合った受験生は、課題をざっと読み通すと、次々と試験教室の中央に用意されたレゴブロックのテーブルに向かい、自分の作品に必要と思われるブロックや人形、動物などのパーツを取りに行きます。動きが早いのは、まずは最初の問いで課された作品を作り始めるためでしょうか。20170202_seigakuin_07.jpg

レゴブロックを取って自席に戻った受験生は、めいめい黙々と作品を作り始めます。その集中力とスピードに、始めてみる筆者は感心させられるほど。そして、ある程度まで作品ができると、おもむろに解答用紙に記述を始める受験生もいれば、作品を眺めながらしばし考えている様子の受験生もいて、ペース配分はさまざまです。

20170202_seigakuin_28.jpg自分が作った作品は、2つ並べられた右側の机に置けるようになっていて、問題用紙(=上部の問題の下に広い四角の囲みがあり、この上にレゴ作品を置くよう指定されています。それでも、なかには問題に取り組んでいる最中には、記述の解答用紙の上に自分の作品を置いて眺めながら文章を書き進める受験生もいて、そのスタイルもさまざまです。

何か書いては、また作品にブロックを足したり修正したり、手を加えている受験生もいます。20170202_seigakuin_11.jpg

2番目の問いは、問題資料を読んで理解する必要がありますので、レゴ作品作りに取り掛かる前に、もう一度ゆっくり問題を読み直す姿が目立ちました。

そして、2番目の問題は、与えられた資料から状況や問題点を読み取り、その解決策をレゴで表現したうえで、150字程度で説明を書くというものです。ここでは、自由に作品を作るだけではなく、情報を読み取る力や論理的、創造的な思考力が求められます。

20170202_seigakuin_06.jpgちなみに、この80分間の試験時間を通して、この「思考力ものづくり入試」には計9名の先生が、別室の「思考力+計算力入試」には6人の先生方が担当の評価・採点官として終始立ち会っていて、聖学院の先生方が独自に作成した「ルーブリック評価」表を手元のバインダーに持ち、それぞれの受験生の取り組みの様子や過程、作品と記述解答の評価を付けていきます。20170202_seigakuin_17.jpg

そして試験終了後に、すべての先生の採点を集約したところで、再度このルーブリック評価と、必要に応じて作品、記述解答を見直しながら、採点した先生によって著しく差異があった評価については、慎重に必要な調整が行われ、最終的には、合否決定のための会議で、すべての受験生の得点、評価とともに、それらの微調整の経緯も参考にされるといいます。

やがて2番目の作品ができると、受験生は3番目の記述に取り掛かります。

20170202_seigakuin_10_2.jpgレゴ作品作りに熱中し過ぎると、つい楽しくなってしまい、記述が後回しになって時間が足りなくなるケースもあるのでしょうか。内田先生から「作品づくりに時間をかけ過ぎて、記述する時間が足りなくならないよう注意してください」という声かけもあり、終了時刻が近づいてくると、「そろそろ作品作りを終えて、記述を仕上げるようにしてください」という意味の促しもありました。20170202_seigakuin_09.jpg

20170202_seigakuin_29.jpgそして80分の試験時間が過ぎ、終了の合図で受験生の手が止まると、それまで80分間、張り詰めていた受験生の集中力がふっと緩み、教室の空気が和らいだようにも感じました。

そして、各自の机の上に置かれた問題(解答)が先生の手で集められますが、右側の机に置かれた2つのレゴ作品はそのまま机上に残されます。20名近い受験生が80分の間、真剣に作った作品が一列に並んだ様子は壮観でもあります。

これで試験は終了しましたが、その後に10分程度の「振り返り」が行われるため、まだ受験生は着席したまま、先生の指示を待ちます。20170202_seigakuin_30.jpg

その後、先生の指示により、4人(3人)ずつに分けられたグループに先生も加わり、メンバーそれぞれの作品を前に、制作者の受験生からの説明を聞き、自分が感じたこと(気づいたことや、自分の考えの修正点)を用紙に書き込むことをして、「振り返り」の時間は終了しました。20170202_seigakuin_31.jpg

そして試験はすべて終了。「これで終了です。お疲れ様でした。それでは荷物をすべて持って、机の作品を壊さないよう気をつけて廊下に出てください」という先生の注意を聞きながら、受験生はホッとした様子で退室し、保護者の待つ講堂に向かっていきます。

20170202_seigakuin_34.jpg受験生が全員退室すると、先ほど回収された問題(解答)用紙がもう一度、それぞれの受験生の席に戻され、立ち会った先生方がすべて集まり、この後の採点・評価の手順を確認したうえで、各自すべての作品を見返しながら、記述解答を読んで回り、採点をしていきます。20170202_seigakuin_32.jpg

そして採点が済んだ順に、あらかじめ用意されたノートPCの採点表に個々の評価が入力され、すべての受験生の評価の入力が済んだ後で、評価の総得点が先生方で共有され、微妙な評価(得点)の差異があった作品と解答が再度確認されます。

この評価・採点のカギになるのは、やはり聖学院の先生方が独自に作成した「ルーブリック」表です。この評価基準すべては公開されていませんが、学校説明会や、この思考力入試の体験会ともいえる「思考力セミナー」では、評価の観点のひとつである「言語表現」、「レゴ表現」、「情報の読み取り」などでどういう力が求められるかについて、保護者には概要が説明されているということです。

20170202_seigakuin_08.jpgこの「思考力ものづくり入試」の責任者である内田先生と、もう一人の児浦先生は、レゴを使ったこの思考力入試や、聖学院でのレゴを使った授業のベースとなっている「レゴⓅシリアスプレイⓅ」というメソッドの(日本国内には数少ない)ファシリテータ資格を持つ先生でもあり、今後さらに資格取得予定の先生方もいるといいます。20170202_seigakuin_36.jpg

多くのマスコミ(新聞やTVなど)が、この中学入試シーズンに一斉に注目し、連日報道された「思考力入試」と「英語入試」。「2020年大学入試改革」後の新たな大学入試のあり方にも対応でき、今後の世の中で求められる力にもつながる「思考力」を、独自の入試スタイルのなかで図ろうと導入された聖学院の思考力入試は、今年ですでに5年目を迎えました。

20170202_seigakuin_12.jpgそして、この2~3年の間に増加しつつある私立中の思考力入試のなかでも、際立ってユニークな入試形態でもある、聖学院中の「思考力(思考力ものづくり&思考力+計算力)入試」は、いま多くの教育関係者にも注目される存在となっています。昨年からは、同校のWebサイトでも、この「思考力入試ガイド」が紹介されています。20170202_seigakuin_14.jpg

この「思考力ものづくり入試」では、“第二の脳”といわれる手を動かし、レゴで作品を作ることによって、自分のイメージや考えを整理できて、それを自分の言葉で文章にすることがしやすくなるといいます。「自分も(わが子も)こんなに書けるんだ!」ということに、初めて気づき、自信を得た受験生も多いといいます。

このユニークな入試と、その前段階で体験できる同校の「思考力セミナー」によって、「こんな入試もあったのか?」とか、「こんな作品や自分(わが子)の考えを評価してもらえるのか」ということに気づき、あるいは「こういう楽しい授業がある学校ならば受験してみたい」と感じた小学生と保護者にとって、この聖学院の「思考力入試」が“希望の入試”であったことは確かでしょう。

20170202_seigakuin_27.jpg筆者自身も、事前に話には聞いて概要は理解しているつもりでしたが、あらためて実際の入試の様子を取材させていただくと、「これが新しい中学入試のスタイルか!」と、目を見張らされる思いでした。20170202_seigakuin_24.jpg

来年2018年の中学入試でも、さらに注目されることが予想される、この聖学院の「思考力ものづくり入試」と、もうひとつの「思考力+計算力入試」。関心のある小学生と保護者は、ぜひ今後の聖学院の学校説明会や、「思考力セミナー」などに足を運んでいただくことをお勧めします。

なお、下記にご紹介した、21stCEO(21世紀型教育機構)主催の「新中学入試セミナー」には、聖学院の児浦先生も登壇します。関心のある方はぜひご参加ください。

(首都圏模試センター/北 一成)

 

2月19日(日)21stCEO主催「新中学入試セミナー」が和洋九段女子中高にて開催!

20170219_21kai_01.jpg2017年の首都圏中学入試の直後、まだ熱気冷めやらぬホットな時期でもある2月19日(日)の13時から、21stCEO(21世紀型教育機構)が主催する第1回新中学入試セミナー「2018年度 様変わりする中学入試を予想する~変化する2科4科入試×思考力入試×英語入試~」が、東京・九段下の和洋九段女子中学・高等学校の講堂にて開催されます。

今春2017年の中学入試は、3年後に迫った「2020年大学入試改革」よりも早く、大きな変革の動きを見せています。「英語(選択)入試」は前年の64校から95校へ「適性検査(思考力・総合・PISA・自己アピール)型入試」は前年の86校から120校へと増加し、それらも含めて、従来型の「4科・2科」以外の入試形態で行われる(新タイプの)入試の実施校は、すでに165校に上っています。つまり首都圏の私立中の半数以上が、すでにこうした新タイプの入試を実施していることになります。

そうした急速な変化の動きは何を意味し、今後そうした新タイプ入試の内容や形態はどう変化していくのか、そしてそうした入試からつながる各私立中高一貫校の教育内容がどのように進化・深化していくのか、「21stCEO(21世紀型教育機構)」会員校である私立中高一貫校の先生方が、具体例も含めてご紹介をしてくれる、中学受験生と保護者にとっても貴重な機会です。

首都圏模試センターからも、第Ⅰ部講演の一部「②2017年入試分析と2018年の新展望」と、第Ⅱ部パネルディスカッション「未来を動かす私立中高一貫校そしてC1英語と革新的授業」に、スタッフが登壇させていただきます。【ご案内チラシのPDFはこちら→20170219_21stCEO_01.pdf

今春2017年入試の変化をしっかりと見据えて、来春2018年以降の中学入試に挑んでいくために、この場で貴重なヒントを得て、今後の受験準備にお役立ていただければと思います。

ご参加には、「21世紀型教育機構」のサイトからお申し込みが必要です。2月19日(日)、ぜひ多くの小学生保護者のご参加をお待ちしています。

 

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