海外帰国生のための基礎情報

これまでに海外在住の体験をされて、すでに帰国された、あるいは帰国されるご予定の、小学生をお持ちのご家庭に向けて、帰国後のお子さんの受験~進学先を選ぶうえで役立つ情報をお伝えするコーナーです。
「帰国子女入試」や「帰国子女受け入れ校」の情報、帰国子女入試の受験準備のための通塾や学力テスト、通信教育、説明会・相談会などのイベント情報をご紹介しています。

中学受験でも「1,600名以上」が海外帰国生(別枠)入試にチャレンジ

下のグラフは、文部科学省と外務省の調べによる、「海外で生活する子ども(小学生・中学生)の数の推移」(昭和56年~平成25年)です。
いまから約30年前の1986(昭和61)年以前は、海外で生活する日本人子弟の数は「4万人以下」でしたが、その後は少しずつ増加の傾向を辿り、最近では「6万人」を上回っています。
経済の好不況の波はあるものの、方向性としては、海外での生活を体験する子どもの数は、確実に増えているといっていいでしょう。

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この「6万人」の小学生・中学生のうち、毎年何人の子どもたちが帰国して、中学受験に挑んでいるのかを正確に掴むことは難しいのですが、たとえば今春2015年の首都圏中学入試における、前年11月~今年2月初旬までに実施された、「海外帰国生(別枠)入試」には、男女合計で3,741名が出願し、そのうち3,243名が実際に受験して、1,865名が合格を得ています。
先に「海外在住のご家庭」「帰国後のご家庭」のページでもお伝えしたように、海外帰国生の場合は、中学受験でも「(受験資格があり)受けられる学校はできるだけ多く受ける(=受験できる機会を生かす)」のが一般的ですから、この3,243名の実受験者数のなかにも重複受験生が数多くいるとは思いますが、それでもこの半数(約1,600名)以上の受験生がいると解釈してもいいのではないでしょうか。

中学入試での「海外帰国生(別枠)入試」は年々増加へ!

日本国内では、今春1~2月の大学入試シーズンの直後から「2020年大学入試改革」の話題がマスコミでも急激に注目されるようになり、日本の教育界は大きな変化の節目を迎えようとしています。
そうしたなかで「教育のグローバル化」は緊急かつ大きな課題とされていて、「使える」英語教育の重視や、世界標準ともいえる「IB(国際バカロレア)プログラム」などにも象徴される「21世紀型教育」に、ますます注目が集まっています。
現在の子どもたちが生きる、近い将来のグローバル&ボーダレスな社会では、多様なバックボーン(国家・民族・宗教など)を持つ諸外国の人々と「共生・協働・協調」していける力が求められるようになっています。そのために、高等教育(大学・大学院)だけではなく、中等教育(中学・高校)の環境にも"ダイバーシティ化(=多様化)"の必要性が重視されるようになっています。
そうした教育環境の"ダイバーシティ化(=多様化)"のために、多くの私立中高一貫校は、よりいっそう「帰国生の受け入れ」に積極的になり、「帰国生(別枠)入試」も増えてきているのが現状です。
そうした日本国内の学校環境の変化や方向性を考えると、現在海外にお住まいで、お子さんを海外各地の塾に通わせている小学生のご家庭にとって、日本の「帰国生入試」事情や、最新の情報を知っておくことは、帰国後のお子さんの学校選びのためにも大切なことといえるでしょう。
最近ますます増えている「帰国生入試」の機会を上手に生かすことで、お子さんにとってのより良い教育環境を、帰国後に選ぶことが可能になります。
そうしたより良い学校選択や受験準備ができるよう、海外で塾を経営されている先生方やスタッフの方々にも、各種の帰国生入試情報をお役立ていただけることを願っています。