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受験情報ブログ

2017年入試では120校が「適性検査型入試」を実施!

2017年入試では120校が
「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」を実施!

年が明けて、早くも1月6日、いよいよ2017年の首都圏中学入試が、茨城エリアなどから本格的にスタートします。

増加する「適性検査型入試」導入校

前回の当「受験情報ブログ」では、今春2017年の首都圏中学入試で導入される「英語(選択)入試」の実施校数をお伝えしましたが、続いて今回は、やはり今春2017年入試における私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」の実施校数をお伝えします。

首都圏の中学入試では、2014年から2016年にかけて、「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」を実施した私立中学校は、38校→53校→86校と、年々増加してきました。

出願する小学生の数も急増中!

そうした私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」に出願する小学生も、2013年から2015年にかけての3年間で「約1,000名→約2,000名→約3,000名」と増加し、続く2016年入試では「約7,000名」を超える、大幅な増加を見せました。


そして、今春2017年の首都圏中学入試で行われる私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」の実施校数を首都圏模試センターが調べたところ、2016年の86校から36校増えて、「計120校」に上ることが判明しました。入試の実施回数は「のべ187回」となります。

※なお2016年入試での「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」実施校は、2015年末の当ブログ記事でご紹介しています。

いまだ人気の高い公立中高一貫校!新設ブーム

一方、2005年から2016年にかけて、首都圏には計23校(東京11校、神奈川4校、千葉3校、埼玉2校、茨城3校)の公立中高一貫校が開校しました。そして今春2017年には神奈川に横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校の附属中学校が開校します。

これらの公立中高一貫校には、約1万8千名~約2万名の志願者が集中します。ここ数年の「公立中高一貫校新設ブーム」による志願者の激増はやや落ち着いた感がありますが、依然として各校とも高い人気であることには変わりありません。

しかし、そうした公立中高一貫校の受検生のなかでの合格者数は、これまでの23校を合計しても、わずか2千930名。1万4千名以上が不合格になるという厳しい現実も一方には存在します。

そうした公立中高一貫校の志望者(受検生)にとっての「適性検査対策」や「力試し」になるのと同時に、この機会に私立の中高一貫校の魅力を伝え、私学からも受け入れの門戸を開くために導入されてきたのが、この数年で増加している私立中学校の「適性検査型入試」だったのです。

新たな試験形態を導入する私立中高一貫校

そのなかには「適性検査型入試」という表現を使わずに、「思考力入試」「PISA型入試」「総合型入試」「自己アピール(プレゼンテーション)型入試」「基礎学力型入試」など、各私学の入試コンセプトに合った名称の新たな入試を実施し、公立中高一貫校の志望者や、受験準備を始めた時期が遅かった(進学塾に通うよりも習い事などに打ち込んできた)小学生を迎え入れようとする私立中高一貫校も増えてきました。

こうした私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」で求められる力は、公立中高一貫校の「適性検査」と同様に、「(与えられた)知識を柔軟に使い、その場で考え、自分の言葉で表現する力」です。そこでは「覚えた知識を正確にアウトプットする力」だけではなく、「知識の運用力」と「思考力・応用力・表現力」が求められるということです。

この出題コンセプト(=アドミッション・ポリシー)は、最近の教育をめぐる話題の焦点となっている「2020年大学入試改革」の方向性として文部科学省から示されている「思考力・判断力・表現力」ともほぼ一致します。つまり「2020年大学入試改革(=日本の教育改革)で求められている学力観と、中学受験における公立中高一貫校の「適性検査」で求められる力、私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」で求められる力(=出題のコンセプト)には相通じるものがあると考えてよいでしょう。

将来の大学入試や社会で求められる力を育てたい!

それならば、「わが子が将来の大学入試や社会で求められる力」を育てるための契機として、こうした私立中の「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」を受けてみることは、すべての小学生と保護者にとって大いに意味のあることです。

とくに公立中高一貫校を第一志望にしてきた小学生と保護者にとっては、「適性検査対策」や「力試し」という意味に加えて、もし志望する公立中高一貫校の合格が得られなかったときに、わが子の進路をもう一度真剣に考え「もうひとつの進路」として私立中高一貫校を検討するための良いきっかけになることと思います。

大学入試と日本の教育が変わろうとする大きな節目に、多様な受験準備や小学校生活のスタイル(個別指導・英才教育・習い事・英会話・スポーツ・音楽・芸術など、それぞれの家庭の価値観にあった学習と活動に打ち込んできた)を経てきた小学生が受験していけるような、「多様な入試形態」が生まれてきてきたのが、昨春2016から今春2017年入試にかけての最も大きな変化でもあります。

小学生のご家庭では、中学受験シーズン本番を目前に控えたいまだからこそ、あらためて親子でこうした「新たな受験機会」にも目を向けて、わが子の進路と受験(併願)する学校をもう一度考えてみていただいてはいかがでしょうか。

最後にご参考までに、今春2017年入試から「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」を新設する私立中学校を下記にご紹介しておきます。

2017年中学入試での「適性検査型入試」新設校〈首都圏〉

2017年中学入試での「適性検査(思考力・総合・自己アピール・PISA)型入試」新設校〈首都圏〉は上記の『資料はこちら』よりPDFファイルをご参照ください。