受験情報ブログ

2/1、相模女子大中の新設「プログラミング入試」をレポート

今春から2月1日に新設された相模女子大学中学部「プログラミング入試」の様子をお伝えします

2019年2月1日(金)午前。神奈川県北部にある相模女子大学中学部では、東京・神奈川の私立中学校では初めての「プログラミング入試」が実施されました。募集人員は、この日の2科目受験生と合わせて40名です。

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9時25分、いよいよプログラミング入試がスタート!

8時30分集合・点呼の後、場所を多目的教室に移して9時、いよいよ入試の開始です。

事前の「プログラミング入試」体験会には延べ90名ほどの参加がありましたが、今日の試験にはその参加者も含めて11名が受験します。

入試会場では2名一組ずつに分かれ、9時から20分ほどかけて、試験官から試験内容及びタブレット等の操作(プログラミングの仕方等)についての丁寧な説明を受けました。

「不明な点等はないですか?」の声の後、9時25分、いよいよ本番の開始です。

本日のミッションは、モーターカーを使って「荷物(レゴブロック)を、障害物(壁)を迂回しながらゴールまで運ぶ」です。

“モーターカーを使って……”とは、モーターカーに動作の指示を与え、荷物を出来るだけ早く確実にゴールまで運ぶこと、に他なりません。

そのためには、モーターカーの動作の特性(例えば、モーターカーは直進力に優れるが、カーブさせることも可能なのでは、等)を理解し、タブレットを用いて走破プログラムを作成しなければなりません。

初めてのプログラミング入試、その採点基準は?

ロボット競技の世界大会で審判員を務める先生を含め5人の試験官は、共通のルーブリックに従って、受験生個々に採点を進めていきます。

採点基準は、成功不成功にあるのではなく、

・モーターカーの動作への基本的理解度
・モーターカーを用いて、荷物(レゴブロック)を運びながら、障害物(壁)を避けながらゴールインさせるためのプログラミング力。
・プログラミングを完成させる努力及びその持続力
・完成したプログラミングの補正及び再構築、そしてミッション成功までのありよう、

など多岐にわたります。

「大人20名で同内容の実験をした時には、完成したのはわずかに3名だった」とのことで、その理由は、「面倒・飽きる・これが何?との先入観」等だとか。

……、自問自答してしまいました。

9時55分、走破成功の受験生が!

プログラミング開始30分で、ついに走破成功の受験生が現れました。意外だったのは、“喜び爆発”か、と思っていたのに淡々としていること。
他の受験生への配慮だったのでしょうか、素晴らしい気配りです。

試験官によると、このミッションでは、タブレットからモーターカーへの指示=コマンドは14個が平均だったそうですが、8個で走破成功者もいるとのこと。

そして、走破成功の受験生には、さらに次のミッションが与えられます。

それは、「モーターカーを、直進(直進・後退・方向転換等)のみではなく、曲進(障害物を迂回するために曲がる回数を、可能な限り減らす)も用いてゴールまで走破させる方法を考える」こと。

そして気が付くと、時間の経過とともに、あちらこちらで2人一組のペア(受験生同士=ライバル)が、相談し合っている……。誰の指示でもないのに……、いつの間にか自然な形で、協働作業者に変化していたのです。

協働作業者=課題を共有し、思考し、それを伝え合い、新しい世界へ進む。
与えられた条件下、既習の知識・経験等を用いてミッションを完遂し、完遂するためのさらにより良い方法を考えて行く。それも、自分だけではなく、協働して……。

きっと、“協働していくことで、早く目的が達成される”ことを、受験生は自身で自然な形で、自身の身体で感じたのでしょう。

今日の試験を見学させて頂いた中での、素晴らしい発見の一つであり、そして、“真の頭の良さ”とは何か、と考えてしまいました。

プログラミングの発表とディスカッション

いよいよ試験も大詰め、11時からは、受験生が3~4人ずつ一組に分かれ、各自のプログラミングについて発表~ディスカッションする場が用意されました。

各自の発表に対し、他の受験生からの質問があり、さらに試験官からの質問も出ました。質問に対して答える受験生から、

・「なぜ、そうなるか」、課題を発見する力や考える力
・発想力及び逆転の発想力
・工夫してみようとする力

等を、試験官は見つけ出していきます。

最後に、試験官から、「体験会」・「プログラミング入試」での体験から自分の力になったこと、「この体験が、これからの各受験生の人生に、どんな点が活かせると考えられるか」との質問がなされました。

受験生の答えの一部です。

・困難に出会った時、「チャレンジ」してみよう
・失敗を成功に変えるためにはどうしようか考える
・成功にたどり着く達成感が楽しみになった
・失敗にもめげず、取り組むことの大切さを学んだ
・協働することのメリットを学んだ
・先ずはスキルをしっかりと身に付けたい

今日の試験の受験生の過半数は、バスケット・バレー・体操等を学校の内外で続けています。いわゆる「受験勉強」一本槍でここまでたどり着いた訳ではありません。

しかし、今日の入試で与えられたミッションへの受験生個々の対応・思考・試行等のありようと、協働することの自然さに、人間の持つ才能の多様性、差異性、何よりも「学び」とは単に「学習すること」のみで培われるものではないのでは……、との思いを強くしました。
同時に、人が人を判断することの難しさも。

「プログラミング入試」を始めとする多彩な中学入試の形態は、これからますます多様化していきそうな予感がした、今日の見学でした。

2/11(月・祝)に「プログラミング特別入試」実施決定

取材に訪れたこの2月1日(金)夜に、この相模女子大学中学部のプログラミング入試に関心はあったけれども、この日は他の入試を受験していた小学生にとっての朗報が伝えられました。

相模女子大学中学部では、多くの小学生と保護者、塾や教育関係者の要望を受けて、私立中・国立大学附属中、そして公立中高一貫校の入試(公立一貫校の適性検査)が一段落した後の2月11日(月・祝)に、「プログラミング特別入試」の追加実施を決定したということです。

そして、この「プログラミング特別入試」を受けてみたいと考える小学生のために、事前に2月9日(土)に「プログラミング入試直前体験会」を開催することも同校は公表しました(ご参加には同校Webサイトからの予約が必要です)。

この2月11日(月・祝)「プログラミング特別入試」の追加開催は、2月1日(金)~翌2日にかけて、進学塾や受験・教育関係各社に向けて連絡(ニュースリリース)がありましたが、その概要を首都圏模試センターのWeb「受験情報ブログ」の記事〈2/3付け)でもご紹介しています。

関心のある小学生(女子受験生)は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?