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2月1日PM、聖学院中学校のものづくり思考力入試にお邪魔しました。

思考する、表現する、発表する。あらゆる能力を総合的に求められる入試

2月1日午後、聖学院中学校ではものづくり思考力入試が行われました。(取材・撮影/北岡優希)

広い空間で温度調整換気対策もバッチリ

山手線駒込駅から徒歩5分、聖学院中学校の「ものづくり思考力入試」を見学させていただきました。

会場は体育館で1人1人の距離を十分に取った状態で行われていました。広い空間ですが寒いと思うことは全くなく、しかも巨大な換気扇を2つの入り口に設置することで、安心安全な環境で集中して臨める状態になっていました。

「食べ物」をテーマに各自がレゴブロックで表現

会場には30数名の受験生と、それを囲むようにたくさんの先生方が監督としていらっしゃいました。受験生が何かを落としてしまったり、質問があって手を上げていたりするときなど、すぐに誰かが気づいて対応されており、こういったところでも受験生を本気で迎えているといったことが見て取れました。

15時より、80分の長丁場の試験が始まります。受験生には問題用紙と資料、そしてレゴブロックが与えられ、全5問の問題を解いていきます。

今年のテーマは「食べ物」。問題のうちの1つは、

“「食事に欠かせないもの」が30年後手に入らなくなる可能性がある。その問題を解決するアイデアをLEGOブロックで表現してください。また、その解決アイデアを150字程度で説明してください。”

とのこと。創造力の乏しい筆者には一体どうやってブロックで表現したらいいのか皆目見当もつきません。

問題用紙と別に配られた資料には、世界の人口増加によるフードロスの問題や、昆虫食や培養肉など、つい最近話題になったような最新のデータが載っていました。受験生は培養肉を量産する仕組みをレゴで表現したり、AIを利用した未来のスーパー農家を表現したりしていました。

課題発見能力と問題解決能力を問う

さらに最後の問題では、

“その解決アイデアを実行したところ30年後にはうまくいきましたが、さらに10年後、このアイデアが原因で新しい問題が発生しました。どんな問題が起こると思いますか?また、その問題を解決するために、どんなことをしますか?”

今後の社会において、「生きる力」として大切なのは知識だけでなく、「課題発見能力」と「問題解決能力」だと筆者は思っています。この入試はまさにそれを問うものなのだと思いました。

中学受験において、試験時間80分というのは相当長い部類に入ります。しかしほとんどの受験生たちは、時間ぎりぎりまで手を動かしており、かなりの集中力を見せていたことに驚きました。

「協働振り返り」の時間

「思考力」の時間が終わり、10分間の休憩後は30分間の「協働振り返り」の時間になります。フェイスシールドを与えられ、4-5人で1つのグループになり1人ずつ発表・質疑応答をしていきます。前半15分でそれが終わると後半15分は振り返りを行います。

「他の人の発表を聞いて印象に残ったことと、自分のアイデアを改善するとしたら、どう改善するか?」

という点をワークシートへ記入します。思考力入試で最も大切にしているところです。

作品採点の緊迫感

受験生が帰った後、先生方はその場に残りすぐにそれぞれの受験生の作品の採点を始めました。また、ある程度採点した後に採点者同士でチームを組んで議論しながら採点基準を調整していました。

入試の時と変わらない緊張感がその場にはあり、この入試に対する聖学院の本気度がひしひしと感じられ、筆者はそっと会場を後にしました。