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聖パウロ学園高等学校2022 少人数×対話による思考型教育

東京都八王子市、山林に囲まれた道を上っていくとまるでリゾート地を思わせるようなゲートが現れます。そこをくぐると、厚い鉄の屋根に「St. PAUL HIGH SCHOOL」の文字が出迎えます。

東京都八王子市、山林に囲まれた道を上っていくとまるでリゾート地を思わせるようなゲートが現れます。そこをくぐると、厚い鉄の屋根に「St. PAUL HIGH SCHOOL」の文字が出迎えます。その鉄の屋根は道を挟んで左右に位置する本校舎と聖堂を繋いでおり、素朴で自然とマッチした非常に存在感のあるものになっています。本校舎と聖堂もただの直方体ではなく、おそらくカーテンをあまり使わずともいいように軒や庇がついているのですが、それが機能性とデザインをうまく両立させており、目立たぬこだわりを感じさせます。

その奥には、体育館、問題なく野球の試合ができる広さのグラウンド、テニスコート、厩舎と馬場、そして「パウロの森」が鎮座しています。東京ドーム5個分の広さをもつこの学校林は授業の一環として使用したり、地域の住民にも広く活動の場を提供している、聖パウロ学園の代名詞といっても良いものです。

聖パウロ学園高等学校は、全国でも珍しい高校のみの私立学校。施設もさることながら、ここではあらゆるものが「オンリーワン」となっています。今回はその中から「探究教育」と「数学」にスポットを当ててみました。

写真:パウロネイチャープログラムのプログラム例)杉の間伐

パウロの探究ゼミ

聖パウロ学園の探究授業の中心人物、教頭の小島綾子先生に話を伺いました。

総合学習という形で、探究に近い授業はずっとやってきました。初めはテーマをこちらで決めてそれについてみんなで考えたり話し合ったりしていたのですが、生徒たちが「自分でやりたい」って思えたものが継続できていろいろな意味で力になっていくのではないかと思うようになり、それから「探究ゼミ」が始まりました。

探究ゼミ

15あるゼミの中から、1・2年生がそれぞれ興味のあるゼミに所属して、1つのテーマを一年間かけて追究します。麻布大学をはじめとする大学、地方自治体などさまざまな機関と連携し、どのように現状を改善していけばよいのかを考えます。例えば、麻布大学・東葛食品株式会社と連携し、大豆ミートを使ったオリジナル中華まんを開発したり、麻布大学・地元農家と連携し、恩方産の梅で梅干しを作って販売したりなど、実体験を通して考えを深めていきます。

写真:オリジナル中華まん開発の様子

数学の指導の工夫

教務部長・数学科主任の松本秀眞先生からは数学の取り組みについてお話を伺いました。

問題を解いていく中で、どのように思考回路を繋げているのかをアルゴリズムとして可視化しています。数学の得意な人が感覚的に解いている部分、数学的センスといったようなものを言語化することができれば、数学の苦手な生徒たちの指導にも参考になるのではないか、といったところから始めました。

例えば空間ベクトルの問題があった場合、解法に至るまでのプロセスを数学科で話し合います。そしてそれを可視化すれば、私たちも順序だてて指導することができますし、生徒が今どの段階まで到達しているかがわかればそれに応じたアドバイスもできます。

写真:ポストイットを使った数学の思考型授業

少人数×対話

聖パウロ学園高等学校は、1学年3クラス80名定員としています。この少人数教育を最大限に活かし、思考型教育を展開しています。上記のアルゴリズムを元とした指導も、少人数だからこそできる個別最適化の教育です。聖パウロ学園の先生たちは、完璧な解説をして「ついてこい」といったタイプではなく、生徒目線で考え、対話し、寄り添っていくタイプの先生方が多いのだと感じました。

またこういった取り組みは、先生たちが「自分でやりたい」と思って始めたことで、これもまさに「探究」と言えます。先生自身が探究している姿を見れば、それが生徒たちにも自然に伝わります。探究することそれ自体も、教えなくてもできる環境が整っているのです。

カトリック学校である聖パウロ学園のスクールモットーは、「人にしてもらいたいと思うことは何でも、人にしなさい」という、他人への思いやりに満ちた人間形成を基盤としています。その目標のもと、探究し成長し続ける先生がいて、さらに豊かな自然環境。これらが揃っている学校は他にはないので、ここでしか得られない教育が聖パウロ学園にはあると思いました。

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