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受験情報ブログ

1月10日 栄東中学校 A日程入試レポート

見れば見るほど細部に心遣いを感じられる 生徒・保護者ファーストの入試

1月10日午前、栄東中学校ではA日程入試が行われました。(取材・撮影/北岡優希)


JR宇都宮線東大宮駅から徒歩10分、埼玉県の栄東中学校は首都圏で最も早く中学入試が始まる学校の1つです。

事実上この日から中学受験が始まるといっても過言ではないので、非常に多くの受験生が集まります。栄東中学校A日程入試は3会場に分散させて行うのですが、合計で5000人を超える受験者数、この栄東中学校会場では約2800人が集まるとのことです。

来て「いただいている」受験生・保護者に、何が大切かを考えた

2年前にコロナ禍に入った時には、どのように対策すべきか話し合いを何度も重ねたそうです。今では当たり前となっているサーモカメラですが、同校は非常に早く導入しました。毎年の予算が決まっている学校運営において、このような高額な出費を急遽決めることは難しいはずですが、受験にきて「いただいている」受験生・保護者に「安全・安心」を感じてもらうために導入を決めたとのことです。

また、保護者控室が密になるのを避けるために、校庭を駐車場として開放しました。400台まで入れるので、保護者の方々は車の中で待つこともできます。

集合時刻は9時ですが、7時30分の時点ですでに到着している受験生もいました。学校によっては開門時間が決まっており、それまでは中に入らせないところもあるのですが、栄東中学校は寒い中待たせるわけにはいかないと、早くから建物内に待機場所を設けております。

できなくなったことは別のおもてなしに 校長先生の熱い思い

体育館を保護者控室として使うことができます。大変広い空間ですが、中は十分に温かく、リラックスして待つことができます。これまでは田中淳子校長先生が自ら保護者1人1人に温かい飲み物と軽食を渡していたのですが、それもできなくなったので、代わりにその分受験生に何かしてあげようということから、2年前から文房具や消毒セットを渡すことになったそうです。今年は定規を渡していました。

試験慣れのためとしての受験校 しかしそれは本当にもったいない

通常、受験番号ごとに教室が分けられ、受験生は自分の教室を探して入っていくのですが、それだと入口に溜まってしまったり、どこに行けばいいかわからず混乱する可能性があります。しかし同校では、「来た順に」空いている教室に受験生をどんどん入れていきます。つまり各教室にいる受験生は、全員受験番号がバラバラになっているのです。生徒を待たせることなく進められるようにとのことです。

この日5000人を超える受験生が集まりましたが、この中には「試験慣れ」のために受けるという人もいます。実際に私もかつて都内で塾講師として指導していた時は、埼玉入試は「慣れ」のために受けさせるよう伝えてしまっていました。すると、学校説明会も出ずにこの日に初めてここに来るという場合もあります。

しかし今回取材させていただきお話を伺って、それが誤りであったと思い知りました。このように受験生・保護者のことを第一に考えているならば、それはもちろん入学してからも1人1人を大切にしてくれる学校だとも言えます。合格実績をあげていることから、先生方の指導力も申し分ないものと思われます。

「学校のことを好きになってもらうよう我々一丸となってお迎えしています」と担当の先生は言われていましたが、受ける側の認識も変わる必要があると思いました。実際に、この日に初めて来たけれども先生の対応が良くて入学を決めたという受験生も少なくないようです。

「慣れ」のためだけに受験するのは本当にもったいない、深く知るべき学校です。