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受験情報ブログ

2月1日(木)AM 6年目となる相模女子大学中学部の『第1回プログラミング入試』

非認知能力と思考力・理解力・表現力が問われる相模女子大学中学部の『プログラミング入試』

2024年2月1日(木)、神奈川県内の中学入試が始まりました。相模女子大学中学部も午前から中学入試がスタートしました。この日、午前中に実施される同校の中学入試は、『第1回教科型入試(国語・算数)』・『適性検査型入試』・『第1回プログラミング入試』になります。今回は、同校の『第1回プログラミング入試』を取材させていただきました。

7時30分~開場

同校は、小田急相模大野駅北口から徒歩で約10分の場所にあります。
この日、校舎内に入れることができる開場時間は、集合時間の1時間前となる午前7時30分。朝から晴れわたり、この時期としては暖かさを感じる中、7時30分すぎに受験生と保護者の姿が見え始めました。校舎前では、学校長の武石輝久先生が受験生と保護者を出迎えていました。

受験生と保護者は校舎に入ると、受験生は各入試の教室、保護者は控え室へ向かいます。受験生は教室に入ると、待機していた先生から自分の受験番号の紙が置かれている席へ案内されます。

8時30分~集合

プログラミング入試の試験会場は「多目的教室」になります。机の上には、組立済の車型ロボット、車型ロボットを操作するためのiPadなど、試験で使用することになる道具がすでに準備されています。集合時間の8時30分まで、在校生から受験生へのメッセージ動画やBGMが流れていて、受験生がリラックスしやすいように配慮されていました。今年の『第1回プログラミング入試』は、昨年と同数の受験生13名でした。

8時30分、中間義之副校長先生から当日の流れや持ち物などが受験生に伝えられました。受験生たちは試験時間まで筆記用具を出したり、トイレに行ったりして準備を始めました。
プログラミング入試の試験開始は8時45分です。試験当日の流れは次のようになります。
① 導入授業(約30分)
② プログラミング実習(70分)
③ プレゼンテーション(1名:約5分)
④ 基礎計算力テスト(20分)

8時45分~導入授業が始まる(約30分)

中間副校長先生から、導入授業に使用されるプリントが受験生に配布され、午前8時45分予定通り導入授業が始まりました。
導入授業の担当の田島先生から、車型ロボットの動かし方を説明されます。前後左右の進め方やアームの動かし方、どのあたりまで動かすのかなどを設定する距離センサー、色別するセンサーなど、受験生たちは田島先生の説明どおり、自分でiPadを操作して車型ロボットを実際に動かしてみます。
受験生の設定がうまくいかなくて困っていたり、車型ロボットが反応が悪い場合は、周りにいる試験監督の先生方が対応されていました。

9時15分~プログラミング(70分)

導入授業が終わると、課題が書かれたプリントが受験生に配布されました。受験生に与えられた課題は以下の3つになります。

・車型ロボットを机の右上のスタート地点から、机に貼られている黒色のテープからはみ出さないように左下のゴール地点まで移動させる。ただし、障害物として用意された3枚の板のうち1枚以上使うこと。
・用意されたピンポン玉を車型ロボットのアームを使って机から落とす。
・上記2つの課題をあわせて、障害物をよけたりピンポン玉を落として、スタート地点からゴール地点まで車型ロボットを移動させる。

受験生は課題が1つできたら、手を挙げて先生を呼び、車型ロボットの動きを披露します。先生のOKが出たら、次の課題にチャレンジしていきます。受験生たちは車型ロボットを曲げて進ませたり、止めたりする操作をiPadに入力していきますが、なかなか思ったように動いてくれないので、試行錯誤を繰り返します。また車型ロボットを止める方法は、色別センサーや距離センサーを使えますが、どの位置でどのセンサーを使うのか受験生の工夫が必要です。

開始する前に、中間副校長先生から「課題をいくつクリアしたかは合否には関係ありません」と受験生に伝えられていました。大事なことは、あきらめずに最後まで課題に向き合えるかどうかです。受験生たちは、終了時間まで一生懸命に課題に向き合っていました。

10時35分~プレゼンテーション・基礎計算力テスト

プログラミング終了後、1グループ4〜5名の3グループに分けて、プレゼンテーション(20分程度)と基礎計算力テスト(20分)を順番に行います。プレゼンテーションするグループはそのまま教室に残り、それ以外のグループは基礎計算力テストを行う別の教室に移動します。

プレゼンテーションは、1人ずつ自分がプログラムした内容を車型ロボットを手で動かしながら発表します。発表が終わると、田島先生や試験監督から質問され、課題を達成するために「どのような意図でプログラムを作成したか」「工夫したところ」「難しかったところ」、「自分のプログラムの自己採点」などを返答していました。受験生は、論理的にわかりやすく説明できるかどうかが問われます。受験生たちは、iPadをモニターにつなぎ、自分で組んだプログラムが映ったモニターの画面を見ながら、自分の言葉で説明していました。受験生たちは今回の課題で、車型ロボットを曲げる角度の微調整が一番難しかったようで、どこかを調整すると、違う箇所でおかしくなってしまうという内容が多く聞かれました。そこで自分がどんな調整をしたのか、どんなところ工夫したのかということを一生懸命に説明していました。

基礎計算力テストは、小学校の算数で学習する計算問題が出題されますので、正確性が求められるテストになっています。

合格発表~2/1(木)午後14時

最後に、受験生に合格について案内されているプリントが配布されて終了です。合格発表は、当日の14時になります。試験終了後すぐに、先生方は採点作業を行います。約3時間という長い入試になりますが、受験生たちは元気よく挨拶をして会場を後にしていきました。

同校の『プログラミング入試』の評価基準は、相模女子大学中学部が求める生徒像(アドミッションポリシー)を落とし込んだルーブリックに基づいて評価されます。ルーブリック評価は、偏差値などの相対的な評価ではなく、到達度を測る絶対的評価になります。『プログラミング入試』では、理解力・課題解決力・思考力・表現力などを評価しているそうです。入学後も「非認知能力」に焦点をあてて、生徒一人一人が自分で課題解決できる力を養成するプログラミングの授業があります。非認知能力は自己肯定感を高めることが必要です。何でもよいので、これは自信があるということを見つけて欲しいと思います。近年の中学入試は、『プログラミング入試』や『自己アピール型入試』など国語・算数・理科・社会という科目以外で受験ができる新タイプ入試を実施する私立中学校が増えています。プログラミングに自信がある受験生であれば、同校のプログラミング入試をご受験することをお薦めいたします。

『第2回プログラミング入試』は、2月14日(水)になります。