【十文字高等学校】多様な価値観を受け入れる環境で、興味が広がり自分らしさが花開く
生きがいを持ち社会の役に立つ女性「たちてかひある人」を育てる十文字高等学校(東京・豊島区/女子校)。特徴的な取り組みをご紹介いたします。
Find!MY高校(2025年度高校受験情報誌)

首都圏模試センターが発行する『Find!MY高校』のコンセプトは、キミの“スペシャル”になる学校がきっと見つかる、じっくり知る、じっくり選べる高校受験情報誌です。高校受験において、受験する学校を割り振られてしまう現在の進路指導(入試システム)のもとでは、自分にとってベストの選択肢を探しにくい状況が生まれているのが現状です。先進的でユニークな“ 希望の私立高等学校 ”の存在を、本誌では多くの高校受験生と保護者にお伝えしたいと思います。今回の記事についても、この情報誌と連携しております。ぜひ、ご期待ください。
主体性を磨き、社会で活躍できる人材を育てる十文字高等学校

建学の精神に基づき「自立した、社会で活躍できる女性」の育成を目指す十文字高等学校。そのために「自ら考え、判断し、行動する力」を育むことを大切にしています。柔軟性と主体性を兼ね備えた人材を育てるため、勉強や学校行事、クラブ活動などあらゆる場面で生徒の意欲を引き出す教育を重視しており、多くの生徒が積極的に参加しています。
また、国内外10校の大学との連携や、グローバル環境・地域社会との多彩なつながりを通じて、生徒の視野を広げ、さまざまな興味や関心を醸成する取り組みにも注力。「十人十色」の個性を尊重する教育を通じて、一人ひとりが自分の未来を自ら切り拓く力を身につけています。その結果、多様な進路を選ぶ生徒が多いのも、十文字高等学校の大きな特徴です。
多様な選択科目で視野を広げる「リベラルアーツコース」

幅広い知識に触れ、創造力を高めることを目的に、選択科目だけでなく希望制のプログラムも多数用意されています。さまざまな知見を学び、将来の可能性を広げたい人におすすめのコースです。
<特徴的な学び>
・社会問題スタディーツアー:SDGsに取り組む都内の企業から1社選択し、実際の活動を見学します。2024年度は「伝統産業について知り、考えるツアー」や「社会全体でがんに向き合うツアー」などを実施。グループで活動を振り返り、自分たちにできることを探究します。
・グローバル交流プログラム:日本に留学している大学生・院生と英語で探究活動を行います。2024年度はチュニジアやパキスタンなどの学生と意見交換を行い、社会が抱える問題について理解を深め、価値観を広げました。
より高い専門性と総合力を高める「特選(人文・理数)コース」

より高い夢に向かって挑戦するために、1年次から文理を選択し、専門性の高い授業を受けられるコースです。学びを積み上げ、難関私立大や国公立大の一般選抜で勝負できる力を身につけます。
<特徴的な学び>
・学問探究・マイテーマ探究:高校1年生は学びたい学問を深める探究、2年生は各自テーマを設定し深めるマイテーマ探究に挑戦します。身近な問題を「自分ごと」として捉え、解決策を考えることで、新しい一方を踏み出す主体性や行動力、他者と協働しながら価値を創造する力が身につきます。
・博物館・研究所見学:直近の2年間では、JAXA筑波宇宙センター、国立科学博物館、東洋文庫ミュージアムなどを訪問。授業で得た知識・技能を活用し、実践する場を体感することで、大学進学のその先を見据えた内発的動機付けを高めます。
能動的な学びを深める「自己発信コース」

能動的な学びを深め、発信力を鍛えることを目標に、週4時間の探究活動や英語での発信機会が設けられています。自分の意見を持ち、社会をよりよく変えていきたい人におすすめのコースです。
<特徴的な学び>
・マイプロジェクト探究:本コースの核となる活動であり、自身の疑問や興味から生まれた問い(テーマ)を育て、問題解決を目指すプロジェクトに落とし込みます。日常生活に基づく実践的な研究を行う生徒が多いことも特徴です。
・地域創生探究(豊島区活性化プロジェクト):巣鴨駅前商店街と協働した地域創生プロジェクトを実施。商店街で働く人々の想いをヒアリングし、課題をリサーチしたうえで、ビジョンを達成するためのビジネスアイデアを生み出します。
自分の“色”を存分に発揮する「主体性」を磨く教育

十文字高等学校では「十人十色」の個性を大切にし、あらゆる活動で自分から考え挑戦する姿勢を育んでいます。例えば、体育祭や文化祭などの学校行事は、生徒が主体となって企画・運営を行い、実行委員だけでなく全校生徒が協力して盛り上げます。また、身近な学校生活をよりよくするための活動にも積極的で、生徒心得(校則)の見直しなどにも関わります。制服にスラックスを導入したのも、生徒会が中心となった生徒発信の取り組みでした。
さらに、生徒全員が、年間行事予定が入った「タスクノート」を持ち、自分の予定や課題の期限を書き加えることで、計画的に行動する力が磨かれます。学習面でも主体性を重視し、長期休業中には大学や企業と連携して多彩な教養講座を開講。自分の興味・関心のある分野を広げやすくなっています。
「主体性」を大切にする校風が、自信を育てる原動力に
ある生徒は、「主体性を大切にする方針があるからこそ、自信を持って行動でき、後悔しない選択ができるようになった」と話しています。入学時は消極的だった生徒も、周りの環境や仲間に刺激を受けて、次第に主体的に動けるようになることが同校の特徴です。
このような成果は、生徒一人ひとりの個性を尊重する風土が根付いているからこそ実現できるものだといえるでしょう。各先生も、生徒の意見を否定することなく、別の角度からの提案をしながら個々の意見を潰さないようなサポートをしています。学校が特定の「色」を押し付けるのではなく、生徒が自分自身の色を見つけることを支える教育が、十文字高等学校ならではの魅力です。
多様な夢をかなえるための進路指導

十文字高等学校では、「主体的な学習者」を育てることを目標に、挑戦する姿勢を養いながら視野を広げる「進路探究」を進路指導の柱としています。答えのない問いに取り組む探究活動を通して、自分にできることや足りない視点に気づき、「こんなふうに社会で役立ちたい」というイメージを深めていきます。地域や企業との連携も、その一環として取り組んでいます。もちろん受験指導も行いますが、それはあくまで手段の一つとして位置づけているそうです。
医療・看護の道を志す生徒も多く在籍

主体的な進路探究がベースにあるからこそ、一人ひとりの個性に応じた多様な進路が実現されていることも同校の特徴です。2024年度には10名の生徒が海外の大学へ合格し、理工系進学者は3割を超え、医療・看護分野へ進む生徒も30名にのぼりました。特に医療系進学者が毎年多いのは、建学の精神である「世の中にたちてかひある人」に基づき、「人のために役立ちたい」という思いを持つ生徒が多いためだと考えられています。
未来を見据えた進路支援で、多様な夢を後押し
高校から同校に入学したある卒業生は、高校受験時に進学先に迷ったものの、医療系の選択肢が豊富な十文字を選びました。医学部に現役合格するクラスメイトと切磋琢磨しながら励まし合い、高校在学中には自ら留学先を探して米オックスフォード大学へ留学。自分の進路を見つけて薬学部に進学しました。将来は世界で薬学を学び、英語力やコミュニケーション力を活かして提案できる薬剤師になることを目指しています。
十文字高等学校は、単なる受験指導にとどまらず、その先の未来を見据えた進路選択を支える環境を整えています。生徒一人ひとりの可能性を信じ、後押しする学校だからこそ、十人十色の夢や目標が実現されているのでしょう。
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