都道府県別 高校入試のポイント
「自分で決める」高校受験情報誌 Find!MY高校2025 より
入試のスケジュールを知ろう
入試は、行きたい学校に受かれば終了となりますが、公立が第一志望の場合は、スケジュールをよく考えなければなりません。例えば、東京都立の一般入試と神奈川県の公立は、私立学校の合否発表前に公立学校に出願となりますが、千葉県と埼玉県では、私立学校の合否結果がわかってから(入試日程が遅い学校は除く)公立学校へ出願することができるなど、自治体によってスケジュールの立て方は変わってきます。ただし公立高校は、これまで基本的に1校しか受験できませんでしたが、2校受験できるようにするというニュースもあり、それによっては受験計画も変わってきますので、情報は絶えずチェックしながら受験スケジュールを計画しましょう。
公立高校の特別選抜・推薦入試
特別選抜は、工業高校や美術科などの専門学科、および一部の総合学科を対象に、学力検査に加えて実技検査や面接などを行なって、学力だけでなく受験生の個性や特定の能力・適性も評価する選抜方式です。推薦入試は、中学校長の推薦に基づき、内申点、面接、小論文、面接、課外活動などの総合的な評価で選抜が行われる入試制度です。どちらも一般選抜よりも早期に実施されることが多く、多くの地域で1~2月頃に行われています。
私立高校の推薦入試は単願と併願の2種類
私立高校の推薦入試の単願は、合格したら必ず入学することを条件とした入試です。その代わり併願に比べて合格基準が低めに設定されているのが特徴です。高校側が設定した成績基準をクリアしていれば出願を認められます。入学の意図が明確なので、不合格者は単願の場合ほとんど出ません。ただし倍率が高い有名難関校は不合格者が多く出る場合があります。一方の併願は、その学校以外にほかの学校の受験もできる入試形態です。併願も、成績基準をクリアしていることが条件となり、入試相談や個別相談をしたうえで出願が認められます。公立を第一志望とする人が「すべり止め」として私立を受ける際に利用するケースがほとんどです。
東京都
都立高入試は大きく分けて「推薦入試」と「学力検査に基づく選抜」で2回受検するチャンスがあります。私立高入試も推薦入試と一般入試があり、一般入試は、単願入試と、併願優遇があります。
都立推薦入試(1校1学科に志願)
「文化・スポーツ等特別推薦」と「一般推薦」、「理数等特別推薦」があり、いずれも学力検査は行いません。個人面接や集団討論などが行われ、作文または小論文、実技検査などから1つ以上の検査が課せられます。文化・スポーツ等特別推薦では実技検査を実施する学校が多くなっています。理数等特別推薦では出願時に提出する「科学分野等の研究に関するレポート」についての口頭試問が行われます。内申書、個人面接、作文や小論文などの結果を点数化し、合計点の高い者から合格者となります。総合成績に占める調査書点の割合は50%までと制限されています。そのため個人面接や作文・小論文の結果が合否に大きく影響します。特別推薦の約7割の志願者は一般推薦にも志願しますが、理数等特別推薦の志願者は一般推薦に応募することはできません。なお推薦入試では、志願変更はできません。
都立一般入試(1校1学科に志願)
一般入試の学力検査は、5教科(国数社理英)で、英語にはリスニングがあります。芸術系学科と体育系学科は3教科(国数英)です。選考は学力検査の結果、内申書の9教科の評定、面接や小論文・作文、実技検査の結果とスピーキングテストの結果を総合した総合成績によって行われます。学力検査(700点満点)の結果と内申書の評定は7:3(芸術科・体育科と一部昼夜間定時制は6:4)の割合で1,000点満点、スピーキングテストは20点満点で得点化されます。
私立高入試
推薦入試と一般入試があります。一般入試は、単願(第一志望)入試と、併願優遇(他校が第一志望で第一志望が不合格になった場合に入学を約束して受験)があります。単願の場合はない場合もありますが、基本的に出願基準があり、例えば「3年次9教科の合計が30以上または5教科合計17以上で3年次の欠席日数が10日以内」という形で示されます。また私立高入試では、中学校の先生と高校の先生の間で12月15日以降に「入試相談」が行なわれ、出願基準に達しているかなどを確認し、合否の可能性が伝えられます。この他に誰でも受験できる一般フリー入試・オープン入試を行なっている学校もあります。
埼玉県
公立高の入試は1回のみ。志望校は1回に限り変更することができます。私立高入試は推薦入試と一般入試、推薦入試は単願推薦と併願推薦があり、一般入試にも単願入試と併願入試があります。
公立高入試 ※2027年度、入試制度改革あり
学力検査は5教科(国数社理英)で、各教科の配点は100点満点です。傾斜配点を実施する高校では、対象教科の得点が2倍になります。また、一部の高校では、数学と英語で応用的な内容を含む問題「学校選択問題」が出題されます。選抜はおもに学力検査の得点と調査書(内申書)の得点の合計で合否が決まり、面接や実技検査を実施する高校では、その得点も加えた合計得点が高い人から合格となります。調査書(内申書)の「各教科の学習の記録」欄には中学3年間の成績すべてが記入され、各学年とも9教科×5段階評定で45点満点となります。調査書の得点(内申点)の学年間の比率は、高校・学科・コース等ごとに定め、中一:中二:中三の比率は「1:1:2」、「1:1:3」、「1:2:3」など、多くの高校が中3の比重を高くしています。埼玉県では、中1から中3の3年間の成績が大きく影響します。また選考は、高校により2段階または3段階に分けて行われます。
私立高入試
単願推薦・単願入試は、その学校を第一志望として受験します。併願推薦・併願入試は、他の学校が第一志望の場合に、「すべり止め」として受験することがほとんどです。出願基準のある単願推薦・単願入試は、基準をクリアしていれば合格の可能性が高くなりますが、多くの場合、受験生自身が必要書類を持って受験校の高校の先生個別に入試相談を行います。
千葉県
千葉県では、県内を9つの学区に分けた学区制を採用しています。自分が住んでいる学区と、隣にある学区の高校に志願できます。ただし、千葉女子と木更津東の2校は全県から受験が可能です。また、市立高校は一部を除いて市内からのみ受験ができます。埼玉県・茨城県の隣接地域からの県外受験枠もあります。
公立高入試
入試は2月中旬に1回、2日間にわたって行われます。1日目は英語・数学・国語の学力検査、2日目は理科・社会と面接や小論文などが実施されます。英語では聞き取り検査(リスニング問題)が行われます。学力検査は100点満点で、理数科や国際関係の学科では傾斜配点が行われることがあります。調査書(内申書)の得点は、中1から3年までの合計値(135点満点)にK数値をかけて算出されます。K数値は、0.5~2の範囲で変更でき、また調査書の記載事項を50点を上限に得点化して加点することができます。また各学校が定める検査として、面接・集団討論・自己表現・作文・小論文・適性検査、その他などを行う「学校設定検査」があります。東葛飾では「その他の検査」として「思考力を問う問題」という英数国の構成で応用レベルの問題も含まれるかなり難しい試験が行われます。学力検査の得点は100点満点で500点。理数科や国際関係の学科では傾斜配点を行うことができます。これに内申書の点数に内申書の記載事項を50点満点を上限に得点化して加えます。これらに得点化した学校設定検査を加えたものが総得点になります。
私立高入試
前期後期制となっていますが、実際には後期選抜を行わない学校も多く、一部を除いて入試は前期で終わります。入試区分は、推薦入試(単願・併願)と一般入試(単願・併願)を設けている学校が多く、第一志望は推薦、フリーは一般という学校は少数派です。公立高入試が一本化され、昨年の入試では、多くの受験生が私立併願をするようになり、私立高の応募者が急増、その結果として出願基準を上げた学校が目立ちました。
神奈川県
公立高の入試は1回のみ。ただし合否判定は第1次選考と少し基準を変えた第2次選考のそれぞれで行います。当日検査では学力検査を行い、さらに特色検査を実施する学校もあります。学区はありませんが、市外からの入学者数の上限を決めている学校があります。
公立高入試
実施教科は、5教科(英国数理社)で、全校、同じ内容の共通問題が出題されますが、特色検査を行う学校では3~4教科の場合もあります。1回の当日検査で第1次選考と第2次選考が行われます。第1次選考で募集人員の90%の合格を決め、第2次選考で残り10%の合格を決めます。いずれも内申書(調査書)、学力検査、特色検査(実施校のみ)をもとに合否が判定されます。どちらの選考も各資料の比率は学校ごとに決めるので、志望校の設定を確認しておきましょう。また、内申書(調査書)で3教科まで、学力検査で2教科まで、それぞれ2倍以内の範囲で傾斜配点をする学校もあります。
私立高入試
一般入試には専願(単願)入試と併願入試がありますが、近年は「書類選考」型入試が最も多く利用されています。「書類選考」は、出願時にエントリーシートや作文を提出すれば、学力検査を受けずに選考される入試です。どの入試も中学校の先生と高校の先生は入試相談で話し合いを行います。併願入試と書類選考は、第一志望の対象校が公立に限られ、私立高を併願する場合は、オープン入試に限られます。
高校受験情報誌 Find!MY高校2025
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