コラム

長引く自宅待機でストレスをためないために、今だからできること

親子で伸びる!中学受験
教育ジャーナリスト 中曽根陽子

新型コロナウイルス拡大防止策のため、学校や塾も休校になり、子どもたちも不自由な生活を強いられています。ストレスをためがちな今だからこそ、生活の中できることを考えましょう。

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今日あった良いことを思い浮かべて、家族で紹介しあってみよう

 首都圏では、学校の休校措置が始まってすでに1ヶ月半以上が過ぎ、さらに学習塾も休講措置がとられ、家庭学習に関する不安を耳にすることが多くなってきました。特に6年生のお子さんを持つご家庭では、学習の遅れなど心配されていることと思います。
 休校期間中の具体的な対応は、学校も塾もそれぞれ異なりますが、このぽっかり生まれた時間をどのように活かすのかという視点で考えて見ましょう。
 先日私が主催するマザークエストで、オンラインカフェを開催しました。チェックインで、最近あった良いことを聞いたところ、一番多かったのが、「これまで学校と塾と習い事を掛け持ちしていて、その送り迎えや宿題のチェックなどで忙しかったけれど、時間の余裕ができたのが良かった。」ということでした。それぞれ、子どもとお菓子を作ったり、ピクニック気分でベランダでご飯を食べたり、映画を見たり、ボードゲームを楽しんだりしているそうで、制限がある中で楽しみを見つけていらっしゃるようでした。皆さんの良かったことを聞いていて、私も嬉しくなりました。実際、一日の終りにその日にあった良いことを3つ思い浮かべて記録していくと、幸福度が上がったという研究結果があります。皆さんもぜひ、一日の終わりに良かったことをご家族と紹介しあってみませんか?

生活リズムが崩れてしまったら、早起きで強制リセット

 その一方で、ダラダラしている子どもを見ているとイライラしてくるという声もありました。ダラダラの原因の一つが、自宅待機が長引く中で、徐々に生活リズムが乱れてきている事が考えられます。しかし、生活リズムの乱れは、体だけでなく、心の不調も招きますから、ここは早寝早起きを意識して過ごしたいものです。乱れたリズムを取り戻すためには、毎日決まった時間に起きることから始めましょう。
 通学をする必要がなくなりちょっと朝がゆっくりしがちですが、再開したときに調整するのが大変になるので、学校に通っていたときと同じ時間に起きるようにしましょう。
 脳には、一日の生活リズムを整える体内時計がありますが、人間の場合、約25時間を一日とカウントするように仕組まれているので、ほうっておくと1時間ずつズレてしまいます。このズレを調整するのが目に入る朝日です。とにかく朝決まった時間に起きることから始めましょう。夜ふかしになっていると、最初は睡眠不足かもしれませんが、1週間くらいで夜も早く寝られるようになります。
 ぜひ気持ちよく一日をスタートさせてください。

運動不足をどう解消する?

 自由に外遊びができないのも、辛いですね。運動不足も、夜ふかしの原因になったりしますから、なにか工夫をして体を動かしたいものです。
 今は、アスリートたちが自分のトレーニング風景を公開していたり、無料で見られる動画レッスンもたくさんあるので、そういうものを見ながら、やったことのない運動に挑戦するのもおもしろいかもしれません。
 前述のオンラインカフェに参加した人の中に、人の少ない朝、家族で走っているという人や、ラジオ体操を日課にしているという人もいました。また、子どもと運動すごろくを作って、罰ゲーム感覚で、腕立てふせや、スクワットなどの運動をしているという人もいました。
 ぜひ、楽しみながら、体を動かしましょう。

料理は探究学習の宝庫。ごはん作りを子どもに任せてみる

 在宅勤務になって、家族全員家にいるというご家庭も増えていると思いますが、毎日3食のご飯作りが負担だという声も聞きます。ここは、発想の転換でご飯作りを探究学習にしてみませんか。
 レシピを考えて、材料を揃え、調理をする。この一連の作業の中には、さまざまな学習の要素が含まれています。さらに発展させて、美しく盛る工夫をしたり、作ったものの栄養を調べたり、どうすればもっと美味しくできるかを考えたり、写真にとってマイレシピ集を作ったりしてもいいですね。(これは夏休みの自由研究としても使えそうです。)
 こうして書いてみると、ご飯作りはとってもクリエイティブでさまざまな学問分野の要素が詰まっている仕事です。それこそ今の学習指導要領が求めている、思考力・判断力・表現力を育てる要素も詰まっています。
 中学受験でも、このような探究学習の要素を求める出題が増えていますが、こうした力は、参考書を覚えればできるようになるのではなく、日常生活の中で身につけられることが多いのです。
時間のない時にはなかなかできないことを、学校休校でできた時間を活用して取り組んでみてはいかがでしょうか。
 例えば朝ごはん作りを担当してもらえば、早起きの習慣作りにもなって一石二鳥。さらに、日頃お母さんが家族のためにやってくれていることに気づいて、感謝の気持ちも湧いてきたら一石三鳥ですね。
 いつまで続くか分からず不安な気持ちになりがちですが、ピンチはチャンス! 自宅待機の今は、忙しかったときにはできなかったことをする絶好の機会です。どうせなら前向きに捉えて、コロナ危機を乗り越えていきましょう。

中曽根陽子 [教育ジャーナリスト マザークエスト代表]

教育機関の取材やインタビュー経験が豊富で、紙媒体からWEB連載まで幅広く執筆。子育て中の女性に寄り添う視点に定評があり、テレビやラジオなどでもコメントを求められることも多い。海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱し、講演活動も精力的に行っている。また、人材育成のプロジェクトである子育てをハッピーにしたいと、母親のための発見と成長の場「マザークエスト」を立ち上げて活動中。

マザークエスト https://www.motherquest.net/
中曽根陽子オフィシャルサイト https://www.waiwainet.com/

中曽根陽子さんによる保護者会動画

教育ジャーナリストであり、「目指せ!子育て勇者」を合言葉に、親の探究学習のプラットフォーム「マザークエスト」を主催している中曽根 陽子さん。首都圏模試の保護者会講演では、21世紀型能力の育成と幸せな中学受験にするための心得や親の関わり方をお話ししてきました。今回は、お子さんのモチベーションを高めるためのアドバイスをお伝えします。《約22分》

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