学校特集

洗足学園中学高等学校

女性ならではの感性を磨き、 国際社会に果敢にチャレンジ!
女性ならではの感性を磨き、国際社会に果敢にチャレンジ!

ここ数年の止まらない少子化を受け、まだ地方に残っていた、公立の伝統男子校・女子校の多くが共学に転じています。よって私学だからこそ別学の意義が問われもするのですが、女子校には進学だけでなく、そもそも情操教育面の期待もかかります。
しかし、社会もまた少子高齢化の波を受けています。人口が減り、国内市場は飽和状態。
となれば、国際市場にますます打って出る他なく、それは従来の働き方の変化をも意味するのです。ことに女性の社会進出はいっそう顕著になるでしょう。

その点、今回ご紹介する洗足学園中学高等学校は、そうした社会状況の変化を早い時期から認識し、学校改革のモチベーションとしてきた稀有な学校です。単純に既存の "良妻賢母"育成型教育からの脱皮を図るだけではなく、グロバリゼーションの本質をつかみ、混迷した状況でこそ活躍できる女性像を生徒とともに模索してきました。だからこそ、揺るがぬ高い評価を現在受けているのです。
そしてなお、変革を辞さない進取の姿勢を貫く、同校の教育について、入試広報委員長の玉木大輔先生に伺いました。

学力の先にあるものを明示し、
中高時代からリベラルアーツを!

洗足学園中学高等学校_入試広報委員長 玉木大輔先生
入試広報委員長 玉木大輔先生

「5年後の2020年度から大学入試改革が実施されますが、我が校はさらにその先を見据えています。現在では、海外大学進学も充分選択肢となってきましたので、その入試対策にも積極的に取り組んでいます」と語るのは入試広報委員長の玉木大輔先生。玉木先生は「つねに改革を怠らないのが洗足の校風であり、特徴」とおっしゃいます。
「生徒には失敗を恐れず取り組んで欲しい。そのためにも私たち自身がともかく挑戦を続けていくという姿勢を示さなければなりません。本校には若い教職員が多く、その気風は着実に受け継がれています」(玉木先生)

現在、日本社会が求めるのはグローバル人材。仮に企業に属さずに生きていくにしても、英語力だけでなく、国際的センスの有無が将来を左右する状況になっているのは間違いありません。 「グローバル人材育成についてもかなり先んじて取り組んできました。『女性の社会進出』が叫ばれて久しいですが、本校ではそうした時代の流れを念頭に、中学生の早い時期から様々な『キャリアプログラム』に取り組ませ、生徒たちの意識向上にも努めてきました」(玉木先生)

洗足学園は神奈川県下でも有数の進学校として高い評価を得ています。しかし、玉木先生はそれも「学校の一つの成長段階」の現れに過ぎないと語ります。

洗足学園中学高等学校_恒例の「中学合唱コンクール」
恒例の「中学合唱コンクール」。この日も忙しい合間を
縫って重ねた練習の成果を存分に発揮しました♪

「単に大学進学に特化するのではなく、生徒たちにとって非常に大きな人生の関門である大学受験について的確なサポートをし、そこからさらに連なるキャリアを見据えていく。生徒たちの将来のビジョンの構築に寄与するのが学校の役目であり、大学進学もあくまで自己実現のための中期目標だと捉えています」(玉木先生) ITの加速度的な進歩で「5年前の常識が今の非常識となる」ほど、確かに世の中は激変しています。だから「つねに時代背景と社会構造を教育に反映させなければならない」と玉木先生は力説します。

「例えばグローバル対応でいえば、中1を対象とした『Early Birds』をはじめ、ディベート的思考を養成するSpeech Communication」など、放課後の自由選択講座を多数開設し、一方、中 3 以上を対象に行われるケンブリッジやロサンゼルス、サンフランシスコへの語学研修、短期・長期留学など、英語を実践的に使う機会が多数用意されています。毎年『海外大学フェア』を開催し、昨年度はアメリカの名門6大学の卒業生や在学生を招いて、パネルディスカッションを実施しました。これが受験結果にも反映し、ボストン大やヴァッサー大といった有名大、スワースモア大やノックス大などリベラルアーツカレッジの名門にも合格者を輩出することができました」(玉木先生)

洗足学園中学高等学校_すべてが生徒主体で運営される「体育祭」
新種目やルールの考案など、
すべてが生徒主体で運営される「体育祭」。

現在、多くの大学が新たにコースを設定し、注目を集めるリベラルアーツ。洗足学園でも「今後"理系文系の垣根"を取り払い、この両方に通じてなお、専門に励める女性の育成を目指すのが目標」と玉木先生。その意味でも海外大学との交流は大きな刺激になっている模様です。
また、どの研修先も教員が自ら足を運び厳選しているため安全面・プログラム内容が充実しているのも大きな特徴となっています。
確かに今は国内の大学の学び方も変化し、国際教養大学などでは、1年間の海外大学への留学で取得した単位がそのまま認められるなど、留学制度も年々多彩になっています。「洗足のOGたちも積極的にそうした制度を利用しています」と玉木先生。

洗足学園中学高等学校_恒例の「中学合唱コンクール」
「実物を見る・触る」。洗足の理科は観察・実験重視!
本物に触れることで理解も深まります。

近年はダブルメジャー(2つの学部を専攻し卒業する)も生徒も増えているとか。時代の要請を踏まえ、生徒が望むカリキュラムを構築して、志望する大学へ。中高の役割も日々変化しているようです。

学力の先にあるものをきちんと生徒たちに提示し、広い視野を持たせるためのカリキュラムの創成に尽力してきた洗足学園だからこそ、実現できた進学実績と言えるのではないでしょうか。

中高の多感な6年間を
女子校で過ごす意義とは!

洗足学園中学高等学校_小学生を対象に行われた理科の体験授業!
小学生を対象に行われた理科の体験授業!

洗足学園の校名は新約聖書の『ヨハネの福音書』13章の「互いに足を洗い合いなさい」というイエス・キリストの聖句に由来。敬虔なクリスチャンであった創立者の前田若尾が自宅2階を私塾として開放したことに始まります。レオナルド・ダ・ビンチの絵で知られる「最後の晩餐」の後、イエスはおもむろに席から立ち上がり、弟子たちの足を洗い始めました。当時の人々は素足にサンダル履きで、足はいつも汚れ、それが奴隷の仕事だったにも関わらず、イエスは弟子たちが互いに敬い合うよう手本を示したのです。これは教育現場における教員と生徒の関係にも類似します。

「グローバル化の真の意味とは、経済の中心が現在の先進国から途上国に移っていくことにあります。今こそ経済至上主義から調和や心の豊かさを重んずる社会へと変わるべき時なのではないでしょうか」とは校長の前田隆芳先生が同校サイトのトップページで語っている言葉です。

「国境が取り払われ、これからはチームワーク力、コミュニケーション力など本来、女性が得意とするスキルを発揮できる時代。それらのスキルを、授業をはじめ部活、生徒会運営、教養講座などの課外活動を通じ培っていく。大切な中高の6年間をあえて女子校で過ごすという意義もそこにあるのではないでしょうか」と玉木先生。

では、具体的に洗足学園ではどのようなカリキュラムを用意しているのでしょうか。次に紹介します。

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年間を通じて、音楽系の催しが多いのも洗足学園

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多感な思春期の感性を育みます。

50分→65分授業へ
時代に対応したアウトプット力の強化

洗足学園中学高等学校_拉致被害者家族支援講演会
生徒会が中心となって企画された「拉致被害者家族支援講演会」。
横田夫妻の講演から、事実と向き合う重要性と強い意志を学びました。

玉木先生はまず、最大の変化として、本年度から採用した65分授業を挙げます。
「授業時間をそれまでの50分から65分に延長した意図は、対話型・探究型授業の深化ということに尽きます。それまでも吸収した知識を活用し、自分の考えを発信することを求める、対話型授業を実践してきましたが、50分では時間が足りず、知識の応用まではなかなか踏み込めませんでした」

洗足では以前、70分と長時間授業を試み、そこから再び60分、50分と時間短縮してきた経緯があります。
つまり機を見て敏とも言うべき、試行錯誤を重ねてきました。2012年度の授業改革では「近い将来に見据えた文理コース分け廃止のため、枠にこだわらず全教科を学ばせたい」という理由から授業をより細かく分割し、50分授業を週6日実施し、コマ数を25コマから34コマに増やしました。

「しかし、50分という時間の制約上、授業が知識の吸収に留る傾向にあったのも事実でした。しかし、よりグローバルな時代に対応した、アウトプット力を身につけさせなければならない。私は国語科教員なので、国語の授業に喩えると、授業の3分の1は教科書の講読など知識のインプット。さらに3分の2は班単位などでのディスカッション。最後の3分の1はプレゼンテーションに当てるといった時間配分が65分授業なら可能になるのです」(玉木先生)

洗足学園中学高等学校_中3の修学旅行で実施された「長崎平和学習」
中3の修学旅行で実施された「長崎平和学習」

つまり、知識を得て応用の仕方を討議し、その発表まで漕ぎ着けることができる。この双方向のやり取りを活発化すれば「生徒が自分で考え、発信する力をさらに鍛錬できる」と玉木先生は考えます。これは別に国語に限らず全教科において、洗足では中 1 からこうしたディベートやディスカッション、プレゼンテーションを数多く取り入れ、自分の頭で考え意見を相手に伝わるよう発表するスタイルが定着しているのです。

「中学社会の歴史的分野の場合『キリスト教をなぜ信長は擁護し、秀吉は禁制にしたのか』といった課題設定をし、その理由だけでなく、時代背景を理解させる。いわば点という知識を論理という線でつなぎ、その思考を表明できるようにつねに持っていきたいのです。実際、この段階までは中学受験で学んだ知識で7割は通用してしまう。生徒は点を持ってはいるんです」と玉木先生。

洗足学園中学高等学校_拉致被害者家族支援講演会
中1の総合学習で実施される礼法の授業では、挨拶やお辞儀の仕方など、
日本女性ならではの「美しい所作」を学びます。

現在、社会全体が知識より思考重視に傾いています。知識だけならネット検索で即座に引き出すことも容易になりました。コンピュータは活用の仕方次第では、思考を迅速に、そして多様に深めることに役立ちます。

「タブレット端末を利用したICT講座にも総合学習の時間内に取り組んでいます。この講座ではインターネットの功罪、いわば光と影を理解し、適切に使いこなせることを目指しています。不易流行という言葉は洗足学園の姿勢をわかりやすく表した言葉です。良いものは積極的に採り入れつつ、本質は見失わない。その中で自分の力を発揮していく。ようやく社会ニーズと不易流行の精神がぴったりマッチしてきたと感じています」(玉木先生)

たしかに、新しいテクノロジーに盲従し、それに溺れていては、次に訪れる変化に対応することはできません。IT関連に限らず、世の中はドラスティックに変化しています。そのスピードに学校もしっかりと対応すべきと玉木先生。

大学名にはこだわらない!
キャリア教育の成果が進学先にも!!

洗足学園中学高等学校_模擬国連
洗足学園が積極的に推し進めてきた「学外交流活動」。模擬国連(写真)では世界の同年代の学生たちと活発な議論の応酬が繰り広げられます。

「入試の変革は本来の問題ではなく、そうした危機意識の現れではないでしょうか。大学合格も自身のライフデザイン実現のための通過点に過ぎません。ただ、本校では成績が仮に合格圏に届かなくとも諦めるな―という指導は徹底しています。実際、成績が下位でも難関私大や国立大に現役合格している生徒はたくさんいます」(玉木先生)

逆に偏差値的にはさらに上位の大学に進学できる生徒でも、本当に学びたい学科がある大学に進む例もあり、「なによりも生徒の学ぶ意志を尊重するのが同校の変わらぬ姿勢」と玉木先生は強調します。

洗足学園中学高等学校_ネイティブの先生を交えた対面授業やディベート
ネイティブの先生を交えた対面授業や
ディベートも、洗足では当たり前の光景です。

「理系文系を超えた総合力をつけさせるカリキュラム構築に以前より取り組んできた結果、こうした"名より実"を取り、柔軟に大学受験を捉える生徒が増えてきました。前田校長も常日頃から『数学を、ではなく数学で教えろ』と言うのですが、我々も学問の楽しさこそ生徒に教えるべきと考えています。それさえわかっていれば、ある時点で違う分野に興味を持っても、進路変更や大学に入っての転部、転学も比較的容易だと思います。受験を通じて生徒の無限の可能性を狭めない、というのが本校のモットーともいえます」(玉木先生)

Mother Port School
人生の"母港"としての学校づくり

洗足学園中学高等学校_「成人の日」には多くのOGが母校に集います。
「成人の日」には多くのOGが母校に集います。

もう一点、玉木先生が挙げる洗足学園の特徴の中でも先進的なのが、「OGまた保護者の参加意識が高い」ことがあります。

洗足では生徒の卒業後までを視野に入れた、人生の母港としての学校づくり、"Mother Port School"の構想に基づき「成人を祝う会」「三十路の会」などをOG対象に催しています。それに加え、卒業した大学3年生を対象に就職支援のセミナーを毎年開催。そこには在職中の在校生や卒業生の保護者が会社名は匿名にし、参加しているそうです。アットホームな雰囲気の中にも、企業がどんな人材を求めているかが手に取るようにわかる、貴重な機会となっています。

「OGは、様々な部活の合宿や講演会、説明会の手伝いなどにも駆けつけ、生徒らにその都度、いろいろなアドバイスをしてくれます。そのためか、我が校は生徒会などもその場限りでない永続性があります。将来を見据え、どう行動すれば良いのかがわかる指針ともなるので、それらの活動が盛んなんです」(玉木先生)

また、中 3・高 1 では在校生の保護者を招いてのキャリアガイダンスも恒例となっています。

洗足学園中学高等学校_就職活動支援セミナー
「就職活動支援セミナー」。在校生や卒業生の保護者による業界別の個別相談など、役立つ情報満載。

「ご自身の関わる仕事はどのような意義があるのか、また社会にどのような影響を与えているのかといったことを、ご自分のお子さんに語りかけるように話してくださるので、説得力が違います。社会と自分のつながりを自覚する上でも、大変効果的なプログラムだと思います。また、高3では卒業生による『OG 講話』を実施。これはホームルーム 単位での進学ガイダンスで、具体的な学習や時間の使い方などのアドバイス、進路や志望校を選択した経緯をOGが体験的に語ります。大学受験を控える在校生には、これも非常に好評な企画です」(玉木先生)

人を育てているからこそできる、こうしたエネルギーの還流が名門の証と言えるのでしょう。
グローバル化が推し進む中、しっかりした社会への参画意識を持ち、自らの役割を見出し、自己実現も達成させていく...。現在の女子校に求められるのも、そんな人間育成力。洗足学園もまた、進学校としての地歩を着実に固め、そして、その先にあるものを意欲ある女子たちに提供する学校へとたゆまぬ成長を続けています。

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