学校特集

千葉明徳中学校・高等学校2020

G・P・Iを磨いて、未来を拓く「行動する哲人」を目指す
ICTと手書きで「まとめて・書いて・発表する」を繰り返し、柔軟な思考力と社会的行動力を身につけていく

掲載日:2020年9月1日(火)

中学を開校して9年。教育理念である「行動する哲人」を目指すため、21世紀型スキルである「G(グローバル力)」「P(プレゼンテーション力)」「I(ICT活用力)」の育成に力を注いでいます。さらに、ICTと手書きというデジタルとアナログの両方の学びを大切にすることで、物事を多角的に見る目と、場面に応じた行動力が身につくことが同校の教育の大きな特徴と言えるでしょう。入試広報部長の土佐和也先生と中学教務主任の清水綾乃先生にお話を伺いました。


G・P・Iの「I」...ICTを活用した取り組み

学びを止めないために、オンライン授業を即実行

3月、新型コロナウィルス感染拡大を受けて緊急事態宣言が発動された時、同校は即座に「Zoom」と「YouTube」の2種類を併用したオンライン授業をスタートさせました。
主要教科だけでなく体育などの実技教科や、一部のクラブもオンラインで実施したのは、先生も生徒も普段からICT機器を使いこなしている同校ならではでしょう。

千葉明徳_入試広報部長の土佐和也先生
入試広報部長の土佐和也先生

土佐先生:「Zoomでの授業はリアルタイムですから映像や音声、チャット機能などを使って双方向授業ができる、一方のYouTubeは生徒が授業動画を見ながら自分のペースで進められると、それぞれ特徴があります。私の授業はYouTubeで行いましたが、後に生徒にアンケートをとったところ、9割以上はYouTubeで満足していましたね。巻き戻してもう一度見ることができる一方、理解が早い生徒は2倍速で見ていたそうです(笑)」

仮に、自分で進められるタイプはYouTubeで十分、「さあ、やるぞ!」と声をかけられて腰を上げるタイプにはZoomが有効だとすれば、9割以上がYouTubeで満足というのは見事です。

千葉明徳_オンライン授業の準備をする先生
オンライン授業の準備をする先生

同校が最も力を入れるのは、「考える力」と「伝える力」の育成です。
入学直後、全員にタブレットを配布する同校。課題への個々の解答をみんなでシェアすることで授業も活性化し、生徒自身の活用技術もどんどんスキルアップしています。
また、中3以上はスタディサプリも入れているため、理解の足りない部分の復習として活用する生徒もいれば、アプリで予習をして授業を復習の場とする生徒も。つまり、自分に合ったスピードで行うことができるアダプティブ・ラーニングの仕組みを構築しているのです。学びが個別最適化されているわけです。

千葉明徳_タブレットはきわめて有用な文房具
タブレットはきわめて有用な文房具

土佐先生:「本校ではG Suite for Educationを導入していますので、全員がGmailアドレスを持っています。ですから、授業で活用するだけでなく連絡事項をメールで送ったり、生徒が家で学習をしている時に疑問が出たら、メールで質問が来ることもありますね」

メールでの個別質問についての対応は先生によってさまざまですが、土佐先生は自身を「ユルいほうかもしれない」と言います。なぜなら、夜遅くても、ピロロンと着信音が鳴ればすぐに見て返信するから。生徒にとってみれば、なんと贅沢な学びの環境でしょうか。

土佐先生:「ICTを活用し始めてから、生徒自身、型にはまらなくなってきたように感じます。というのも、例えば行事のたびに生徒はポートフォリオに蓄積していくのですが、ポートフォリオにはフォーマットがあります。でも、中1でも『ああしたい』『こうしたい』と自分なりに工夫するので、フォーマットはあるものの、似たような仕上がりにはならない。それぞれの個性が出てくるのです。なるほどと思うものもあり、我々教員も勉強になりますね」

教科横断で行われる「ICT活用」の授業例(抜粋)

以下のように、ICTを活用しながら縦横無尽に学びを広げているのも、同校の魅力の一つです。

●社会科「みんなで世界遺産を見に行こう」
●数学「関数のグラフを使って絵を描こう」
●道徳「一秒の言葉」という詩を題材に、グループごとにドラマ仕立てのCMを制作
    ......など。

また、中高ともに人工知能型タブレット教材「Qubena」を導入。これも自分の到達度に応じて学べるアダプティブ・ラーニングに適したものですが、新しい学びの形に生徒の反応も良いとか。



G・P・Iの「G」...グローバル力の基盤になる英語教育

楽しみながら「使える英語」を身につける

同校のグローバル教育は、世界のどこででも、誰とでも手を結べるよう、「英語力」と「世界的視野」を獲得することを目指しています。
そのためにも、英語の授業では、「まずは楽しませること」が一番のコンセプトだと土佐先生は言います。
英語を担当する土佐先生は、授業の前に英語の歌の歌詞を生徒に配ります。その中には習っていない単語もあるため読み方を教えた後、全員で一緒に歌うのです。

千葉明徳_プロジェクターに映し出されたMVを見ながら、英語で歌う
プロジェクターに映し出されたMVを見ながら、英語で歌う

土佐先生:「単に『発音してみよう』ですと緊張してしまうかもしれませんが、歌うことは楽しいですから、それで英語に興味を持つ生徒もけっこう多いのです。歌う曲は、ディズニーやアメリカのドラマ『glee』に出てくる歌、ビートルズやカーペンターズなどのスタンダードが多いですね。あとは、たまに私の好きなボン・ジョヴィを混ぜたり(笑)」

これもすべて、同校の英語教育では「音読」を重視しているため。英語の音に慣れてほしい、声を出すことを楽しんでほしいという思いから、歌をウォーミングアップに取り入れているのです。

千葉明徳_立ち上がって、大きな声で本文を音読する生徒たち
立ち上がって、大きな声で本文を音読する生徒たち

中学の英語の授業は週6時間。うち1/3の2時間が英会話で、2/3が音読重視の授業となっています。ちなみに英会話の時間はすべてオールイングリッシュで、1時間は「ベルリッツ英会話プログラム」を導入しています。

そして、授業では本文をひと通り学んだ後、3種類の音読を行います。
❶一人ひとり、立った状態で3回通して本文を読む。
❷二人1組になり、一人が1フレーズを読んだら、もう一人が繰り返すペア・リピーティングを行う。
❸二人1組になり、一人が1フレーズを読んだら、もう一人が和訳で返す。次は本文を和訳して読み、それを英語に直して返すクイック・トランスレーションを行う。

千葉明徳_ペア・リピーティングの様子
ペア・リピーティングの様子

土佐先生:「これを繰り返していくと、教科書の本文はほとんど覚えてしまいますね。文法ももちろん重視していますが、それは英語を理解するためというより、英語をアウトプットするためととらえています。つまり、アウトプットするためには語順が重要になりますが、文法を知っていることで、臆せず、自信を持って話せるようになると」

最初の段階は、まさに「実技」として英語を体に染み込ませていくのです。 さらに中2・3では、教科書から離れて、発話のための帯活動(継続的に行う短時間の活動)も行っています。
❶1Minute Chat......ペアワーク/例えば"What did you eat last night?"などのお題をもとに1分間会話し、席を移動しながら3回繰り返す。
❷Describe the Picture......ペアワーク/写真を見て、一人がとにかく見たままを英語で表現する。もう一人はそれをメモにとる。その後、2人で協力しながらきれいで適切な英語に整えていく。
❸Explain the Words......ペアワーク/一人はスライドを見て、そこに出てきた単語を説明する。もう一人はスライドに背を向け、その単語を言い当てる。

土佐先生:これらを継続していくことで、しゃべることについての心の壁を破れるように思います。中3はオンラインスピーキングも始めましたから、より一層話すことができるようになってきたと感じます。臆することなく話せるようになったうえで、高校の学びに移行できるのは大きいですね」

これらの活動は高校からの「コミュニケーション英語」につながっていきますが、高校でもこの流れを途切れさせることなく、レベルアップした帯活動を行っています。

千葉明徳の「英語」

千葉明徳_レシテーションコンテストのひとコマ
レシテーションコンテストのひとコマ

英語4技能のバランスをとりながらも「音読」「発話」を重視する同校の英語教育ですが、以下、その他の要点を抜粋してご紹介します。なお、海外プログラムも多彩ですが、コロナ禍の影響で、今年度の実施は未定です。

●英検目標
・中1〜中2(発掘期)の目標:英検3級
 「発話」を重視し、その基礎である英単語力を徹底的に磨き上げる。
・中3〜高1(磨き期)の目標:英検準2級〜2級
 文法の学習やライティングも強化し、身の回りのことを英語で表現する。
・高2〜高3(完成期)の目標:英検準1級
 本格的なライティングに加え、海外語学研修も体験。日本文化を英語で発信できるようになる。
●中1・2では「レシテーションコンテスト」を年に2回実施
●中3では「スキットコンテスト」を実施
●中3・高1で「東京グローバルゲートウェイ」へ
 これまでの「ブリティッシュヒルズ研修」に代えて今年度から実施予定だったが、現時点ではコロナ禍の影響で延期。



G・P・I の「P」...思考し、プレゼンテーションする学び

思考を蓄積し、応用力を醸成する「道徳」と「総合学習」

■正解のない問いに向き合う「道徳」
昨年、中学で道徳を教科化したことをきっかけに、道徳の授業のあり方を見直して再構築しました。
前半には「自分を知る」「クラスメイトの良いところを見つけて発表する」「他人とのつながりを知る」など、身近な話題を引き合いに具体的に思考する訓練を重ねていきます。
そして、「どうしたらポジティブな考え方は身につくのか」「他人に受け入れられるには?」「どういう考え方をすれば新しい価値を生み出せるのか」と、問いが連なるテキストを使いながら、マインドセットを築いていくのです。

千葉明徳_道徳の授業で。活発に意見が飛び交う
道徳の授業で。活発に意見が飛び交う

清水先生:「どういうふうに考えればいいかと、考え方の基盤を作ることが道徳の授業で補強できるようになったと思います。今年が2年目ですので成果が出てくるのはこれからですが、論理的思考力を養う場にもなっていくのではないかと期待しています」

授業を受け持つのは担任の先生ですが、先生方は授業中、生徒を誘導しないようにしているそうです。「自分で主体的に考える」力をつけさせるためです。

清水先生:「道徳は、正解がないことが重要です。中1・2では、いろいろな人の意見を知り、シェアしながら相手を容認することを学んでいきます。タブレットで意見を回収することもありますが、結構みんな正直に書いてきますので、普段見えないところを発見できたりしますね。最初はもっともらしい答えを書きたがる傾向がありますが、仲間と意見をシェアしていくうちに、徐々に『ああ、自分の気持ちや考えを出していいんだ』という気づきを得るのだと思います」

■道徳で学んだことを生かす「総合学習」
千葉明徳_「土と生命の学習」で、稲刈りを終えた生徒たち
「土と生命の学習」で、稲刈りを終えた生徒たち

同校が最も力を入れるのは、先述の通り「考える力」と「伝える力」の育成。そのために、あらゆる場面で「まとめて・書いて・発表する」ことを繰り返します。典型例は総合学習ですが、ここにも道徳で学んだことが活きてきます。

例えば、中1・2の総合学習では2学年を縦割りにしたグループワーク「土と生命の学習」を実施していますが、中学開校以来続くこのプログラムは教科を横断して学ぶもの。校内にある田んぼで「苗を植え→手入れをし→稲を刈り→精米も行い→実食する」という一連の作業を通して、「植物」や「米の産地」、「流通」、「食」についての知識を深め、社会の仕組みをも学んでいくのです。

千葉明徳_各教科の授業でもプレゼンは日常的に行われる
各教科の授業でもプレゼンは日常的に行われる

清水先生:「そして、これまでの流れに加えて、昨年からSDGsの観点から『10年後の農業』を考えるなど、さらに発展させています。10年後、20年後の社会は不確実ですが、道徳の授業で学んだ考え方を生かしながら、仕事のあり方や、どのような状況になっても自分が活躍するためにはどうすればいいかを考えていくのです」

今年はコロナ禍によって例年のような活動はできませんが、それでも分散登校をして田植えを行いました。自宅学習で参加できなかった生徒には、YouTubeに撮って動画を配信したそうです。

千葉明徳_総合学習の成果をポスターで発表
総合学習の成果をポスターで発表

清水先生:「『学びを止めない』ことを第一に、道徳も総合学習もオンライン授業を実施しました」

そして、中3では「まとめて・書いて・発表する」の集大成として「課題研究論文」に取り組みます。
ゼミ形式でのグループ学習を経て、その後、自分で設定したテーマについて8千字の論文を仕上げるのですが、9月に中間発表を行い、年度末に行われる「課題研究論文発表会」ではプレゼン形式で最終発表を行います。

千葉明徳_この表情からも、授業の充実ぶりがわかる
この表情からも、授業の充実ぶりがわかる

ところで、ICT教育を推進する同校ですが、手書きも疎かにしません。
先の「土と生命の学習」では最終的に模造紙によるポスター発表をしますが、教科学習や行事などでも折に触れて壁新聞を作成。また、理科や芸術科目では手書きのレポートを作成し、廊下の掲示板に貼り出します。
壁新聞を作る時は文字の大きさや形、配置や色使いなど、見る人の目を引きつけるための工夫が必要になりますが、それはタブレットで情報を整理・編集し、自分の意見をまとめていく際にも役立っています。

このように、デジタルとアナログ両方の有用性を知り、臨機応変に使いこなすのが千葉明徳流。それは、思考や表現の手段を重層的に身につけることであり、課題解決への突破力育成にもつながっています。

千葉明徳_校外理科研修でJAXAを訪れた生徒たち
校外理科研修でJAXAを訪れた生徒たち

清水先生:「多角的なものの見方を身につけられれば、場面に応じた行動もできるようになりますから、本校では多種多様な体験の場を用意しています。その中で生徒それぞれが『行動する哲人』への道を、一歩一歩を進んでいってくれればと願っています」

21世紀型スキルを持った「行動する哲人」になる。この目標の実現に向けて、千葉明徳は日々、言語スキル、理数スキル、情報スキルを培い、そして、自分自身を見つめ、相手を思いやる心を育んでいます。

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