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学校特集

三田国際学園中学校・高等学校2023

多様性あふれる環境で貢献し合い、思考力をみがく学びを実践

掲載日:2023年6月1日(木)

 国際教育を掲げる学校への興味関心が高まる中、そのパイオニアとして今春の入試でも存在感を示した三田国際学園。「THINK & ACT」「INTERNATIONAL」「SCIENCE」、これらをキーワードに掲げて実践する「世界標準の教育」は奇をてらったものではありません。「目の前にいる生徒たちに真摯に向き合い、社会で活躍する姿をイメージしながら、今、やるべきことは何かを考えて行動し、課題をクリアしていく、日々の積み重ねにほかなりません」と語るのは中学校長の原田啓志先生。
 卒業後の進路も「生徒と教員が『THINK & ACT』を6年間、愚直に実践した結果にすぎない」と言いますが、その結果は3つのキーワードが単なる指針にとどまらず、有機的に混ざり合い、学園文化として醸成されていることを物語っています。実際、今春卒業した3期生(163名)は、海外大学に51名、国内の難関大学(国公立大・早慶上理ICU)に101名、医学部医学科に13名が合格し、将来への扉を開きました。
 子どもの幸せを願う保護者から、三田国際学園が選ばれる理由は、生徒が貢献し合うことにより伸びていく教育環境にあります。その仕組みを中心に、原田先生と副校長の今井誠先生にお話を伺いました。

人との出会いにより伸びていく
この環境こそが「選ばれる理由」

 同校が生徒に求める「貢献」とは「学びの姿勢」です。自分自身で考え、意見を表明することによりクラス全体の学びに貢献する、という考え方の定着を図ることに力を入れています。

三田国際_校長 原田啓志先生
校長 原田啓志先生

原田先生:全校をあげて取り組むことにより、積極的な生徒だけでなく、自分の意見を発することが苦手な生徒も、勇気を出してチャレンジするようになり、他者の役に立つ喜びを実感して、また貢献したいという気持ちを宿すようになります。勇気を出して意見を発することは主体的な学びへの扉をノックすることであり、扉を開く生徒が増えていくに連れて、学園の文化は活気とともに醸成されていきます。

「向上心の強い生徒が多く、勉強の楽しさを見出すことができた」
「疑問を明確にするすべを学んだ」
「人前で自分の意見を発することへの苦手意識がなくなり、大抵のことに動じなくなった」
「受験のための英語ではなく、外国人ともっと会話がしたい、というモチベーションの高まりにより学習意欲が湧いて、海外の大学を志望するまでになった」
「小学校時代に英語で授業を受けたり、日常生活でも英語を使ったりすることがなかったので、最初はとてもきつかったけれど、留学生との出会いが私を変えた。英語を話す楽しさを感じて自ら学ぶようになった」

 これらはすべて卒業生の言葉ですが、口々に「先生、友人、留学生など、人との出会いにより感化され、自分自身が変わった」と話すように、三田国際学園ではさまざまな出会いが化学変化を起こすきっかけとなり、入学時には思いもよらなかった進路を実現して巣立っていく生徒がたくさんいます。この環境こそが、保護者に選ばれている大きな理由です。

三田国際_副校長 今井誠先生
副校長 今井誠先生

今井先生:今年も卒業式の日に、卒業生が「サインしてください」「写真を撮ってください」と、学園長(大橋清貫先生)のもとを訪れました。その中に男子生徒4人組がいました。振り返れば、いろいろなことがあった生徒たち(笑)ですが、「三田に入学していなければ今の僕らはない。ここで育ててくれてありがとうございました」と言ったそうです。学園長は彼らの言動から本校に対する満足度の高さを実感し、ものすごく喜んでいました。

原田先生:以前から医療の世界を夢見ていた生徒が「医学部に合格しました」と報告しに来てくれたこともありました。これらはすべて、本校が掲げる「発想の自由人たれ」というメッセージを実践した成果だと思っています。本校は、生徒たちが自由に自己表現し、自分の思いを実現するための環境をこれからも提供し続けます。

「発想の自由人たれ」という共通の目標が
教職員と生徒の可能性を広げる

 1期生の入試(2016年)で注目を集め、2期生の入学生が多かったこともあり、今春卒業した3期生は2期生よりも100名近く少ない学年でしたが、大学合格実績は前年を大きく上回りました。

今井先生:特に伸びたのが私立の難関大学(早慶上理ICU)です。合格者数は前年の倍近くなりました。MARCHも昨年を大きく上回る結果が出て嬉しく思っています。1、2期生と比べて一般入試で合格を勝ち取る生徒が多く、「自律した学習者を育成する」という本校の理念が浸透しつつあることを実感しました。本校では自ら学び、自ら進路の方向を見定め、将来のゴールに向けてどう取り組むのか、というロードマップを自分で組み立て大学受験に挑みます。生徒の主体的な取り組みが良い結果に結びついたという印象です。

 医学部の合格者数も大きく伸びました。背景には1期生が高校に上がる年に新設されたメディカルサイエンステクノロジーコース(以下、MSTC)の充実ぶりが伺えます。

今井先生:特待合格者も2名出ました。こうして先輩が1つ扉を開けてくれると、後輩がその道をどんどん広げていきます。その姿を目の当たりにしてきたので、早くも4期生への期待がふくらんでいます。

三田国際_博士号を持つ教員も生徒をサポート
博士号を持つ教員も生徒をサポート

原田先生:本校では生徒一人ひとりが「自分を見つめる」ところから将来像を思い描いていきます。大学にしても、将来の職業にしても、「何になりたいか」より、「どのような生き方がしたいか」というところから考えますが、私はそれをサポートしている教職員たちの力も非常に大きいと考えています。
 本校の教員には熱量があり、尚かつ、全教職員が同じ方向を向くことができています。それは北極星のように、どこからでも見つけることができる、「発想の自由人」という言葉があるからだと思います。多少意見に食い違いが生じても、最終的には全教職員がその北極星を見ているので、いずれは乗り越えられる。平行線をたどることなく、1つの方向性を見出そうとする姿勢は、生徒に安心感を与えます。生徒が安心して自分を発信できると、さらに支援がしやすくなります。そういう関係ができあがってきたことが、進路実現にも良い影響を与えていると思います。

学園文化の土台は「三田Soul」
土台が確かだから揺るがない!

 生徒が主体的に取り組む姿や雰囲気は、学園祭にもよく表れています。それぞれのやりたいことと学びが共存している学園祭」であり、学園祭に訪れた受験生や保護者は、自由度が高く、チャレンジングな学校という印象を受けると言います。

原田先生:そこに魅力を感じて受験してくださるご家庭は少なくありません。入学式では高校生が映像を撮影して会場に流すなど、すべてを生徒の手で運営しています。一生に一度の機会なので、本来は業者さんに依頼すべきかもしれませんが、そういうチャレンジを恐れないところが本校らしさであり、受験生と保護者に支持される一因ではないかと思っています。

 同校らしさを原田先生が意識したきっかけは、意外なところにありました。

三田国際_全校が一体となる学園祭
全校が一体となる学園祭

原田先生:学園祭に来てくれた超難関校の男子高校生から、「校長先生ですか」と声をかけられ、「こんなふうに自由な学園祭をやる方法を教えてください」と言われたことがありました。その時に「皆が同じ方向を見ようとすれば、うまくいくのではないか」と伝えたのですが、そう言いながら、私自身もこれが本校の特色かもしれないと再認識しました。
 本校の教員は生徒を指導する、教えるというよりも、一緒に考えたり、学んだりしています。「それを達成するにはこういうハードルがあるよね」「それはどうクリアする?」といった会話が日常的に校内を飛び交っています。当事者の教員はとても大変なのですが、生徒からアイデアが出ればそれをなんとか生かせないか、という方向に目線が揃って進んでいきます。だから自由度の高いものができるのです。

今井先生:本校の生徒たちは、たとえ意見が対立したとしても、最終的には互いの考えを受容し、1つの方向性を見出す姿勢が身についています。その背景には、開校以来、大切にしている「(多様性を受容するなどの4つの)三田Soul」があります。生徒たちは中1のオリエンテーション合宿で最初にこの話を聞き、日々の学校生活でこれらを実践していきます。今ではこの「三田Soul」が生徒たちの心の拠りどころとなっています。

さらなる化学変化を生み出すために
2022年度よりクラスを再編

 目に見えないものを大切に育てる一方、1期生の卒業を機に、未来を見据えた改革を実施しました。インターナショナルクラス(以下、IC)のリソースを学園全体に行き渡らせる狙いを含むクラス再編です。

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今井先生:当初は、考える授業として相互通行型の授業を中心に行ってきましたが、さらなる進化を目指して新しいスタイルを模索する中で、「考えるだけでなく行動を起こしていこう」というメッセージとして「THINK & ACT」を、世界標準の教育を実践するキーワードに据えました。
 従来のクラスは、帰国生と一般生が混ざって学び合う「インターナショナルクラス」と、サイエンスリテラシーを学びゼミナールで実践する「本科クラス」の2種類でした。どちらのクラスも想像を超える化学変化が起きたことから、その特色である「INTERNATIONAL」と「SCIENCE」もキーワードに据えて、両クラスの良いところを融合した「インターナショナルサイエンスクラス」(以下、ISC)を新設しました。

 その改革1期生が2022年4月に入学した現在の中2生です。IC、ISCにかかわらず、全クラスに帰国生とInternational Teacher(IT)を配属して、英語の習得にとどまらず、世界各地で育ってきた生徒たちと学び合える環境の中で「THINK & ACT」を繰り返しました。さらにサイエンスリテラシーも全員が履修し、探究の技法や科学的なアプローチを習得しました。
 2年次からスタートするMSTCも含め、全クラスでゼミナールの授業を行い、中3次の学園祭でその成果を発表します。

三田国際_MSTCでは専門性を深める研究に挑戦
MSTCでは専門性を深める研究に挑戦

今井先生:帰国生の中にもMSTCのニーズがあり、門戸を広げる意味でMSTCは2年目からとしました。MST入試を経て入学した生徒は、希望すれば優先的にMSTCに進めます。ISC入試で入学した生徒は成績なども含めて選考の上、決定します。

原田先生:現在の中2(改革1期生)は、ISC入試で合格した生徒の中からも数名がMSTCに進んでいます。

今井先生:MST入試の合格者でも、毎日の学校生活の中で感化されて思考が変わり、ISCに残る生徒もでました。おもしろい現象ですよね。帰国生、一般生、サイエンス(理数や情報に特化した生徒)が混ざり合うことによる相乗効果は、まだ目に見える形でお伝えすることはできませんが、意見の飛び交い方は明らかに活発化しています。クラスとしてのまとまりもすごく出てきていて、今後に大きな期待を寄せています。

ICでは、わずか1年でゼロベースから
英検2級に合格した一般生も

 一方、圧倒的な英語環境が魅力のICは、2023年入試でも一般生のニーズが高く、帰国生に迫る人数が入学しました。

三田国際_日頃からプレゼン機会が多いのも特色
日頃からプレゼン機会が多いのも特色

今井先生:2月に行った新入生の入学説明会で、ISCとICの帰国生と一般生に声をかけて、校長の質問に答えてもらいました。一般生は英語をゼロベースから始めているので、「日本語で答えてもいいよ」と言ったのですが、「英語で話す」と言うので任せると、ステージに上がり、200名以上の保護者の方々を前にして、堂々と自分の意思を英語で伝えました。その生徒は、中1のうちに英検2級に合格したと聞き、1年間の成果の大きさに驚かされました。
 もちろん生徒の頑張りによってなし得たことですが、教員も生徒の力を伸ばそうといろいろな仕掛けを作っています。毎日地道に生徒と関わっている成果でもあったので嬉しいニュースでした。

原田先生:私たち教員が日頃から発信しているのは「発想の自由人」になってほしい、ということです。それは「持続可能な社会を作っていく一員になってほしい」「そういう社会の貢献者になってほしい」というメッセージでもあります。もちろん生徒には苦しい時期もあります。そういう時に手を差し伸べるのが、教職員の仕事であり、我々は常にどのようにして生徒の気持ちを上向きにさせていくか、を考えています。仲間同士で支え合うという本校の姿勢もあり、今のところ順調に伸びていると思います。入学説明会で壇上に上がった生徒たちには、改革1期生のプライドみたいなものを感じました。

 今年の3学期に、中3(全クラス)を対象にターム留学を実施しました。中学生の留学(希望参加)は初めての試みでしたが、学年の約半数が参加しました。

三田国際_31名のITが常駐する圧倒的な英語環境
31名のITが常駐する圧倒的な英語環境

原田先生:これという解がない時代だからこそ、ISCとIC、どちらに入っても留学を体験でき、国内の難関大学、あるいは海外大学も選択できる幅の広さも、本校を選んでくださる理由ではないかと思います。

今井先生:高校ではDDP(デュアルディプロマプログラム)がスタートしています。本校で各教科を専門とするITが英語で授業を行うため、海外の高校卒業資格を取得するために留学する必要がありません。これらも活用して、自分が望む進路の実現につなげてほしいと思っています。

 最後に、原田先生、今井先生からメッセージをいただきました。

今井先生:本校は、「12の教育目標(コンピテンシー)」を身につけるために、生徒と教員で「三田Soul」を共有し合うという柱があり、そこにいろいろなコンテンツが紐づいている学校です。1期生が卒業し、リフォームしても、基礎となる部分がしっかりと安定しているため、学園としての躯体はまったく揺らぎません。先生方はまさに「発想の自由人」。アイデアがたくさん出てきます。ですから今後も新しいことにチャレンジし続けると思いますが、どのタイミングで入学されても、この環境は変わりません。安心して入学していただき、子どもたちが成長していく過程を一緒に見守っていきましょう。

三田国際_卒業生が寄贈した記念碑
卒業生が寄贈した記念碑

原田先生:野球のWBCをたまたま観戦し、そこで思ったことがあります。チームは当然優勝が目標だったと思いますが、それ以上に、参加した選手たちには野球そのものの楽しさを伝えたい、という崇高な目標があったと思います。ところがメディアはコマーシャリズムで「侍ジャパンの世界一奪還」を煽ります。私にはそれが小さいことに思えて、ギャップを感じました。
 私たちの仕事に置き換えると、校名に「国際」とつく学校が増えつつある中で、本校がどこを見据えて、どのような教育を行っているのか、ということを、広報を通じて正しく受け取っていただけるといいなと思います。本校の教員は、変化の激しい時代にも生き生きと生きられる素養を、中高の大事な時期に身につけてほしいという思いをもって、愚直なまでに「発想の自由人」の輩出に力を注いでいます。
 生徒の将来像を見つめて育てることが教育の本筋であり、子どもの将来の幸せを祈る、ということについては保護者の方と同じです。「一緒に考えていきましょう」と言える学校ですので、ぜひとも本校に足を運んでいただき、教育の様子を見たり雰囲気に触れたりして、目指すところを感じていただけるとありがたいです。

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