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学校特集

武蔵野中学高等学校

"英語のシャワー"は週10時間!
LTEで他社理解を伴った「使える英語」を鍛え
グローバル社会で通用する素養を育む

グローバル化を視野に入れ、近年、英語力向上に力を入れている武蔵野中学高等学校。とにかく英語を使い、触れ続けるのが武蔵野流の英語教育です。週10時間の英語の授業と、高1で行く3カ月間の海外研修を合わせると、英語に触れる時間は6年間で3000時間以上にもなります。
武蔵野が目指す「使える英語」を養成するプログラムが、「Learning Through English(LTE)」です。「英語で学ぶ」ことで、「共有する」「表現する」などグローバル人材に必要とされる7つのスキルを習得します。これらのスキルは教育理念の「他者理解」にも通じます。
多文化共生というグローバル時代の他者理解を深めるとともに、「実践的な英語力」「コミュニケーション力」「自ら学び、実行する力」という変化に対応する力を伸ばす武蔵野の人材育成について、英語教育を中心に、副校長の浅見尚次郞先生にお話を伺いました。

6年間で英語に触れる時間は3000時間以上!
自分で考え、自分で発表する「LTE」で使える英語を習得

武蔵野中学校_副校長_浅見尚次郎先生
武蔵野中学校
副校長 浅見尚次郎先生

武蔵野中学高等学校の英語カリキュラムの最大の特徴は「英語に触れる量の圧倒的多さにあります」と語るのは、副校長の浅見尚次郞先生です。武蔵野では週10時間、6年間で2000時間以上の英語の授業を行います。さらに高1で行く3カ月間のニュージーランド研修と合わせると、英語に触れる時間は3000時間以上に上ります。英語を習得するためにはトータルで2200時間以上継続して学習する必要があると言われていますが、その時間数をはるかに超えています。

週10時間のうち、6時間が専任外国人教師による「Learning Through English (LTE)」の授業、4時間が日本人教員による英文法の授業です。LTEとは、東京インターナショナルスクールなどで行われている「探求型プログラム」をもとに、日本国際教育センター(JIEC)と共同開発したプログラムで、2009年度より導入して今年で7年目になります。

タブレットの活用で外国人教師とのコミュニケーションもスムーズに!!
タブレットの活用で外国人教師との
コミュニケーションもスムーズに!!

LTEは、1つのトピックを英語で考え、英語で発表するワーク中心の授業です。中1は「自己紹介ができる」ように、中2は「周囲に目を向ける」、中3は「日本と近隣諸国に目を向ける」というように学年ごとに到達目標を設定し、その目標に沿ったトピックを用意しています。例えば中2の「憧れの人」のトピックは、自分の憧れの人物について調べ、その人物のお面を作成し、憧れの人物になりきって発表します。中3の「日本へようこそ」のトピックでは、日本への招待状を書き、PCを使って3日間の旅行プランとしおりを作成します。さらに、ゲストに会う際の対応や家族への紹介の仕方をロールプレイングします。

中1の最初のトピック「自己紹介」では、自分自身について確認し、それを踏まえて自己紹介文を作成し、発表します。その際、文章の組み立て方、大文字・小文字の使い方、人称代名詞といった文法事項も習得します。ワークを通じて文章の組み立て方や文法事項、英単語や文章表現を学ぶため、自然な形で英語に馴染んでいくようにプログラムが組まれています。一方、英文法の授業はLTEとリンクするように、日本人教員がLTEの会話表現と英文法を結びつけて教えています。「LTEで○○と表現したのは、この文法を使っているからだよ」ということはずいぶん確認していると、浅見先生は言います。LTEの「聞く・話す」と、英文法の「読む・書く」を並行して学び進めることで、4つの力が相乗効果で身についていきます。

専任外国人教師はJIECで高度な教育を受け、日本語や日本の教育事情にも精通して指導経験も豊富です。LTEの成果はまずリスニング力に現れ、生徒は英検のリスニング試験で「思ったより聞き取れる」ことに気づくといいます。

校外学習や合宿などで拠点となる「箱根芦ノ湖レジデンス」
校外学習や合宿などで拠点となる
「箱根芦ノ湖レジデンス」
箱根林間学校の一環として行われる職業体験
箱根林間学校の一環として行われる
職業体験
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観光地ならではの職業体験

アイデアの創造力、物事に能動的に関わる姿勢など
LTEの7つのスキルで「実践的な英語力」を鍛える

LTEのプログラム

LTEのプログラムの特色は、「課題探求→意見の共有→自分の意見を発表する」ところまで「英語を通じて」行うことで、グローバル社会を生き抜くために必要な「7つのスキル(表)」が身につくように組まれていることです。単なる英語の勉強ではなく、自らが使える言語の1つとして「実践的な英語力」の習得を目指します。しかも7つのスキルは他教科にも通じる力です。「共有する」「助け合う」など武蔵野の「他者理解」の教育理念とも共通点が多く、武蔵野とは相性が良いプログラムと言えるでしょう。

7つのスキルのうち格段に力をつけているのが「表現する力」です。一貫生にとってLTEで発表するのは当たり前のこと。場数を踏んで自信がついているのでプレゼンテーションすることに抵抗感がありません。全生徒に貸与しているiPadが生徒の表現力の幅を広げています。

外国人とも積極的にディスカッション
外国人とも積極的にディスカッション!

プレゼンテーションは「知ってほしい」という独りよがりな発表では相手に届きません。聞き手にとってわかりやすい見せ方を意識することは他者理解にも通じます。また、「相手の立場を考える」姿勢は聞き手にも求められます。武蔵野が目指す「コミュニケーション力」は、「発信力」だけでなく「傾聴力」も重視しています。教員は発表者の意図を理解しようとする姿勢で発表を聞くように促しており、発表者がどのように表現したかったのか、何を伝えようとしてこのように表現したのかということを、生徒によく聞いています。こうした聞き手の経験は自分のプレゼンテーションに活かされています。

LTEを始めた当初は、英語の授業として成り立つのか、大学受験に対応できるのか、不安があったと浅見先生は振り返ります。「語学はコミュニケーションの手段ですから、最終的には使えなくては意味がありません。それには『話せるようになりたい』『わかり合いたい』という欲が必要です。その点、LTEは生徒の学ぶ意欲に焦点を当てて作られたプログラムだということを実感しています」

ニュージーランドの大自然が生徒たちをお出迎え
ニュージーランドの大自然が生徒たちをお出迎え♪

今春、LTEの1期生が卒業しました。留学を選択するなど世界に目を向けて進学した卒業生もいて、そうした先輩たちを見てきた一貫生は英語への興味が格段に強いと浅見先生は言います。「彼らは小学校から英語に慣れ親しんでいたわけではありません。いきなり週10時間の授業についていけるだろうかという不安を抱いて中学生活をスタートした生徒ばかりです。そうした生徒が『高1でニュージーランドへ行く!』と意欲的に学んでくれているのは、本校の英語教育が軌道に乗ってきた成果ではないかと思います」

3カ月間の「ニュージーランド研修」がスタート
自分を見つめ直し、生徒はひと回り成長

ニュージーランド研修
楽しみにしていたニュージーランド研修
LTEの成果を実感!

「LTEを6年間実施して手応えを感じる一方、『実践の場が足りない』という課題も見えてきました」と語る浅見先生。授業以外で英語を使う場面があまりなく、生徒も自分の英語力を測りかねていました。そこで、入学してから約3年半のLTEの成果を試す場として、高1を対象に、3カ月間の「ニュージーランド研修」を立ち上げました。現在は募集型ですが、今年度の中1が高1になる2018年度からは全員参加となります。

NL研修でのさまざまな人との出会いは一生の宝物
NL研修でのさまざまな人との出会いは一生の宝物!

現地校1校につき生徒は最大3人までとし、学校生活がスムーズに進むように現地の生徒がバディにつきます。ホームステイは原則として日本人生徒1人1家庭滞在です。ニュージーランドは移民で成り立っている国です。多様な背景の人々が共存して生活しており、「多文化共生」という他者理解を生徒は肌で感じることでしょう。ニュージーランドの先住民・マオリ人の家庭にホームステイした生徒は、挨拶などマオリの文化や慣習に触れ、そのスピリッツに心を打たれていたそうです。

授業はというと、英語を母語としない人たちのための英語の授業「ESOL」で留学担当の教員がつまずきやすいところをしっかり教えてくれます。選択授業が非常に多く、生徒の英語力に合った講義を選べます。実習を伴うフードテクノロジーや音楽、ドラマ(演劇)といった授業は、英語に不安があっても現地の高校生と一緒に授業を受けられます。数学は日本の方が進度が早いこともあり理解できたと言います。

ニュージーランドの生徒たちは皆フレンドリー♪
ニュージーランドの生徒たちは皆フレンドリー♪

参加した生徒からは「何ができて何ができないのか、自分のことを見つめ直すよい機会になった」という声が聞かれました。浅見先生も「親御さんへの感謝の気持ちを素直に表せるようになり、経済的に恵まれていることを実感してお金を大切に使うようになるなど、生徒の成長を感じました」と目を細めます。

帰国後は研修に参加した全員が英検を受験。「8人中7人が2級を受検し、それまでの英語力であれば合格しなかったと思われる生徒が3人合格、2人が合格まであと一歩のところでした。英語は好きだけれど得意というわけではなかった生徒たちですが、着実に力をつけていると思いました」というように、1回目としては予想以上の成果を上げることができたと浅見先生は評価します。帰国直後はセルフチェックノート(後述)の「1日の振り返り」を英語で書く生徒もいました。そうした意欲を持続させるように、帰国後の教員の関わり方という新たな課題も見つかっています。

さらに、高1のニュージーランド研修の前に中学で実践の場を設けようと、沖縄在住のアメリカ人宅に2泊する「国内留学」を予定しています。これは修学旅行に組み込む計画で、4泊5日のうち、まず沖縄の離島で2泊民泊して、そこで体験した古き良き沖縄の文化をホストファミリーに話してコミュニケーションを取る、という構想です。わずか2泊のホームステイですが、ニュージーランド研修の格好の予行練習になるでしょう。

修学旅行では沖縄における戦争の歴史を学びます

修学旅行では沖縄における
戦争の歴史を学びます

国内にいながら海外の生活を体験できる「国内留学」

国内にいながら海外の生活を体験できる
「国内留学」

「セルフチェックノート」で日々の学習を記録
客観的に自己分析し、学習習慣と計画力を身につける

多くの「垂れ幕」がスポーツ強豪校の「武蔵野」を物語ります!
多くの「垂れ幕」がスポーツ強豪校の
「武蔵野」を物語ります!

「自ら学び、実行する力」を身につけようと、「やる気を引き出す→目標設定→達成」を習慣化していくのが「ムサシノ・スパイラル・サイクル」です。「学力向上は直線的に進むものではなく螺旋式に継続的に進むもの」という考えから生まれた独自の学習支援システムで、毎朝のテストで授業内容の理解度を確認、放課後補習で生徒の弱点を克服するサイクルを繰り返し、確実な学力アップを図ります。例えば英単語力の確認は毎日10分の朝テストを活用しています。

その際、「自分が今何をやらなければいけないのか」「そのために必要なことは何か」と学習の課題を自己分析するのが「セルフチェックノート」です。毎日、自宅でどんな学習を何時間したのかを記入して学習内容を振り返ります。1週間の学習内容が見開きで確認でき、苦手な科目を勉強していないことも一目瞭然なので、「苦手なことから逃げているだけではないか」と客観的に自己分析できます。生徒の「1日の振り返り」に対して教員と保護者がコメント。「応用問題が解けなかった」という生徒には「基礎だけでもしっかり押さえておこう」というように、教員からのアドバイスは生徒の励ましになっていることでしょう。

卓球部
卓球部も全国大会の常連校!
渡部香生子選手
(五輪代表の渡部香生子選手)は
「武蔵野」の卒業生
デジタルメディア部
文化系もユニークな部活盛りだくさん
(写真右はデジタルメディア部)

物事を多面的にとらえる視点が
相手の立場の理解につながる

武蔵野進学情報センター
武蔵野進学情報センター

教育理念の他者理解について、浅見先生は「時代が変わってもどんな形でも色褪せず、いつの時代でもその時代に合った解釈が可能です」と答えます。英語であれ日本語であれ、コミュニケーションを取るうえで他者理解は基本姿勢であり、「物事を多面的にとらえる力」の土台となります。「他者理解について生徒たちに伝えているのは、『物事には多面性がある』ということです。例えば、ある人がいつもと違ってかしこまって話していたとします。その態度がおかしいと表面的にとらえるのではなく、なぜかしこまっているのか、そのときの状況やその人の立場に考えを巡らせてほしいのです。相手の立場、状況に応じて話す内容や表現方法を適切に選べる力をぜひ身につけてもらいたいですね」(浅見先生)

生徒は学校生活のあらゆる場面で他者理解を実践しています。「本校の体育祭は、中1と高1、中2と高2、中3と高3がチームを組む対抗戦です。高1は高校では一番下ですが、中1をリードする先輩として振る舞います。指示の出し方も、同級生と同じではなく、下級生の目線に合わせるようにしています。最後の体育祭となる高3は、次年度は高校生になり中学生を引っ張る立場になる中3に、どんな言い方をすれば後輩に響くかを意識しながらリーダーシップを発揮しており、他者理解を意識していることがわかります」と浅見先生。100余年堅持された他者理解の理念は、次代を担う子どもたちにしっかり受け継がれているようです。

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