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学校特集

武南中学校・高等学校

開放的な学びの空間で、21世紀型スキルを習得
土器時の先進的教育「BUNAN Advanced」で
世界に羽ばたく

JR「西川口」駅から徒歩10分。京浜東北線で「東京」駅から26分というアクセスの良さも魅力です。
2013年に開校した中高一貫校、武南中学校は、「グローバルリーダーとして必要な、確固たる人間性と知性の育成」を教育方針に掲げ、先進的(advanced)な教育の創生と、生徒全員が先進的コース(advanced course)の一員であること、この2つを意味する、「BUNAN Advanced」という独自の先進的教育を打ち出しています。
6~7年前から構想を練り、国内外の学校を視察してできあがったキャンパスのコンセプトは、「オープン・マインデッド」。2015年4月から1〜3年生の全学年が揃い、斬新な学びの空間から創造される「21世紀型スキル」とはなにか。「BUNAN Advanced」のビジョンを、教頭の峯岸弘之先生に伺いました。

BUNAN Advanced ①
~21世紀型先進教育の現場
開かれた空間で育てる"オープン・マインデッド"な心

峯岸弘之先生
教頭 峯岸弘之先生

1階の職員室とホールのあいだを仕切る壁はなく、すべてがオープンスタイル。高い天井と開放的な空間が印象的な武南中学校。各学年2クラスの教室は、「ラーニングコモンズ」という中央の共有空間を挟んで両隣にありますが、廊下と教室が一体化し、どのスペースも仕切られることなくつながっています。
「ラーニングコモンズ」には、さまざまな形をした机が置かれ、特に勾玉型のテーブルは、2つを組み合わせると6人掛けに、3つ組み合わせると9人掛けになります。ワークショップやグループワークなど、生徒たちが人の話を聞き、考え、発表するコミュニケーション能力を鍛える場として、多目的に活用されている空間となっています。

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ラーニングコモンズ

峯岸教頭:21世紀の新しい時代の中核を担う生徒たちを、どのような人間に育てていくのか。「グローバルリーダーとして必要な、確固たる人間性と知性の育成」という本校の教育方針を実現するための環境はどうあるべきか。多様な価値観、文化、言語をもつ人々と交わり、グローバルリーダーとして活躍していくには、なによりも他者に対して開かれた心をもった人間に育てなければなりません。開校に当たって考えられたコンセプトの一つが、開かれた心を育てる「オープン・マインデッド」の教育でした。
21世紀型スキルを獲得するには、それにふさわしい環境が必要だと考え、我々の教育コンセプトを実現させるための校舎を創るところからスタートさせたのです。6〜7年前から国内外のさまざまな学校施設を視察し、何度もブレインストーミングを繰り返して完成したのが、現在の校舎です。

開放感あふれる教室
開放感あふれる教室

基本的には職員室も教室もフルオープンな空間です。授業中だけでなく、考査期間中も、引き戸を開けた状態で行います。引き戸が閉まるのは中学入試の時だけです。職員と生徒たちはフラットな関係でふれあうことができます。最初からそうした環境になじんでいるので、生徒たちは些細なことにはまったく動じない。むしろ、外部からの見学者のほうが気後れするほどです。
日頃から心が開かれている状態でなければ、学習も含めて「オープン・マインデッド」な人材を育てることはできません。また、生徒たちにできるだけ閉塞感を与えない空間であることも重視しました。中には、人間関係を上手につくることができない子もいます。しかし、この空間ならば、我々の目も届きやすく、隠れる所もありません(笑)

BUNAN Advanced ②
~本物に触れるための海外研修旅行
国造りの熱いエネルギーに触れたベトナム研修

JICA「地球ひろば」でのワークショップ
JICA「地球ひろば」でのワークショップ

武南中学校の特色の一つに、海外2回&国内1回の研修旅行(全員参加)があります。中2でアジア研修(5泊7日)、高1で英語圏研修、高2で古都研修(京都・奈良を予定)。2度の海外研修で異文化体験をした後に、日本文化理解の総まとめとして、日本の古都を巡るのです。
校内の学習では得られない、広い教養や専門知識を身につけるとともに、豊かな人間性を育成するための足がかりとすることが最大の目的となっています。
今年3月、初めてのベトナム研修が行われ、JICA(Japan International Cooperation Agency)の協力を得て、ハノイ、ホーチミンの都市部や校外の農村、学校交流など、多彩なプログラムが実施されました。

峯岸教頭:海外研修先として最初にアジアの国を選んだのは、アジア人としての自覚を持たせたいからです。日本のように成熟した国に育った生徒たちに、熱く動いているベトナムの新しい国造りの姿を見てほしいという思いもありました。
出発前の事前学習では、ベトナムの歴史は社会科、現地の生徒たちに聞かせるための落語のような"オチ"のある英語のスピーチは英語科、ベトナム民謡は音楽科と、各教科で連携しながら準備を進めました。また、元海外青年協力隊の人やベトナム人留学生、ベトナム人大学教授などを招いて、お話も伺いました。
とかく欧米諸国に目が向きがちな生徒たちも、ベトナムに行って、世界にはいろいろな人がいることを実感したようです。 中高一環教育の良さは、多感な中学時代からいろいろな体験をさせられることです。自分の将来について考えを深めるきっかけを与えられることで、子どもたちの視野は無限に広がっていきます。

ベトナム研修1

ベトナム研修の様子

ベトナム研修2

現地校の生徒たちとさまざまな交流を行いました♪

BUNAN Advanced ③
~中2のベトナム体験
多様な文化に視野を広げる研修体験

現地校の生徒たちと
現地校の生徒たちと
「ハイチーズ♪」

武南の研修旅行は、必ず事前学習とフィールドワーク、事後学習がセットで行われます。ベトナム2日目の研修先であるハノイ郊外のドンラム村は、JICAのODA(Official Development Assistance=政府開発援助)先で、歴史景観保存による村おこしを助けるため、海外青年協力隊が派遣されています。
3日目の研修先のハロン湾は世界遺産に登録されている景勝地ですが、こちらもJICAが協力して水質汚染対策に取り組んできました。生徒たちはJICAスタッフから事前にレクチャーを受けて、現地に向かったそうです。
5日目の学校交流の相手校は、日本語教育のパイロット校である国立のレクイドン中学で、ベトナムの子どもたちと一緒に授業に参加しました。

ベトナム研修旅行概要

1日目:移動(成田→ハノイ)
2日目:JICA現地説明会 青年海外協力隊活動現場訪問(ドンラム村)
3日目:ハロン湾研修・観光
4日目:移動(ハノイ→ホーチミン)
5日目:学校交流
6日目:JICAプロジェクト現場視察(ホーチミン市水環境改善プロジェクト)、ホーチミン市内観光
7日目:移動(ホーチミン→成田)


ベトナム・ドンラム村でのODA研修
ベトナム・ドンラム村でのODA研修。

峯岸教頭:レクイドン中学では、英語が得意な子とそうでない子の2グループに分かれて、現地の子どもたちと同じ授業を一緒に受けました。昼間35度の暑さで、教室には冷房もない。それでも、現地の子たちはとても積極的で、英語や日本語でどんどん話しかけてきました。最初は押され気味だった本校の生徒たちも、だんだん打ち解けていきました。
見学前に行われたJICAスタッフの話も "なぜ自分がここにいるのか"という、自身の人生観を交えて話してくださるので、単なる観光旅行に終わらず、生徒たちもいろいろな意味で視野を広めることができたと思います。帰国後の3月24日には下級生や保護者の前で報告会を行いました。発表態度も臆せず、中身のあるプレゼンテーションができたと思います。
JICAとのコラボが非常に有益だったこともあり、今後の学校交流も含めて、来年以降も中2の海外研修先はベトナムへの渡航を予定しています。 

BUNAN Advanced ④
~豊かな教養を愛する心
アイデンティティーを理解する心と、蓄積される経験値

屋上にあるウッドデッキ
屋上にあるウッドデッキは
生徒たちのお気に入り!

各教科でも、積極的に校外へ飛び出し、フィールドワークを行っている武南中学校。理科では長瀞(ながとろ)の「埼玉県立自然の博物館」では学芸員より、荒川の岩畳で説明をうけ、美術の「東京国立博物館」では、学芸員より「はじめての東博」というレクチャーを受けたあと、展示品を見学しました。また、音楽科ではミュージカル鑑賞や、古典芸能の鑑賞などを通して、自らのアイデンティティーである"日本文化"への造詣を深めています。

峯岸教頭:本校では、豊富な知識と高い学力の獲得とともに、日本人としての教養を深めるためのフィールドワークを重視しています。本物に触れることで、興味・関心の幅を広げてほしいと考えているからです。古典文化への理解という意味で、中1で歌舞伎、中2で文楽、中3で能・狂言という柱を立てています。なかなか理解が難しいところもありますが、しっかり事前学習をし臨むと、生徒たちはきちんと興味をもって、消化していきます。
学外のフィールドワークは、校内の学習だけでは身に付かない、実践的な体験値の蓄積となります。

BUNAN Advanced ⑤
~豊富なフィールドワークと特別授業の実施
公立中学校と比べて1.5倍の授業日数

イングリッシュ・キャンプ
「イングリッシュ・キャンプ」では
外部のネイティブとも和気あいあい♪

豊富な学校行事・フィールドワークのほか、武南中学校では保護者の協力を得て、第一線で活躍する専門家の話を聞く特別講義も設けています。
2015年の夏期特別講座は、1年生は、「ICTリテラシー講習会」(日立製作所職員)と「国際理解教育講習会及びワークショップ」(JICAの職員)。2年生は、外部の英語教師の指導による「イングリッシュ・キャンプ」と「日本文化英語プレゼンテーション」。3年生は3つのプログラムがあり、さいたま地方検察庁の指導による「模擬裁判」と、音楽座ミュージカルによる「表現方法ワークショップ」、国際ビジネスコミュニケーション協会の指導による「TOEIC英語学習研修会」を行いました。
これらの特別授業と通常授業を合わせると昨年度の授業日数は265日。じつに公立中学校の約1.5倍の授業時間となります。

峯岸教頭:公立中学の平均日数約180日に対して、本校の授業日数は約1・5倍の265日。中高一貫校の特徴でもある先取り教育の中で、いたずらな知識詰め込み型の教育にしないためには、どうしても時間が必要です。 本校では、研修やフィールドワークも含め、すべての教科でアクティブラーニングなどを取り入れた「課題解決型学習」を実施し、基礎学力の習得に時間をかけた学習支援をしていきたいと考えています。
夏期特別講義の音楽座ミュージカルの「表現方法ワークショップ」は、いかに心を解き開くかというテーマで行われました。ひと言でコミュケーション能力といっても、英語や日本語の知識があればコミュニケーションがとれるとは限りません。 さまざまなワークショップの場で、生徒たちは臆せず、積極的に指導を受けています。このような学びを"オープン・マインデッド"なスタイルで重ねながら、生徒たちがグローバル社会で活躍できる素地をもった人間に成長してほしいと願っています。

BUNAN Advanced ⑥
~280プラスアルファの英語教育で、コミュニケーションツールの習得
21世紀型スキルとしての英語力

長瀞での「理科フィールドワーク」
長瀞での「理科フィールドワーク」

授業日数の増加に伴い、英語の年間授業数は、1年生と2年生で245時間(週7時間)、3年生では280時間(週8時間)。公立中学校の各学年140時間(週4時間)に比べ、約2倍の時間数を確保。校外フィールドワークなどでも積極的に会話力を磨き、プレゼン力を養っています。また、同校は授業内でも英語を実際に使う場面を多く取り入れ、集大成としての発表の場を"学校行事"と位置づけています。ベトナム研修からの帰国後、生徒や保護者を前に行った報告会では、生徒たちが英語と日本語による2つのグループに分かれてプレゼンテーションを行いました。
同校では中3で英検準2級の取得を目標としていますが、現在3年生で2級1名、準2級14名の合格実績となっています。

峯岸教頭:21世紀型スキルとして、英語力は必要不可欠です。海外で通用する英語のプレゼン能力を習得するには、日頃から実践的な英語力を養っていかなければなりません。会話して意思疎通を図るコミュニケーション能力、自分の意見を言葉で表現するプレゼンテーション能力をアップさせることに力を注いでいかなければ、グローバル時代に求められる発信力は身に付かないからです。

BUNAN Advanced ⑦
~自立的学習能力を高めるアクティブラーニング
自ら課題を見つけて、解答を導き出す

前述にもあるように、武南中学校の海外研修や校外でのさまざまなフィールドワークは、高い学力の獲得とともに、広い教養と豊かな人間性の醸成が目的で、そのために、事前学習→フィールドワーク→事後学習のプロセスを踏むのが基本スタイルとなっています。

ベトナム研修で訪れたレクイドン
中学とのバスケ親善試合!

峯岸教頭:本校では、さまざまな体験行事、ワークショップ、フィールドワークを行っていますが、どれも、単に体験・見学して終わりではありません。行事をきっかけに、『調べる→体験する→情報を精査する→組み立てる→文章で表現する→発表する』というプロセスを踏むことで、自らの視野を広げ、思考力を鍛えます。 ベトナム研修でも、自ら調べて準備することはもちろんですが、見学場所に行く前にJICAの職員のお話を伺い、事前知識(ネットや書籍で調べ学習)をもって体験します。その後は、事後学習(レポート作成、報告会でのプレゼン)でまとめる。そうした一連のプロセスを通じて、自ら課題を見つけて解答を導き出すアクティブラーニングの手法を身に付けていきます。 こうしたアクティブな実践体験から、多様な世界のあり方を学んでいくことで、グローバル社会に通用する豊かな人間性を育成していきます。

BUNAN Advanced ⑧
~デジタルツールを使いこなす先進的なICT教育
全館無線LANが走る環境で、生徒も教員もiPadを使用

iPadを活用した「協働授業」も
武南では"当たり前"の光景です。

武南中学校では全教室に電子黒板を設置し、生徒も教員も全員がiPadを日常的に使用しています。
ホームルームや道徳の授業も含めたすべての授業でICTとコラボ、保護者会などでも活用されています。
そのため、先進的なICT授業を行っている実例として、デジタル教育のハウツー本「電子黒板 まるごと活用術2」(小学館刊)にも紹介されました。
校内は、だれもが「いつでも・どこでも使える」をコンセプトに、全館無線LANでつながっています。

峯岸教頭:今の生徒たちは、生まれた時から周りにPC環境があり、小学生の時からスマホを操っています。ITにはさまざまな光と陰の部分がありますが、21世紀型スキルとしてIT活用を避けることはできません。デジタルネイティブと呼ばれる世代であるからこそ、むしろ光の部分に焦点を当てるべきと考え、本校では生徒全員が個人用iPadを使用しています。それによって、視覚的で効率的な授業が実現できました。
 一方で、全館無線LANは走っていますが、一定の制限をかけるなど、活用法には注意を砕いています。氾濫する情報を精査し、正しいIT活用スキルを理解させることのほうが、これからの教育には必要なことだと考えます。最先端のITを適切に使いこなせるリテラシー能力をもった子どもたちに育てていきたいと思っています。

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