学校特集

西武学園文理中学・高等学校2018

「グローバルコース」の始動で次代のエリート育成に拍車がかかる
『英語・国際教育の文理』が、新コース設立でさらにパワーアップ

掲載日:2018年7月30日(月)

イギリスのパブリックスクールに範をとり、その精神とエリート教育をベースにする西武学園文理は、1981年に高校が、1993年に中学校が開校しました。中学の開校からちょうど四半世紀。「グローバルな視野と21世紀型スキル」を備えた「真のレディー&ジェントルマン」の育成を目指す同校では、すべての学びをとおして課題設定と合意形成の力を育んでいます。高2までに6年間の履修を修了し、高3で大学入試に的を絞った学習に専念するための「2・3・1の学習システム」のもと、それぞれの将来の目標に合わせたクラス・コース編成をとりますが、今年度の中2から「グローバルコース」を新設。動き出したその新コースの話題を中心に、同校で展開される教育について校長の伊藤邦義先生にお話を伺いました。

「一貫クラス」「特選クラス」に加え、
中2から「グローバルコース」がスタート

西武文理_お話を伺った校長の伊藤邦義先生
お話を伺った校長の伊藤邦義先生

伊藤校長:「文理といえば英語教育、国際教育に強いといわれてきましたが、生徒にグローバル力をつけさせたいというのは創立以来、変わりません。ただし、いくら英語を話せてもグローバル力があるとは言えません。そこには、勉強で学ぶ知識はもとより、思考力やコミュニケーション力、発信力が不可欠です。ですから、グローバル教育は総合的に人間力を向上させるための教育だと思っています。そのグローバル力を下支えするのが、世界中と意思疎通を図る英語力になるわけです」

まず、下図をご覧ください。昨年まで中学は「中高一貫進学クラス」と「特別選抜クラス」の2クラス編成でしたが、今年度から中2の段階から「グローバルコース」を加えたクラス・コース編成となりました。中2進級時に「一貫クラス」と「特選クラス」のどちらからも「グローバルコース」を選択できる形ですが、この時、文系・理系の志望にとらわれずに選べることが特徴です。

■各クラス・コース編成と6年間の流れ

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伊藤校長:「本校は開校以来、生徒たちの未来の選択肢を海外まで広げられるよう、英語力をきちんと身につけることに時間を割いてきました。それが、保護者の方々からも評価をいただいてきたわけですが、生徒自身が具体的に進路を見据えるためにもそれをさらに強化し、これまでのノウハウと新しいメソッドを融合させて、『英語が使える日本人』の育成を目標とする『グローバルコース』を新設しました」

グローバルコース設立の目的は「英語力の増強」「希望進路の実現」「グローバル人材の育成」の3つ。
伝統的に英語教育と国際教育に取り組んできた同校ですが、人間力を底支えとした、総合力をもったグローバル人材の育成にますます拍車がかかってきました。同校のスローガンでもある「グローバルな視野で社会に貢献する "真のレディー&ジェントルマン"の育成」が示す理想像が、いよいよ具体化してきたわけです。

そして、コース新設にあたって昨年の11月に中1生に希望調査をしたところ、一貫・特選クラスの半数以上の生徒が中2からグローバルコースで学ぶことを希望しました。

国際教育主任の浜田真先生は、「個人的にはこのグローバルコースの67名のうち、10%が海外大学進学を果たしてくれればと思っています」と展望を語ります。

「グローバルコース」では
密度の濃い英語学習が展開

西武文理_国際教育主任の浜田真先生
国際教育主任の浜田真先生

グローバルコースは、「豊かな教養」×「グローバルな視点」×「世界に通用する実践力」という総合力を身につけ、英語を介して国際社会に貢献できる人材育成を目標としています。その他のクラスと大きく異なるのは、英語教育の充実度。その概要は、以下の図をご覧ください。

■「英語力」を徹底的に磨く! グローバルコースの取り組み

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西武文理_スタートしたばかりの「グローバルコース」は活気に満ちている
スタートしたばかりの「グローバルコース」は
活気に満ちている

とくに中学では英語力を強化することを重要視しているため、グローバルコースでは英語の授業を他クラスより多い週7時間に設定しています。

英語の授業では、すべてのクラス・コースで検定教科書と検定外教科書の2冊を併用。検定教科書『New HORIZON』で基礎を固め、検定外教科書『Birdland』を応用力育成のために使用していますが、その比率は一貫クラスでは7:3、グローバルコースは逆の3:7。そこからも、内容の充実ぶりがわかります。

ちなみに、定期考査では英語は「リスニング+リーディング」と「リスニング+ライティング」の2回実施されます。スピーキングは授業内などで行い、平常点に加える形に。

西武文理_グローバルコースでのオンライン英会話は、年間最大1200分!
グローバルコースでのオンライン英会話は、
年間最大1200分!

「授業内でのオンライン英会話は中3全員と、中2のグローバルコースで実施。授業以外でも放課後に実施しており、中学生全員が希望制で受講できます。また、900冊余りの中から自由に読んでいく『オンライン洋書多読』を通じて、いずれは洋書版のビブリオバトルも計画していますが、オンライン洋書多読については他クラスの生徒からも希望が出て、6月からは中1・2で週に2回、朝読書としてスタートしました」と浜田先生。

そこからは、同校の気風が見えてきます。
グローバルコースでの取り組みが呼び水となり、ほかのクラスの生徒たちのやる気にも火がつく。生徒たちの旺盛な意欲と、それを受け入れ後押しする同校の体制が、結果的に生徒全員の底上げに結びついているのでしょう。

このように生徒の意気込みには柔軟に対応するため、近い将来、グローバルコースの人数はさらに増えるかもしれません。

西武文理_セブ島での1コマ。現地の子どもたちと一緒に
セブ島での1コマ。現地の子どもたちと一緒に

校長が語るように、真のグローバル力を育むためには、実際に見て感じて、新たな視点で物事を考える体験が大切です。
その代表例が、セブ島での3週間にわたる短期語学研修。このセブ島への語学研修は、昨年度は希望制で実施されましたが、グローバルコースでは必修になります。

ウィークデーはマンツーマンとグループレッスンで1日約8時間以上の「英語漬け」の生活を送りますが、週末には現地高校生との交流やシティツアー、ボランティア施設訪問も実施。

「短い時間ではありますが恵まれているとはいえない現地の子どもたちと触れ合い、それでも懸命に勉強する彼らを直に見ることはかけがえのない体験になります。知識はもっていても実際に見るとショックを受けるようで、その現実を前にして、逆に日本の良さを再発見したという感想をもつ生徒も少なくありません」と、浜田先生。

このように、生徒たちは英語というツールをとおして世界の現実を目の当たりにし、視野を広げていくのです。
7月中旬には出発しますが、6月時点で、事前学習としてオンラインで現地の先生との研修も始めているとか。オンライン英会話で積み上げた力をもって、オフラインで直接交流する3週間には大きな実りが期待されます。

伊藤校長:「英語力という意味でも、グローバルコースの生徒たちが高2までにかなりの力をつけることによって、大学入試の新テストで英語が民間検定資格に代わる際にも、ある程度高いスコアをもって国内、あるいは海外の大学に合格していけると思っています。将来的には、CEFRのB1?B2(CEFRとは英語力を示す国際標準規格のことで、B1は英検2級相当、B2は準1級相当)を目指していきます」

海外大学に進学した先輩たち、
そして多彩な入試で入ってきた新入生たち

伊藤校長:「本校は高校が先にできた学校で、高校には『普通科』『理数科』『英語科(1984年設置/埼玉初)』と全部そろっています。ですから、生徒たちが各々の夢に向かってまっすぐに進んでいける。これが、本校の根本です。そして、教員も一人ひとりの生徒と一緒に考えていきますので、さまざまな進路に対応できていると思います」

西武文理_職業研究に取り組む中1生たち
職業研究に取り組む中1生たち

中1の職業研究、中2の職業体験をはじめ、企業・地域との産学連携プロジェクトや卒業生や社会人との交流など、同校ではキャリア教育も充実していますが、そのような体験からも生徒たちはさまざまな刺激を受け、社会に目を開いていきます。

伊藤校長:「早い時期から目指すものができる生徒は多いですね。ただ、中学生は1年ごとに変わったりしますが(笑)、それでいいのです。生徒自身の意欲が出てくることが肝心ですので、好奇心を刺激し、知見を広げる場面を豊富につくっています。自分の将来を見つめられることが、生徒にとって一番力になることですから」

授業はもちろん、各種研修や情操教育などプログラムが豊富で、放課後の学習指導体制も手厚いですが、そう聞くとハードな学校生活をイメージするかもしれません。でも、そうではありません。「?しなければ?できない」という強圧的な姿勢ではなく、「?すれば?もできるよ」と、ポジティブに明るい未来を指し示しながら生徒を指導している同校だから、結果的に生徒が自分で前へ進んでいくのでしょう。

●海外大学に進学した先輩たち
西武文理_入試広報主任の加藤潤先生
入試広報主任の加藤潤先生

カリフォルニア大学バークレー校やニューヨーク州立大学へ進学した先輩もいますが、そのなかに、ハンガリーの国立大学の医学部に進学した先輩がいます。ハンガリーとは珍しいですが、ここにも、同校ならではのエピソードがありました。

入試広報主任の加藤潤先生が、その経緯を教えてくれました。「その生徒は、国際医療ボランティア団体の『国境なき医師団』に憧れていたのですが、当然ながら、最初は日本の大学の医学部しかイメージしていませんでした。ところが、本校の『医学部進学ガイダンス』に参加しているうちに、おそらく海外の大学にも目が向いたのでしょう。『先生、ここってどうなんですか?』と。でも、我々もハンガリーの大学の知識はまったくありませんので(笑)、一緒になって調べたり考えたりしたのです。そうして、彼は最終的に自分で決めてハンガリーに行きました」

また、音楽を学びたいけれど、日本の音楽大学でクラシック音楽を学ぶのではなく、ミュージック・エンターテインメントの勉強をしたいと、カナダの大学に進学した先輩も。

伊藤校長:「海外大学進学については、意図的に生徒を引っ張ろうとしても無理です。その卒業生たちの夢と、教員が生徒の意欲に寄り添い、一緒になって道を探る本校の体制がマッチングしたのかもしれませんね。通常の授業のなかでも、キャリア教育など他の取り組みでも、ただ自分の頭の中で考えたり体験するだけではなく、プレゼンなど発信することにも力を注いでいますので、そういう力が磨かれて、きれいに海外につながったようにも感じています。学校の中に、さまざまなチャンスがあるといってもいいのかもしれません」

ちなみに、先頃「留学と海外大学説明会」を開催したところ、37組の親子が参加したそうですが、その3分の2が中学生だったのだとか。
外交官として活躍したり、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学医学部で教鞭をとっている卒業生もいますが、グローバルコースを立ち上げ、さらに学校全体にグローバル意識が広がっている同校では、海外大学に進学した先輩方に続く生徒が、今後ますます増えていくことは間違いなさそうです。

●中学入試も、ますます多様化
西武文理_体育祭で。ここでも生徒たちのやる気が爆発!
体育祭で。ここでも生徒たちのやる気が爆発!

学習面でも学校生活のなかでも、選択肢が豊富で、生徒がそれぞれ自分の関心の赴くままに、または得意を生かしてチャレンジできる環境は同校の大きな魅力。「本校にはさまざまなタイプの生徒がいますが、一人ひとりが6年間のなかで小さな達成感を積み重ね、自己肯定感を育んでいってほしいと思っています」と加藤先生は言います。

中学入試の選択肢も豊富ですが、従来の4科・2科入試に加え、今春、「適性検査型」と「得意教科(算数または英語の1教科)」入試を新設しました。

「内輪の話になりますが、たとえば『適性検査型入試』は100名いけばと思っていたのですが、蓋を開けてみたら、170名が受験してくれました」と加藤先生が言うように、新入試もかなりの注目を集めました。

西武文理_生徒たちは、学校内にあるさまざまな扉を開いていく
生徒たちは、学校内にあるさまざまな扉を開いていく

その受験生たちが中学生になって3カ月。多様な入試で入学してきた生徒たちに、それぞれの特徴はあるのでしょうか。

「適性検査型入試で入学してきた生徒はとても元気が良く、周りを固めていくのが得意なリーダー・タイプが多いですね。また、得意教科入試、とくに英語で受験した生徒は得意性を十分に発揮できていると感じます。まだ入学して間もないですが、従来の4科・2科入試で入学した生徒も含めて、それぞれが自分の居場所を見つけているようですね。そういう意味でも、個々の生徒が活躍できる形といいますか、新しい入試を導入した成果が出てきていると思います」と、加藤先生。

西武文理_中高では珍しいライフル射撃部
中高では珍しいライフル射撃部
西武文理_ハーモニーが見事なダンス部
ハーモニーが見事なダンス部
西武文理_パワフルなバトミントン部
パワフルなバトミントン部

幹となる人間力を太くしながら、
ますます進化する文理の学び

西武文理_ハーバード大学英語プログラム
ハーバード大生と意見交換しながら英語のトレーニングを行う「ハーバード大学英語プログラム」で、記念のワンショット

システム化しているわけではありませんが、同校では臨機応変にクロスオーバー授業も展開されています。どういうことかといえば、「ここはちょっと内容に深みをもたせたい」という時に、英語×歴史、英語×生物など、先生方同士が協力し合って授業内容をつくっていくのだそうです。

このことにも象徴されるように、同校には四角四面の枠組みといったものが見当たりません。先生方が「どうしたら、もっと良くなるのだろう」と考えつづけているから、生徒たちの意欲もパワーアップしていくのでしょう。

西武文理_20講座あるCAの中には「日本民踊」も!
20講座あるCAの中には「日本民踊」も!

グローバルコースに限らず、「ハーバード大学英語プログラム」や「イングリッシュキャンプ」、また海外研修で訪れるオーストラリアでのファームステイなど、グローバル系のプログラムが満載の同校ですが、同時に日本の伝統文化に触れたり、中学では総合学習として「CA(Creative Activity/さまざまなジャンルから1講座を選ぶ)」を設けるなど、さまざまな体験・探究の機会があります。

同校の目指す「グローバル力を身につける」とは、先述のとおり、英語力や国際理解力に特化したものではなく、全人的ともいえる総合力を身につけることだからです。

では、その総合力を身につけるうえで、人として最も重要な根本は何か。
毎朝、校門に立って生徒を迎えるのが日課だという校長が、明快に答えてくれました。

伊藤校長:「何よりも大切なのは、『あいさつ』です。人と会って明るくあいさつできる人は、すべてのことに積極的です。つまり、『はい!』と返事ができる人は、人の話をきちんと聴くことができ、いろいろな物事を素直に受け入れられるのです。『あいさつ』『返事』『感謝のことば』の3つは社会を生きていくうえでの基本ですので、何より大切にしています。それを根本としながら、6年間のなかで『進学力』『グローバル力』『人間力』を身につけて、世界に羽ばたいていってほしいですね」

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