学校特集

大妻中野中学校・高等学校2017

生徒が主体的に学ぶための手法「妻中サクセス」を今春スタート!
さらに2コース制への再編、算数1科目入試の新設という新たな改革も加え、大妻中野はさらなる進化へ!

掲載日:2017年9月6日(水)

新校舎が竣工した2013年(平成25)年を節目に、止むことのない改革によって求心力と注目を高め、それをまた学内の活性化のエネルギーとして進化してきた大妻中野中高は、今年度から来年度に向けて、また新たな挑戦に踏み出しました。
生徒が主体的に学ぶ手法「妻中(つまなか)サクセス」の今春からのスタートに加え、来春2018年からは「アドバンストコース」・「GLC(グローバルリーダーズコース)」の2コース制への再編と、「算数1科目入試」の新設で、生徒全員の学力アップを図る同校は、未来を見据え、その時代に求められる力を育てる、いわば"希望の女子校"といえるでしょう。
*2/1、3AM入試では4科→2科・4科選択制に変更
今回は、そうした一連の改革のリーダーシップをとってきた校長の宮澤雅子先生をはじめ、教頭の諸橋隆男先生、同じく教頭の橋本弓子先生、入試広報部の中川徹夫先生にお話を伺い、今回の新たな改革への経緯と、今後の抱負を語っていただきました。

沿革と最近の改革

2013(平成 25)年 最新ICT環境を整えた新校舎完成。
2015(平成27)年 SGH(スーパーグローバルハイスクール)アソシエイト校指定を受ける。
2015(平成27)年 ICT環境での授業実践開始。
2016(平成28)年 生徒は一人一台タブレット所有。
2016(平成28)年 「グローバルリーダーズコース」新設。「グローバル入試(英・国・算)」新設
2017(平成29)年 「新思考力入試」新設。「グローバル入試」1回→2回に増設。
2018(平成30)年 コアコースを廃止。「新思考力入試」を2月1日へ移行。
        「算数入試」新設。4科入試→2科・4科選択制に変更。

校長:宮澤 雅子
所在地:〒164-0002 東京都中野区上高田2-3-7
TEL:03-3389-7211(代)
http://www.otsumanakano.ac.jp/
交通:JR中央線・東京メトロ東西線「中野駅」から徒歩10~15分。西武新宿線「新井薬師駅」から徒歩10分。JR「中野駅」ほかからバスの便あり。

今春2017年から来春2018年に向けた三つの改革を
新たなバネに未来の社会で活躍できる力を育てる!

大妻中野中学校_

3年後に控えた「2020年大学入試改革」を節目に、今後急速に変わろうとしている日本の教育と大学入試。その動きと連動して中学入試も変化し、この3年間、中学受験生数も少しずつ右肩上がりに向かってきました。そして来春2018年入試では、また受験者数は増加に向かうことが予想されています。

そうした状況のなかで、来たるグローバル社会と2020年からの大学入試の変化に対し、いち早く未来に必要な力を見据え、自らの中高6年間一貫教育の目標(ディプロマポリシー)~中味(カリキュラムポリシー)~入試(アドミッションポリシー)を進化させてきた中高一貫教育の私立女子進学校が大妻中野中学校・高等学校です。

止むことのない改革と進化によって求心力と注目を高め、それをまた学内の活性化のエネルギーとしてきた大妻中野中高は、今年度また、新たな挑戦に踏み出しました。

「そのひとつが、生徒が自ら主体的に学んでいけるよう、この春から教員には授業のスタイルを変化させ、生徒には能動的な学び方、脳を活性化させる学び方を教えるようにしたことです。その手法を『妻中(つまなか)サクセス』と呼んでいます」と校長の宮澤雅子先生は言います。

大学入試の変化と合わせて、全国の学校教育の現場での課題として文部科学省が導入を推進しているのが、アクティブラーニングですが、一方で大妻中野中高がめざす「生徒の主体的な学び」とはどういうものか、関心の集まるところです。

大妻中野中学校_

「もうひとつが、来春2018年度からは、これまでの3コース制を変更し、『グローバルリーダーズコース(=GLC)』と『アドバンストコース』の2コース制に集約することです」と宮澤先生は続けます。

従来の『コアコース』は、発展的に解消し、全員が『アドバンスト』か『グローバルリーダーズ』の教育プログラムで学ぶことになるということです。改革と進化を続ける同校は、人気とともに入学者レベルも上昇していることから、この発展的統合が可能になったということができるでしょう。

「そしてもうひとつが、来春2018年入試から、2月3日の午後に『算数1科目入試』を新設することです」と宮澤先生。

2015(平成27)年から「SGH(スーパーグローバル・ハイスクール)」アソシエイト校の指定を受けている大妻中野では、英語教育、グローバル教育の体制づくりを加速させてきました。

「さらに本校の教育に、いま世界でも課題とされている『STEM(Science,Technology,Engineering and Mathematics)教育』の要素を加えたいと考えたことによります」と宮澤先生。

年々"進化する女子校"として変貌を遂げ、さらに理数系教育にも力を入れようとしている大妻中野中高。そのめざすところは、現状よりも一段高く、広い、女子のキャリアデザインと今後の社会での活躍を可能にする力の育成のようです。

これまでの発想を転換し、教員の「教え方」よりも
生徒の「学び方」に焦点をあてた「妻中サクセス」を導入!

まず、最初の『妻中サクセス』について伺います。今年の3月中旬にお話を伺った際にも、このお話が出ていましたね。
大妻中野中学校_

「私たちは教育環境、プログラムの改革、整備に力を入れてきました。おかげさまで生徒の意識はあらゆる面で大きく成長・変化してきています。そこで、加えて、生徒が「自分で自分を伸ばしていくことができる学び方」を修得できたならば、さらに力強く育つのではないかと考えて、この4月から『妻中サクセス』という手法に取り組み始めています」と宮澤先生は言います。

3月末に準備をして、4月からまず宮澤先生が先頭を切ってスタートするということでしたね。

「今回の『妻中サクセス』は導入を決めてから2~3週間でスタートを切りましたので、これまでの改革で最も忙しかったですね。難しいかなとも思いましたが、まず始めようと...。それで春休み前に教員に集まってもらい、まず私が先頭を切るからといって、4月の始業式から始めました。

やると決めたならばすぐに実行に移さないと大きく変わらないと考えました。今回も教員が『それはいい』とすぐに賛成してくれましたので、無事スタートさせることができました」と宮澤先生。

そして今春から「妻中サクセス」導入に踏み切ったのですね。

「4月8日の始業式から始めました。本校の教員はみな熱心ですが、これまでは、教え方が足りないのではないかとか、教材がどうなのかとか、そういう方向に考えがちでした。そこで、発想を変えて、生徒たちの受け取り方=学び方に工夫をしてみようと考えたわけです。つまり生徒が自身の力で自分を伸ばす方法を考えたほうが良いと...」と、「妻中サクセス」導入の経緯を宮澤先生は聞かせてくれました。

具体的にはどういう手法なのでしょうか?

「教え方」より、生徒の「学び方」を考える方向に発想を転換して、生徒自身が脳をどう使うかということに焦点をあて、学んだことの吸収と消化の仕方を工夫することにしたのです。たとえばアスリートが身体の動かし方を工夫して筋力を鍛えるように、学校で学ぶときにも、生徒がもっと脳を活性化することができないかと...。まず管理職が研究して春休み前に先生方全員でも研修を行いました。

そして今春の始業式で生徒たちにそのノウハウを伝えてスタート。その後何回か、私ともう一人の教員で、中1から高2まで、授業時間を設けて『脳の動かし方』について説明してきました」と宮澤先生。

その手ごたえはいかがでしょうか。

「やればやるほど、理にかなっていると感じています。人間の身体でいちばん大事なのは脳ですよね。それをどうやって活性化するかのノウハウに着目することで、まだ始めて3ヶ月ほどですが、良い成果が出ていると思います」と宮澤先生。

生徒自身が自分の脳を活性化し、本質的な意味で
生徒自身が学べる手法「妻中サクセス」

その「妻中サクセス」の具体的な手法についてお聞かせください。

大妻中野中学校_

「人間の身体はすべて脳が支配しています。その脳をいちばん良い形で活性化するための方法を「妻中サクセス」と位置づけました。
たとえば、受身ではない授業への取り組み方として、必ずメモを取るということ。それにも二つ方法があって、聞いたことを速記的にメモする方法と、もうひとつは要約して自分なりの表現でメモする方法です。とくに要約がとても大切で、私のガイダンスでも、『いまのところは速記でメモして、次のところは制限時間内に要約で!』といったように、限られた時間内で緊張感と集中力を持って、自ら大事な点を探り出す力を高めていけるよう指導しました。

つまり主体的に授業に取り組み、そこから大事な情報を自分のものとして掴み取るということで、とくに早く手を動かすことを重視しています。のろのろやっていては脳が活性化しないので、高速回転させないといけないわけです」と宮澤先生は、ご自身のガイダンスでの例を話してくれました。

「たとえば生徒が大好きな部活では、何が何でも1位になると決めたときには、短時間でも集中して大事なことを吸収することができますよね。それならば授業でも同じようにできるのではないかと...。身体的にも、きちんとした姿勢や態度で話を聞くということは脳の活性化には絶対に必要です。そうしないと身にならないことを生徒は自然に感じ取っているわけです。それを授業でも具体的に実践していきたいと考えたのです」と宮澤先生。

全国トップレベルの同校合唱部を長らく指導してきた宮澤先生は、ご自身の経験とも重ねて、「妻中サクセス」の手法を話してくれました。

授業でも、そういう脳が活性化する学び方のスキルを伝えるということですね。

「はい。たとえば全校集会、始業式などでも、聞いたことを必ず主体的にメモするために、筆記用具を持参して集まります。そうした工夫の積み重ねが大切だと思います。」

いま文部科学省が全国の学校教育の現場に導入を推進している「アクティブラーニング」について、要はどれだけ生徒の脳がアクティブに動いているかどうか、その一点に尽きるという解釈もありますが、「妻中サクセス」も同じですか?

「そう思います。また、必ず振り返りをすることも重要です。たとえば生徒集会の後には担任は必ずホームルームで生徒に振り返りをさせる時間を設けています」と宮澤先生。
「振り返り作業はタブレット端末を利用して提出させる先生もいます」と教頭の橋本弓子先生。

そうした振り返りを通して、自己評価と先生からの評価の違いを知ることが学びになるという側面もあるようですね。

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「タブレット端末を生徒が一台ずつ所有することになって、便利なだけではなく、教育活動のあらゆる場面で有効活用されるようになりました。たとえば自分が学んだことの履歴を保存して、いつでも確認できる点もそのひとつです。自分が挑んだ課題や、プレゼンなどの記録をすべて保存して、後で学びを振り返ることができます。「自分はどういう人間なのか」「何を学んできたのか」ということを振り返るときにも有効で、今後は大学入試に必要な自己申告書などにも活用できますね。大学では、活動の記録を動画などで提出させるケースも出てきています」

「合唱部でも、大学受験時に、活動記録や全国大会の賞状コピーをもらいにくる生徒がいます。こういうことは今後もっと増えてきますよね」と宮澤先生は、ICT活用の効果についても語ってくれました。

大妻中野のICT教育も「妻中サクセス」にひと役買っているわけですね。

「現時点では、その種まきを一生懸命している段階ですが、きっと生徒の将来に役立つと思っています」と宮澤先生はその成果に期待を寄せます。

もう少し具体例を伺ってもいいでしょうか?

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「メモの次は、身体的に置き換える、つまり手を動かすとか、姿勢を正して聞くとか、頷いて聞くということによって思考を定着させることも重要です。たとえば卓球選手は試合中に何度も頷いていますよね。自分をコントロールするために、『そうなんだ!』『よし、これでいい!』と大勝負のときはみんな頷いています。このような身体の動きの重要性も伝えています。

この手法をより高いクオリティで、様々な授業のなかに取り入れていくことが目標です。」と宮澤先生は、今後の課題にも触れてくれました。

いかに生徒の気持ちと頭を動かすか?
そのための教員のサポート力向上が、大妻中野が掲げる今後の課題

現時点での成果はいかがでしょうか。

「たとえば合唱部の生徒が学年で2位の成績を取ったというので、『休みも少ない練習と両立させて、どうやって勉強しているの?』と聞くと、『先生に教わった「妻中サクセス」どおりにしているだけです』といわれたこともあります。

部活にも打ち込んでいて時間があまり取れない生徒は、勉強の仕方を工夫しないと難しいですよね。でも、両立は不可能でないというのです。
その生徒は、帰宅すると制服を着替えずに緊張感を持ったままリビングで学習するそうです。まさに集中の方法、つまり『身体的に置き換える』方法を工夫しているわけですね」と宮澤先生は、生徒の成長に目を細めます。

ある意味では「学習観」「学力観」の転換でもあり、大妻中野がめざす教育の将来ビジョンを反映したものでもありますね。授業のなかで、いかに力をつけていくか、そのために、この『妻中サクセス』が生まれたのですね。

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「授業のなかで力をつけていく。これが核であるという考えは以前から変わりません。私立学校とその生徒たちにとって、いちばん大切なのは、先を見据えて必要な力をつけていくことですよね。今回の取り組みは本質的な意味でのアクティブラーニングを実現するためのシステマチックな手法だと思っています。

アクティブラーニングの本当の意味は、いかに生徒が主体的に、自分の頭を動かすことができるか、その点につきるわけです。そこに導いていく仕掛けや、ファシリテーションに優れた教員が、生徒にとってもっとも良い教員ということになりますよね。

『いかに生徒の気持ちと頭を動かすか』それが本当の指導力だと思いますし、そういう優れた指導者がいる学校が発展していくのだと思います」と宮澤先生。

本当の意味で「子どもたちの気持ちと頭を動かす」学び方が真のアクティブラーニングであり、全教科でそうした学びの実現をめざす大妻中野中高の授業と生徒の学習を支えるシステムが「妻中サクセス」だと解釈して良いでしょうか?

「その通りです。最終的には子どもの気持ちと能力をどれだけ動かせるか、引き出せるかという、その一点ですね。指導力とかファシリテーション力という表現を使わずに言うと、サポート力ということになるでしょうか。つまり生徒の能力を引き出せる先生がいちばんですよね」と宮澤先生は、同校のめざす教育の理想をみつめ、教師陣へ期待を寄せています。

2コース制への発展的再編と進化によってやがては
「英語イマージョン」を理想とする大妻中野中高の将来ビジョン

2018年度からの改革のもうひとつの柱が、従来の3コース制から「アドバンストコース」、「グローバルリーダーズコース(=GLC)」の2コース制への変更と、それにともなう「コアコース」の廃止ということですね。

大妻中野中学校_

「そのため来年の募集は、『アドバンストコース』5クラス、『グローバルリーダーズコース』1クラスという形を考えています。2020年以降の大学入試の変化や、『学習指導要領』の改訂に備え、より柔軟なカリキュラム対応が可能なコース設定にしました。これまでの『アドバンストコース』での手応えと、入学者のレベルアップにも応じて、『グローバルリーダーズコース』を含むすべてのクラスで、より高いレベルの教育を行うようにしたいと考えたのが導入の理由です」と宮澤先生。

「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」アソシエイト校としての教育と、2年前から導入した「グローバルリーダーズコース」の教育の成果を手ごたえに、その教育プログラムを全校に広げていこうというお考えでしょうか?

たとえば、留学して戻ってきた生徒が自分から校長室にやってきて、授業の時間だけなくふだんから日常的に英語に触れ、英語を使う環境ができないものかと言ってきたことがありました。その結果、まずは全校集会や、校内放送時、職員室内での先生方との会話時。そういうところから、自分たちで英語を使っていこうとする雰囲気が生徒に芽生えてきています」と話す宮澤先生は、生徒の自主的な姿勢に手ごたえを感じています。

それは頼もしいですね。

「自分自身の海外経験を振り返り、どうしても校内環境を変えていきたいと考えたようです。それならば授業以外に英語を使う場面を増やそうと...。6月に行われた体育祭のラジオ体操も、すべて英語でやっていました(笑)」と宮澤先生。

確かに、身体を動かすときに英語を使うことが効果的という見方もあるようですね。

「ですから、ゆくゆくは、他の教科も英語で学ぶ『英語イマージョン』が理想的なのではないかと思っています。保護者の皆様が学校教育に求める第一番目のものは、子どもたちが幸せになることですよね。いまの生徒たちが実際に社会人になったときに、女子であっても男子であっても『あなたでなければできないこと』を持つ人にならないと、AI(人工知能)の時代には厳しくなると...。その時代に、英語力が重要になることも間違いないと思います。

社会人になれば、経済的自立というのは幸せと切り離せないものです。生徒一人ひとりが社会のなかで『あなたでなければ』という力を身に着けて主体的に生きていってほしいと思います」と宮澤先生は言います。

とくに女子は現実的な目標を想定することが努力のエネルギーにもなりますので、仕事の業種による待遇や働き方の違いをもっとリアルに伝えてもいいのではないかと思います。

大妻中野中学校_

「子どもたちも、何のためにいま勉強するのか、どういう勉強が必要なのかということがはっきりしないと『勉強したい』という気持ちが強くなりません。
いま私が考えているのは、プレゼンテーション能力、創造力、イノベーション、問題解決能力とか、多様な世界の価値観を受け入れるとか、そういう総合力を養う授業を単独で行えないかと言うことです。いま高校の『GLC(グローバルリーダーズクラス)』では、そのような時間を設けていますが、まだ足りません。では今後どうするかというと教科横断型の授業しかないのではと考えています。
自分の教科の授業だけをするという概念を取り払って、横断型で、たとえば日本史を英語で置き換えて学ぶとか、プレゼンはどの教科でも行うとか、そういう方法をいま計画しているところです。これからは必ずそういう授業を導入していきます。

従来の学校の枠組みや慣例にとらわれてしまうと、難しいことでもあります。しかし私たちの最終的なビジョンは、すべてが『GLC(グローバルリーダーズクラス)』の学び方や、あるいは『IB(国際バカロレア)的な』教育に向かうことではないかと考えています。突き詰めると、これからの日本の子どもたちに必要な力はそこにありますよね」と宮澤先生。大妻中野の改革と進化は、さらに先のビジョンに向けて、一刻も立ち止まることはないようです。

生徒のモチベーションアップのための"他流試合"への
積極的な参加や高みをめざす経験をさせる!

先ほどの「妻中サクセス」も、この2コース制への再編のバネにしたいということでしょうか。

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「そうですね。『妻中サクセス』はまだ種を巻いて根付けをしている段階ですが、とくに英語では全校一斉に取り組む点が特徴です。遅まきながらかもしれませんが、「英検」は希望者だけでなく、中1から高2まで年に2回、全校生徒が学校で必ず受けるようになりました。すでに中2の多くの生徒が3級の1次は受かっています。全員でチャレンジして、結果も生徒に見えるような形にして、全体のレベルアップを図っていこうと...。

これは合唱部を全国大会に導くときの私のやり方でもあります。経験からいうと、ほとんどの生徒は必ず伸びるのですね。この子は無理ということは絶対ありません。やるのは生徒自身ですが、そのために上手に生徒に刺激を与え、きっかけをつくるのが教員の役目です。

たとえば先日「TEAP」を高2が全員で受験したのですが、希望者だけではなく、ひとつの学年の生徒全員が受験したケースは全国でも初めてだそうです。こういう種をいま撒いているところなので、大妻中野の生徒は今後更に伸びると思います」と宮澤先生は断言します。

そういえば、確かセブ島との「オンライン英会話」も全員で受講した学校は初めてだったとか...?

「世界で初めてだったので、フィリピンから社長さんが本校に飛んできてくれました」と宮澤先生。

それはダイナミックですね。

「ほかにも、AI(人工知能)を活用したエッセイライティングの基礎編の学習をこの6月から初めています。やはりスピーキングもライティングもマン・ツー・マン指導でないとなかなか伸びません。1対1の実践が必要で、手間がかかるものです。その基本的なことまではAIがやってくれるものです。たとえばあるテーマについて途中まで書き進めると、次にはAIが候補を示してくれて、それを仕上げて送ると、添削して戻してくれるといったものです」と英語科の中川徹夫先生。

「英語では全校レベルでそこまで行こうという動きが劇的に進んでいます。大学入試でも『英語4技能』が強調され始めましたが、それ以前から本校の英語科では4技能の中でも最終的にはライティング力の重要性が強調されていました。ライティングが十分にできるようになれば、英語の実力がついてきているということです」と教頭の諸橋隆男先生も言います。

「SGH(スーパーグローバルハイスクール)」アソシエイト校としての活動の成果も上がっていると思いますが...。

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「本校はSGH指定の3年目を迎えましたが、校内でも変化がいろいろ出てきています。嬉しかったのが、本校から二人目の高校生平和大使に選ばれた生徒が校長室に来て、『自分は平和大使なので、こういうことがしたいのですが...』と提案してくれたことです。この生徒は昨年、世界ディベート大会に挑戦したそのときにはまるで対応できずに悔しい思いをして、そこで『自分は絶対にがんばるんだ!』と気持ちが芽生えたそうです。それを機会に、模擬国連にも挑戦し、そこでも他校の生徒さんに相当刺激を受けたようです。『意思力やプレゼンの説得力がすごくて、世界的視野でものを考えていて、同じ高校生とは思えない』と...。それで自分もそうなりたいと強く思って、そこから人が変わったように成長した生徒です」と宮澤先生。

多感な中高生時代だからこそ、ひとつの経験が非常に大きなモチベーションになることがあるようですね。

「もしあの生徒がNFLJ(世界ディベート大会)に出場しなかったら、あそこまで劇的に成長しなかったと考えると、そうした経験が子どもたちを大きく変えるということがよくわかりました。 "他流試合"では、学内ではできない経験ができるわけです。できるだけそういうチャレンジができるようにしていきたいと考えています」

そうした学外でのコンテストや大会に積極的に参加しようとすると、定期テストとの兼ね合いなども工夫する必要があると聞きますが...。

「たしかにそういう意味でも、従来の学校の概念を変えていく必要がありますね。」

そうなると、保護者の学習観とか、学力観まで変えてもらえるよう理解を促す必要があるかもしれませんね?

「その通りだと思います」

開設以来、着実に成果を伸ばしている「アドバンストコース」と
「GLC」の教育プログラムの要素を全生徒へ!

これまでの「コア(一般)コース」を廃止し、「アドバンストコース」と「GLC(グローバルリーダーズコース)」の2コースに再編することで、入試の難易度の変化も予想されますが...。

「複数のコースがあるということで、志望校としての選択肢に入っていなかった受験生と保護者が見直してくれるケースもあると思っています」と諸橋先生。

私たちの予想では、受験生は減らないように思いますが...。

「これまでの3コース制から2コース制への再編は、入試で選別するのではなく、入学してから伸ばしたいという考えによるものです。そして、先にも述べたように、現在の小学5年生が高校入学時に改訂となる学習指導要領に素早く対応できるように、シンプルな校内環境を整えることが最大の目的です。

また、本校の教育が海外にも目を向けるようになって、文系・理系という視点は日本だけのものだとわかりました。最終的にはグローバルな視点が将来的には役立つだろうと考え『GLC』の学びを全生徒に広げていきたいと考えています」と宮澤先生。

「GLC(グローバルリーダーズコース)」のように、帰国生と国内での英語の既習者を一緒のクラスにするという構成は、私立中高でもまだ多くはないようですね。

大妻中野中学校_

「本校も実は当初、本当に『GLC(グローバルリーダーズクラス)』の編成が可能かどうかという点を心配していたのですが、それは杞憂でした。この『GLC』を中学校だけでなく、昨年高1でも設置したところ、29名でスタートしました。そのクラスが高2進級時に10名増えて39名になりました。増えたのは『アドバンストコース』から希望して移ってきた生徒たちです」と諸橋先生。

開設当初の高1GLCでは『こういう英語の指導で大学受験に対応できるのでしょうか?』などの質問があがり、生徒や保護者には不安もあったようです。ところが、実力テストや模試でも成績が上がるにつれて、また、授業を通してプレゼン力が伸びていくことを実感し着実に力が着くことが理解されたようです。そして現在の高1も、34名で設置できました」と宮澤先生。

先行きは『GLC(グローバルリーダーズクラス)』のクラス増も考えているということでしょうか?

「英語のレベルは確実に上がっていますので、少しずつクラスを増やしていければと思います。
在学中に留学する生徒も、4年前に比べて6倍になりました。まだ25名ですが...。ターム(短期)留学が12名、1年間留学が12名、トビタテ留学選考通過者が1名です。また今春の卒業生は海外大学に3名進学しています。そういった流れができてきていると思います」と宮澤先生。

「説明会にも『GLC』に関心を持って来てくれる保護者の皆様がとても増えています。また、外部に説明に行くと、英語で授業やるというのはもう当たり前で、『英語以外の教科も英語でやらないのですか?』と聞かれることも増えてきています」と中川先生。

「これからの日本がどうなるのか、いつも学内ではそういう話をしています。海外の最新の情報を取り入れて、考えていく必要がありますね」と宮澤先生。

『STEM教育』の導入と、多様な力を持つ生徒を迎え入れるために
「算数1科目入試」を来春から新設!

もうひとつの改革が、来春2018年入試からの「算数1科目入試」の新設ですね。そのコンセプトは?

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「算数入試を新設するのは、本校は多様性を重んじている学校なので、好きなことを一生懸命にやりたいという子に来てほしいと考えたからです。算数1科目で入試を行うことで、国語の学力不足の不安に対して意見もありました。でも、平均させてしまうとバランスが求められてしまいます。算数が得意な子、算数が本当に好きな子に来てほしいのです。あえて『算数1科目入試』の形にしました。

そして何よりも『STEM(Science,Technology,Engineering and Mathematics)教育』のためです。ハイテクノロジー社会に対応できる学力を育て、未来の社会に必要とされる存在になるための教育で、絶対に必要となる要素です。

具体的にはプログラミングを学ぶことによって、論理的構成力や問題解決能力、継続力、創意工夫の力などを育てたいと考えています。それを通して未来社会で主体的に生きる存在になってほしい。そのための門戸を開いたのが『算数入試』ということです」と宮澤先生。

プログラミング教育は最近の教育の課題とされています。「算数入試」での入学者に対して行われるのでしょうか。

「本校にはプログラミングの授業を担当できる教員がいますので、週に1回プログラミング講座を設けて、この『算数入試』での入学者と希望者に向けて、この講座を開設する予定です。プログラミングはいま注目されつつありますが、専門分野として教えられる教員がいないと授業では導入できません。本校ではすでにICT環境が整備済みであったことも導入に際しての利点でした。最近の入学者の算数の力が上がってきたこともあります」と宮澤先生は言います。

『算数入試』の出題方針については、『受験ガイド』とWebサイトに書かれています。
「本校の入試は、この新設の『算数入試』に限らず、すべて大妻中野のアドミッション・ポリシーを示したものです」と諸橋先生は言います。

「妻中サクセス」のスタート、「アドバンストコース」・「GLC(グローバルリーダーズコース)」2コース制への再編、「算数1科目入試」の新設と、今春から来年に向けて、さらに改革と進化を重ねる大妻中野ですが、そのほかにも何かありますか?

「先にも述べましたが、教科横断型の授業の導入ですね。教員の意見をまとめ、方向性を校長の私自身が示して、担当部署が中心となって『この時期にこういうテーマでこうやってください』と提案して、各先生方に工夫してもらうことになりそうです」と宮澤先生。

「子どもたちの志を実現に導くことなしに、本当の発展はないと思います。それをいかにやれるかですね。教科横断型の授業を確実に実現していくこと。これからのスタートですが、必ず実現するつもりです」と宮澤先生。

宮澤先生のお話を直接お聞きすると、大妻中野のめざす教育と将来ビジョンが十分に理解できます。

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「自分の実体験からも、子どもというのは、本当にやり方ひとつでいかようにも成長するものだと信じています。そして教員はそのための責任者です。私立学校に来ていただいているのですから、必ず成し遂げなければいけません。それが教員の使命ですよね。本校はまだまだ改革の途中ですが、熱心な教師陣が必ずその理想を実現してくれると思っています」と宮澤先生は、今後に向けての決意を語ってくれました。

リーダーである宮澤先生ご自身が「改革の手を休めることはない」と宣言して、改革に継ぐ改革と、たゆまぬ進化を続ける大妻中野中学校・高等学校。着実な成果と、生徒の意識の高まりや学習姿勢の成長もバネにした、今後の発展がますます楽しみになってきました。

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