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学校特集

佼成学園女子中学高等学校2023

「人から学ぶ」「本物の挨拶」を実践しながら大きく成長

掲載日:2023年10月1日(日)

京王線千歳烏山駅から徒歩5分という好立地にある佼成学園女子中学高等学校。「国際社会で平和構築のために貢献できる人材の育成する」を理念に掲げ、「人間力」を養う教育を行っています。今年4月から新しく学校長に就任した榎並紳吉先生に、同校の教育方針や学校長として大切にしている想いについて語っていただきました。

"日本の女性の素晴らしさ"を残しながら、国際社会で活躍を

 今年4月より佼成学園女子中学高等学校の学校長に着任した榎並紳吉先生は、自身も佼成学園中学校・高等学校(男子校)の出身。日本体育大学を卒業した後は、母校の佼成学園に体育の教員として勤務し、昨年まで16年にわたって学校長を務めてこられました。

佼成女子_2023年度、学校長に就任された榎並紳吉先生
2023年度、学校長に就任された榎並紳吉先生

榎並先生:体育の教員を志したのは、スポーツが大好きだったからです。クラブ活動で後輩に教えていたときに"教える楽しさ"を知り、それが体育の教員を志したきっかけです。それから46年間、ずっと母校の佼成学園に勤め、今年から本校に移ってまいりました。

 榎並先生が10代から打ち込んでいたスポーツはソフトテニス。選手時代には全日本学生選手権優勝、全日本インドア選手権準優勝、国民体育大会準優勝という輝かしい成績を残されました。そして選手引退後は、日本体育大学ソフトテニス部コーチ、日本ソフトテニス連盟指導委員会委員、東京都ソフトテニス連盟理事、1994年の広島アジア競技大会の全日本ナショナルチームの男子コーチを務めるという実績をお持ちです。

榎並先生:昔の話ですよ(笑)。学校長に着任した時点で、ソフトテニスの役割はすべて辞めて、校長の仕事ひと筋でやってまいりました。学校を良くしていくためには、それくらい仕事に集中しないとできませんからね。

 学校教育に対し、並々ならぬ熱い想いを持っている榎並先生。学校長を務めた16年間を次のように振り返ります。

佼成女子_探究学習にも力を入れています
探究学習にも力を入れています

榎並先生:十年一昔と言うように、16年の間に時代はどんどん変わっていきました。その時代の変化と合わせるように、「どういう生徒を育てていくべきか」という方針も変わっていきましたね。私が校長になった当初は、「世の中で通用するようなたくましい男性に育てたい」、「生徒の持っている力を信頼し、その力を引き出していきたい」と考えていました。その後は時代の流れとともに、だんだんと"世の中"という言葉が、日本だけではなく国際社会を指す意味合いになっていったんですね。それからは英語教育や探究学習、国際社会で活躍するための「人間力」の養成に力を入れてきました。ここでいう「人間力」とは、物事を深く考えられる思考力や先のことを考える想像力、人と協働する力、自ら課題を解決する力を指します。

 この「人間力」の育成については同校に移った現在も引き続き、実践していきたいと言います。一方、女子生徒の育成という意味では次のように話します。

榎並先生:日本の女性は、世界に誇れる女性像だと私は思っています。謙虚さ、思いやり深さに秀でていて、あらゆる方から好印象を抱いてもらえるでしょう。だから生徒たちには「国際社会で通用する人間力」と「日本女性ならではの良さ」、この2つを併せ持って成長してほしいと考えています。

大切なのは「人から学ぶ」。その第一歩は「本物の挨拶」から

 中学・高校時代は、子どもたちが自分の将来や人生について現実的に考え始める時期です。榎並先生は、この時期の生徒たちにとって大切なことを次のように教えてくれました。

佼成女子_様々な行事からも大きく成長します(写真はスポーツフェスタ)
様々な行事からも大きく成長します(写真はスポーツフェスタ)

榎並先生:一番大切なのは、「人から学ぶ」ことです。人と意見を交わすことで自分の考えを持てるようになりますし、人が頑張ったり活躍したりする姿を目の当たりにすることで良い刺激をもらえます。つまり他者と良好な人間関係を築き、他者とコミュニケーションを行うことで人は何かを得たり、学んだりして成長できるのです。学校生活は授業、クラブ活動、行事、イベントなど、すべて人と人とのコミュニケーションが行われて成り立っています。自分ひとりで行えるものではありません。それは社会に出てからも同じでしょう。だから生徒たちには、今のうちから良い人間関係をたくさんつくってもらって、良いコミュニケーションをたくさん行ってほしい。「いかに人から学んだか」、それが成長に大きく関わってくるのです。

 では、どうしたら人と良好な関係を築き、円滑なコミュニケーションを行えるのでしょうか。榎並先生は、誰にでもできる簡単な方法があると言います。

榎並先生:自分から笑顔で明るいトーンで挨拶をすること。私はこれを「本物の挨拶」と呼んでいます。たったこれだけのことですが、「本物の挨拶」は相手から「この人素敵だな、いい感じだな」と思ってもらえます。人に良い印象を持ってもらうと、自然と会話ができるようになり、人間関係を築いていけます。だから、まずは「本物の挨拶」ができるようになること。それを生徒たちに教えていきたいのです。

佼成女子_登校時、校門前で生徒たちと気持ちの良い挨拶を交わします
登校時、校門前で生徒たちと気持ちの良い挨拶を交わします

 榎並先生は、佼成学園中学校・高等学校(男子校)で校長を務めていた時代から、「本物の挨拶」を生徒たちに教えてきたと話します。生徒の登校時や学校説明会、入試日には校門に立ち、自ら生徒や受験生たちに対して「本物の挨拶」を行ったり、校長講話の際に「本物の挨拶」の大切さについて話をしたりしてきたそうです。それはやがて生徒たちに浸透していき、学校説明会の保護者アンケートでは「佼成学園の生徒たちはみんな良い挨拶をしてくれる」「明るい挨拶ができている」と多くの方から書いてもらえるまでになっていったといいます。

榎並先生:学ぶ機会を多く与えられる人とそうではない人がいます。多く与えられる人は、好かれている人です。人から嫌われたらコミュニケーションの機会が減るので学びの機会は与えられないんです。日々の授業や学習に力を注ぐことももちろん大切。でもその根本に「人から好かれる人間性」が備わっていなければ、いくら勉学に励んでも意味がないのではと思いますね。

 榎並先生はこれからも自らが率先して行い、伝え続けることで、生徒たちに「本物の挨拶」を身につけてほしいといいます。

生徒のやる気を引き出し、成長に繋げるコミュニケーション

「人から学び、成長していく」。榎並先生自身もこの学びを続けていくために気をつけていることがあるといいます。

佼成女子_「キャリアデザイン」など、進学指導も一人ひとりに寄り添います
「キャリアデザイン」など、進学指導も一人ひとりに寄り添います

榎並先生:決して上から目線にならないことです。もし、私が上から目線で教員と接していたら、教員は私に何も言ってくれなくなってしまいます。私が謙虚でいれば、いろいろな話をしてくれるでしょう。それは私にとって学びになり、プラスになります。私は69歳ですが、今でも生徒から学ばせてもらうことがたくさんあるのです。人間はいくつになっても成長できると思っていますし、実際、去年より今年のほうが成長したなと実感しています。

 もうひとつ、榎並先生が学びや成長を重視していることを表すエピソードがあります。それは、過去に7年間受け続けたコーチング。コーチングとは対象者の自主性を促し、能力や可能性を最大限に引き出しながら、目標達成に向けてモチベーションを高めるコミュニケーション手法のことで、企業や組織では人材育成を目的に導入されています。榎並先生は自らがコーチングを受けるだけではなく、コーチングの講師をスクールコーチとして専属で雇い、教員にも受けてもらったといいます。

佼成女子_行事もコミュニケーション力や協働する力が試されます(写真は「乙女祭」)
行事もコミュニケーション力や協働する力が試されます(写真は「乙女祭」)

榎並先生:コミュニケーションの基本は、相手の話をきちんと聞くこと。ただ、教員は「教える」という職業柄か、意外と「きちんと聞く」ができていないケースが多いんです。例えば、生徒から相談を受けた際、生徒がまだ半分しか話していないのに「この生徒はこういうことが言いたいのだな」と判断し、つい先回りして「こうすればいいよ」と言ってしまう。しかし、それは生徒の本心ではないことが多々あるのです。コミュニケーションにおいて大切なのは、相手の話を正確に聞いて、「あなたはこういうことを言いたいんだね、考えているんだね」とまず確認すること。そうすることで初めて話が明確になり、良い話し合いや相談ができるのです。コミュニケーションで大事なのは、相手の心の奥に入っていくかどうか。指導するときも同じで、生徒が納得するような論理をきっちりと説明して伝えなければなりません。

 7年間のコーチング研修では、「聞くことの大切さ」や「教員が答えを与えるのではなく、生徒に質問をして生徒の心の中にある答えを引き出す」といったコミュニケーション手法を教員たちが学び、身につけていったそうです。榎並先生は、続けてこう話します。

榎並先生:生徒がやる気になるかならないか、伸びるか伸びないかは、コミュニケーション次第。コミュニケーションをうまく取れている先生から、「こうやったらうまくいくよ」「こうやったらもっと輝けるよ」と言われたら、生徒は必ずやる気になります。しかし、そもそもコミュニケーションがうまくいってなかったら教員が何を言っても生徒には響かないでしょう。

 今後は、同校でも教員のコミュニケーションスキルアップに繋がる研修を取り入れたり、助言を行ったりしていく予定だと教えてくれました。

笑顔あふれる、明るい学校づくりを目指して

 同校に移ってきて数か月が経った現在、生徒たちの魅力をたくさん目の当たりにしているという榎並先生。

佼成女子_講習室には卒業生やプロのチューターがいます
講習室には卒業生やプロのチューターがいます

榎並先生:本校の女子生徒たちは真面目で誠実、字がきれいな生徒が多い、落ち着いている生徒が多いと感じています。約30名在籍している卒業生チューターの子たちも素晴らしいです。いま社会に出ても通用するのでは、と思うほどです。

 同校には「卒業生チューター制度」があり、大学生になった卒業生が先輩として個別指導を行ったり、頼れるサポーターとして生徒のバックアップを行ったりしています。生徒にとっては、自分とより近い立場の先輩から親身なアドバイスをもらえたり、自分の志望大学・学部の先輩から生の声を聞けたりする有意義な制度となっているそうです。

 今後の展望については、次のように話してくれました。

佼成女子_高大連携教育も充実しています(写真は成城大学での学び)
高大連携教育も充実しています(写真は成城大学での学び)

榎並先生:先ほど申し上げたような人間性の育成、円滑な人間関係とコミュニケーションを教員、生徒たちが実践できるようにしていきたいです。そして笑顔があふれるような明るい学校、生徒それぞれの個性を活かせるような学校にしていけたらと思っています。

 学校長として16年というキャリアがありながら、謙虚な姿勢で周囲とコミュニケーションを取り、学びを続けたいと語る榎並先生。笑顔でおだやかに話す姿も印象的でした。きっと榎並先生が先導する学校には明るい未来が待っているに違いありません。
 中高の6年間で、これからの時代を生き抜く上で必要な人間力や人間性を培いたいと考える方には、特におすすめしたい学校です。

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