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学校特集

女子聖学院中学校・高等学校

110年続いてきたグローバル教育
異なるものを受け入れ、自分のことばで発信する伝統女子校が打ち出す、
新しい教育の3本柱とは

今年で110周年を迎えた女子聖学院中学校。JR山手線駒込駅から徒歩7分とアクセスの良い都心にありながら、緑の多い閑静な住宅街に位置しています。南向きの教室には明るい陽射しが差し込み、中庭が見渡せる恵まれた環境です。 創立以来、キリスト教の教えに基づき、豊かな人間力を育んでいる同校は、毎朝20分の礼拝が行われているミッションスクール。伝統的な学校行事が多く、何事にも主体性をもって全力で取り組む生徒の姿が見られます。 昨年度、校長に就任した田部井道子先生は、建学の精神をしっかりと受け継ぎながら、未来を見据えた新たな教育改革をスタートさせました。今回の取材では、同校が最も力を入れている「国際理解教育」と「進路指導」を中心にお話を伺いました。

建学の精神を土台にした、新たな教育の「3本柱」

田部井道子先生
校長 田部井道子先生

「1905年の創立以来、変わらずにキリスト教の教えに基づいた女子教育を行ってきました。毎朝、礼拝を行い、神様との対話の時間をもち、自分としっかり向き合う時間を過ごします。人はそれぞれが違ってよいのです。他人と比べず、私は私らしく、あなたはあなたらしく。その考え方をベースに、強めて熟成させた教育方針が3本の柱です」と、田部井校長は言います。

教育の3本柱


毎日の礼拝で使用されるチャペル
毎日の礼拝で使用されるチャペル

① 共に生きる教育
② ボーダレスの時代に生きる教育
③ 自分のことばで発信する教育

「一つ目の共に生きるというのは、生徒一人ひとりが神さまからいただいた、かけがえのない自らの賜物を、互いに尊重しあいながら、他者のために生かすことができること。二つ目は言葉の違いや文化など、異なる価値観を認め合って受け入れていくこと。そして、三つめは、自分なりの考え方をもって、表現し、発信していく力をもつことです」(田部井校長)。

同校の卒業生でもあり、長年、英語科で教鞭を執られてきた田部井校長の教育改革は、学内外からも高い関心が寄せられています。今年の中学入試は、昨年よりも70名を上回る志願者がありました。

国際理解教育≠英語教育。
進化して、深めていく学び

「自己を認め、他者を認める」女子聖の教えは
国際理解の学びに適している

滝澤佳代子先生
滝澤佳代子先生

「自己を認めて、他者をも認める創立時からの教えは、きわめてインターナショナルです。さらに、生徒たちは、他人に寛容で、多様性に対しての適応力も非常に高い。国際理解教育を進めていくことは、この学校にとても合っていると感じました」と、国際教育委員長の滝澤佳代子先生は、同校に赴任された際に強い印象を持たれたそうです。 「自らの意見を書いて、英語で伝えるスピーチコンテストも、40年前から続いている伝統行事です。その歴史と確かな土台のうえに、しっかりと自分の言葉で発信できる生徒を育てていきます」と、滝澤先生は意気込みを語ります。

プレゼンで"笑わせる"ことも、評価の対象

クリエイティブ・ライティング
英語版小論文の授業「クリエイティブ・ライティング」

もともと英語教育には定評のある同校ですが、今後は"態度"についても評価していくと滝澤先生は言います。「これまで、"態度"への評価は日本ではあまり行われてきませんでしたが、学習に取り組む "態度"や"姿勢"はとても大切です。例えば、プレゼンテーション時に、一回以上笑わすことができたか等...(笑)。せっかく良い原稿を書いても、棒読みではつまらないですよね。アイコンタクトや身振り手振り、表情や抑揚、流暢さ。聞いている人を飽きさせないよう魅力的に見せることはとても重要なことです。楽しそうにやっていれば、たとえ稚拙な表現であっても聞き手は引き込まれていくものです」

アウトプットで、学習が定着学校全体を"国際化"へ

国際理解教育プログラム
国際理解教育プログラム(中1)

「教わったことを覚えておしまいではなく、とにかくいったん外に出す。アウトプットすることで、音読効果が得られて脳に違う形でインプットされますし、学習は定着して深まります。テストで何点取ったかではなく、つねに学習の最終形が発表などのアウトプットで終わると、チャレンジしてやり切ったという自己肯定感も芽生えます」と滝澤先生。国際理解教育というと英語教育を連想しがちですが、他の教科でもアウトプット型の取り入れは可能と言います。
「国語の授業では、似て非なる二つのものを比較して、研究し、発表する授業なども行っていますし、音楽や家庭科、美術などの技能教科も含め、学校全体の教育を国際化に向けていきたいです」(滝澤先生)

中3生から既卒生まで、留学プログラムが充実
「知る」だけでは動かない。「経験」して次へ動く

「海外の経験は可能な限り、積んでほしい」と、滝澤先生。留学プログラムの期間は2週間から1年間までさまざま。留学先もイギリスやセブ島、アメリカ、オーストラリアなどが取り揃えられています。研修内容も生徒のニーズに応じて幅広く用意されています。
「英語が大切と頭ではわかっていても動けないこともあるでしょう。まずは"経験して"もっと話せるようになりたい、使ってみたいと心を動かすことが大切です」(滝澤先生)
同校には、国内で3日間集中して行われるアウトプット重視型のプログラムがあります。「中1から高2までを対象に英語のコミュニケーションの楽しさを実感しながら、ネイティブの先生とスキット(寸劇)づくりやプレゼンテーションなどを楽しみながら学びます。3日間を終えると、生徒はもっと英語を使いたい、しゃべりたいという衝動に駆られ、これが留学に進む生徒の動機づけにもなっています」(滝澤先生)
「あがったモチベーションはまた下がります。つねにいい刺激を与えて、グローバルに眼を向けやすい枠組みをつくっていきたいです」と、滝澤先生は、生徒たちの反応に手ごたえを感じながら、グローバルに活躍できる生徒の育成を目指していきます。

着実に伸びている大学合格実績
生徒の夢の実現を、全力で応援する学校

「JSGラーニングセンター」が9月に開設!
"家庭内"学習が、"学校内"学習へ

塚原隆行先生
教頭 塚原隆行先生

「これまで、最終下校時間は17:30でしたが、19時まで延ばして、学校内で集中して勉強できる環境を整えます。受験生はもちろん、部活動に打ち込む生徒も、部活終了後に利用可能です。質問コーナーにはつねに複数のチューターが在席しているので、わからないこともその日のうちに解消できます」と話すのは、教頭兼進路指導部長の塚原隆行先生。 最近のアンケート調査では、女子高生のスマートフォン使用平均時間が7時間を超えるという驚くべきデータもあるとか。その点、同校では電源を切って預けるため、勉強に集中できる環境が保証されています。 近年、仕事をもつ保護者の方も増え、「放課後、学校で落ち着いて勉強ができるのなら安心」という声も多いそうで、バーコード管理によって生徒の出退勤記録が保護者の携帯に届くシステムも非常に喜ばれているそうです。希望する生徒には「個別学習」というシステムも用意されています。 「学習時間を増やして授業の定着度を高め、それぞれが希望する進路をしっかりとサポートしていきたいです」と、塚原先生。

「JSG特別講座」で強力バックアップ

落ち着いて勉強に集中できる自習室
落ち着いて勉強に集中できる自習室

「本校では、生徒一人ひとりと時間をかけてじっくり話をしながら進路指導を行っています。毎日の授業をしっかりと受けて理解すればGMARCHレベルの大学に進学する力を身につけられるカリキュラムになっています」と、塚原先生の言葉を裏付けるように、今春卒業した生徒のGMARCHの合格者数は、前年度の44名から61名と飛躍的に増加しました。
さらに上を目指す生徒には「JSG特別講座」の受講が可能です。「JSG特別講座」とは、中学では英数国の3教科の予習復習を中心に構成され、高校に進むと進路別に分かれた応用プログラムが多数展開される課外授業です。「塾に通わず、学校内の勉強だけで国立の医学部に合格した生徒もいます」と塚原先生。生徒の希望進路を全力でバックアップしています。

成長段階に応じた、参加型のキャリア教育 「ライフプランニング」で将来を設計

理科実験にも力を入れています
実学を重んじる女子聖では
理科実験にも力を入れています。

中1から高3まで、生徒の成長や興味に応じた参加型のキャリア教育プログラムが多数用意されている女子聖学院。なかでも生徒の意識を変えるきっかけの一つに、中3で行う「ライフプランニング授業」があります。
「ライフプランナーの指導のもと、人生を経済的にシュミレーションします。架空の家族を描き、住宅や車を購入、子どもの教育にはこれだけかけて...。多くの生徒が2億円くらいの赤字になりますけどね(笑)。そこから、生徒たちは削り出しの作業へ移ると、今度はライフプランナーの方から待ったがかかります。本当にやりたいことは何なの?全部削っていいの?と問われ、真剣に考え始めます。結局5千万円くらいの赤字で落ち着きますが、この作業をすることで、親に感謝の気持ちも芽生えます」と、塚原先生。
具体的にイメージを重ねながら、生徒それぞれが進路を見つけていけるように導くのが「女子聖流」のキャリア教育法です。

一生懸命、打ち込み、一生懸命、応援する
本気で取り組み、ベストを尽くす、女子聖の伝統

企画から運営まで、生徒が大活躍! 伝統行事で育む
「自立心」「絆」「達成感」

生徒が主体となって運営する合唱コンクール
生徒が主体となって運営する合唱コンクール♪

年間をとおして行事が充実している同校。「女子聖三大行事」と言われている「運動会」「合唱コンクール」「記念祭(文化祭)」は、生徒が中心になって運営されています。なかでも、1925年から続く運動会は、同校の伝統行事です。
「生徒たちは3色に分かれて、本気で戦います。中高生が一つのチームで協力しあいながら、昼休みや放課後なども自主的に練習を行い、優勝を目指します。当日、競技フロアに教師の姿はありません。」と塚原先生。 大縄跳びなどチームの協力が得点に結びつく競技が多いので、生徒たちは一致団結。中学生と高校生の距離もぐっと縮まり、絆も深まるといいます。

合唱コンクールや記念祭も、伝統を受け継ぐ大切な行事。合唱コンクールでは、3位入賞を目指して、クラスごとに練習を積み重ねて本番に臨みます。記念祭では、チャペルで行われるファッションショーが見事。手作りのドレスも生徒のモデルも注目の的になるそうです。
それぞれの行事では多くの生徒が準備から携わりますが、なかでも中高合わせて1200名の生徒を束ねる実行委員は、目の回るような忙しさ。終わったあとは達成感でいっぱいになり、非常に大きな自信となるそうです。 ベストを尽くし、みんなで乗り越えていく"団結力"も同校の伝統となっています。

運動会

毎年6月に行われる「運動会」!

運動会2

仲間と共にやり遂げた後の"爽快感"はたまりません!

受験は団体戦。最後の一人が決まるまで
受験生を「スコーン」や「やきいも」で応援

キャンパス内には四季折々の花と緑があふれます。

「本校では受験は団体戦と位置づけています。最後の一人が決まるまで、学年全員が受験生の気持ちのまま、仲間を応援します」と、田部井校長。
生徒を応援する気持ちから、女子聖オリジナルのスコーンが誕生したそうです。下校時間を19時まで延長したことで、勉強する生徒たちのお腹が空かないようにと、近くの女子栄養大学と共同で開発。栄養価が高く添加物を使わない体に良いスコーンが完成しました。

「このような学校の応援する姿勢を、素直に喜んでくれるのが女子聖の生徒の素晴らしいところ」と田部井校長はうれしそうに話します。

生徒を応援するのは、保護者のみなさんも同じです。
同校には"パパも女子聖土曜プログラム"という保護者参加型の企画があり、通称"パパプロ"と呼ばれています。そこに参加する保護者のみなさんが、運動会や記念祭の警備、また受験の季節には高3生に、大量の「応援メッセージ付やきいも」を差し入れてくれるそうです。年々、本格的になった"パパプロ"たちは農家とも契約。愛情のこもった"やきいも"が受験生たちの身も心も温かくしてくれています。
このようにたっぷりと愛情を注がれながら、女子聖の生徒たちは伸び伸びと勉強や学校行事に全力で取り組んでいます。「建学の精神に堅く立ちつつ、今の時代に求められていることをしっかりと見極めて、新しいことにチャレンジする学校であり続けたいと思います」と、田部井校長。
11月には記念祭(文化祭)がありますので、生徒たちの活躍する姿を見に是非一度「女子聖」を訪れてみてはいかがでしょうか。

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