学校特集

共立女子中学高等学校

毎日の学校生活の中に、輝きのかけらを散りばめて
聡くたくましく、誰からも愛される女性を育成共立女子中学校

来年2016年に学園創立130周年を迎える共立女子中学高等学校。
都内でも屈指の伝統を誇る同校では、大切に受け継がれている教育と、時代を見据えた新しい教育を両軸として、生徒たちは毎日の学校生活を送っています。リベラルアーツを大切にバランスの取れた人間形成から「実社会で活躍できる女性の育成」を行っている共立女子中学高等学校の教育内容を覗いてみましょう。

楽しみながら本質に迫る教育で
知的好奇心を育て、大きく伸ばす

児島博之校長
児島 博之 校長

「本校は受験科目にとらわれない、リベラルアーツを大切にしており、バランスの取れたカリキュラム構成であることが非常に大きな特徴です」と語るのは、今春から、校長に就任された児島博之先生です。
明治時代の1886年、女性の社会的地位が低かった時代に、「女性の自主自立」を建学の精神に掲げ設立された共立女子中学高等学校。創立以来のこの精神は、現在でも脈々と続いています。
校訓に「誠実・勤勉・友愛」を掲げ、「しっかりとした目標をもって、自分の人生をたくましく切り拓いていき、他者に対して思いやりをもてる女性に育ってほしい」というのが、同校の揺るぎなき理念です。
そのため、「学力形成」と「人間形成」を2つの柱として、バランスを取りながら同時に培っていく教育を目指しています。
「受験科目以外の礼法や美術、体育、音楽、技術・家庭科などの教科も本格的で高度な授業内容だと自負しています。そのなかで、生徒自身がいかに興味関心をもち、深く掘り下げ、探求したいという欲求を抱けるかが、大切なことだと考えています」(児島先生)

このアカデミックな姿勢が顕著に表れているのが教員有志による「特別教養講座」です。この講座を立ち上げた広報部副主任で国語科教諭の金井圭太郎先生は、「生徒が積極的に学ぶ姿勢を作るため、知的好奇心を満たし、刺激していきたいと思い企画しました。国語科と社会科と理科の教員を中心に、関連教科の専門知識を豊富にもつ教員たちが教科の垣根を越えて行う、今年8年目を迎えた取り組み」と言います。

例えば、"振袖火事"として有名な「明暦の大火」を取り上げ、社会科では地理的な見解を示し、国語では文献を調べ、理科では気象などの面から考えました。

豆腐作りの見学
豆腐作りを見学♪

また「豆腐」をテーマにした「とうふのヒミツ」では、地理で大豆の輸入や穀物について調べ、食糧自給率の問題を考えました。理科では「なぜにがりで豆乳が固まるのか」を実験し、国語では江戸時代の古文を読み、当時の豆腐の価格や調理法などを学びました。またお豆腐屋さんへ行き、実際に作られているところを見学し、さらには家庭科で、豆腐やおからを使った料理やケーキ作りも経験しました。

「スケート」が題材の時には、スケートリンクを借り切って、スケーターの方と一緒に滑って教えていただいたそうです。「なぜ滑るのか」という摩擦について考えたり、ペットボトルを両手に持った状態でプロスケーターの方に回転していただいたり、体育科の教員にダンスとの回転の違いを説明してもらったりと、興味関心の赴くところ、いろいろな企画で取り組んでいます。
引退する中央線201系をテーマにした「オレンジ電車覚えてる?」では、制作した絵本の市販化にまで至りました。

「私たち教員自身が楽しみながら考え、頭を悩ませています(笑)。他教科の先生の講義を聞くことが勉強になりますし、何よりも「学問の楽しさ」を生徒たちと一緒に学べます。この講座を4年間経験した卒業生が、『全ての教科を教えられるから』という理由で小学校の先生になりました。この知らせを聞いた時、今まで蒔いてきた種が少しずつ芽吹いてきたのだと思い、非常に嬉しかったですね」(金井先生)

金井 圭太郎先生
広報部副主任・国語科
金井 圭太郎先生

テーマにより対象学年は変わりますが、学年幅はできるだけ広くしたいと考える金井先生。

「例えば『ドラえもんの道具は実現可能か』というテーマの時は、中1から高2までを対象にしました。物理を含む内容なので難しかったと思いますが、中学生も一生懸命に聞いていました。また学年が混在することも"学び"のひとつです。中学生と高校生が合同でチームを作ってみるという経験も大切にしています」(金井先生)

生徒からの感想にも「ひとつのものをさまざまな角度から見ることができて感動した」というものや、「文系的な説明を聞いたことで新たな見解を知ることができた」(理系生徒談)とあります。これらの活動は、生徒たちにとっても先生方にとっても、楽しみながら学び、新たな視点を得る絶好の機会となっているようです。

「輝く女性」を育成するための「4つの力」
どこにでも「自分の居場所がある」という安心感

時代を超えて

共立女子は「誠実・勤勉・友愛」の校訓をもとに「時代を超えて"輝き、翔ばたく女性"」といったスクールアイデンティティーを掲げています。 そこには「どんな状況でも、個性を発揮しながら社会に貢献していける、自立した女性に育ってもらいたい」という願いが込められています。

その生徒像を叶えると同時に、人間形成と学力形成を図っていくために「4つの力」を打ち出しました。これは同校の教育の根幹となるものです。
「人間形成力」のためのひとつ目「関わる力(人間関係力)」は、"他を理解し尊ぶこと"と"豊かな情操と礼儀を身に付ける"ことです。
ふたつ目の「動く力(計画行動力)」は、"自分の役割を理解し、その役割を果たすこと"、"自主的・自発的に行動すること"です。
いずれも自分自身を成長させ、他者との関係で最も大切な核の部分といえるでしょう。
「学力形成」のためには、以下のふたつがあります。
「考える力(情報活用力)」では、"知識、情報を収集する"、"得た知識・情報を活用して発信する"ことが求められます。また「解く力(問題解決力)」では、"課題を設定する"、"問題の解決に取り組む"ということを毎日の学校生活の中で繰り返し問い、取り組んでいます。

児島先生は「現在、社会で求められている『真の学力』には、"思考力"や"判断力"、"表現力"などが包括されています。また"主体性"と"多様性"、"協働性"などもキーワードになっていると思います。まさにこの『4つの力』は、それらと密接に結びついているのです。またこれらを通じて『他者理解』も進むでしょう。自分の周りの友だちや親兄弟、教員といかにうまくコミュニケーションを取れるかということが、いちばん大きな土台だと思っています」と話します。

進藤幸子先生
広報担当 進藤 幸子 先生

1学年約320名という生徒数を誇る共立女子。同校の「関わる力」について、共立女子の卒業生でもあり、広報部主任の進藤幸子先生はこう教えてくれました。
「いろいろな考え方や個性に触れられるこの環境は、恵まれていると思います。いろいろな生徒がおり、自分と合う友だち、合わない友だちもいるでしょう。そういったなかで、人との付き合い方や距離感を学んでいきます。それが社会に出てからいちばん役に立つことなのでは、と私自身は思っています。本校ではもしかしたら、教員よりも生徒同士で学び合うことが多いかもしれませんね」

児島先生は、「本校は一学年8クラスあり、中1から高2になるまでの4年間で計5回、毎年クラス替えを行います。そのため、半分以上の生徒とは、一度は同じクラスになるわけです。いろいろな個性や集団と出会い、触れ合える機会が多いため、本校には『さまざまな考え方や個性があって当然』という雰囲気があります。この多様性は、生徒たちのもつ柔軟性に結び付いていると思います。この人数の多さが、気の合う友だちを見つけだす母体となり、"自分の居場所"につながっていくのだと思います」と、同校の大きな魅力を話してくれました。

一方で、先生方は大人数の中で"もまれる経験をしてほしい"と考えています。
昨今の生徒たちの中には兄弟(姉妹)喧嘩などを知らない子どももいるとか・・・。
だからこそ、他者との関係をうまく紡ぎ、自分も他者も生かし合うということが、今の時代求められているのです。さまざまな経験の中で、もまれながら身に付けたその力は、生徒をしなやかに成長させてくれることでしょう。 「本校のOGは各企業のなかでリーダーシップを取っているとよく聞きます。職場で女性たちをよくまとめる一方、控えるところは控えられる本校の卒業生の姿を見て『こういう女性になってほしい』とご相談においでになる受験生保護者を拝見すると、卒業生が社会に出てもがんばっていることを強く感じます」(進藤先生)

生徒同士が直接ぶつかり合うことのできる同校の環境は、社会に出た時「どんな人ともうまくやっていける」という、自信につながっているようです。

体育祭の様子

体育祭の様子

高3伝統の踊り「荒城の月」

高3伝統のダンス「荒城の月」

自分自身を見つめ、発見を重ねながら
成長していく6年間

42システム

同校では、中1から高1までを幅広い視野を持ち自分自身の土台作りを行う期間とし、高2・3は3コースに分かれ、自分の希望を叶えるために努力する時期とする「4+2システム」を採用しています。
今春は、289名の卒業生のうち、国公立へ31名、早慶へ89名、国際化志向を反映して国際基督教大学(ICU)へ6名、上智へ47名が合格しています。

中学では、自分を知り、他者との関係を考えながら、適性などを鑑みていきます。中3では、将来の仕事や大学、学部などを具体的に考える機会が多数設けられています。
高1になると今後の自分の方向性や将来が定まっていきます。その補足のために取り組むのが「自己啓発プログラム」。同校では大学でのオープンキャンパスに積極的に参加するように指導しています。
自分で足を運ぶことで、イメージ通りか否か、また受験に対するモチベーションも大きく変わるそうです。

また長期休暇には、希望学部の研究に関する新書を読む「自主課題図書」にも取り組んでいます。
「その学問を垣間見ることで、最先端を知るだけでなく、難しさや苦労を知り、自分が本当にやりたいのかを考える機会になります。高1の段階で自分の将来の方向性を考え、どのような学問なのかを少しでも知ることは大切なことです」(児島先生)

さらに同校では「表現力育成プログラム」を通じて、年4回小論文を書き、表現力を鍛え上げます。
「ただ書くだけではなく、『自分自身はどういう人間なのか』、『自分は将来、何をしたいのか』など、自分を分析する内容が中心になっています。表現力を磨きながら、自分自身を見つめる機会になっています」(児島先生)

大学受験体制にシフトチェンジ

高2からはコースに分かれて、大学受験体制にシフトチェンジ。
同校では近年、理系大学への進学者が増加しており、今春は現役で東京工業大へ2名、東京理科大へは55名が合格しています。理科の教諭である進藤先生は、
「表面的に式や原理を暗記するのではなく、実験も多く実施することで、物事の根本から理解させることを大切にしています。本校では以前より、"アクティブラーニング"を取り入れており、生徒同士で教え合い、理解し合える授業を心掛けています。こうした中から、生徒の興味関心が生まれているのでしょう」と語ります。

「中学国語科の『ブックトーク』、社会科の『ニュース報告』、英語の『レシテーションコンテスト』など、人前で発表する機会が日常化しています」と児島先生が言う通り、同校には自分自身を見つめる機会や表現する場が豊富に用意されています。

同校の美術では、古典的な画法を教える一方、CGを使った創作にも取り組んでいます。古いものと新しいもの、そして基礎、基本を大切にしているのが同校の伝統です。
その一環として、中2の美術で「想定自画像」に取り組みます。
「中2生くらいの年頃には、不安感にさいなまれ、心を冷静に保てなくなることがよくあります。それを悪いことと捉えずに、自分を見つめる契機として、実施しているのが『想定自画像』です。思春期の心の葛藤を表しているのか、暗い絵が多いのが印象的ですね」(児島先生)

想定自画像1

想定自画像2

客観的に自分を見つめ、偽らずに自身を表現できる環境があるということは、思春期の生徒にとってはとても大切なことです。
金井先生は「本校では『バランス』を大切にしています。たとえ苦手であっても、あえていろいろなことに取り組むことで、多くのことを学んでほしいと考えています。苦手だからと嫌いなことを避け、自分の好きなことしかやらないような子にはなってほしくないのです」と熱く語ります。
最初は小学校での体験から「美術は苦手」と思い込んでしまっている生徒が非常に多いとか。しかし、このような生徒たちに対して、技術や考え方、ものの見方を基本からしっかり教えるので、時間とともに「やればできる!」と感じる生徒たちも少なくないそうです。
どんなこともで、基本的な技術や理論を身につけさせたうえで、自分なりの表現を探るのが共立流です。

日本を知り、礼節を身に付け、
海外でも活躍できる女性を育てる

共立_礼法

共立女子が大切にしていることに「礼法」があります。流派は武家の作法である小笠原流!
「多くの卒業生が『共立で学んだことで一番役に立ったのが礼法』と口を揃えるように、心身に残る授業だと自負しています。まずは形から入りますが、回を重ねるごとに段々と心が注入され、生徒たちは他者への思いやりを自然と学び取ってくれます。この授業の成果の表れでしょう。ふだんは元気な共立生ですが、式典などでは襟を正し、細かい指導がなくてもきちんと振舞うことができます。これは教員としても誇らしいですね」と目尻を下げる児島先生。

このように中学期では日本の心を伝えられる生徒たちを育み、高1・2からはその成果を世界に向けて発信すべく、希望者を対象にカナダ・ニュージーランドにてホームステイの海外研修を行います。昭和44年から実施されている伝統あるプログラムで、毎年18日間に渡り、約40名の生徒が参加しています。
今年中にはニュージーランドの毎年お世話になっている女子校と姉妹校提携を結び、今後は3ヵ月程度の短期ですが、高1を対象として5名程度の交換留学を始めていく予定だそうです。

共立_海外研修

当然ながら英語教育にも熱心な共立女子。中2の夏休みには「イングリッシュシャワー」を開催しています。 ネイティブの先生1人に対して10人ほどの生徒が付き、ゲームなどを交えながら、英語漬けの3日間を送ります。先生方の国籍は多様で、アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランドなどさまざま。海外に行かなくても気軽に英語に触れることができる機会を多数用意しています。希望制の行事になりますが、4割ほどの生徒が参加したとか。非常に評判が良いそうで、中3でも春休みに実施したそうです。

同校の明るく元気な校風は、生徒同士がしっかりとコミュニケーションを取り、他者を尊重しながら、自分の意見もハッキリ言える、気兼ねのない人間関係にあるのかもしれません。
最後にその成長を感じられるエピソードを進藤先生が話してくれました。
「卒業式での答辞は毎年胸を熱くするほど感動的で、思い出すと今でも涙が込み上げてきます。今年の内容は高3生が体育祭で踊る伝統の『荒城の月』を中心としたもので、本校での6年間がいかに充実していたのかが参加者全員に伝わる、非常に素晴らしいものでした」

共立_答辞

答辞の発表者は、堂々と人前で話すことができ、きっちりとした文章が書けるのはもちろんですが、生徒会長や勉強で学年トップといった条件ではなく、「答辞を読むにふさわしい、みんなが納得する人格者」が選ばれるそうです。

生徒同士でのびのびと成長し、先生方が温かくフォローしながら過ごす共立女子での6年間。それを土台にいきいきと能力を発揮して、世界に翔ばたく女性を育成すること130年。新たに就任した児島博之新校長のもと、共立女子がどのような飛躍を遂げるのか、今後が非常に楽しみです。

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