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学校特集

富士見丘中学高等学校2023

真のグローバル力を磨き、挑戦をあと押しする環境がある
英語4技能とICT、課題解決力、協働する力をバランスよく育み、高い大学合格実績を上げる富士見丘の教育...

掲載日:2023年9月7日(木)

2023年春の卒業生102名のうち、早稲田・上智・東京理科・ICU合計32名、GMARCH合計63名、海外大学11名という大学合格実績を誇り、入学時の難易度から見た伸長率で大きな注目を浴びている富士見丘中学高等学校。受験者数・入学者数を年々増やしていますが、一人ひとりに寄り添い、生徒たちの夢を力強くあと押しする面倒見の良さや温かな校風は堅持し続けています。同校の教育について、副教頭の佐藤一成先生と総務部長でICTの授業を担当する美濃部直子先生にお話を伺いました。

高い大学合格実績は、
生徒と教師の信頼関係の強さゆえ

富士見丘_高大連携教育も盛んで、多くの大学生や留学生とも触れ合います
高大連携教育も盛んで、多くの大学生や留学生とも触れ合います

「国際性豊かな若き淑女の育成」を教育目標に掲げる富士見丘中学高等学校。充実したグローバル教育プログラムなどで英語4技能の力を育んでいるだけでなく、探究学習にも熱心に取り組み、さまざまな場面でICTを積極的に活用しています。
 これらが奏功して、先に触れたような高い大学合格実績にもつながっている同校。例えば上智大学は22名、立教大学へは21名の合格者を輩出していますが、これは定評ある英語教育の賜物といえます。
 上智大の総合型選抜は、英検2級以上取得者に出願資格が与えられます。また立教大の一般入試では、英検準1級以上の取得者に対して最大で満点みなしになる学部があるなど、生徒たちの頑張りや先生方の手厚いサポートが合格や選抜に結び付くような流れが出てきています。

 富士見丘の2022年度の英検取得状況は、中3で全員が3級以上を所持、準2級以上は73%と、5年連続で70%を超えています。高3では2級以上が81%、準1級以上が28%と充実した英語教育の成果が結実。今後は、高3で準1級取得者を70%以上にしていくことを目標としています。

富士見丘_家庭科や情報の教諭でもある美濃部直子先生
家庭科や情報の教諭でもある美濃部直子先生

 こうした高い数値目標を掲げているものの、同校の進路指導の本質について総務部長の美濃部直子先生は、
「結局は、中高6年間をかけてその子を見守ってきた教員と生徒のコミュニケーションなのだと思っています。その生徒が何をどう頑張ってきたかということの見極めです。各自のどんな経験を活かして、どのような入試に挑戦しようかという面談を、かなり細かく何度も行っていきます」と話します。

 同校ではこれらのすり合わせのために、一人の生徒に対して、何人もの先生方が関わっています。いろいろな先生が関わることで、それぞれの知見も集約され、生徒たちが安心・納得して受験期を過ごせることも魅力です。

富士見丘_副教頭の佐藤一成先生
副教頭の佐藤一成先生

 海外大学への合格者11名のうち、アメリカのジョージア工科大学への進学を決めた卒業生は、日本と世界の発展のために高い志や情熱を持つ日本人学生を支援する「柳井正財団海外奨学金」という給付型の奨学金制度をパスしました。副教頭の佐藤一成先生は、
「彼女は医療に関わる学部で学び世界の役に立ちたいと、医療工学系の学部に進学を決めました。目的意識が明確だったこともあり、選考を通過してホッとしています。 奨学金の種類は以前に比べると豊富になってきていますが、海外大学に進学したい・させたいという気持ちはあっても、依然として円安が続いているなか、親御さんにとって先行きの不透明感もあるでしょう。ファーストリテイリングの柳井正会長兼CEOによるこの奨学金制度は、イギリスまたはアメリカで世界ランキングの50位以内の大学に進学するという条件がありますが、4年間で最高5000万円いただけるので、大変親孝行な結果となりましたね。本人の努力や成績はもちろん必要ですが、学校のサポートも重要です」と教えてくれました。

 一人ひとりの生徒や家庭の志望にとことん寄り添っていくのが、同校のキャリア教育・進路指導です。

約20%の帰国生と8人のネイティブ
教員を擁するグローバルな環境

富士見丘_ネイティブ教員による授業は、週3回実施されます
ネイティブ教員による授業は、週3回実施されます

 1972年から他校に先駆け、英国への短期留学制度を開始した歴史を持つ富士見丘。例年、海外大学への進学者を輩出するほか、校内には約2割の帰国生がいるなど、校内はグローバルな環境です。ネイティブスピーカー教員は8名在籍しており、多彩な英語の授業や放課後の英会話レッスンが毎日行われています。

 多くの帰国生が選択する授業も担当する美濃部先生は彼女たちについて、 「それぞれが自分の考えや疑問を率直にぶつけ合い、とても活気のある授業となります。彼女たちを通じ、私も国外の教育や事情に触れることができます」と話します。

 ホームルームクラスは帰国生も一般生も混合なので、多様なバックグラウンドを持つ人々と協働する大切さが実感できる機会となっています。頻繁に行われるグループワークやプレゼンテーションでは、互いに補完しながらチームとして動くことを生徒たちは実践的に身につけていきます。

富士見丘_オンラインスピーキング(中2〜高2)は毎週行われます
オンラインスピーキング(中2〜高2)は毎週行われます

「低学年の場合、英語で発表する際には帰国生がイニシアチブを取る傾向があります。一般生たちは研究の基本計画を立てたり、パワーポイントを使って美しくまとめたりと、それぞれの強みを生かしてグループワークを行っています。しかし、英語での発表も、学年が上がっていくと誰が帰国生か否かが、だんだん見分けがつかなくなっていきます」(佐藤先生)

 帰国生がのびのびと活躍できる環境があり、一般生にとってもその存在は大きな刺激となる学校生活を送る生徒たち。同校の入学動機として充実した英語教育を希望するご家庭が多いことも頷けます。

「本校への英語教育に期待してくださる方が多いのはありがたいことです。それは大事な要素の一つではありますが、英語やICTはあくまでツール。それを使って物ごとをどう生み出していくのか、協働して課題を解決するのかということを本校では最も大切にしています。授業の中でさまざまなプログラムを用意しているので、これらの力を身につけていただきたいですね」と佐藤先生は話します。

探究学習で発揮する
ICT教育の成果

富士見丘_生徒たちが社会に出た際のことを見越して、一人1台のノートパソコンを所持
生徒たちが社会に出た際のことを見越して、一人1台のノートパソコンを所持

 富士見丘では「自主研究5×2」という、中1から高2で実施する探究プログラムがあります。平日の5日間の授業からの学びと週末2日間の研究の相乗効果を期待して「5×2」(ゴカケルニ)と名付けられています。
 この「5×2」で梅干しの研究を行い、中1の時に「Life is Tech」社主催のプログラミングコンテストで敢闘賞を受賞したある生徒について、授業を担当した美濃部先生が教えてくれました。

「自分が『好きだから』という理由で『梅干し』を『5×2』のテーマにした生徒は、梅干しについて調べたり、自作したりするだけでなく、国内の梅干工場に自らメールで取材依頼をし、訪ねています。

 中1のICTの授業(後述)では、メールの書き方やインタビューの仕方、情報の検索や収集というリテラシーを学びます。一方、技術・家庭の授業では、プログラミングの基礎学習としてHTMLやCSSといったプログラミング言語を使いwebページの制作を行います。
 この生徒はこれらの学びを、自身の『5×2』に極めて効果的に融合させることができました。彼女は『中学生であっても多くの人と対等につながれること、また適切な方法や手段がわかっていれば、自分の考えや情報を広く発信できることを実感した』と語っています」

富士見丘_「グローバルワークショップ」での高大連携授業は年8回行われます
「グローバルワークショップ」での高大連携授業は年8回行われます

 これらの学びの真価が問われるのは、高校で行われる「グローバルスタディ」という探究学習です。これまでスーパーグローバルハイスクールやワールド・ワイド・ラーニングコンソーシアム構築支援事業拠点校として、質の高い探究学習を展開してきた同校。身近な問題からグローバル・イシューまで、さまざまな角度から課題に取り組んできた実績があります。

 高1は「グローバルスタディ基礎」として、慶應義塾大学大学院のメディアデザイン研究科・大川研究室と連携した授業を実施。SDGsをメインテーマとして社会課題を探究し、デザイン思考を用いて創造的な解決策をまとめ上げていきます。

 高2・高3では「グローバルスタディ演習」として、高大接続プログラムや海外でのフィールドワークを通して、SDGsに関わる社会課題や未知の問題にチャレンジする行動力を育んでいます。

「グローバルスタディ演習」の最後には全員で英語による発表を行います。この『グローバルスタディ基礎・演習』は、個人探究ではなく、あえてグループで取り組むことに重きを置いている同校。その理由について美濃部先生は、
「今後、より多様な立場の方々と関わるために大事なのは、『合目的的』かつ『協働的』であることでしょう。この演習を通じ、生徒たちはこうした素養を体得しています」と言います。

富士見丘_グローバルスタディ演習は海外でのフィールドワークを行います(写真はグアムFW)
グローバルスタディ演習は海外でのフィールドワークを行います(写真はグアムFW)

 毎年4月頃「グローバルスタディ演習」に臨むにあたり、先輩が培ったノウハウを伝えるためのガイダンスが行われています。
「後輩にコンテストで優勝したグループの生徒たちが話していたのが『メンバーは友達ではなく、あくまでチーム。個人の価値観や自我はひとまず置いて、チームの目的を優先し力を尽くすと良い仕事ができるから』ということでした。
 彼女たちは今後、どんな環境にあっても周囲の人たちと共に問題解決するだろうと確信しました」(美濃部先生)

 佐藤先生はこれからの学びについて、
「社会が進み、ICT化が進行していくと、なんでも一人でできるように思ってしまうかもしれません。しかし、一人でできることというのは本当に限られたことでしかありません。創造的なアイデアを生み出したいというときに、自分一人で考えるよりも、いろいろな人とコミュニケーションするほうが多くのおもしろい発想が浮かんできます。生徒たちにはそういう経験をどんどん積んでもらいたいのです」と話します。

 異なる価値観の中でも活躍できる力やしなやかさがあれば、その子はどこに行っても大丈夫、と話す先生方。富士見丘にはそうした経験やたくましさを培うための仕掛けがたくさん用意されています。

知識同士を結びつけて使えるものにする
富士見丘のICT教育

富士見丘_「おすすめの本」のプレゼンテーション
「おすすめの本」のプレゼンテーション

 現代社会を送るうえで欠かせないのが、ICTの活用です。これからの世界を生きる子どもたちにとって必須のスキルですが、富士見丘でも授業や探究学習、クラブ活動などでごく自然に使用しています。

 中1で週1時間設定されている「ICT」の授業では、最初に学習支援用のロイロノートスクール、パワーポイントといった日常的に使うアプリやワープロ、表計算ソフトなどの基本操作をひと通り学習します。その際に美濃部先生が心がけているのが、時期に応じたトピックに絡めて、問題解決に結びつけることです。まず行ったのは、朝の10分間読書の時間に読んだ自分が好きな本についてパワーポイントを使って作り、みんなに向けて発表しました。

「パワーポイントの基本操作から、効果的なまとめ方や見せ方・伝え方の工夫を考えます。プレゼンテーションのスキルだけでなく、画像の扱い方を通じて著作権を学ぶなど、汎用性のある内容となるように意識しています」(美濃部先生)

富士見丘_ICTの授業は生活に密着した実践的な内容です
ICTの授業は生活に密着した実践的な内容です

 2学期には、メールのリテラシーについて取り組む予定です。上記「自主研究5×2」でも触れた通り、外の方にお話を伺うこともあるため、校内外へ向けてメールを出す機会が多々あります。

「メールを1通作るだけでも気をつけるポイントはたくさんあります。ただ一方的に教え込んでしまうのではなく、どんなメリットやデメリットがあるのか、適切な言い回しや状況に応じた対応など、グループやクラスで話し合い、最適解を一緒に作り出すことに留意しています。このワークの後には生徒のメールが内容・書式ともぐんと大人っぽくなると共に、自信を持って多くの方々とつながれるようになる様子が見受けられます」

 さらに美濃部先生は続けます。

「日常的にインターネットを使うことにより、検索をすればすぐに答えが出てくることについての懸念はよく語られていると思いますが、どういう問いを立てれば最適解が得られるのかという部分が、もっとも難しいことだと感じています。それがわからない子は、調べても求める答えが一向に出てこないことがあります。『問いを立てる』ことの重要性が今後一層求められることでしょう。

 その『問い』に対し、調査し、自分の言葉で語れるところまでの深い学びを経験させるために、各教科の授業でもさまざまな『仕掛け』を設定しています。
 さまざまな方向から問いのためのヒントを投げ、考えさせる機会を作ります。調べて終わり、にはせず、必ずアウトプットを求めます」

 なおChatGPTなど、さまざまな技術革新が目まぐるしい近年。これらについて同校では、どう捉えているのでしょうか。
「1年間を通じてさまざまなソフトウェアを学んだところで、それは一部に過ぎません。新たな技術がどんどん生み出されるなかで、私たちが教えられることは実にわずかだと思っています。
 気になることがあったら失敗を恐れないでとりあえず触ってみることが大事です。教え合うことのできる仲間たちもいます。どんどんトライすればいいですし、スキルは使いながら身につければいいのです。そのことを実感し、次の年につなげていくことが中1の『ICT』授業の意義と考えています」(美濃部先生)

富士見丘_授業以外でも、ノートテイキングやまとめなど、PCの用途はさまざまです
授業以外でも、ノートテイキングやまとめなど、PCの用途はさまざまです

 美濃部先生はそうしたうえでICTを使った学びの魅力について、
「手も挙げられないような引っ込み思案の子でも、自分の回答が画面に映し出されるとけっこうたくさんのことを話してくれるのです。全員が参加できるような授業形態を作るうえで、ICTはとてもメリットがあります。
 授業の雰囲気は、声の大小関係なくみんなで作っていくものですし、間違っていたとしても安心して授業に参加できる環境というものが、リテラシーや技術以上に大事だと思っています。それぞれの生徒が注目されるような場がしっかりとあるというのは、この富士見丘という環境で自分らしく勉強できるということ。これは6年間という長い学生生活の中での至上命題と考えています」

 とにかくやってみよう!というマインドを持って、みんなで議論したり検証したり、自分の頭で考えてクリティカルシンキングの力を育んだり。多様性を学びながら寛容性も養い、糧にしていける環境があるのが富士見丘での生活なのです。

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