学校特集

和洋九段女子中学校高等学校2019

オリジナリティあふれるプログラムで世界基準の大和撫子を育成
伝統と革新が融合する21世紀型教育で、学びへの探究心・原動力を身につけて輝く人生を

掲載日:2019年9月10日(火)

1897年の設立以来、自立して社会で活躍する女性を輩出してきた和洋九段女子。創立120周年の2017年度から実施されている学校改革では、問題解決能力を養う「PBL型授業」が本格始動し、グローバルセンスを培う英語教育を強化するなど、21世紀型教育に大きくシフトしました。生徒たちの成長を見守ってきた高校教頭の新井誠司先生は、「"こんな生徒に育ってほしい"と我々が考えていた姿をはるかに越える成長を見せています」と話します。生徒の知的好奇心を伸ばし、自分自身の課題を見つける6年間で希望の進路へ邁進するために、どのような教育が行われているのか。教育改革の中身とその成果、さらに進化を続ける同校の教育について伺いました。

学校全体が活気にあふれるPBL型授業

和洋九段_「外部の方々との関わりで私自身も大いに刺激を受けています」と話す新井誠司先生。
「外部の方々との関わりで私自身も大いに刺激を受けています」と話す新井誠司先生。

和洋九段女子の教育改革は「何事にも関心をもち、多くの事柄を吸収しながら大きく成長してほしい」という先生方の思いが詰まっています。そのために行われているのは、多様な体験や仲間との触れ合いを通じて自分で考えて、意見を発信し、かつ相手を慮ることのできる「21世紀に必要な力をもつ生徒」を育む数々の取り組みです。

なかでも双方向対話型のPBL(Problem Based Learning)による学びは、授業だけではなく学校生活のあらゆる場面で活用され、生徒たちの自由な発想力と論理的思考力を育て、それらを表現し発信するために大いに貢献しています。

同校のPBL型授業は全教科・全学年で行われています。取り組む際の約束事の一つが「初めから批判はしない」というもの。
「教員全員がPBL型授業の研修を積んだ上で、発表が得意ではない生徒も"自分の意見を言って大丈夫"という環境をまず整えているのが、本校でのPBLのスタートラインです」(新井先生)

そのため生徒一人ひとりが安心感を得て授業に臨んでおり、振り返りの際には自分のがんばりを発表する機会を設けているので、自己肯定感も高まっています。
「生徒たちの協力体制や絆もしっかりできていると感じました」と新井先生が言う通り、PBL型の学びに取り組んだことより、互いに認め合う土壌があり信頼関係が築かれていること、自分や友だちの得手・不得手を理解できていることは協働して学ぶ上で大きな力となります。

和洋九段_一人1台のタブレットを駆使して、「STEAM教育」にも取り組んでいます。
一人1台のタブレットを駆使して、「STEAM教育」にも取り組んでいます。

新井先生は「PBL型授業は非常に高い成果につながっている実感があります。本校は比較的穏やかなタイプの生徒が多いのですが、引っ込み思案な生徒でも着実に、そしてこれほどまでに成長するのかと感心します」と話します。

現に生徒たちは「もっとこんなことをやりたい」と様々な外部コンテストにも精力的に参加し、先生方の想定以上に活躍の場を広げているそう。その積極性や元気の良さは目を見張るほどで、校内の雰囲気もより明るくなり、活性化しています。

さらに長期休暇中の講習では、例えば社会と美術の先生がコラボするといった、教科横断・学年縦断型でのPBL型授業が始まっています。これは深い思考と知識の習得を促すだけでなく、多様性に触れたり、学年を超えた人間関係を広げる貴重な機会にもなっています。

なお、学校説明会と同時開催される「PBL型授業体験会」はすぐに定員が埋まる人気ぶり。
また2019年度から始まった「PBL型入試」で入学した生徒の活躍も光り、校内はますます活気に満ちています。

中学で「世界へ視野を広げる」経験を

和洋九段_中1で小笠原礼法を、中2では茶道や華道、書道を学び、日本女性としての教養を身につけます。
中1で小笠原礼法を、中2では茶道や華道、書道を学び、日本女性としての教養を身につけます。

和洋九段女子では、中学でまず「外に目を向ける」をコンセプトに学びを推進しています。
中1の5月に行われる「ブリティッシュヒルズ研修」では、英語漬けの2日間を英国の雰囲気のなかで送ることにより、異文化を感じ、英語を使う楽しさと難しさを実感します。

さらに中1で、「SDGs(持続可能な開発目標)」についてゲームで楽しく学んだのち、調べ学習で知識を深めます。17項目のうち自分の関心がどこにあるのかを見極めたら、興味のある項目が異なる生徒同士でグループを作ります。

生徒は自分たちのグループの各項目に則って、SDGs視点からグローバル企業などの取り組みや姿勢を調査します。生徒たち自身で訪問を希望する各企業へ連絡して、中2の5月に行う「GEP(Global Experience Project)」の企業訪問へとつなげます。

和洋九段_学校生活の中で「おもしろい」、「やりたい」、「なりたい」ものを見つけ、学習への原動力とする生徒が増えています。
学校生活の中で「おもしろい」「やりたい」「なりたい」ものを見つけ、学習への原動力とする生徒が増えています。

しかし、訪問企業は1度で決まることはほとんどなく、何社めかで受け入れ先が決まるのだそう。時には心が折れそうになりながら、一社会人への足がかりとして電話のかけ方や交渉術なども学びます。

「GEPでは各社の取り組みについて教えていただきますが、SDGsには生徒と企業の方々が対等の文脈で話せるという興味深い特性があります。社会課題に向き合うのは、子どもも大人も関係ない重要なことだからです」(新井先生)

これらの成果は文化祭で発表します。表現力や発信力を磨くほか、学んだことを共有する場です。9月28日・29日に開催されるのでぜひ足をお運びください。

和洋九段_シンガポールでは、現地生と国境や文化を超えて同年代ならではの悩みなども語り合いました。
シンガポールでは、現地生と国境や文化を超えて同年代ならではの悩みなども語り合いました。

こうして培った力を試すのが、中3で実施される「シンガポール修学旅行」です。
シンガポール国立大学の学生や現地の高校生と交流を図り、和洋生は英語、現地生は日本語でコミュニケーションを取りながらディスカッションに挑戦。SDGsについての意見交換をするなど、貴重な機会となりました。

中学で広く外へ目を向ける理由について新井先生は「中学段階で外の世界をたくさん見ておくことで、早いうちからグローバルな進路も選択肢に加えることができます。海外に関心をもったら、高校には多彩な留学プログラムがあるので、このシステムを活用してほしいのです」と話します。

中3ではさらに1年間の「自主活動」を設けています。「なりたい自分について考える」をテーマに他者と共存することや社会貢献について、10年後の世界で自分が何をできるかを思い描きます。自分なりに見つけた課題をリサーチし、解決策について考えて、論文を書く時間です。

こうした活動の一方で和洋生の特性について、新井先生が教えてくれました。
「自分の意見をしっかり伝えられることを重視していますが、我々は他を押しのけてでも前へという生徒を育てたいわけではありません。品性をもちつつ他者もきちんと受け入れ、時にはバランサーとして活躍できることが、和洋生としての魅力的な姿だと考えています」

このように同校では、中学で自分自身を知り、世界を身近に感じて、自分との結びつきや関係性を理解し、高校での学びへとつなげていきます。

独自プログラムで成長を支える

和洋九段_面倒見の良さを保持しながらも、自発性を誘発するスタイルを貫いています。
面倒見の良さを保持しながらも、自発性を誘発するスタイルを貫いています。

高校ではぐっと日本へと視点を転じます。
高1の修学旅行では、2泊3日で長野県の限界集落を訪問し、農業などを体験。目的の一つとして1泊めの民泊で行う、この地域の方々が困っていること、社会問題につながるような課題のリサーチがあります。聞き取るのは「どんなことで困っているのか」、「今後は何が不安なのか」、「東京の人に知ってもらいたいこの地域の魅力とは?」など。
ホテル泊の2泊めに大部屋に集まり「地域再生のために自分たちができること」のプロジェクト型PBLを行います。

「発表には地域の方々にもおいでいただきます。限界集落なので高齢化や少子化がすでに大きな問題となっていますが、これは遠からず日本全体の課題になるもの。いずれ自分たちも直面する問題として捉えられる貴重な機会です。生徒たちからは地域の方々が声を上げて感心してくださるようなアイディアが出ることもあります。その案を通じて社会に貢献すること、自分たちが身につけた力や考え方を外に発信することで、どうしたら社会を変えられるかを学ばせていただいています」(新井先生)

実は今年5月の修学旅行では議論がかなり白熱し、時間が足りませんでした。
「来年以降はもっとディスカッションの時間を長くして、場合により地域の方もその中に入っていただき一緒に新しいものを作り上げられれば、より地域にとって即効性のあることができるのではと期待しています」(新井先生)

なお、この飯綱町・芋井地区では数年後に道の駅ができる予定であり、生徒たちはリンゴやジャガイモを使った名産品のレシピを考案。商品化に向けて動き始めているのだそうです。

和洋九段_2014年に竣工した新校舎は、写真の「カフェテリア」やPBLでの学びを推進する「フューチャールーム」などが充実。
2014年に竣工した新校舎は、写真の「カフェテリア」やPBLでの学びを推進する「フューチャールーム」などが充実。

「学外の方々と交流して関わりをもち、その方々の役に立っているという感覚やつながりをもてていることが、生徒たちにとっての喜びや楽しさとなり、好循環が起こっています」(新井先生)

なお高2の修学旅行は、広島と京都を巡りますが、異なるバックボーンをもつ同世代との交流や当地のグローバル企業の訪問など、よりオリジナリティあふれるプログラムが2年後の実施を目指して検討されています。
「日本の平和や歴史、抱える諸問題を考えるなかで、生徒たちにとって刺激にあふれた内容で、気づきのきっかけとなるような体験を計画中です。本校でなければ経験できない修学旅行を実現させたいのです」と新井先生。

「前向きに学ぶ姿勢をもった生徒たちの期待に応えたいと、教員もより高い意識になれています。生徒たちには感謝していますが、生徒も教員ももっと欲張って学んでいきたいですね」(新井先生)

和洋九段女子にしかない魅力的な体験・経験にこだわる理由はただ一つ。生徒たちの視野や選択肢をさらに広げるためのものです。同校の今後の動向から目が離せません。

「もっと伸びたい!」気持ちを引き出すクラス制

和洋九段_「グローバルクラス」は英語教諭が担任、ネイティブ教員が副担任なので、英語に触れる時間も多くなります。
「グローバルクラス」は英語教諭が担任、ネイティブ教員が副担任なので、英語に触れる時間も多くなります。

こうした活動を支える学びとして大切にされているのが英語教育です。
和洋九段女子の2017年のもう一つの教育改革は「本科クラス」に加え、英語をより意欲的に学べる「グローバルクラス」を開設したことです。

「グローバルクラス」の英語の授業はレベル別に実施。英検準2級程度以上の英語習得者がオールイングリッシュで学ぶ「アドバンスト」と入学時の英語力不問の「インターメディエイト」です。

一人ひとりを能力に合った形で伸ばしていくことを目指しており、現在はその中でも成長差が生じてきたため、一部の授業では必要に応じて3分割して行っています。

中3で英検2級、高3時に英検準1級以上の実力を目指しますが、前倒しで取得する生徒も多数おり、海外大学への進学も視野に入れる生徒も出ています。

和洋九段_UPAA(海外協定大学推薦制度)に加盟し、アメリカやイギリスなど20大学との提携を結びました。
UPAA(海外協定大学推薦制度)に加盟し、アメリカやイギリスなど20大学との提携を結びました。

「『本科クラス』から『グローバルクラス』を、また『インターメディエイト』から『アドバンスト』を希望する生徒もすくすくと伸びています。放課後の補習を中心に手厚いサポートを行っており、ネイティブが実力を認めれば移行が叶います。クラス移行後は、生徒同士が切磋琢磨しながら互いに成長できる環境となっており、相乗効果で伸長しています」(新井先生)

和洋九段女子には、自分が「何」を考え生きるのかを模索しながら学ぶ姿勢を身につけられる環境があります。そして生徒同士、先輩後輩、生徒と教員、さらに外部の方々など、様々なつながりが生徒一人ひとりの成長の土台となっていることに気づける温かさがあります。
だからこそ、互いに支え、努力し、感謝し合いながら人間的な魅力にあふれ、成長を続けることのできる女性を育んでいるのです。

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