学校特集

聖徳学園中学・高等学校2018

STEAM教育とグローバル教育で世界へ羽ばたく人材を育成
「考え」「挑戦できる」環境が
「やりたい!」気持ちを伸ばす

掲載日:2018年8月9日(木)

JR中央線武蔵境駅から歩くことおよそ3分、ガラス張りの大きな窓が目をひく校舎が現れます。
2017年に創立90周年を記念して竣工された新校舎は、オープンな校風を表す開放的で明るい空間。1階のラーニングコモンズでは、聖徳学園の生徒たちがイキイキと授業をおこなっています。その様子を外から見られることはこの校舎の1つの特徴であり、同校が開かれた学校であること、近隣との良好な関係性が伺えます。
同校でのSTEAM教育の実践は日経新聞などでも取り上げられ、教育関係者のみならず経済界、産業界からも熱い視線を浴びています。それに加え、充実したICT教育や30年以上前から続く国際交流など、同校独自のプログラムをベースにした教育環境のなか、生徒たちは互いの個性を認め合い、のびのびと学んでいます。
21世紀教育を牽引する学園の取り組みについて、学校改革本部長の品田健先生とグローバル教育センター長の山名和樹先生に伺いました。

聖徳学園のSTEAM教育とは

聖徳学園_学校改革本部長の品田健先生
学校改革本部長の品田健先生

聖徳学園で推進されている「STEAM教育」は、これからの世界を生きる子どもたちにとって必要不可欠な力です。STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)のそれぞれの単語の頭文字を取ったもので、人工知能やロボットなどが発達するなか、人間にしかできない領域を伸ばす教育として注目されています。

品田健先生は「STEAM教育は一般的には理系横断型教育と捉えられがちです。もちろん我々もサイエンスやテクノロジーといった観点を持って取り組んでいますが、本校で重要視しているのは、社会の課題発見と課題解決を探る学びです。これらを総称し『STEAM教育』と呼んでいます」と話します。

STEAM教育の実践例

聖徳学園_プログラミングの授業では、ドローンやロボットも扱います。
プログラミングの授業では、
ドローンやロボットも扱います。

同校のSTEAM教育は、主に中学校のICTと高校の情報の授業で取り組まれています。どんな授業が展開されているのでしょうか。
例えば高1では、今春早稲田大学の小論文入試で出され話題になった「ジャンケンに新たに『キュー』を加え、4つの手でゲームが成り立つように再構築する」というテーマを授業向けに改案して取り組みました。
まずおこなったのは、どんなルールなら成り立つのかを限られた時間の中、みんなで考えること。そしてゲームとして成立するかをやってみます。できた場合にはそのルールをまとめて、クラスメートの前で説明します。

聖徳学園_中1のICTの授業
中1のICTの授業では、プロの映画監督とコラボして
映画の撮影にも挑戦します。

"ジャンケンを考える"という授業のどこにSTEAMがあるのでしょうか。授業を担当した品田先生は
「理解を深めるためICTを使って動画を撮りますし、ルールを説明するために『Keynote』というプレゼンテーションのツールを利用するなど、テクノロジーを使いこなすことが必要です。新しいルールを設定するのは、入力したコマンドによりコードが成立するのかを考えるのと同じこと。ここにはプログラミング的思考が必要とされ、エンジニアリングの分野でもあります。バグを探すということは課題を見つけることと同義であり、その課題をどう解決していくのかを探ります。一見STEAM教育とはかけ離れて見えますが、これは以前に取り組んだプログラミング授業と同じ考え方が必要と生徒に伝えました。また、単にいいアイディアならOKというわけではなく、説明時にわかりやすいものを作ることも大事なので、そこにはアートやデザインの考え方も大事だと伝えています」と話します。

「この授業はSTEAM教育の各要素を入れながらも、主題は考えることです」と品田先生が言う通り、生徒たちは様々なルールを考え出しました。
「例えば『キュー』はすべての手に負けますが、1人だけなら勝ち。人数などの制約は必要ですが、ひとり勝ちが可能だけれどみんなが狙うと負ける、というゲーム性に、『なるほど』と思いました。その他に出たのは『キュー』は1人だけだと勝ちで、残りのメンバーの誰か1人を負けさせる選択権を持てる、というものなど。生徒たちはゲームとして成立するか、それで果たしておもしろいのかを試しながら取り組みました」(品田先生)

生徒たちが興味を持って楽しみながら取り組めるSTEAM教育を模索している聖徳学園。私たちの生活の中に潜在しているSTEAM的要素に自然と気づき、課題を発見し、解決法を探る姿勢が育つ授業を展開しています。

グローバル教育の実践例

聖徳学園_グローバル教育センター長の山名和樹先生
グローバル教育センター長の山名和樹先生

「6年間を通して、生徒の人間としての幅を広げたいのです。そのために本校では体験し、行動に移すことを重視しています」と話すのは、山名和樹先生です。
聖徳学園のグローバル教育はまず日本を知ることから始まり、日本人としてのアイデンティティを基にして、徐々に活動範囲や関わる人々が広がって、世界へ発信できる人材を育成するプログラムとなっています。

中1の「スプリングキャンプ」は、新潟県の民家で民泊を実施。田植えを体験することで主食である米を知り、昔ながらの日本の生活を目の当たりにします。

中2の「関西研修旅行」は京都・奈良を訪ね、日本の伝統と文化を学ぶ3日間。生徒の多くは、京都・奈良の歴史・文化は教科書を通じて学んでいます。しかし、見ると聞くとは大違いだということを実感します。先生方は歴史や文化に直に触れ、体験を通じて感性に響かせてほしいと考えています。

聖徳学園_充実した英語教育にも定評があります。
充実した英語教育にも定評があります。

中2からは世界へと目を向けていく授業づくりがおこなわれています。英語は5人のネイティブの教員が、「文化」をテーマにした楽しみながら学べる授業を実施。特に生徒に人気だった食文化の回では、フィリピン出身の教員によるマンゴーケーキ作りが大好評でした。
「この授業はオールイングリッシュでおこないます。中2でもこんなに英語が話せるのかと驚かされますし、わからない場合も自分たちでなんとかしようという生徒たちの頑張りに感心することが多々あります」(山名先生)

他校に先駆け、1982年から国際研修旅行をおこなっている聖徳学園。中国国際交流、アメリカ・シリコンバレー、フィリピン・セブ島など複数のプログラムがあります。生徒たちは自分の興味や成長度合いで選択できる、歴史と実績に裏付けられた海外研修が揃います。

中3の夏休みには希望者参加型で、カナダとニュージーランドでの国際研修旅行を実施。現中3は6割ほどの生徒が参加しました。

聖徳学園_ニュージーランド研修でも臆さず、生活を楽しみます。
ニュージーランド研修でも臆さず、生活を楽しみます。

カナダは海外が初めての生徒でも安心できるように、2週間のプログラムで1家庭に2名のホームステイとなります。ニュージーランドでは、1家庭に1名で3週間ホームステイするので、しっかりと英語に取り組みたい生徒向けです。いずれも刺激的な日々は、生徒の自立を促す貴重な機会になっています。

「研修先では毎日、生徒たちの成長を感じます。中学生が持つ吸収力と伸びを改めて実感します。帰国後は主体的に物事に取り組めるようになり、授業への姿勢もより積極的になります」と山名先生。

なお、同校では学校にいながらの国際交流体験も大切にしています。アジア圏をはじめとする各国からの視察や東京外国語大学の留学生を受け入れて授業をおこなうなど、日常の学校生活の中で世界を感じられる環境整備が積極的に進められています。

のびのび育つから、能力は天井知らず

聖徳学園_国際協力プロジェクト
「国際協力プロジェクト」では、様々な国の課題を発見し、解決方法を探ります。

高校の総合の授業では、実社会に存在する課題に果敢に取り組んでいます。
高1では途上国や支援国に存在する課題を見つけ、その解決策を繰り返し様々な方向性から考え、高2の実践科目「国際協力プロジェクト」につなげています。これはJICAやAdobe社などの協力を得ておこなわれる授業。元青年海外協力隊の方からルワンダやラオスなど各国での現状を聞き、課題を発見し、解決方法を探り、実行に移す取り組みまでを一連としています。

「高2の授業では、高校生がお金をかけずに日本にいながらできることを心がけています。自分が困ったり悩んだりしていることを解決したり、やりたいことを叶える環境は社会の中に存在しており、それを生かせるかどうかは自分自身です。学んだ知識を生かして創造することは、これまでにない発想を生み出します」と山名先生。

こうした生徒の動きがわかる実例があります。同校には「国際交流ボランティア」という、生徒主体の組織があります。JICAで開催されたイベント、「協力隊まつり」の際、ルワンダの幼稚園を支援している団体のお手伝いをしました。そこで生徒たちから上がってきたのが「ワークワークショップをやりたい」という声です。

聖徳学園_ベトナムの研修
ベトナムの研修では、現地の学生と協力して武蔵野産の唐辛子を現地で販売し、孤児の支援もしています。

「アフリカの布をOV会から寄贈していただき、生徒たちはいろいろ調べ考えて、アフリカの布を使って簡単にできるリボンを作りました。ワークショップは大盛況で、8千円ほどの売り上げは他の団体に比べるとダントツだったそうです。売り上げは5月にルワンダへ視察に行った際に、幼稚園に寄付しました。あちらではひと月丸々生活できるほどの大金です」(山名先生)

聖徳学園には、生徒や教員が考えやってみたいと思ったことは極力トライさせてもらえるという連綿たる文化があります。

プログラミングは中1のICTの授業でおこなわれていますが、生徒からの希望に応え夏休みに「Tech Camp」を開催。このキャンプの様子を品田先生が教えてくれました。
「クラブの合宿と相乗りで、他の生徒がスポーツや演奏をしているところで、彼らはプログラミングを学びました。冬にも希望が出ましたが、生徒たちの能力はすでに教員の手に負えなくなっていました。そこでプログラミング教育を世界各国でおこなっているMake Schoolの力を借り、ラーニングコモンズで1日8時間のキャンプを3日間開催しましたが、手応えを感じた生徒たちはもっと取り組みたかったようです」

聖徳学園_iPadやMacBookなどのツール
iPadやMacBookなどのツールは、個々人が状況に応じて考え使用します。もちろん、使わないという判断もOK!

品田先生は、中2の生徒がiPhoneのアプリを開発できたことへの驚きに加え、Make Schoolの外国人講師と生徒が英語はもちろん、プログラミング言語を媒介して理解し合っていることに感慨を覚えたそうです。
「生徒のことを考えると、その道の一流の方に教えていただくほうがいいと思っています。そのため、外部の方の力も積極的にお借りしています。教員以外の大人と接することも大切ですし、教えに来られた方々も本校の生徒たちの能力に驚かれることが少なくありません」(品田先生)

上記のプログラミングの例などを通じて教員が痛感し心がけているのは生徒の能力を信じることです。
「子どもにはできないと大人が勝手に思い込んでいないでしょうか。大人が邪魔しなければ、子どもたちは自分でどんどんできるようになると本校の生徒を見ていると感じます」(山名先生)
基本は見守るサポートを徹底し、生徒たちの能力を最大限に引き出していきます。

最先端に触れ、広がる世界

両先生が同校の生徒の魅力について口を揃えるのは、「中高一貫生の発想力の豊かさ、動じない行動力」です。
「本校には人と違う意見を言っても許容される文化があります。授業などでも『それはおもしろい考えだね』と言う教員がたくさんいるせいか、自分の考えを伝えることに対するハードルが低いようです。臆さず言える風土があることで、豊かな創造性やユニークな発想が出やすいのだと思います」(品田先生)

聖徳学園_それぞれの意見に耳を傾け、互いを尊重する校風です。
それぞれの意見に耳を傾け、互いを尊重する校風です。

「多くの授業で発表の機会が豊富にあるせいか、本校の生徒のプレゼン能力の高さには脱帽します。JICA職員、大学教授、大使館員、保護者、教育関係者などの前でも発表をおこないますが、生徒たちは実に意気揚々と話します」(山名先生)

忌憚のない意見を言い合える環境下でのびのびと育ち、行動力を身につけた生徒たちは、日々人間性を高めています。自分自身の手でその未来を切り拓いているのです。

「ハーバード大学やMITの進学者に話を聞くと、勉強だけやっていたという人はあまりいません。スポーツやボーイスカウトといった様々な経験をするなど、活動が多岐にわたっています。幅を広げた結果が世界最高峰の学部というところにつながっているのだと思います。
本校で東大に進学した生徒も最後まで部活をやりきっていました。やはり何事に対しても幅広い人間性が重要なのでしょう」と山名先生。

なお同校では今夏、「グローバルリーダーを育成する」というプログラムの一環で、アメリカでの研修を実施。高1・2の希望者約50人から、校長面接とエッセイの提出を経て選抜された5人の生徒がシリコンバレーの企業家の前で「高校生が考える世界を変えるアイディア」をテーマにしたプレゼンとディスカッションの機会を持ちました。

聖徳学園_杏林大学医学部での体験実習
国内外の大学と連携しています。
写真は昨年おこなわれた杏林大学医学部での体験実習。

「プレゼンテーション資料の作成などは、生徒たち自身でおこないました。学年もクラスもバラバラなので、校内SNSの『Talknote』でグループを作り、話し合いを進めました。有益な資料や考えについて教員からアドバイスがあると、それらをきちんと吸収する一方、内容が広がりすぎて少々不安になったほどです」と品田先生は笑います。

山名先生は参加した生徒たちについて、「英語が得意だったり、海外での生活体験を持っていたり、コンピュータが好きな子など、それぞれ異なる特性を持つ生徒が集まりました。彼らには全員が自分の特性を生かして役割を持つようにと伝えました。チームとして適材適所が生きることが重要だからです。それにより、今までになかったものが生まれ、一人ひとりの特性がより生かされて世界に還元されていくのだと思います」と話します。

さらに「シリコンバレーは昨日あった企業が今日は無くなっていたりする、とてもシビアな場所。Appleで働いている人たちですら、自分たちの企業が10年続くとは思っていないと言います。ですから日本の高校生だからといって手加減せず、厳しく温かく対応してくださいました。もちろん、生徒たちにしっかりとした言葉かけなどで教員がサポートしましたが、この体験をどう乗り越えるかで彼らの人生がまったく変わってくると思います」と山名先生は、世界最高峰の技術者たちとの貴重な触れ合いについて教えてくれました。

なお、現地ではホームステイをしながら、今年高大連携協定を結んだカリフォルニアのマーセットカレッジの施設を使用し英語を学び、週末はヨセミテ国立公園を訪ねたり、スタンフォード大学やApple、Intelミュージアムを見学したりという、充実した10日間を過ごしました。

聖徳学園_ラーニングコモンズが入る13号館
生徒たちの能動的な学びを促進する、
ラーニングコモンズが入る13号館。

同校ではこれらの教育実践により、生徒たちの活発な活動と高いモチベーションを支えています。6月には日本初のAR(拡張現実)を共有する授業も実施しました。こうした様々な機会を持ち、生徒一人ひとりの可能性を見つけ出し、世界観を広げて前向きに大きく育てる教育はますます発展を続けています。

能動的に生きれば、それだけ人との出会いをもたらし世界は広がり、人生は輝くものです。聖徳学園では日本人としての誇りを拠り所としながら、世界というフィールドに軽やかに飛び立ち、活躍できる人材を育成しています。生徒が自身の力で壁やハードルを飛び越えるたくましさを養い、自分でテーマを見つけ、楽しみながら生涯続く探究心を培っているのが、聖徳学園の教育の真髄なのです。

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