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学校特集

足立学園中学校・高等学校2023

数々の国で学び、より広い視野で世界を捉える「志共育」

掲載日:2023年8月1日(火)

「自ら学び 心ゆたかに たくましく」を教育目標とし、自立した男性を育成する足立学園。将来の夢を「志」とし、大いに学び、探究し、学校行事や部活に打ち込み、切磋琢磨しながら成長し合える男子校です。井上 実校長先生は就任以来、志を確立するには多くの経験をすべしと提唱してきました。その真意は何なのか、また、2022年度から開始されたアフリカスタディツアーについて、じっくり語っていただきました。

男子が一生をかけて実現させる夢=「志」

 男子が夢や目標に向けて努力し、躍進するために、足立学園は「志共育(こころざしきょういく)」というスローガンを2018年から打ち立ててきました。

足立学園_井上 実校長先生
井上 実校長先生

「志」とは、生徒が世のため人のために、自分の人生を使い切る覚悟を持つほどの夢のこと。足立学園の生徒は、在校中の6年間の中でいち早く見定めようとしています。そして、それを生徒と先生が共に育てていこうという思いを込めて、「志共育」と名付けているのです。

 実際に自身の志を見つけ、それに向けて努力を重ねて成果を出し始めているOBも多数います。志に基づいた探究活動を行い、その姿勢を評価されて進学していく生徒も少なくありません。卒業生が大学や社会で活躍する様子や在校生たちの姿を見て、受験者数は年を追うごとに増え続けています。

 生徒を躍進させる原動力となる志。それを見つけるには一体どうしたらいいのか。同校ではその答えのひとつとして、多くの体験を生徒たちに提供することに見出しました。

足立学園_高校生が新中1への校内案内を行います。守破離の段階が異なる生徒たちです
高校生が新中1への校内案内を行います。守破離の段階が異なる生徒たちです

 足立学園での生活は、守破離の言葉で表されます。基礎を固める「守」、新しいものを取り入れ発展させる「破」、さらに自分独自の方法を確立させる「離」。通常授業や探究活動、学校行事、部活などの学校生活や体験を通じて、成長しながら自分の志を問い続けるのです。

「志は自分の中にあるものですが、どんなきっかけやタイミングでそれをつかみ、伸びていくのかは生徒個人によります。ですので、学校側としてはいろいろな仕掛けを作っていきたいのです」と井上先生。

 様々な経験を与える機会の一環として、足立学園は多くの海外研修を用意しています。それが、「"志"グローバルプログラム」です。

海外の現状を知り、己を振り返り、成長の糧とする

 同校で「"志"グローバルプログラム」として設定されている海外研修は7つ。修学旅行以外は希望者参加制で、英語圏での学習をメインにしたものと、開発途上国の実情を学びにいくものの2種に分かれます。

「海外生活を初めて体験するものから、英語で探究活動を行うものまで、個人のレベルで選択しています。1〜2つに参加するケースが多数派ですが、すべてのプログラムに参加するご家庭もあります」と井上先生。

 英語圏での研修は以下の4つです。

足立学園_オーストラリア・スタディツアーで初めて海外に出る生徒も少なくありません
オーストラリア・スタディツアーで初めて海外に出る生徒も少なくありません

▼オーストラリア・スタディーツアー(中1~高2)
初めての海外体験=先輩と後輩がバディとなり、現地の学校に通う。異文化を知り、英語の必要性を実感する機会となる

▼イギリスラグビー校での語学研修(中3~高2)
英会話のブラッシュアップが主な目的。学校の寮に泊まり、名門パブリックスクールの雰囲気を知ることができる

▼海外ターム留学(高1 オーストラリア)
3ヶ月間1人でホームステイをし、現地校に通う。学校1校につき、足立学園の生徒は1人になるように人員配置するため、英会話の実践力も高まり、自立心をも養える

足立学園_名門・オックスフォード大で世界のエリートと触れ合えます
名門・オックスフォード大で世界のエリートと触れ合えます

▼オックスフォード大学ハートフォードカレッジ特別留学プログラム(16歳以上)
英語圏での研修のうちの最難関プログラム。海外大学で、英語で探究活動をする。イギリスの歴史や宗教的背景を学び、それを英語で表現する必要があるため、高度な英語表現を学ぶ機会となる

 非英語圏での海外学習は、2ヶ国から選択できます。

「真のグローバル教育とは何かを考えた時に、英語圏だけでは地球規模の視点を持てません。広い世界の中、自分が何をなすべきなのか、何ができるのかをしっかり考える体験としてほしいとして発案しました」(以下、井上先生)

▼アフリカ・スタディーツアー(中3~高2)
タンザニアで9日間過ごし、途上国の社会問題を知り、見聞を広める(※詳細は後述)

▼ラオス・スタディーツアー(高1・高2)
期間は10日間。中国との国境近く、少数民族が居住する村を中心に滞在する。現地の教員養成学校に参加し、外国から来た高校生として協力できることを行う

 上記のほかに修学旅行があり、高2全員が参加し、海外、北海道、沖縄の中から1つ選択します(今年度は台湾)。

 これらの研修のどれに参加したいか、実際に参加して得られたものは何かを考える内に、生徒たちは「何のために学ぶのか」、「どのような成長をしていきたいのか」、「何を成し遂げたいのか」を自ら模索していけるようになります。

開発途上中の国だからこそ学べるものがある

足立学園_アフリカスタディーツアーでの「サファリツアー」
アフリカスタディーツアーでの「サファリツアー」

"志"グローバルプログラムになぜアフリカとラオスが追加されたのでしょうか。

 発端は、同校で理科を担当し、志共育推進委員会委員長・海外研修推進委員会副委員長としても活動する原 匠先生です。彼は、2017年に休職して2年間、JICA青年海外協力隊員としてラオスで過ごした経験を持っています。

「『真のグローバル教育をするためには、自分も体験してからでなくてはならない』という思いで、前校長に直訴していました」。

 復職後は休暇中にナミビアへ個人旅行をし、一つの国の中でスラム街があり、砂漠が広がる一方、高層ビルの並ぶ都会も存在するという、開発途上国のギャップを生徒たちに考えてほしいと強く思ったそうです。

 そこで、JICAの先輩、大津司郎氏とコンタクトを取りました。大津氏はフリージャーナリストであり、大学生用のスタディツアーを数多く行っている、アフリカ・スタディーツアーのエキスパートでもあります。そして、足立学園オリジナルツアーの旅程を組んでもらうことになったのです。

「参加した生徒たちが安全に帰ってこられること、アフリカ訪問が単なる物見遊山にならないようにすること、これを主眼として、大津氏と何度も話し合いました」(井上先生)

足立学園_植林活動は、現地のテレビ局が取材に来るほど注目されました
植林活動は、現地のテレビ局が取材に来るほど注目されました

 そして、以下の研修内容が決定しました。ツアーの様子の一部は学園にもライブ配信され、在校生も刺激を受けられる機会となっています。

・農村地帯での植物学習、朝市見学とインタビュー
・地元NGOと共同で植林活動
・キャンプ(テント宿泊)
・伝統工芸体験(マコンデ彫刻)
・現地農業とバナナ農園視察
・小学校訪問
・現地料理・生活体験
・世界遺産「ンゴロンゴロ保全地域」「セレンゲティ国立公園」でのサファリツアーとキャンプ
・マサイ族集落訪問
・コーヒー農園と焙煎、養蜂の見学

 現地ではどのような生活が行われているのか、自分たちの生活を顧みながらしっかりと観察し、新しい知見を獲得していけるような内容です。

 初回である2022年度の出発は2022年12月。保護者への説明も幾度も行い、理解を得た後、中3が5名、高1が3名、高2が1名、合計9名が参加しました。

足立学園_小学校訪問では、冬休み中だったにも関わらず、多くの児童が集まってくれました
小学校訪問では、冬休み中だったにも関わらず、多くの児童が集まってくれました

 生徒たちは、渡航前にタンザニア大使館を訪問し、事前学習として、現地の歴史や、安全、衛生面の勉強をしました。その他、課題図書16冊を提示し、最低1冊以上読むことを指示。現地の言語であるスワヒリ語で簡単な自己紹介をできるようにしました。

 出発時、参加した9名の生徒たちは皆硬い表情で緊張の色が見えました。しかし、到着早々、現地スタッフの明るさに触れ、生徒全員で毎晩ミーティングを重ねるうちに徐々に馴染み、小さなトラブルを協力して乗り越える度に団結力が深まっていきました。さらに、現地で暮らす人々や小学生と交流し......と日を重ねるうちに笑顔がどんどん増え、積極的に現地の人々と関わるようになっていったそうです。

「多くの物を見聞きしたからでしょうか、帰国の日に空港に迎えに行ったら、行きとは打って変わって、自信にあふれた表情が見られました」

足立学園_帰国した際の晴れやかな笑顔の生徒たち
帰国した際の晴れやかな笑顔の生徒たち

 参加者の中には、より研究を深められた昆虫マニアの生徒、現地のトイレ事情を調べた生徒、現地のゴミに着目した生徒、学校の教育体制に気づきを得た生徒がおり......。各々、日本にいたままでは思いもよらなかった何かを掴んだようです。

  ツアーの体験を振り返ったプレゼン大会では、「コミュニケーション力と英語力が上がり、自己肯定感も上がった」と堂々と発表した生徒や2万字もの体験レポートを書いた生徒もいました。ぞれぞれの意識が根底から覆されるような、充実した9日間となったことが伺われます。

「将来、東京外国語大学の国際社会学科に進学して、アフリカを経済大国にするために一生涯関わっていきたいという志を見つけた生徒もいます」と井上先生は破顔しながら話します。

 このアフリカスタディツアーは、2023年度は7月に実施され、10名の生徒たちがひと回りもふた回りも大きく成長して無事に帰国しました。また、ラオスでの海外研修も10月に開催予定で、少数民族の村に滞在します。生徒たちにとっては不便な環境の中で、力強く暮らす人々との交流に、生徒たちが何を感じ取り、何を得てくるのか、この体験を自分の中でどう醸成するのかが楽しみです。

一生学び続ける気概と人間力とを携えて

足立学園_先生向けの研修も積極的に行われています
先生向けの研修も積極的に行われています

 同校で志について考え続ける生徒たち。彼らを導く先生方も、自分たちの志について突き詰めて考え、「子どもたちのために」という志を持つ方々が多数見られます。

 前章の原先生がJICAに参加したように、生徒への指導のために他校への見学を希望する先生もいれば、福島県のブリティッシュヒルズでのイングリッシュキャンプ参加を提案してきた先生もいます。

「生徒だけでなく、私たち教員も志を持つべきだとずっと訴えてきました。ですから『これは生徒の成長のためです、ぜひ取り入れましょう!』と提案されたら、もう認めざるを得ないですよ」と井上先生は笑います。

 そして、「もう私が何も言う必要はないのではと思うくらい、教員にも生徒にも志の概念が浸透しており、各自が自分の志を遂げるための道を走りつつあります」と頼もしく見守っています。

足立学園_探究の学びを通じて、自身の志を見つける生徒もいます
探究の学びを通じて、自身の志を見つける生徒もいます

 より良い教育現場をつくるために積極的に学び、変化への対応を続ける先生方。前向きに向上心を持って努力し続けるその姿から、「志を叶えるための学びは一生続き、その姿勢が充実した人生を形作る」ということを生徒たちも感じ取っているのではないでしょうか。

 その背中に続こうと努力し続ける生徒たちに、井上先生は、志を定めることと共に、自己肯定感を高めること、それが人間力の根幹となると考えています。

「人間力とは、自分の得た体験から、自分は何を成すべきなのか、本当の在りたい自分を見つけ出し、それに向かって努力していける力のことです。すなわち、自分だけの志を見つけ、それを掲げながら進んでいける力のことだと思っています」

足立学園_学校説明会などでは、生徒たちで組織する「あだがくアンバサダー」が活躍しています
学校説明会などでは、生徒たちで組織する「あだがくアンバサダー」が活躍しています

 そして、「足立学園での6年間で、自立した1人の人間として、力強く生きていく力を身に付けてほしい。その根源となるものは、弱さも含めて自分をしっかりと知っていること。それから、自己肯定感の核を持っていること。そして、何よりも思いやりを持っていることだと思うのです。これを兼ね備えていくと、あらゆる体験に対しても思いが違ってきます」と続けます。そして、しっかりと作られた土台があることで、数々の経験から得るものが変わってきます。

「やらないことで失敗しないメリットと、やって失敗するデメリット、どちらが人を育てるかと考えたら絶対に、やって失敗するほうです。ですから失敗を恐れずに、果敢に挑戦していってほしいのです」

 失敗の後に試行錯誤して成功させた子のほうが伸びる、と井上先生は断言し、そして受験生の皆さんにこのようなエールを送ってくれました。

足立学園_伸びやかさとメリハリがある学校生活です
伸びやかさとメリハリがある学校生活です

「いま、学校選びに悩んでいる保護者、受験生の方々には、『やりたいことをしっかりと見据えて、そのために学びましょう、そのための学校選びをしましょう』とお伝えしたいです。その上で足立学園を選んでいただければ、我々は、あなたのやりたいことが一生を貫く志につながるように、全力でバックアップします。たとえ他の学校に進まれたとしても、自分を信じて、しっかりとやっていけば、必ず成長できるはずです。ご自分のためにも日本の将来のためにも、自分を信じて頑張ってほしいです」

 中学・高校という多感な6年間の中で「志」となる種を見つけ、学びや経験をしっかりと吸収して成長の糧とする。それを実現する柔軟な感性と人間力とを身につけられる学校生活を、足立学園は約束してくれます。成長著しい生徒たちの姿を、学校説明会にご参加いただき、ぜひご覧ください。

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