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学校特集

東京家政大学附属女子中学校・高等学校2024

高校で新コースを導入し、生徒の多様な進路選択を可能に

掲載日:2024年7月11日(木)

 1881年に和洋裁縫伝習所を創立したことから始まる東京家政大学附属女子。建学の精神「自主自律」と3つの生活信条「愛情・勤勉・聡明」に基づき、世界で活躍する女性を育成しています。2025年度からは「KASEIから新しいSEKAIへ」をキーワードに高校で新コース制を導入。創造性を養う教育プログラムを通して豊かな人間性を育み、生徒たちをより高みへと導きます。
 高校で導入する新コース制や英語教育、海外留学、新制服について中高統括責任者兼高等学校校長の大澤力先生と国際・IB支援部部長の岩川直子先生にお聞きしました。

2025年度から導入する高校の新コース制

東京家政大附_中高統括責任者、高等学校校長、学校教育学博士、東京家政大学名誉教授の大澤力先生
中高統括責任者、高等学校校長、
学校教育学博士、東京家政大学名誉教授の大澤力先生

「本校は乳幼児を保育するナースリールームから大学院まであり、生涯学ぶことを大切にしている学校です。10代は将来を選択する最も大切な時期。生徒たちが希望する進路へスムーズに進学できるよう、2025年度からは高校で新コース制を導入します。生徒の進路実現に向けてサポートをさらに強化し、多様な社会に対応できるカリキュラムを準備しました」(大澤校長)

 2025年度にスタートするのは「スーパーアドバンストコース」と「クリエイティブラーニングコース」の2コース。スーパーアドバンストコースでは、国公立大学受験にも十分対応できるカリキュラムを用意しました。ハイレベルな授業やさまざまな受験サポートによって難関大学合格を目指します。また、東京家政大学の推薦資格を得た上で他大学にも挑戦できる併願推薦制度も活用できます。

 クリエイティブラーニングコースは私立大学受験・進学のコースですが、その進路は多様であるため、難関大学現役合格を目指す「アドバンストクラス」と東京家政大学への進学を視野に入れつつ私立大学進学を目指す「TKU(Tokyo Kasei University)クラス」の2つを設置しました。
 クリエイティブという言葉には、学びにおける創造性だけでなく、自分の生き方をデザインし、進路を決定するという意味も込められています。

「コロナ禍以降、留学をきっかけに海外大学への進学を視野に入れる生徒が出てきました。東京家政大学へ進学する道も見据えながら、チャレンジ精神旺盛な生徒たちの熱意を受け止める学校づくりをしていきます」(大澤校長)

 新コースでは中高大連携をさらに強化し、施設設備や人材交流、教育内容を充実させていきます。

東京家政大附_大学の出張授業で保育リズム遊びを体験する高校生
大学の出張授業で保育リズム遊びを体験する高校生

 大学との連携授業では、これまでに東京家政大学の健康科学部リハビリテーション学科と協働して、21世紀型教養教育プログラムを実施するなど新しい取り組みを実施してきました。大学教授が高校生を対象に講義をするほか、生徒たちは現役大学生とグループを作り、「コミュニケーション」をテーマに探究活動と発表を行ったのです。

「ほかにも、大学と連携した保育体験や教育実習生と話をする機会を多く設けます。大学では本校の卒業生も在籍していますから、具体的に自分の未来を考えるきっかけにつながるでしょう」(大澤校長)

 同校独自のキャリアプログラム「ヴァンサンカン・プラン」も将来を考える役割を担っています。ヴァンサンカン・プランとは、生徒それぞれが自分の理想とする25歳像を考え、実現のために今すべきことを考えること。「理想の自分」を見据え、学びを進めていくことは、人生100年時代を生きるための第一歩となります。学年に応じた活動のほか、卒業生と交流を交わす機会を設けています。

 卒業生の中には、同校を卒業後、東京家政大学家政学部服飾美術学科へ進学し、世界で活躍するフラワーサイクリストとなった河島春佳さんもいます。河島さんは2014年頃から独学でドライフラワーを学び、現在は廃棄予定の生花を回収し、新たなドライフラワー作品として発表するロスフラワーのフラワーサイクリストとして活躍しています。

「河島さんは高校生の頃から物を作るのが好きだった女性です。自分の好きなこととじっくりと向き合い、形にしていく力を育む。身近な先輩方から話を聞くことで、自分の未来が見えてくるのではないでしょうか」(大澤校長)

中3対象のニュージーランドターム留学を新設

東京家政大附_国際・IB支援部部長の岩川直子先生
国際・IB支援部部長の岩川直子先生

 世界に羽ばたく東京家政大学附属女子の生徒たち。彼女たちが視野を広くするきっかけは中学校から育まれています。同校は、IB教育の枠組みを取り入れた教科横断型学習や「探究→行動→振り返り」のプロセスなどを導入するとともに、協働、体験を重視した学びにも力を入れています。

 その中で、最も力を入れているのが英語教育です。同校には、アメリカやプエルトリコ、カナダ、ニュージーランド出身のネイティブ教員5名が在籍し、English Roomでは個別に英会話レッスンが受けられるほか、英検対策も行っています。東京家政大学附属女子では、中3までに英検準2級を、高校生の間に英検準1級を取得することを目指しています。現在は高3のうち2名が英検準1級に合格したそう。

 また、外国の講師からマンツーマンで授業が受けられるONLINE英会話も導入しています。

「本校の英語教育ではプレゼン力を重視しています。自分で考えて表現するプレゼン力は、大学受験、ひいては社会に出た後に役立つことでしょう」(岩川先生)

 授業では生徒がスライドを作って英語で発表するなど、積極的にプレゼンする機会を設けているそう。また、中2で行う2泊3日のEnglish Campでは、ネイティブスピーカーが10人ほどのグループに1人ついて、日本の文化について英語で語り合い、発表する場面もあります。

「朝から晩まで英語漬けの日々は、苦労が感じられる一幕もあるでしょう。英語が苦手な生徒にとっては、間違いを恐れずに挑戦できる雰囲気で、『勉強して、もっと英語を話せるようになりたい』と思うきっかけになるようです。逆に英語が得意な子にとっては『うまく表現できなかった』と悔しさを感じて、努力する機会にもなっています。失敗や挫折の経験が活きる3日間です」(岩川先生)

 英語に興味を持つ生徒が多いことから、2024年度からは中3を対象にニュージーランドのターム留学を新設。ホームステイをしながらオークランドにある共学の公立中高一貫校Glendowie(グレンダウィー) Collegeへ7~9月までの3カ月間通います。Glendowie Collegeはオークランド市内から車で約20~30分程度の高級住宅街近くにあり、総学生数は約1200名とアットホームな雰囲気。留学生も多く受け入れています。

 ターム留学へ参加する条件は英検2級の取得のほか、成績や出席状況、失敗しても立ち直って自分で学びを得られるメンタルを持っているかが重視されるそう。

「コロナ禍で海外研修や留学といった機会が得られない時期がありましたが、その経験が生徒たちの海外へ挑戦するハードルを低くさせたように感じます。オンラインで世界とつながった体験は、世界中の人と気軽にやりとりができる未来を感じさせました。だからこそ、英語力を磨きたいと思う生徒が多いのです。とはいえ中3はまだ英語力の面で苦労は多いでしょう。それでもバーチャルではなく自分の身をもって感じた時間は、生徒にとってかけがえのない宝物になると思います」(岩川先生)

 今後はGlendowie Collegeからも生徒を受け入れ、海を越えた学校交流を続けていく予定です。

高校でも充実した海外留学プログラム

東京家政大附_Massey Universityを訪れた生徒たち
Massey Universityを訪れた生徒たち

 高校へ進学すると海外体験の機会はさらに増えます。高2はシンガポール修学旅行「ふれあいと学びの旅」へ全員で出発。現地の人々と実際に関わりながら交流します。

 生徒から人気なのは「ニュージーランド夏期語学研修」です。夏休み期間中に約3週間、高1~高2の希望者がMassey University(マッセー大学)へホームステイをしながら通学します。Massey Universityはニュージーランド最大の学生数を有する国立大学で、3つのキャンパスに分かれています。そのうち最も歴史が古く、農学部や獣医学部、航空学部が有名なのがPalmerston North Campus。留学期間中はこのキャンパスへ通います。大学では英語レッスンや文化講義を学ぶほか、遠足などのスポーツアクティビティにも参加できます。

「昨年度から始まったプログラムですが、今年度もたくさんの生徒が応募してくれました。短期留学は『英語は苦手だけど、海外を見てみたい』という生徒からも好評です。Massey Universityは他国からの留学生も多く受け入れているため、生徒たちは文化の違いを一度に体験でき、昨年参加した生徒は大きく成長して帰ってきました」(岩川先生)

東京家政大附_語学研修で出会ったホストファミリーと
語学研修で出会ったホストファミリーと

 このほか、高1(中学からの入学生のみ)と高2が対象の「オーストラリア・ニュージーランドのターム留学」にも挑戦できます。7月~9月の10週間を、オーストラリアもしくはニュージーランドの現地高校で過ごし、1学期間留学するプログラム。ホームステイをしながら、現地の生徒や留学生と机を並べて様々な科目の授業を受け、異文化への理解を深めます。今年は高1が4名と高2が1名参加する予定です。

「留学先では、家族の大切さを改めて感じる場面もあるようです。ニュージーランドでは、ホストファミリーが家族みんなで一緒に過ごし、食事をとることが多いと感じたようです。中には、『日本に帰ったら家族と過ごす時間を増やしたい』と感想を述べる生徒もいました」(岩川先生)

 高2が対象の1年間の「カナダ留学」では、ブリティッシュ・コロンビア州にある高校へ通います。選択科目が特徴的で、自分で時間割を組み立てて通うカナダの教育制度を体験できるほか、アイスホッケーなど、カナダで人気のスポーツに取り組めます。

 いずれも、希望者対象のプログラムには成績上位者に奨励金が出る予定です。

海外大学への進学を後押しする体制も

東京家政大附_ターム留学をのびのびと楽しむ様子
ターム留学をのびのびと楽しむ様子

「留学を体験することで自信につながったようで、海外大学を希望する生徒も増えてきました。中には、海外大学や国際系の大学への進学を選ばなくとも、『自分の得意分野を伸ばし、将来は海外でも働きたい』という希望も耳にします」(岩川先生)

 同校では、海外大学進学協定校推薦制度(UPAS※)を使って、海外大学進学を後押しするほか、留学先の1つでもあるMassey Universityについては直接やりとりしながら、進学をサポートしていきます。

※UPASとは、多様性を高めるために海外大学が優秀な日本人学生を受け入れる特別制度。欧米にある約100校が協定校として参加する。

「しっかりと英語の勉強をしていれば、UPASを使って海外大学へ進学できる制度が整いました。もちろん、海外体験は成功だけではありません。中にはうまく英語が通じず、翻訳機器を使って会話したという苦い思い出話を語る子もいます。それでも、本人はいい表情。自分で試行錯誤しながら得た実力が彼女たちの自信に繋がり、将来の海外生活を希望するだけの気持ちを作ったのだと思います」(岩川先生)

2025年度からは新制服へリニューアル

東京家政大附_オリジナルスカートデザイン検討チーム
オリジナルスカートデザイン検討チーム

 2025年度は高校のカリキュラムだけではなく、制服もリニューアルします。

「コロナ禍のパンデミックを経験し、メディアでは戦争という言葉が飛び交うなど今は大きく変化する時代です。カリキュラムだけでなく、制服も新しい時代に合ったデザインへ一新することとなりました」(大澤校長)

 新制服では、ジェンダーレスに対応して昨年度より導入したスラックスにも合うように、リボンだけでなくネクタイも採用。生徒はスカートとスラックス、リボンとネクタイを自分で選べるようになります。また、オプションのスカート柄を2種類用意。1つは生徒たちからアンケートを取って決まったデザインで、もう1種類は、生徒参加のプロジェクトチームがオリジナルデザインを検討しています。 

「生徒に人気のセーラー服(盛夏服)は大きなデザイン変更をせず、冬服(正装)も紺色をベースとした配色は変えません。本校の制服は歴史と伝統があるデザインです。古き良きものも大切にして東京家政大学附属女子らしさは残しつつ、時代に即したデザインを取り入れることにしました」(大澤校長)

「KASEIから新しいSEKAIへ」をキーワードに、カリキュラムを拡充させていく東京家政大学附属女子。自分のやりたいことに、のびのびと挑戦できる環境が整っています。海外留学の充実を機に、生徒たちの視野をさらに大きな世界へと広げ、冷静に物事を見極めながら、自分の興味のある分野を開拓する強い心を育てていきます。

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