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学校特集

共立女子第二中学校高等学校2023

体験プログラムで「密の時間」を味わいながら、自立心を培う
「セルフリーダーシップ」の獲得は普遍の建学理念

掲載日:2023年7月8日(土)

 コロナ禍から少しずつ日常が取り戻されつつあるなか、生徒たちに明るい笑顔が戻ってきました。1886(明治19)年に、女性の自主性の育成と社会的自立の実現を目的に創立された共立女子学園。共立女子第二は東京・八王子市の小高い丘陵に東京ドーム5個分のキャンパスを有し、恵まれた自然環境を生かしながら体験重視のリベラルアーツを実践してきました。学校生活に多くの制限があるコロナ世代の生徒たちが、それでもさまざまな経験を重ね、どのように変化しているのか。「セルフリーダシップを発揮し、広く社会に貢献できる自立した女性」の育成を目指す同校の教育について、中学統括主任の田端豊先生と中1担任で進路指導部副主任の坂田洋介先生にお話を伺いました。

体験重視の教育が育む、コロナ世代の「ポジティブシンキング」

■「ワクワク感」を抑えきれない新入生たち

 今春、高3生を送り出し、6年ぶりに中1のクラス担任を受け持った坂田先生は、新入生の姿にここ数年間とは違う変化を感じていると言います。

共立女子第二_進路指導部副主任の坂田洋介先生
進路指導部副主任の坂田洋介先生

坂田先生:「全体的に明るく、中学校生活を楽しみに来ている生徒が多いですね。共立女子第二は落ち着いた生徒が多いのが特徴ですが、そのような中で『ワクワク感』を素直に表す、活発な子が多いという印象を受けます。コロナ禍の反動なのかもしれませんが、おとなしそうな生徒の中にそうしたエネルギーを感じることが、これまでと違うなと。特に今年度の新入生は、小学校高学年の時期にいろいろな経験をできなかった分、そのエネルギーが有り余っているのかもしれません」

共立女子第二_中学統括主任の田端豊先生
中学統括主任の田端豊先生

田端先生:「コロナ禍の中で運動会もできませんでしたし、いろいろな経験が不足しているというのはとても感じる部分です。高校野球のある監督が『青春は密なので』と言っていましたが、そういう『密の時間』、行事や体験プログラムに置き換えてもいいかもしれませんが、そうした経験をたくさんさせてあげたいと思っています」

 広大なキャンパスを持つ共立女子第二は「自然が教科書」と言う通り、恵まれた自然環境を生かした「体験」重視の学びを展開しています。自然観察などの野外授業も頻繁に実施し、教科書にはない「体験の中にある」学びを大切にしてきました。

共立女子第二_中1の理科の授業にて。「ポタジェガーデン」でルッコラやレタスの種蒔きをする生徒たち
中1の理科の授業にて。「ポタジェガーデン」でルッコラやレタスの種蒔きをする生徒たち

 キャンパス内には野菜・花・ハーブなどを育てる「ポタジェガーデン」があり、生徒たち自らが手入れをしています。その一角には、坂田先生が野菜や果物を育てる「坂田ファーム」も。「私の世話が行き届かないと生徒たちが水やりをしてくれたり、イチゴを先に食べられたり(笑)」と、坂田先生。日常の生徒面談を、生徒の希望で「坂田ファーム」の前で行ったこともありました。

坂田先生:「緑に囲まれた本校ならではの空気感は格別なものです。真新しい制服に身を包み、入学式で感じた高揚感や清々しさ、匂いなどは共立女子第二に入学したんだという実感とともに、卒業後も心の拠り所として残っていくものではないかと思います」

「共立女子第二のアピールポイントはどこですか?」という生徒アンケートでも、圧倒的1位を獲得したのが自然環境でした。

■経験不足のコロナ世代。さまざまな行事体験で「自主性」を培う

「ゆっくりと、でも着実に、おおらかな自立心が育まれる学校です」とは、学校パンフレットに寄せられたある卒業生の言葉です。自然に恵まれた環境の中で、一人ひとりが伸びやかに、やりたいことに取り組むことができる。それはとても贅沢なことだったのです。
 3年間のコロナ禍で運動会や文化祭も行うことができず、行動制限を余儀なくされた今の中学生たちに、思い切り豊かで「密な時間」を提供したいと先生方は話します。「今からでも十分できるんだという、前向きな姿勢を生徒たちに植え付けていきたいですね」と。

共立女子第二_4年ぶりに中高合同の体育大会が実現!
4年ぶりに中高合同の体育大会が実現!

 今年は4年ぶりに、中高合同の体育大会を実施することができました。高さ3メートルの玉入れや綱引きなど集団で取り組む種目も定着し、大いに盛り上がりました。また、大会名物の応援ダンスでは、今年から中3がリーダーとなって中1・2を指導する試みも始めました。「小学校で運動会を経験できなかった生徒たちにとっては、非常に楽しい時間になったと思います」と坂田先生。

田端先生:「密な時間を経験するなかで、失敗したりぶつかり合ったりしながら、生徒たちは成長していきます。例えば生徒会や文化祭などでも、中学生が高校生に言われた通りにやるのではなく、中学生自身が考えて決める自由度を高めていきたい。秋の文化祭での発表の仕方も、中学生がクラスで話し合って決めています」

共立女子第二_始業式の日から1週間、新入生に入部の勧誘を行う「青葉展」が開催される
始業式の日から1週間、新入生に入部の勧誘を行う「青葉展」が開催される

 昨年、高校生たちが自ら立ち上げた「PR委員会(有志)」がオープンキャンパスや学校説明会で学校紹介を実施し、「先輩たちが優しかった」と好評価を得ていますが、先生方は中学生が自主性を発揮する場面をもっと増やしていきたいと考えています。同校では各学年で学年通信を発行していますが、中1の学年通信の題名「彩(いろどり)」は生徒たちが考え、投票で決めたものです。これも初めての試みでした。 「体験」を通して本物に触れること、数多くの体験重視プログラムによって生徒の全人的な成長を図ること。それが、同校が実施する教育の特徴です。

田端先生:「中1の校外学習はこれまで、高尾山へのハイキングなどを行っていましたが、今年は、高尾駅から学校まで歩いてみるという自然観察を行いました。例えば、震災の時に自分はどのように行動したらいいかなど、『体験』だけでなく、自分で考えさせる時間もしっかり設けたいと思っています」

 こうした積極的な野外授業はもちろんのこと、「ポタジェガーデン」での野菜作りも理科や家庭科の一環となっているなど、展開されるのはまさにリベラルアーツです。
 また、伝統的な女子教育として中学3年間、武家の作法を今に伝える小笠原流礼法による「礼法」を学ぶのも、「食育」で食にまつわるさまざまな知識や料理法を知るのも、10年後、20年後の社会生活に活きることを見据えたものです。こうした実学で得られたことは、座学で得る知識とは別の「経験値」として、生徒たちに深く刻まれていきます。

自立心と探究心を育み、「自分らしさ」に気づかせてくれる中学3年間

■中学では基礎・基本を徹底学習

共立女子第二_放課後、生徒たちは自習室以外にオープンスペースや図書館など、思い思いの場所で勉強している
放課後、生徒たちは自習室以外にオープンスペースや図書館など、思い思いの場所で勉強している

 学習面では、中学3年間は5教科を中心に基礎・基本の徹底を最大の狙いとしています。探究学習を取り入れながら個別最適化した学びで学力の底上げを図り、多様な進路に対応する高校の4コース制カリキュラムに繋げていきます。
 主要5教科に重点を置いて難関大学合格を目指す「特別進学コース」、多様な進路に対応して総合的な学力向上を目指す「総合進学コース」、3年間クラス替えなしで英語の学びに特化した「英語コース」、そして高2から始まる、共立女子大学の併設校としてのメリットを最大限に活かした「共立進学コース」の4つです。
 中学段階での基本は、普段の授業を大事にすること。日々の学習記録を記入する「共立手帳」を中1から活用して、効率的な学習習慣を身につけていきます。

坂田先生:「中学生には、将来このコースに進みたいという明確な進路意識より、ここで自由に学べるから入学したという印象があります。だからこそ、中学時代はいろいろな経験を通して自分はどうありたいのか、どう生きたいのかを考え、視野を広げてほしいと思っています」

 進路指導部副主任でもある坂田先生は、数年前から「生徒たちの変化」を感じていると話します。「大学の入試方法も多様化し、今や偏差値やネームバリューだけで進学先や就職先を選ぶ時代ではありません。自分なりの『幸せの基準』というか、物差しを持っている生徒が多くなっています」

共立女子第二_共立女子大学の授業見学会に参加し、実際に授業に臨む「共立進学コース」の高2生たち
共立女子大学の授業見学会に参加し、実際に授業に臨む「共立進学コース」の高2生たち

 坂田先生が担任だった昨年度の高3「特進クラス」のある生徒は、英語系に進路を決めていましたが、たまたま坂田先生のアドバイスで共立女子大学の食物ガイダンスの授業を受けたことをきっかけに、食物系に志望を変えたのだそうです。「探究で『食』に関するテーマを選ぶなど、もともとそうした分野に興味があった生徒でした。私がもっと早くにアドバイスをしていれば、進路の選択肢はさらに広がったかもしれません」と、坂田先生。

 数学の授業でも、「公式を使わない解き方を考えてみよう」と言ったところ、模範解答とは違う答えがたくさん出てきて、生徒たちから「数学ってこんなに自由度があるんだ」という声を聞くようになったそうです。「その教科の本質的な楽しさを教えていくことができれば、生徒たちの学習意欲は確実に上がり、自分が本当にやりたいことに気づく近道にもなると思います」

田端先生:「高校受験を気にせずに、自分の進路をじっくり考える余裕が持てるのも中高一貫校のメリットです。中学では、『自分はどうありたいか、どう生きたいか』を自分の頭でしっかり考えられる自立心や、探究心を育んでいきたいと考えています」

■自分らしく活躍できる場所がある

共立女子第二_生徒会役員選挙の立会演説会。昨年まではリモートだったが、今年は大講堂に全生徒が集まって行われた
生徒会役員選挙の立会演説会。昨年まではリモートだったが、今年は大講堂に全生徒が集まって行われた

 結婚・出産など複線型の選択を迫られる女性にとって、自分軸を見極める「セルフリーダーシップ」の獲得はとりわけ重要です。建学以来「自分らしく社会に貢献できる自立した女性の育成」を普遍の理念とし、「キャリアデザイン」「セルフリーダーシップ」という言葉で言語化される前から、こうした価値観を積み重ねてきました。 「幸せの基準」は人それぞれ。自立心を持って自分自身を見つめ直す広い視野を持てれば、仕事に限らず、地域や家庭などそれぞれの場所で活躍の場所を見つけ、自分らしさを発揮する人生を選択できるはず。それが、同校のスクールミッションである「セルフリーダーシップ」です。

 コロナ禍であっても、生徒たちはICT 環境をフル活用して新入生歓迎会や生徒会役員選挙の立会演説会をオンラインで実現させました。体育大会は規模を縮小して中高別々に開催し、文化祭は動画を駆使してオンラインを活用したハイブリッド型で。ほかにもマスクを着けたままの合唱コンクールなど、困難な状況の中でも諦めることなく、どうすれば実現できるか一人ひとりが知恵を絞りました。

田端先生:「本校ではさまざまな行事や体験プログラムの中で、生徒たちそれぞれが自分らしさを発揮して活躍できる場所を提供してきました。コロナ禍で実現した制限つきの体育大会や文化祭も、みんなで協働して立ち向かう大切さを改めて学ぶ機会となり、仲間と一緒に成長しながら、それぞれがセルフリーダーシップを獲得していったように思います」

■コロナ世代の「ポジティブシンキング」

共立女子第二_京王線の仙川駅前広場で開催された「夜桜チャリティーコンサート」に参加した吹奏楽部の生徒たち
京王線の仙川駅前広場で開催された「夜桜チャリティーコンサート」に参加した吹奏楽部の生徒たち

 コロナ禍は学校教育にも大きな影響を与えました。学校全体で難局に取り組みながら、ICT教育は大幅に発達し、遠隔授業も日常的な光景になりました。逆にICTのスキルが上がる一方で、リアルな対面教育の大切さを実感した3年間でもありました。そうした生徒たちの「リアルな体験」を支える同校の強みが、「先生方の情報共有力」です。

坂田先生:「生徒から『2時間目にあった出来事を、どうして3時間目の先生が知っているんですか?』とよく聞かれるのですが(笑)、教員室での会話が多く、教員同士が丁寧に情報を共有しているからです。そうした細かなところから『大人たちが子どもたちを見守っている』というメッセージが、生徒に実感として伝わっているのではないかと思います。生徒たちが今、どこを見ているのかを知らずに指導はできません。本校の生徒に合ったシステムや授業のやり方、行事などを我々教員が懸命に考えること。それが、彼女たちのセルフリーダーシップを育てることに繋がるのだと思っています」

田端先生:「中学の担任はみんな、生徒との対話量がとても多いですね。生徒たちの変化をいち早く捉えるためにも、中学段階での対話はとても大切です。AIの発達による情報過多の時代であっても、自分の頭で考えることができればどんなことにも対応できるはずです。そのためにも自立心を持たせ、セルフリーダーシップを身につけさせること。これからも、その本校の教育の核心を大事にしていきたいと思っています」

 コロナ禍によって経験できなかったこともたくさんあったけれど、だからこそ獲得できたものも多くありました。できないことを憂うのではなく、できる可能性に賭けるポジティブシンキングもその一つ。坂田先生は、生徒たちへの願いをこう語ってくれました。「コロナ世代だからこそ、どんなこともポジティブに考えられる。そんな生徒に育ってほしいと思っています」と。

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