学校特集

国学院大学久我山中学高等学校2019

“きちんと青春”できる男女別学校

掲載日:2019年10月5日(土)

アルプススタンドで在校生、卒業生、保護者が歓喜!この夏、甲子園で久我山が1つになった

夏の甲子園出場をかけた西東京大会決勝戦が神宮球場で行われたその日、同校のキャンパスでは小学生とその保護者を対象とした「授業体験 in Kugayama」というイベントが開催されていました。全19講座の中から小学生が興味のある授業を選んで参加する、まさに学校をあげてのイベントで、先生はもちろん、中高生の有志生徒が案内係や授業の助手を行ったり、学校生活を紹介する企画などを受け持ったりして参加者と触れ合いました。
そのため、全校応援というわけにはいきませんでしたが、動員しなくても多くの人が詰めかけて、応援席はチームカラーの赤で染まりました。「応援席の生徒の多くが中学生で驚いた」と話すのは、今年度から校長に就任した國清英明先生。同校には野球部だけではなく、ラグビー部、サッカー部など全国大会レベルのクラブがいくつもあり、「これらのスポーツ応援で味わえる一体感はかけがえのないもの。甲子園にも在校生だけではなく、卒業生や父母のみなさんが駆けつけてくださり、母校愛を感じた」と言います。時代の変化に対応しながらも、"きちんと青春"をスローガンに、久我山らしい教育を推進する國清先生に、中高時代にこそ身につけてほしい力についてお話いただきました。

国学院大学久我山の男女別学
国学院久我山_

久我山の校舎は男子部(STクラス・一般クラス)、女子部(STクラス・CCクラス)にそれぞれ分かれています。異性を意識することなく、のびのびと生活できる環境の中で、男女それぞれの特性を生かした授業や行事、特別講座などが盛り込まれたプログラムに取り組みます。一方、学校行事(文化祭・体育祭・弁論大会)や希望制プログラム(東北被災地体験学習・スキー教室・関西方面校外学習など)、生徒会活動などは男女一緒に取り組む場合が多く、教室とは違う刺激を受けることができます。部活動にも男女合同で行うクラブが複数あります。女子部の生徒が野球やサッカーの応援をすることができるのも、別学の醍醐味です。

「きちんと青春」に込められた思い
中学、高校という成長期に、学問だけではなく、情熱を注げる何かを見つけて、この時期にしか体得できない力を身につけることです。その力は将来の社会を生き抜く力になります。

アルプススタンドで感じた「愛校心」。
多くの卒業生が応援する姿は教育への自信になった。

国学院久我山_校長 國清英明先生
校長 國清英明先生

國清先生:この夏、久しぶりに高校野球部が甲子園に出場しました。全国大会に出場すると、スタジアムの関係上、ラグビーは高1、サッカーは高2、野球は全校で応援することにしていますが、今年は様々な事情から予選から甲子園に至るまで生徒を動員しませんでした。高校生は同級生が出場しているということもあり、相当数の生徒が応援に来るだろうと思っていましたが、驚いたのは中学生の応援が多かったことです。実際、在校生の4割が中学生でした。得点すると『久我山讃歌(創立三十五周年記念歌)』の一部を使い、肩を組んで喜びを分かち合うのですが、最初はぎこちなかった中学生が、試合が進むにつれて普通に私とも肩を組んで応援するようになりました。考えてみると、中学生にはそのようなことを経験できる場がまだ少ないので、心に残ったのではないかと思います。

国学院久我山_28年ぶりに甲子園出場を果たした野球部
28年ぶりに夏の甲子園出場を果たした野球部

卒業生やその父母の方々も多数甲子園に足を運んでくれて、アルプススタンドはいっぱいになりました。在校生と卒業生が一体となって応援できたことは、大変嬉しいことでもあり、愛校心あふれる姿を目の当たりにして、我々が行ってきた教育は間違っていなかったという印象を強く受けました。
本校では5分前行動の精神や、遅刻をしない、挨拶や身だしなみをきちんとするなど、学校生活の中で生徒に要求することが少なくありません。それは「社会人になってから苦労しないように」という思いからですが、在校時にはそのようなことに対して辛さを感じたり反発心を持ったりする生徒もいたと思います。しかし、卒業後にその意味を実感し、母校に対する思いが強くなった結果が、今回の出来事だったのだろうと推測しています。

國學院大學に倣い「日本文化を発信できる人」を育てる。
そのためには日本文化を通じて心を育てることが大切。

国学院久我山_ネイティブによる英語の授業
ネイティブによる英語の授業

國清先生:教育は変わらないところもあれば、社会が求めるものに応じて変わらなければいけないところもあると思います。本校でもグローバル社会に貢献できる多様な人材の育成を目指して、さまざまなプログラムを取り入れていますが、大切なのはプログラムそのものよりも、どのような立場でグローバルな人材を育てていくか、ということだと思います。幸いなことに本校は國學院大學の附属校です。大学は「日本文化を発信できる人材の育成」を重要課題としています。本校もそれに倣い、久我山流のグローバル人材育成をしていますが、そのためにはまず「教養」が必要です。例えば、海外の方に日本の寺のことや神社のことなどを聞かれた時に、作法も含めて教えることができる人材を育てていきたいと考えています。なぜならキリスト教の教会やイスラム教の寺院など、宗教が関係するものには必ず作法があると思うからです。そのことを理解していれば、世界の国々のそうした神聖な場でもTPOをわきまえた振る舞いができ、そこから文化の違いを受け入れることができます。おのずと相手を尊重する気持ちが生まれ、信頼関係を築く礎となるのではないでしょうか。
本校の柔道場、剣道場には神棚がありますが、宿泊行事の際や運動部が全国大会に出場する際は、卒業生の神職の方に来てもらい、それぞれ安全祈願や必勝祈願を行います。本校ではそういう場でも作法がきちんとできるように指導します。どんなことにもルールがあるという意識を育てることは、グローバルな人材を育てていく上で非常に大切なことだと思います。それぞれの場面で必要なことが分かる人、気を配ることができる人になってほしいです。

日本の伝統文化を通じて心を磨く

国学院久我山_

男子部では「武道」(中1は柔道・中2は剣道・中3〜高3はどちらかを選択)に取り組むほか、一昨年から「男子部特別講座」として能楽教室(中2)を実施しています。
「扇子を持ってすり足で歩いたり、謡いの稽古をしたりすることで、能楽を身近に感じています。中2というとまだまだ落ち着きがなく、最初はきちんと正座をして人の話を聞くということが10秒も持たなかったのですが、授業を重ねるうちに1分以上できるようになりました。『こういう場ではこうするんだよ』ということに触れていれば、大人になってからの興味関心の幅も広がり、吸収したものが生きてくるようになります。この時期に日本の伝統文化を学ぶということは非常に意味のあることだと思います」と國清先生。


国学院久我山_

一方の女子部には「女子特別講座」(中1ははなし言葉教室・中2は華道・中3は茶道・高1は能楽・高2は日本舞踊・高3はマナー講座など社会への準備)という6ヵ年一貫のプログラムがあり、日本の伝統文化や古典芸能を実際に体験しながら、礼儀作法や所作を学びます。また、修学旅行(高2)では伊勢・奈良・京都に行きます。
「CCクラスは従来の修学旅行に代わりニュージーランドの現地家庭にホームステイして語学研修を行う予定ですが、伊勢・奈良・京都で日本文化を探求する経験もさせたいと考えています。また、ネイティブの教員にも関西方面の校外学習などに参加してもらい、いろいろな寺院を巡り知識を重ねた上で、生徒と日本文化について話ができるような環境をつくるという構想もあります」(國清先生)
※令和2年度より、女子部修学旅行(高2)は、伊勢・奈良・京都とニュージーランドの選択制(クラスにより基本コースは異なる)

自分の考えや意思を伝えることができる英語力に加え、
考えを構築するために必要な基礎知識の定着を図る

国学院久我山_数学を英語で学ぶMath in English
数学を英語で学ぶMath in English

國清先生:本校はここ数年の間に大きく進化しました。特に今井寛人前校長は「Friendship Meeting」(日本に滞在している留学生と英語で交流するプログラム)、「Math in English」(数学を英語で学ぶセッション)、「英語で地域探訪」(國學院大學の留学生を迎えて学校周辺の寺院や史跡を探訪するプログラム)などのグローバル・プログラムや、女子部に日本を学び、世界に貢献できる多様な人材育成を目指すCCクラス(Cultural Communication Class)を新設するなど、大きな礎を築いてくださいましたが、私の役目はこれらの取り組みを引き継ぎ、発展させるとともに、今後は忘れがちとなる基礎の定着をもう一度見直し、徹底することであると考えています。

国学院久我山_イギリス語学研修
イギリス語学研修

英語は"4技能"(読む・書く・聞く・話す)ということが盛んに言われています。本校でもコミュニケーション能力の向上を目指して、4技能をバランスよく学習することを念頭に置いて授業を行っています。オンライン英会話やTokyo Global Gateway(TGGの施設でアクティブな英語学習にチャレンジするプログラム)なども導入していますが、会話ができればいいというものではありません。これまでどおり文法もしっかり教えて、定着させることが大切だと思います。他の教科においても、幹となる基本的な知識がしっかり身につくよう、教員が意識して授業を行い、定着を図っていきます。

使える英語力と基礎学力をしっかりつけて進路を実現

東大をはじめ国公立大学や難関私立大学に多数の合格者を出している同校。その背景には基礎力がしっかり身につく学習指導と、きめ細かい進路指導があります。最難関国公立大学に現役合格を目指す「STクラス」だけでなく、男子の「一般クラス」には全国大会レベルのクラブに在籍しながらも、最難関国公立大学に現役合格する生徒がいます。2018年度に新設された女子部の「CCクラス」では、世界にある多様性に気づき、互いの違いを尊重し、そして世界の人と協働する気持ちを育てることを目標とした「Global Studies」という独自の授業が行われており、1期生(中2)の進路がどこまで広がるのか、注目されています。

生徒一人ひとりが"きちんと青春"するために...。
生徒が主体的に活動する場を増やしたい。

国学院久我山_全国レベルを誇るサッカー部
全国レベルを誇るサッカー部

國清先生:本校では男子を中心に運動部の参加率が非常に高くなっています。中でも高校の強化指定クラブ(サッカー部・野球部・ラグビー部・バスケットボール部・陸上競技部)には多くの部員が集まり日々切磋琢磨しています。そこにつながる中学の部活動も盛んです。いい意味でクラブ同士が刺激を受け合い、それが全国大会出場への原動力となり、結果的に一般の生徒や卒業生、さらには保護者の皆さんも一体となれる場を作ってくれています。運動部のあり方についてはいろいろな意見がありますが、ある程度の制限を設けた中で奨励していくことは、学校教育としての意味は大きいと考えています。

国学院久我山_2019インターハイに出場した陸上部
2019インターハイに出場した陸上部

一方の文化部も数は多く、中学は17(運動部は12) 、高校は27(運動部は17)あります。各クラブに毎年部員はいるものの、残念ながら活動がグループの中で完結しているところがあります。各部とも部員数を増やし、考えたこと、研究したことを広くプレゼンできるようなレベルまで引き上げたいと思っています。それを実現させるために、今、力を入れているのが、生徒による文化祭の企画・運営です。これまでも体育祭や文化祭などの学校行事は実行委員を立てて運営してきましたが、前年の内容をベースに創っているため、大きく変わることはありませんでした。そこで内容にまで踏み込んで創りたいという提案が生徒のほうから出てきたことがきっかけでした。小講堂で教員を前にプレゼンしましたが、まだまだ未熟で、教員から鋭い質問を投げかけられ、四苦八苦する場面もありました。今までのものを変えるには時間がかかりそうですが、生徒にとってはいい経験になるので、今後も生徒主体で考えて提案してきたものを、なるべく取り入れる方向で進めていきたいと考えています。
身近なことでいえば、朝礼の司会もほとんど生徒が行うようになりました。放送部の生徒、生徒会の生徒が今まで教員が担っていた部分をすべて引き受け、朝礼で表彰をする際にも中学の生徒会長が「この段取りでやりますのでよろしくお願いします」と伝えに来ます。その姿はたいへん頼もしいものであり、私自身も生徒がやれることは任せるべきと思っているので、学校説明会などのイベントでもなるべく生徒の出番を増やすようにしています。生徒はいいことばかりではなくありのままを話すので、素直に受け取っていただけますし、質問もしやすいようです。募集活動は学校のあり方や教育内容を世間に発信する場なので、生徒と保護者がそれを理解して、きちんと発信していくことも1つの教育になるのではないかと考えています。

国学院大学久我山の別学スタイルは、他校にない魅力です。女子部に設立したCCクラスが好評で、好奇心旺盛な生徒が集まっていますが、男子部にもCCクラスを設けるか、というとそうではありません。競争をおもしろがる男子の中には、STクラスや、一般クラスの中に成績優秀者が集まるクラスを設けることで、それを目標に頑張る生徒がいるからです。STクラスに入れる学力があっても「運動部と両立したいから一般クラスでいい」という生徒もいます。中にはグローバル・プログラムの充実に伴い、一般クラスに在籍し、文化部で週2、3日活動しながら、希望制のプログラムに参加して、英語でコミュニケーションするおもしろさにハマる生徒もいます。男女の特性に応じて教育環境を作ることができるのが別学の魅力です。そんなキャンパスを訪れると、一人ひとりが"きちんと青春"している姿が目に飛び込んできます。熱気あふれる放課後の風景は必見です。

旬のキーワードは「吹奏楽部」

国学院久我山_

アルプススタンドで応援リーダーとして活躍した吹奏楽部。その演奏が今、注目を集めています。インターネットで検索すると「国学院久我山のチャンステーマ『一本』が頭から離れない」という声があちこちであがっていて、入試広報部によると「入学したら吹奏楽部に入りたい」という受験生も増えているそう。運動部が強い学校の吹奏楽部は大変ですが、その分やりがいも大きく、心に残る中高生活になるに違いありません。

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