学校特集

聖学院中学校・高等学校2017

内なる賜物を発見し、生徒のやる気を教師一丸で全力サポート!
難関大合格率が、過去10年間で最高を記録した理由とは!?

掲載日:2017年11月18日(土)

早くから思考力入試に取り組み、レゴブロックを使う『思考力ものづくりテスト』なども導入。聖学院では、自分から課題を見つけて解決策を考えることができる生徒を育てるために、授業力の向上のみならず、学校生活をまるごと向上させるために、さまざまな取り組みを行っています。その成果を、2017年3月に卒業した学年が大学受験で証明しました。卒業生数129名と、例年に比べると少人数の学年ながら、国公立大学に8名、早慶上理ICUに27名、GMARCHに55名が現役合格。卒業生数に対するGMARCH以上の合格率は過去10年間でもっとも高い数値となりました。成果をあげた理由を、この学年に6年間関わってきた日野田昌士先生(進路指導部副部長/社会科主任/ICT教育委員)と、進路指導部長の生田直子先生(理科教諭)に伺いました。

一人ひとりの生徒が満足して卒業するために、
「できることをすべてやる」が共通認識

今春、卒業した学年と日野田先生の関わりから教えてください。

聖学院中学校_日野田昌士先生
進路指導部副部長 日野田昌士先生

日野田先生:私はこの学年の生徒たちが入学した年から担当しています。中1の時はレギュラークラスの担任でしたが、中2以降は成績が上位の生徒が集まるアドバンストクラスの担任でした。6年間という長い月日をともに過ごしてきたので、子どもたちと気持ちがすれ違う時期もありましたが、それも子どもから大人へ成長していく過程には必要なことだと思います。時には「今のA君にはB先生から話してもらったほうが心に留まるかもしれない」などと考えては、自分の代わりに他の先生に話してもらうということもありました。

本校には、一人ひとりの生徒が満足して卒業するために、できることをしようという考え方があります。そのマインドを教員間で共有しているので、もし自分がこの学年を外れても、きちんと引き継げば、次に担当する先生がきっと育ててくれると思うことができました。(自分がこの学年を担当し続けることになっても)「徐々に話せるようになればいい」と考えることができたので、あせることもありませんでした。

中1から高3まで、全学年で定期的に面談。
適切な時期に適切なタイミングで適切な刺激を与える

今年の大学入試で成果が出た要因も、先生方の連携が大きかったということでしょうか。

聖学院中学校_

日野田先生:そうですね。本校ではどの学年も定期試験の後に面談(年5回)を行います。適切な時期に、適切なタイミングで、適切な刺激を与えることができる環境なので、一人ひとりの生徒と時間をかけて話すことができました。大学を出た後に何がしたいのかを明確にし、目指す大学が決まったことで、高3の2月末まで勉強が続く国公立大学受験にも強い気持ちをもってチャレンジしてくれました。

例えば、千葉大学医学部に進学した生徒(中2からアドバンストクラス)は、中3まで文系志望でした。5年間、面談を行い、前回の内容を踏まえて気持ちを聞くと、少しずつ心に変化が生じた一人です。「人の役に立つ仕事がしたい」と言っても、中学時代は自分事ではありません。「なにができる?」「なにがしたい?」と質問を投げかけ、考える機会を与えると、「医者になりたい」と言いました。彼の話を聞いて、「厚生労働省の官僚になるのも1つの手だよ」といった話もしましたが、最終的には医師になる方向で決意が固まりました。その後は、医学部に進学した卒業生に連絡をとり、その生徒に対策を伝授してもらったりしました。目標が医学部に定まってからは強かったです。気持ちが揺らぐことはありませんでした。

私はたまたまアドバンストクラスの担任でしたが、高3全員を6、7人の担任団で見ているという意識で生徒と関わってきました。そういう考え方も学年の先生方と共有できていたので、(合格率の躍進は)レギュラークラスの頑張りもあっての結果だと思っています。

学習への取り組みや面談を記録できる「振り返りノート」
教科の先生とも面談できるシステムで生徒の目標が明確に

聖学院中学校_生田直子先生
進路指導部長 生田直子先生

日野田先生:進路指導部長の生田先生が発案した教科面談も、とても役に立ちました。高2、高3を担当して、その必要性を実感しました。

生田先生:教科面談とは、授業を受けもっている先生、あるいは過去にその学年の授業を受け持ったことがある先生と面談できるシステムです。
面談のスケジュールは生徒から先生、先生から生徒と両方向から声をかけて、両者の間で決めます。1人の生徒が何度リクエストしてもかまいません。

情報共有は「振り返りノート」で行います。中1から高3まで、毎年、生徒に渡しているノートで、各学年の先生が工夫して使えるよう、進路指導部で試行錯誤しながら手作りしているものです。話した内容をそこに記録できるようになっているため、クラス担任は、面談の際にそのノートを見て、どの先生とどんな話をしているかを確認しながら生徒と話ができます。また、教員同士で「○○君と話してくれたんですね」という会話もできます。「振り返りノート」のおかげで、自分とは話をしたがらないけれども、だれかと話をしたほうがいいと思う生徒がいた時に、「こういう生徒がいるんだけど、話をしてもらえませんか」という相談もしやすくなりました。

聖学院中学校_振り返りノート
振り返りノート

日野田先生:北海道大学の総合理系に進学した生徒は、生物と物理が融合したような分野に興味がありました。はじめは筑波大学の理系を志望していましたが、物理の先生と話をして、医療分野を工学的にサポートする、医療工学のような学部があることを知り、北大に志望校を変えました。化学を担当していた生田先生にもたくさん面談をしてもらいました。センター試験の点数が伸びず、厳しい受験となりましたが、あきらめることなく前期、後期ともに北大に挑戦することにし、前期で合格を勝ち取ることができました。

生田先生:振り返りノート(A4)は、定期考査や模擬試験に向けてPDCA(プランを立てる⇒学習⇒試験⇒結果を踏まえて振り返る⇒次に向けてのアクションを起こす)を回せる仕組みになっています。模擬試験の結果や、オープンキャンパスの記録、面談の記録なども、1つの冊子にまとめられるようになっています。中学生用はもっとシンプルで、学年の先生方の工夫を活かせるように作ってあります。

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ソーシャルデザインをキーワードに体験学習も体系化。
社会で役立つ力をつける場となっている。

聖学院中学校_高1ソーシャルデザインキャンプ
高1ソーシャルデザインキャンプ

生田先生:中高6年間は、生徒自身が「社会を作り上げていく一人である」という自覚をもち、「自分が貢献できることはないか」と考える素地をつくることも重要であると考えています。そこで、自分を知り、他者のためにできることを模索する。いわゆるソーシャルデザインをする力をつけるために、進路指導部では学年ごとの行動指標をまとめた「キャリア教育シラバス」を作り、それを活かして各学年でキャリア教育を進めています。中1、中3、高2の学年末にこういう力をつけていてほしい、という状態目標も設けています。

日野田先生:言語化することにより、どの学年でもキャリア教育を進めやすくなっていると思います。これらを活かして、一人ひとりの生徒と向き合い、急ぐことなく丁寧にその子の特徴や思いを引き出して、目標を持たせることができたのが、今春、卒業した学年だったのではないかと思います。
信州大学に進学した生徒は、化石に興味があり、中3から化石の採集をつづけてきました。最終的には自ら化石が採掘できる大学を調べてきて、信州大学への受験を決めました。

聖学院中学校_高2で行われる沖縄平和学習
高2で行われる沖縄平和学習

生田先生:生徒には高2の3学期に志望校を決め、志望理由書を全員に提出してもらいますが、それまでに生徒たちの心に火を灯す活動も積極的に行っています。本校が昔から大切にしてきた体験学習もその一環で、社会に出てから役立つ力を身につけられる工夫を施しています。高校生になると春のソーシャルデザインキャンプから社会活動をしている大人たちの中に入り、問題意識をもち、彼らなりに解決策を考えます。高2の平和学習(事前・事後の学習も含む)では、沖縄を舞台にさらに大きなスケールで問題を提起し、解決策を考えます。

こうした行事を通して、自分は何者なのか?自分を取り巻く社会ではどのようなことが起きているのか?その中で自分はなにを考え、行動しなければならないのか?ということを考えます。 もちろん高2の3学期に全員の志望校が固まるわけではありません。不確定要素が大きい時代。職業を決めかねる生徒も少なくありません。そのため、高2の3学期からは、先ほどお話した教科面談を頻繁に行います。

北大に進学した生徒が、物理の先生と話すことにより「そういう世界もあったんだ」と気づかされたように、教科の先生はその分野に詳しいので、生徒がやりたいことに対して有効なアドバイスができます。この時期の男子は、自分の本心を保護者に話しにくい、担任に話しにくいなど、難しい面がいろいろとあります。多くの先生と話せる環境があれば、一人ひとりが持っているスイッチに触れる可能性が高くなるので、教科面談は非常に有効です。

聖学院中学校_英国オックスフォード研修旅行
海外研修の機会も豊富
(写真は英国オックスフォード研修旅行)

今年の高3は、授業を受け持ったことがない先生にも教科面談のオファーをしています。なぜなら今春卒業した先輩から「この先生はどうやらすごいらしい」という話を、後輩たちが聞いているからです。もちろん指名された先生は、時間を作って丁寧に面談をしています。合わせて、生徒から補習や講習の依頼もあります。高3(国公立文系)のカリキュラムに化学基礎の授業がないので、私も高2の3学期からずっと個人授業で教えている生徒がいます。お互いに予定表を見て、授業を行う日程を決めるのですが、「せっかくだから(この授業が必要な)友だちを誘ってみて」と言うと、その子が起点となって広がります。先生と生徒がいろいろなカタチで有機的につながることができる。これが本校の特徴だと思います。生徒が欲するものに対して教員が応える、という仕組みの中で、きちんとアポイントをとる、きちんとお礼を言うなど、礼儀を尽くすことも同時に覚えてくれれば、一石二鳥です。それらは社会に出て、必ず役立つ力だと考えています。

卒業生がチューターとして活躍。
勉強だけでなく生活面全般をサポートする体制も整った。

聖学院中学校_3年前から設置された「MANNABASE」
3年前から設置された「MANNABASE」

日野田先生:今春の卒業生が伸びた要因の一つは授業力にあると思います。どの教科も、できるだけ生徒の心に響くような「良い問い」を発し続けることを意識しています。

生田先生:英語や数学は積み上げることが必要です。将来の目標が決まり、いざ勉強に力を入れようと思っても、基礎を疎かにはできません。中2の冬に基礎学力テストを行い、一定のレベルに達していない生徒に対しては、勉強会を開いています。そこでは卒業生や、推薦入試で大学に合格している高3がチューターとなって指導します。

聖学院中学校_MANNBASEに掲示されているチューターのプロフィール
MANNBASEに掲示されている
チューターのプロフィール

また、3年前には生徒が校内で自習できるスペースとして「MANNABASE」を開設しました。ほかの学年にも対象を広げると、中1、中2からオファーがあり、この春から出張MANNABASEとして中1と中2のフロアにそれぞれ1教室ずつ設けました。そこにも卒業生に入ってもらいましたが、チューターに質問したり生徒同士で教え合ったりしたい生徒と、静かに勉強したい生徒が存在するため、2学期からは教室を分けて、中1、中2ともに各2教室で展開しています。中3の学習計画立案や高2の課題研究のサポーターとしてもチューターが活躍しています。

今年度は、中1のオリエンテーション合宿にも数名のチューターが同行しました。中1にとってチューターは、中学校生活のあらゆる相談に乗ってくれる身近なお兄さんです。そのチューターがMANNABASEにいることがわかり、オリエンテーション後も中1が押し寄せました。高3の勉強に支障をきたすのではないかと心配しましたが、先輩の姿に刺激を受けたことで、中1も静かに、そして熱心に勉強に励んでいます。

今の子どもたちにとって、校内にいろいろな居場所があるということはとてもいいことです。生徒のためにチューター制度を導入しましたが、チューター自身も成長しています。それは中学生が勉強する方法を一生懸命考え、試行錯誤しているからだと思います。彼らの姿からも、課題を見つけて解決することの大切さを痛感しています。

一人ひとりに成長ストーリーがある。
各自のストーリーを6年間かけて紡いでいく。それがキャリア教育。

思考力入試を実施していますが、その成果は見られますか。

生田先生:入口でそういう入試を行っている以上、日々の学校の授業や行事でも思考する場面を設けなくてはいけないという共通認識が生まれています。思考力入試で入学した生徒、あるいは帰国生入試で入学した生徒が核となって、みんなで一緒に考える。新しい発想を生み出す。発想を組み合わせる。そういうことが楽しいと思える生徒が増えてきていると思います。

日野田先生:「現代の社会」という学校設定科目があります。思考力はもちろんのこと、定期試験では測れないコミュニケーション能力や発想力、持久力などを伸ばすことを目的とした授業で、ビジネスプランコンテストに挑戦したり、企業と協働したりしています。

聖学院中学校_タイ研修旅行
タイ研修旅行で訪れたアカ族のホイナムグン村

生田先生:「キャリア甲子園」や「クエストカップ」で自信をつけた生徒は、勉強面だけでなく、色々なカタチでリーダーになっています。また、「卒業したら学校に還元したい。そのためにこんなことを考えている」と、具体案をプレゼンしてくれる生徒もいます。

例えば「キャリア甲子園」(マイナビ主催のビジネスプランコンテスト)でファイナリストになった生徒は、「決勝ステージで超進学校の生徒たちと互角に戦えたことが自信になった」と話しています。「その経験を後輩たちに伝えたい」と、卒業後も、チューターとして貢献してくれています。

また、中3のときにクエストカップに出場してグランプリに輝いた生徒は、クエストカップをきっかけに勉強も含めて前向きになりました。

日野田先生:全員がうまくいくわけではありません。反発する子もいて、どうしたらいいか、悩むこともあります。そんな時に思うのが、全員の子どもと保護者に満足してもらえる学校にできないかなということです。そういう話を事あるごとにみんなで真剣に話します。

私たちは「内なる賜物」「タラント」という言葉を使いますが、これはわかりやすく言うと、一人ひとりに成長ストーリーがある、ということです。生徒と教師が連携を取りながらカスタマイズし、ストーリーを紡いでいくので、卒業した後も、事あるごとに学校に来てくれます。

生田先生:生徒が学校は「ホームだ」と言ってくれる。それがとても嬉しいし、教師一同の心の支えになっていることは間違いありません。

聖学院中学校_ラグビー部

聖学院ではクラブ活動も活発に行われています
(写真はラグビー部)

聖学院中学校_物理部

知的好奇心を揺さぶる文化系クラブも多彩
(写真は物理部)

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