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学校特集

桐朋女子中学校・高等学校2025

この学校には、未来を切り拓くために必要なものがある!
自分で動かなければ楽しくない! 桐朋で私が感じたこと、身につけたこと

掲載日:2025年5月14日(水)

2025年に創立84周年を迎える桐朋女子。自由な校風のなか、さまざまな経験を通して自主性や協調性を涵養し、主体的に人生を切り拓く人材を育成しています。実践を通して五感で感じたことを大切にしながら、知識や感性を高める「Learning by Doing」を教育哲学とし、「こころの健康、からだの健康」をモットーに、自ら考え行動する姿勢を培う教育とは? 「桐朋女子の6年間の学びが、人間形成にどのように役立っているか」というテーマで、2021年度卒業生(78期/学年色は白)の笠貫萌栞さんと、妹である2023年度卒業生(80期/学年色は緑)の由栞さん、そして姉妹の母親で、昨年度から同校剣道部のコーチを務める恵美さんにお話を伺いました。

●ご登場いただいた3人のみなさん

笠貫萌栞(かさぬきほのか)さん(2021年卒78期/白/剣道部)姉
東京女子大学現代教養学部人文学科4年。
笠貫由栞(かさぬきゆうか)さん(2023年卒80期/緑/剣道部)妹
桜美林大学健康福祉学群社会福祉学専攻2年。
笠貫恵美(かさぬきめぐみ)さん(茨城県出身)母
2024年度から同校の剣道部コーチに就任。

想像以上に忙しいけれど、桐朋にはそれを上回る楽しさがあった

■「中学受験をしたい!」。すべてはそのひと言から始まった

 当時小3だった長女の萌栞さんが「中学受験をしたい!」と口にしたひと言が、すべての始まりでした。
 歴史ある私立の女子校には姉妹で入学するケースが多いと言われますが、それまで母親の恵美さんにとって中学受験は未知のものだったため、中学受験をさせる考えはなかったのだそうです。

桐朋女子_姉の笠貫萌栞さんは今、東京女子大学の4年生
姉の笠貫萌栞さんは今、東京女子大学の4年生

萌栞さん「なぜそう言ったのか、自分でも理由はよく覚えていないのですが、自分から中学受験をしたいと言い出したことはハッキリ覚えています」

恵美さん(母)「たまたま周囲に、中学受験をする親戚や私の友人のお子さんがいたので、その話が娘の耳に入っていたのかもしれません。萌栞は小さい頃から、書道など習い事をするにしても自分で言い出したことは最後まで続ける子どもだったので、娘が希望するならと中学受験を目指すことになり、小4から塾探しを始めました。そして、小6になったら受験準備で忙しくなるだろうと思い、小5の時にいろいろな学校を見て回ったのです。たまたま知人の一人が桐朋女子の卒業生だったことから初めてこの学校を知り、自宅から通える交通アクセスの条件などを考えて、桐朋女子を含めた数校の中高一貫校の情報を集めました」

桐朋女子_母の笠貫恵美さんは、同校剣道部のコーチでもある
母の笠貫恵美さんは、同校剣道部のコーチでもある

 茨城県出身で地元の公立中学、公立高校で育った母親の恵美さんは、当初はすべてが手探り状態だったそうです。何よりも健康を第一に考え、「受験に臨む環境作り」に一番気を配ったと語ります。
 桐朋女子の学校説明会では、合唱部や演劇部など素晴らしい部活動の発表、「世界一の体育祭」とも評されるエネルギッシュな体育祭のビデオなどが強く印象に残り、萌栞さんは卒業生の話にも熱心に聞き入っていたそうです。「正直、小学生の娘には難しい言葉もあったので、よく理解できるなあと感心した覚えがあります」と恵美さん。
 そして萌栞さんは、桐朋女子を第1志望校にすることを直感で決めたのです。

萌栞さん「正門を入って、広報委員の生徒さんに挨拶をされた時からもう『ココだ!』と思っていました。その直感を支える要因として、もちろん部活動の発表や体育祭のビデオの印象もあると思いますが、他の学校へ行った時には『なんか違う』と感じていたので。私はわりと直感で決めることが多いのですが、その時の決断は間違っていなかったと思います」

 そして、萌栞さんの受験から1年おいて、妹の由栞さんも桐朋女子へ。姉妹揃って桐朋生になりました。

桐朋女子_妹の笠貫由栞さんは今、桜美林大学の2年生
妹の笠貫由栞さんは今、桜美林大学の2年生

由栞さん「小さい時からいつも姉の真似をしていたので(笑)。剣道部のある学校ということも大きな決め手になりました」

萌栞さん「同じ学校には入ってこないでと言っていたのですが(笑)」

 ご両親が剣道の有段者ということもあって、笠貫姉妹はともに剣道部に所属。二人とも、高校卒業時で三段という腕前です。
 入学後は、「とにかく部活動が楽しくて仕方がなかった」と由栞さん。

由栞さん「桐朋の部活は1時間程度とあまり長くないので、その短い時間の中でどれだけ濃密な練習をするかを考えながら稽古に励みました。中高一貫校の強みは中高合同で練習できること。回り稽古の時に先輩を見て気づいたことを真似してみたり、技を教えていただいたり。練習にも一番乗りでヤル気を示すとか、自分にできることを一生懸命やっていました」

「先輩であるお姉さんにアドバイスをもらったことは?」と由栞さんに尋ねると、「姉には絶対負けたくなかったので、あえて聞きませんでした」と、思春期の姉妹にありがちな微笑ましい答えが返ってきました。

■思い出すのは日常の何気ない風景。桐朋の1日1日が「濃すぎる」時間だった

 お姉さんの後を妹が追うような関係も、部活動で先輩・後輩となったことで少しずつ変化が見られるようになっていくなか、母親の恵美さんは「二人とも勉強に部活、学校行事や生徒会の活動にと忙しい毎日でした。こんなに忙しくてついていけるのだろうかと、最初は不安でした」と言います。
「桐朋女子時代の思い出として、どんな場面が甦りますか?」という問いかけには、「学校行事などのイベントはもちろんですが、日常の何気ない風景が思い浮かびます」と萌栞さん。

桐朋女子_姉妹が熱中した「剣道部」には凛々しい剣士たちの姿が!
姉妹が熱中した「剣道部」には凛々しい剣士たちの姿が!

萌栞さん「でも、その日常がたぶん、独特だったのだと思います。とにかく、1日1日が濃すぎるのです。例えば中1は鬼ごっこ、中2はスカートめくりとか遊びの流行は変わっていくのですが、ありえないことが日常で起こっているという感じです。上履きを天井に当てることが流行っていた時には教室内で上履きが飛び交っていたり、廊下で着替えをしていたり。高校生になるとさすがに少し落ち着いてくるのですが(笑)」

 異性の視線を気にすることなく、存分に楽しんで元気いっぱいの、女子校ならではの学校生活が目に浮かぶようです。妹の由栞さんは、勉強でも大忙しでした。

由栞さん「最初は、課題の多さにびっくりしました。入学後2カ月ぐらいで3000字のレポートを書くとか。それが一番最初の忙しさのMAXだったのですが、課題の量がどんどん増えていって、そのMAXもどんどん更新されていくんです。わからないことは友達や先生に聞いたりしながら、必死に取り組んでいました」

 桐朋女子では、経験や体験を通して学ぶことを何より大切にしています。アメリカの哲学者ジョン・デューイが提唱した教育概念「Learning by Doing」とは、「成すことによって学ぶ」という意味です。「ことばの力」がすべての活動の土台になるという教育方針の下、国語だけでなく理科や社会でも体験学習を数多く実施し、レポート指導を徹底。自分で考え、調べ、まとめて、書くトレーニングを繰り返すことで、論理的な思考力や発想力、表現力、主体性や協働性を養っていくのです。

■目まぐるしく忙しい6年間で、なんでもやり切る自信がついた

 母親の恵美さんが「見ているだけでも毎日が目まぐるしく、あっという間に時間が過ぎていった」と振り返る桐朋女子での6年間。日々、課題に追われながらも、学校生活に全力投球する笠貫姉妹は、風邪などの病気で休んだ以外、ほぼ皆勤。中学・高校を通じて、「学校に行くのが楽しくてたまらない」6年間だったそうです。

桐朋女子_生徒会長としても活躍した萌栞さん(右側)
生徒会長としても活躍した萌栞さん(右側)

萌栞さん「私は中1の頃はわりと受け身で、与えられたことを淡々とこなすタイプでした。それがある時、この学校は自分から動かないと楽しくない、何も得られないと気づいて、生徒会の役員もやってみようと思ったのです。高2の時は生徒会長を務め、卒業式の実行委員などいろいろなことを率先して引き受けていました。もちろんうまくいかないこともたくさんあるのですが、自分が動いて得られることのほうが大きいから、少しくらいのトラブルはむしろ良い思い出となっています。そうやって、自分が行動することで、周りの人を巻き込んでいくことができるようになったのは、桐朋で培った力だと思います」

桐朋女子_表現技術の一環でオンライン英会話も実施。左が由栞さん
表現技術の一環でオンライン英会話も実施。左が由栞さん

由栞さん「私も学校が大好きだったので、この学校の良さを受験生(小学生)に伝えたくて、広報委員を中高6年間務めました。高2の時には、施設案内をした受験生から学校宛てにお礼のお手紙をいただいたこともありました。『オープンキャンパスでいろいろな学校を見て学校選びに悩んでいたけれど、桐朋1本に絞りました』と書かれていて、とても嬉しかったですね。案内をする時は、まず受験生の希望を聞いてあげていました。例えば絵を描くことが好きだという受験生は美術室に連れていって、授業の内容が充実しているよと教えてあげたり、桐朋での学校生活が具体的にイメージできるような案内を心がけました」

桐朋では、行動力と瞬発力で「とにかくやってみる!」精神が培われた

■桐朋の「当たり前」は当たり前じゃなかった!

 想像以上に忙しかったけれど、「疲れるけれど楽しい。追われる毎日が楽しかった」と口をそろえるお二人。日々、「自分ができることは何かを考え、目の前のことに全力で取り組む」ことは、歴代の卒業生に共通する姿勢です。そして、成功するかどうかわからないけれど、「まず、飛び込んでみる」「行動してみて、どうするべきか考える」という桐朋女子で養った能力が、実は「当たり前」なことではなかったことに気づいたのは、卒業してからでした。

萌栞さん「大学に入学して、何事につけ『YES!』と答える人が少ないことや、『とにかくやってみよう!』と思わない人が多いことに気づきました。私は、何事も『誰がやる?』みたいな周囲の反応を伺う空気が苦手で、何か行動を起こす時にはいつも率先して手を挙げていました。就活では、自分はこんなことをやってきました、こんなことができますと自己アピールを求められるのですが、自分に飛び込む力があるのはわかるけれど、そこで自分が何をやってきたのかを伝えるのが難しいというか。桐朋では当たり前だったから、行動力や瞬発力の価値を理解していなかったのだと思います。だから、『自分がやってきたことを過小評価しすぎ。もっと自信を持っていい』と言われたりします」

由栞さん「バイタリティーという面では、桐朋生は本当にすごいです。私自身も、卒業後に気づいたことはいっぱいあります。例えば、桐朋では3000字くらいのレポートを当たり前に書かされていたのですが、私は文章を書くのが苦手で褒められたことがなかったのに、大学入学後に提出したレポートはすごく褒めらたりとか(笑)。レポート制作や文章力で、こんなに成長できているとは自分でも思っていませんでした」

■今では、どんな環境でも対応していける自信と覚悟を持てるように

桐朋女子_受験生だった萌栞さんが衝撃を受けた、体育祭での「応援交歓」
受験生だった萌栞さんが衝撃を受けた、体育祭での「応援交歓」

 桐朋女子の学びは、「実践主義」が大きな特徴です。見学、実習、実験、制作などさまざまな体験学習を通して、「本物」に触れ、五感で感じ取ることを何より大切にしているのです。
 そこで得た気づきや学びを、レポートなどにまとめて考察する。その繰り返しが論理的思考力を育み、「ことばの力」が鍛えられるからこそ、コミュニケーション能力も向上していくのでしょう。そうした学びが、生徒たちの人間形成に大きな影響を与えることは言うまでもありません。
「この世界が滅びても、桐朋生は絶対最後まで生き残れる」と言われるほどの逞しさなど、自分の手で未来を切り拓く力の強固な土台を桐朋女子での6年間で養っていくのです。
 では、笠貫姉妹が夢見る自分の未来像とは、どのような姿でしょうか?

萌栞さん「職業に対するこだわりはありませんが、自分のアイデアで人を動かすような企画の仕事に興味があります。でも、どんな環境でも与えられたことをこなしていける自信はあります。環境が悪ければ、それを変える努力をすれば良いだけのことだし、求められる需要に対して最善の答えを出せるように、自分ができることを考え続ければいいと思っているので。桐朋で身につけた行動力や瞬発力を生かしていきたいと思っています」

由栞さん「小学生の頃は警察官になりたいと思っていましたが、今はもう少し広い視野に立って人を助けるような仕事に就きたいと思い、大学では社会福祉を専攻しています。高齢者施設を訪問したり、おしゃべりをする福祉ボランティアもしています。それは『現場を見ること』『飛び込んでみること』という、桐朋で学んだことが大きく影響しています。姉が言った通り、自分から動かないと楽しくないという気づきから、何事もまず行動してみるという精神が養われた気がします。私の場合、やってみないとわからないタイプで失敗することも多いですが、その失敗も大きな糧となって次に繋がっていくんだと感じています」

 このように桐朋女子での6年間の学校生活を謳歌した姉妹の成長を、母親の恵美さんはどのように感じていたのでしょうか。

恵美さん(母)「桐朋では、勉強も部活もして、常に今何をすべきかをスピーディーに判断し、問題を処理していかなければなりませんでした。けれど、そうした日々の忙しさを跳ね除けるだけの力を身につけさせてくれた、素晴らしい学校だと感じています。知らない人に会うと、私の後ろに隠れてしまうような人見知りだった長女の萌栞は、桐朋女子に入学した後は自信がついて、性格も百八十度真逆の、どこに行っても生きていけるような逞しい娘になりました。気持ちが優しい妹の由栞は人を放っておけないタイプで、それで失敗したこともありますが、強さと優しさを身につけてくれました。学校説明会で校長先生が『桐朋女子は"こころの健康、からだの健康"を養う学校です』と話されたことばが忘れられません。そのことば通りに成長してくれたと、感謝しています」

桐朋女子_桐朋生なら、どこでも生きていける!
桐朋生なら、どこでも生きていける!

 剣道六段の段位を持つ恵美さんは、昨年度から同校の剣道部のコーチに就任しています。姉妹も揃って部活動に顔を出して後輩たちの面倒を見ることも。「今でもこうして先生方にお会いできたり、桐朋に関わらせてもらえることを嬉しく思っています」

 桐朋女子は、「誰もが持っている『熱い』部分を出せる、引き出してくれる学校」と語ってくれた由栞さん。そして、「自分から動けずに置いていかれそうな子がいたら、周りが引っ張ってくれる」とも。
 充実した学校生活を送れることは、どれほど素晴らしいことか。桐朋愛に溢れる笠貫さんご家族のお話の中には、先頭に立ってエネルギッシュに動くリーダーシップと、きちんと周りを見ながら気遣いができるフォロワーシップを身につけ、高い人間力を育む桐朋ismのすべてが詰まっていました。

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