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学校特集

開智日本橋学園中学校2017

IBや探究の学びが日常だから、英語力も主体性も育つ
本気の授業で基礎知識が定着
本物の学問を探究し、本物の学力を獲得する

掲載日:2017年7月19日(水)

日本の学習が、「何を知りたい」=「WHAT」が中心なのに対し、IB(国際バカロレア)のMYP(中等教育プログラム)候補校でもある開智日本橋学園では、「なぜそうなるのか」、「どうすればいいのか」=「WHY」と「HOW」の学びを大切にしています。2015年度に共学化した同校の「探究学習」や「IBプログラム」への関心は非常に高く、3回目の入試となった今春2017年度でも多くの志願者・入学者を集めました。

IBのクラスは、十分な英語力のある「グローバル・リーディングクラス(GLC)」と、日本語でIBを学ぶ「デュアルランゲージクラス(DLC)」がありますが、それぞれどのような授業を行い、どのようにして英語力をはじめとするグローバルスタンダードの学力を伸ばしているのでしょうか。副校長・宗像諭先生と学年主任兼IB担当の近藤健志先生に、開校3年目に突入した生徒たちの成長ぶりを伺いました。

外国人に伝わる内容を考えて英語を使う

開智日本橋_近藤健志先生
近藤健志先生

東京都23区の私立中学校で初めて、IBのMYP(中等教育プログラム)候補校となった開智日本橋学園中学校。2つのIBクラスのうち、2016年度新設のDLCは、中学から英語を本格的に学ぶ生徒たちのクラスです。

中1が最初に取り組む課題は、外国人向けの自己紹介です。「英語で自己紹介ができるようになる」という目標を達成する手段として、必要な単語や文法(be動詞や簡単な一般動詞)を習得します。IBのカリキュラムは「コミュニケーションスキルの習得」という英語を使う目的が明確です。発表はネイティブやバイリンガル教員の前で行いますが、外部の外国人の方に評価してもらうこともあります。 例えば「私は千葉県の市川市に住んでいます」では、日本に詳しくない外国人には通じません。「東京都の東にある千葉県の〜」というように、千葉県の位置情報を入れないと評価が下がります。DLCで英語を教えている近藤先生は、「文法的に正しいだけでなく、外国人に伝わる内容とはどういうものかを考えて英語を使う力が求められます」と話します。

クラスメイトもその場ですぐに発表者へフィードバックします。生徒たちは「それではわからない」と率直に意見を述べるため、そこで生徒同士の「学び合い」が発生するのです。そのことがお互いの力を伸ばす要因にもなっているようです。

基礎知識は100%わかるまで指導を重ねる

開智日本橋_

英語で話せるようになるためには単語や文法の基礎知識が不可欠です。毎週行う小テストでは"満点"以外は放課後居残り、満点を取るまで帰ることはできません。「ここまで厳しくするのは、基礎力が充分に備わっていないと英語で話すことはおろか、英語で行う英語の授業を理解することもできないからです」と近藤先生は答えます。

同校は、2017年3月、世界共通の大学入学資格(IB資格)が取得可能なディプロマプログラム(DP)候補校にも認定されました(IBワールドスクールに認定申請中)。高2から始まる予定のDPの授業は、"何となくわかる"レベルの英語では理解できません。そのため中1から基礎知識を体に染み込ませる必要があるのです。

IBは評価の付け方も実にシビアです。IBの評価はあくまでも学習目標に対する到達度で測ります。基準に達していない、あるいは、ただ教室にいるだけで何も学んでいなければ、評価は当然「ゼロ」になります。

「大学受験にとらわれずに子どもの力を伸ばしたい、将来必要とされる力を身につけさせたいと願う保護者の思いがひしひしと伝わってきます」と宗像先生が話すように、本気で英語力を身につけられる、本気で学問を探究できる環境が、同校が支持される理由の1つと言えるでしょう。

英語しか使えない環境が生徒を鍛える

開智日本橋_宗像諭先生
宗像諭先生

「この1年でDLCの生徒(現中2)の英語力は飛躍的に伸びました」と宗像先生。その要因として次の3つを挙げます。1つはDLCの生徒はもともと英語に興味があったこと、2つ目は"本気の授業"で一定の基礎学力がついてきたこと、中でも大きかったのが3つ目の英語を使う環境を整えたことです。

授業だけで英語の力を伸ばすのは難しいと考える担任の近藤先生と副担任のネイティブ教員は、1学期後半からHRをオールイングリッシュで行いました。最初は大変でしたが、英語しか通じないとわかると生徒はきちんと聞き、話す姿勢になりました。

英語を使う場面も、英語、社会、技術、美術の授業に加え、総合の時間やLHRにまで広げました。「こうして毎日英語を使い続けたことで、DLCの生徒の英語力は劇的に伸びました。特に、話す・聞く力は目を見張るものがあります」と近藤先生。彼らの成長に手応えを感じたことで、現中1生に対しても毎日英語を使い続けているそうです。

「本校のIBや英語での学びは特定の"イベント"ではなく、ふだんの学校生活の一部となっています。日常的に英語を使う環境が生徒を成長させています」と宗像先生。

IBクラスでは週1回、3学年合同で朝礼を実施していますが、先日DLCの中1生がIBの生徒のあり方について英語で発表を行いました。入学してわずか1ヵ月でしたが、生徒たちが自ら「英語でやりたい」と挑戦したそうです。意欲的な彼らの成長が楽しみになりました。

教科間の連携と実社会との繋がりを意識

開智日本橋_開智日本橋では当たり前の授業スタイル
開智日本橋では当たり前の授業スタイル

十分な英語力のある生徒が集まるGLCの授業は、学年が上がるに連れて高度なものとなります。中3では社会科(公民)も英語で学びます。地域経済の単元では、「もし自分が地域で起業するなら何をするか」、「どのように地域経済に貢献できるのか」を考えるために、「起業する会社のウェブサイトの作成」と「起業する事業の背景と関連する地元経済についての知識の説明」を課しました。

ある生徒は「大田区での民泊ビジネス」を提案。なぜ民泊なのか(WHY)、民泊でどうやって地域経済を活性化するのか(HOW)をWebサイト上で説明しました。

Webサイトの作成は公的な英語コミュニケーションの場として、ICTリテラシーも求められます。参照データの注釈の明記もその1つです。生徒は予め技術の授業で、ウェブサイトのデザイン設計のように無から有を生み出すクリエイティブな考え方を学んでいて、これを社会科の課題に応用しました。教科間の連携と実社会との繋がりが意識できるプログラムもIBの特徴です。

ICTを活用して学習の生産性を上げる

開智日本橋_ICT活用も積極的!
ICT活用も積極的!

IBクラスでは、2017年度からICTの活用が本格的に始動しました。また英語の授業ではエッセイが課されることも多くあります。これに伴い課題の指示、提出、添削など、生徒と教員のやり取りはオンライン上でも行います。生徒はオンライン上でエッセイを提出後、教員の添削を見て修正し、解決したら「解決ボタン」をクリック。すべて解決すれば教員へ通知され、復習が完了したことがわかります。

「面と向かっては『わからない』と言いづらいことも、ICTのやり取りなら『わからない』と言いやすい。『あいまいさ』や『わかったふり』を防ぐのにもICTは有効です」と近藤先生。同校では学習の生産性が上がるものについては今後もICTを活用していく方針です。

現地に足を運んで根拠を得る探究活動

開智日本橋_磯のフィールドワーク
磯のフィールドワーク

同校が人気を集めているのはIBだけではありません。全校で取り組む「探究」プロジェクトにも高い関心が寄せられています。探究力は普段の授業はもちろんのこと、グループワークやフィールドワークなどを通して養います。その探究活動の一環として、中1が始めて臨むのが「中1・中2オリエンテーション合宿」での発表です。

中2に課された「関東にある日本らしさ」というテーマでは、あるグループは「東京スカイツリー開業による東京タワーとその周辺地域の変化」について関係者にインタビューし、別のグループは東京オリンピック・パラリンピック開催にちなみ「日本人の英語対応力の実態」をリサーチしました。

「自分の目で確かめたい、エビデンス(根拠)を得たいという気持ちが強いためか、外へ出たがる主体的な生徒が多い」と宗像先生。また近藤先生も「その際の教員の役割は、根拠を得るのに何が必要か、探究の基礎を教えることです。リサーチの結果が偶然ではなく統計的に意味があるかどうか、生徒が早合点しないように、『本当にそうなのか?』と生徒に問いかけ、よく考えさせています」と近藤先生。

4月のオリエンテーション合宿では、まず中2が発表します。堂々と発表する先輩の姿に、中1からは「私もあんな風に発表ができるようになりたい」という声が複数上がるそうです。
この合宿で中1は初めて探究発表を行いますが、発表後には「もう少し声を大きくしてみよう」などのアドバイスを中2からいただくそうです。その時の中2生はすっかり"先輩"の顔になっているそうで、彼らの年長者としての自覚を育むことも、このオリエンテーションのねらいの1つとなっています。

「やってみたい!」生徒自ら企画を提案

開智日本橋_ヤングアメリカンズのキャストとディスカッションする生徒たち
ヤングアメリカンズのキャストと
ディスカッションする生徒たち

同校の生徒の主体性がわかるエピソードの1つが、「ヤングアメリカンズ」の招致です。ヤングアメリカンズとは、キャストとともに歌やダンスのショーを作り上げる教育活動。地域のワークショップで参加した生徒数名が、「ぜひ学校でも!」と提案してきたことがきっかけでした。

生徒の手で主催者事務局とやり取りをして、実行までこぎつけたのは、同校が初めてだそうです。当日は、中3の希望者約50名がワークショップに参加し、「楽しかった」「参加してよかった」と大満足の笑顔が見られました。

招致活動には普段の探究活動が活かされました。開催までの1年半の間、招致委員は生徒にアンケートを取り、中3の全クラスでプレゼンして、参加者を募りました。費用がかかるため保護者対象の説明会を開き、管理職の教員にもプレゼンを行いました。招致委員は3人でスタートしましたが、賛同者を増やそうと賛同者を地域のワークショップに誘い最終的には6人に増やすことができました。味方づくりから始めた戦略は大人顔負けだったそうです。

こうした成功体験は生徒を大きく成長させます。招致委員の1人が朝礼で、「私はみんなの前に出るタイプではなかったけれど、この経験が変わるきっかけの1つになりました」と発表。自信がついてとてもいきいきとしていると、近藤先生は目を細めます。

こうした生徒たちに触発され、他の生徒も自主企画を提案するようになっています。真っ白なキャンバスに、自由に、思い思いの絵を描けるのは、新設まもない学校に入学した生徒たちの"特権"かもしれません。

「新しいことを始めるときは、丁々発止のやり取りがつきものですが、その方が生徒は成長します」と近藤先生。開智日本橋学園は、生徒、教員、保護者が一体となって新しい学校文化を創っていこうという活気にあふれています。

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