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学校特集

國學院大學久我山中学高等学校2017

来年度より女子部「一般クラス」が「CCクラス」に
CCはカルチャー×コミュニケーション。英語で文化交流ができるコミュニケーション力を育成します。

掲載日:2017年9月12日(火)

国学院大学久我山は男子校と女子校のメリットを取り入れた男女別学校。授業や行事は男女別学で行いますが、委員会活動、文化祭や体育祭などの学校行事は男女が力を合わせて取り組みます。
「きちんと青春」というキャッチフレーズ通り、クラブ活動に熱心に取り組める環境も特色のひとつ。今春も、強豪クラブの代表格であるラグビー部員が東大に現役合格するなど、真の「文武両道」を成し遂げています。
同校は日本の伝統文化を大切にする国学院大学の付属校として、男子は武道(柔道・剣道)、女子は華道、茶道などの伝統文化を体験できる女子特別講座をカリキュラムに組み込んでいます。日本人の"たしなみ"として身につけた知識や体験を英語で発信することにも力を入れており、希望者を対象に行っているグローバルプログラムには、中高男女クラスを問わず、多くの生徒が参加しています。

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教頭 高橋秀明先生

そして、2018年。女子部の「一般クラス」が「CCクラス」へと生まれ変わります。
古きよき久我山の校風はそのままに、時代の変化に柔軟に対応し、進化を続ける国学院大学久我山。なぜ、今、クラスの名称を変えるのか。「CCクラス」への思いや特色を、教頭の髙橋秀明先生、英語科の川本ゆり子先生に伺いました。

英語や国際文化交流に関心がある人に向いているCCクラス

「CCクラス」とは、どのようなクラスですか。

髙橋先生:「CCクラス」の"C"はカルチャー(Culture)とコミュニケーション(Communication)です。
そこには、女子部が長年目指してきた「日本の文化や伝統をきちんと発信できる、素養のある女性を育成する」という思いが込められています。

CCクラスが目指す人物像

・英語を意欲的に学び、フレンドシップを深められる人
・他の国の文化や伝統を相互に尊重し合える人
・日本の文化や伝統を学び、世界に発信できる人

CCクラスの具体的な取り組み

・4技能を中心に「英語力」をしっかり身につけます
・蓼科へAll Englishの「Summer Camp」に出かけます
・合科型授業「Math in English」にもチャレンジします
・週2時間「Global Studies」で体験型プログラムを実施します
・日本で学ぶ留学生との交流を通じて異文化交流を深めます
・TOKYO2020に向けて、ボランティアマインドを育みます

CCクラスのミッション

高2のニュージーランド修学旅行が集大成
女子特別講座で学んだ日本の伝統文化を発信します
※修学旅行は日本文化探求コース(伊勢・奈良・京都)の2コースから選択

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Global Leadership Workshop

髙橋先生:グローバル社会で多様な価値観を持つ人々と一緒にチームを作り、仕事をしていくことが当たり前の時代です。子どもに身につけてほしい力として、企業や保護者が一番に望むのは「コミュニケーション能力」です。本校では、女子部ができた昭和60年からずっと日本文化に触れることを大切にしてきました。「女子特別講座」では6年間にわたり華道、茶道、能楽、歌舞伎、日本舞踊などを体験します。身をもって得た文化や作法を英語で伝える力を磨くクラスを作ることは、特別なことではありませんでした。

川本先生:例えば「CCクラス」で行う「English Summer Camp」や「Global Leadership Workshop」をはじめ、さまざまな異文化交流プログラムやイベントは、もともと希望参加型のプログラムとして、クラスを問わずに実施していたものです。来年度から、「CCクラス」の生徒は全員参加となりますが、STクラスの生徒も希望すれば参加できます。それは今までどおりです。

多彩な異文化交流プログラム

男子生徒も参加できるグローバルプログラムも充実。CCクラスではこれらのプログラムも必修となります。
・The Kugayama Times (英字新聞づくり)
・Math in English (数学を英語で学ぶ)
・Friendship Meeting (留学生と英語で交流)
・英語で地域探訪 (留学生と寺院や史跡を訪れる) など

CCクラスは充実した「英語教育」と、
グローバルを多角的に考える「Global Studies」が特色

これまでの「一般クラス」との違いを教えてください。

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英語科 川本ゆり子先生

川本先生:大きな点は2つあります。1つは「英語教育」です。これからの社会は、どのような道に進んでも英語でのコミュニケーションが欠かせません。そこで私たち英語科教員がマネージメントし、4技能を中心に「英語力」を伸ばすプログラムの充実を図ります。小学生の英語力はさまざまなので、ABCがわからない子も抵抗なく英語に触れられる内容からスタートし、英語ができる子にも飽きさせない工夫をしながら、使える英語力の向上を図って行っていきます。

CCクラスの英語力の目標

英検・・・中卒時/準2級以上
GTEC・・中卒時/グレード4・高卒時/グレード6以上

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外国人記者クラブでの学習会

川本先生:もう1つは「Global Studies」(中学は土曜日の3、4時間目に実施/高校は週1時間)です。「CCクラス」の特徴的な授業として、新たに考案しました。世界にある多様性に気づき、互いの違いを尊重し、世界の人と恊働する気持ちを育てることを目標に、さまざまな角度から"グローバル"について考える授業を行います。

中学生は週1回、2時間続きの授業を1セクションとし、4、5セクションを費やして一つのユニットのテーマを探求します。例えば、中1のユニット1では、「自分を紹介する」をテーマに、日本語による自己紹介⇒英語による自己紹介⇒英語による家族紹介⇒英語による友だち紹介⇒Friendship Meetingと、授業を進めていきます。5週目のFriendship Meetingでは、日本で学ぶ留学生を迎え、実際に英語を使って自己紹介を行います。他のユニットでも、4週を準備に当てて、最後の週に実体験を伴うプログラムを取り入れていく予定です。

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留学生にさまざまな日本文化を紹介します。

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インドネシアの留学生に着付けの手ほどき!

Global Studiesの学習例

▼中1の目標「世界に友だちをつくろう」
▼ユニットのテーマ
 ユニット1「自分を紹介する」
 ユニット2「障がいのある人との出会い」
 ユニット3「久我山中学校を紹介する」
 ユニット4「世界の人の暮らしを知る」
 ユニット5「Global Issues/学校に通えない子どもたち」
 ※各ユニットで4、5セクションの授業を行い、テーマを探求します。

川本先生:そして、3学期に行うユニット5「Global Issues」は、世界の人とともに考えるべき課題に向き合います。中1では、「世の中には学校に通えない子どもたちがたくさんいる」ということを投げかけ、みんなで話し合います。「Global Studies」で培った力や経験は、企業で恊働する基礎作りになると考えています。

髙橋先生:「Global Studies」を経験すると、グローバルな問題を解決するには英語が必要であることを、生徒が自ずと感じていくのではないかと思います。

【卒業生が語る久我山ライフ1】
制約がある中でどのように学校生活をエンジョイできるのか。
久我山はそれを体験できる場所だった!
大森甲斐さん
早稲田大学文学部1年/一般クラス/弓道部
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卒業生の大森甲斐さん

中学時代は遊びたい盛りでもあり、しかも男子だけのクラスで気楽だったこともあり、いつも友だちとふざけてばかりでした。だから怒られた記憶しかありません(笑)。毎日のようにクラスの誰かが事を起こしては、先生に怒られていました。思い返せば、怒られて当然のことばかりです。当たり前のことを当たり前にできることの大切さを理解できたのは、高校生になってからでした。社会的ニーズとは逆行しているかもしれませんが、僕は、そこをおろそかにしないのが久我山の良さではないかと思っています。

私は弓道部に所属していましたが、入部して間もない頃、「弓道場がなくなる」ということがありました。的ではなく巻き藁に向けて打つという環境を見かねた顧問の先生が、学外の道場を借りてくださり、土日はそこで練習することができました。弓道部にとっては決して恵まれた環境とは言えませんでしたが、当時は都大会で上位に入る部員や個人戦で関東大会に出場した部員もいました。逆境の中、一定の成果をあげることができたのは、他の部活も似たような環境でありながら、工夫して結果を出していたからです。『弓道部だけが弱小では悔しい』という思いが自然と生まれ、頑張ることができたと思います。

最高学年になり副将に抜擢されると、主将の考えが部員に伝わっているかを判断するなど、サポート役に徹しました。生活の乱れが気になる下級生がいれば、先生が注意をする前に改善するよう指導しました。女子部員とのコミュニケーションも積極的にとるように努めました。

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大森さんが所属していた弓道部

大学生になり、新しい人との出会いの中で、「礼儀正しい」「気が利く」などと言われますが、自分で意識したことはありません。これらは学校生活の中で自然に身についたものであり、制約がある中でどう楽しむか、うまくやれるかを考えた結果だと思います。

もう1つ、私の支えになったのが、顧問の先生から口酸っぱく言われた「親のおかげ」という言葉です。「学校に通い、好きな部活をやれるのは親のおかげ。周囲の人への感謝を忘れてはいけない」という、中高生ではあまり意識しないことを度々言われたことで、授業をしっかり受けるようになりました。

また、中学時代に度々実施された小テストも、私にはありがたい存在でした。ほったらかしにされていたら、私は大学受験で苦労したと思います。高1の時に1度だけ成績優秀者のクラス(優組)に入りましたが、大学受験時は一般クラスでした。それでも早稲田に現役合格できたのは、しっかりとした久我山の授業のおかげです。将来はメディアに関わる職業に就ければと考えています。

進化を続ける久我山のグローバル教育
その核となるCCクラスに集まる生徒の成長に期待

なぜ、今、女子部の「一般クラス」を「CCクラス」に変えるのですか。

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中2の男子部で必修となる剣道

髙橋先生:久我山には、男子部、女子部ともに、スタンダードな「一般クラス」と、最難関大学や医学部への現役合格を目指して、深い内容の授業を展開する「STクラス」(特進クラス)があります。男子部は「一般クラス」が3クラス、「STクラス」が2クラスです。「STクラス」の下に「一般クラス」があると思われがちですが、それは違います。「一般クラス」の中にも、毎年、成績優秀者から選抜される優組が1クラス設けられており、上位層は早慶以上の難関大学、中位層でもMARCH以上に合格しています。しかも多くの生徒たちが、勉強とクラブ活動を"きちんと"両立しています。今年、東大にチャレンジした生徒はラグビー部でも活躍し、文武両道の精神で見事合格を勝ち取りました。生徒一人ひとりが、自分の目標に向かって努力し、悔いのない6年間を送ることが本校の目指しているところであり、クラスの垣根を超えて、多くの生徒がそれを実現しています。

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日本文化の素晴らしさを学ぶ「女子特別講座」

今回、女子部の「一般クラス」を「CCクラス」に変えることにしたのは、ST人気が高く、スタンダードの「一般クラス」が1クラス、「STクラス」が2クラスというねじれが生じていたからです。そこでスタンダードという意味合いの「一般クラス」の名称を変えるとともに、久我山が力を入れている教育を重点的に受けることができるクラスにしたいと考えたのです。力を入れている教育とは、多彩な「グローバルプログラム」と、日本のさまざまな伝統文化に触れる「女子特別講座」、そして働くということから人生を考える「キャリア教育」です。いずれも体験重視の教育であり、6年間にわたり主体的に取り組む成果は計り知れません。今後は「CCクラス」が他のクラスに何らかの影響を与える存在となり、それがプライドとなることで、「CCクラス」らしい進路を切り拓いていってくれるのではないかと期待しています。

CCクラスも文理選択を行いますか。

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人間的な成長を促す「自然体験教室」

髙橋先生:日本文化、異文化体験、国際理解などというと文系と思われがちですが、理系に進むにしても英語は必要です。合科型の授業も多々あることから、文系、理系、どちらにも進める素地をつくるクラスになると考えています。文理選択は高2で行います

CCクラスの入試はどうなりますか。

髙橋先生:来年度は変更しません。中学受験の基礎的な学力(4教科)を問う入試問題となります。

【卒業生が語る久我山ライフ2】
久我山はのびのびとマイペースに自己を形成できる場所
川原香織さん
慶應義塾大学法学部1年/STクラス/箏曲部
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卒業生の川原香織さん

私は別学とは知らずに久我山に入学したので、初日は『あれっ?女子しかいないの?』と驚きました(笑)。学校生活を送るうえでのルールに窮屈さを覚えた時期もありましたが、決められたルールの中でいかに楽しく生活するかを考える中、ポジティブな友人からも影響を受け、いつのまにか学校が、のびのびと過ごせる居心地のいい場所になりました。

箏曲部に入部したのはもともと音楽に興味があったからですが、「珍しい部活だな」という好奇心もありました。琴は弦楽器の中でも比較的簡単に音を出せます。しかも専門家(東京藝術大学の師範がコーチとして来校)が指導してくださるので、1ヶ月ほどで「さくら」の変奏曲などを弾けるようになりました。

仲間や先生に恵まれ、楽しく学校生活を送る中で、私が培った一番の力は『積極性』です。学内にいろいろな機会が用意されていて、友人が「行ってみようよ」と声をかけてくれたおかげで、興味をもったものには恐れを知らずに飛び込み、とことんエネルギーを注ぐことができる自分に気づくことができました。

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川原さんが所属していた箏曲部

特に高1の時に参加した留学生交流プログラムは、進路にも関わる大事な経験となりました。カフェテリアでさまざまな国の留学生と英語で会話をする中で、ある2つの出来事が私の背中を押してくれました。1つは、英語が母国語ではない人が流暢に英語を話していることです。「私も、もっと英語を使えるようになりたい」それからは時間を見つけては学内のネイティブの先生を捕まえて積極的に英語で話しかけるようになりました。

もう1つは「話のネタを持つことが大切」ということです。外国人は日本の文化に興味があり、箏曲部の活動で得たことや、女子特別講座で学んだ知識や作法、体験などを話すととても喜んでくれました。日々の生活を充実させて英語力を磨けば「外国人とコミュニケーションがとれるようになれる」、という手応えは英語を学ぶ原動力になりました。
嬉しいことに年々グローバルプログラムも充実してきたので、可能な限りプログラムには参加しました。そのつどわかることも増えていき、大きな自信になったと思います。

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留学生との交流が将来のステップとなるケースも!

進路選択では当初、東京外国語大学を志望していましたが、最終的には慶應義塾大学に変更しました。それは「私は英語を学びたいのではなく、使いたいのだ」ということを再認識したからです。中2から始まった「働くということ」(キャリア教育)で、トップリーダーの方々のお話を聞いたり、グループディスカッションに参加したりする機会があり、自分の将来を真剣に考えていくうちに、海外を飛び回る仕事がしたいと思いました。外交官や航空業界などしか浮かばなかったので、自分から複数の先生に声をかけて情報を集めました。さまざまな業種の中でピンと来たのが商社でした。ならば慶應義塾大学。専門性を身につけたいから政治学部と、考えが固まると、やる気が湧いてきました。また御嶽合宿(高3勉強合宿/夏休みに実施)で、男子が夜遅くまで勉強している姿に触れたことも刺激になりました。

今の自分があるのは、久我山で学校生活を楽しみ、興味をもって活動したことで、全てがつながったからだと思います。受験勉強のさなかに、「箏曲部の高3で留学生をもてなしてほしい」という依頼を受けて、箏曲の紹介や演奏指導、さらに「千本桜」を演奏し喜んでもらえたこともいい思い出です。出会った先生、友人をはじめ、すべての人に感謝しています。

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