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学校特集

共立女子第二中学校高等学校2017

“自立して活躍できる女性”を育む伝統の女子教育が目指すもの
豊かな環境の中、10年後、20年後を見据えた体験重視の教育を展開

掲載日:2017年9月1日(金)

女性の社会的進出を見据えた130年前の創立時より、共立女子学園はつねに女子教育のフロントランナーでした。仕事で、地域で、そして家庭でと、それぞれの場所で活躍の場を見つけ、女性ならではの社会貢献ができる。そんな人間力を培う伝統を引き継ぐのが、共立女子第二です。そして、その同校がもっとも力を入れているのが体験重視の教育です。時代に即した「燦々(3×3)」プログラムを掲げ、東京ドーム5個分のキャンパスという恵まれた自然環境の中だからこそできる体験教育を推進しているのです。伝統的な女子教育が見据えるのは、「10年後、20年後に、自立して活躍できる女性」を育てること。そうした理念をもとに行っている体験教育、礼法教育、そして英語教育について、3人の先生にお話いただきました。

校訓「誠実・勤勉・友愛」を礎にした、目指す3つの女性像

明治19(1886)年以来の長い歴史を誇る共立女子学園は、昨年創立130周年を迎えました。日本で初めて学校名に"女子"と冠をつけた学校として、女性の社会的自立を建学の精神に、「社会に広く貢献できる自立した女性の育成」の実現を目的として創立されました。

そして1970年、八王子キャンパスに共立女子第二高等学校が、1984年には共立女子第二中学校が開校しました。校訓「誠実・勤勉・友愛」から導き出された3つの女性像を理想とし、恵まれた自然環境の中で、生徒たちは充実した中高一貫の6年間を過ごしています。

共立第二_校長の晴山誠也先生
校長の晴山誠也先生

「伸び伸びと過ごせるからでしょうか。校内の行事にも積極的に参加し、自主的、主体的に行動できる生徒が多い。元気の良い女子校です」と、校長の晴山誠也先生。卒業生の多くが、女性の社会進出の先頭に立ってきた伝統と無縁ではないでしょう。

伝統ある女子教育を掲げる同校の「目指す3つの女性像」とは、次の3つ。

■誠実...真の美しさを身につけた女性
■勤勉...自ら考え、発信できる女性
■友愛...他者を理解し、共生できる女性

そうした理想の女性像を育てるための教育プログラム「燦々(3×3)プログラム」の中でも、とくに大切にしているのが体験重視の学習プログラムです。

発見の喜びと共感が、体験授業の醍醐味

共立第二_「野菜作り」では種蒔きから収穫、そして調理まで行う
「野菜作り」では種蒔きから収穫、そして調理まで行う

「午前中も、中1生と一緒に敷地内のファームで夏野菜を収穫したところです」と、日焼けした笑顔で話す晴山校長。西に高尾山を臨む丘陵地の自然豊かな環境のなかで、春の野外観察、夏の天文教室など、同校では体験型の授業を多く取り入れています。

その一つである野菜作りは、中1を対象にした理科授業の一環で、敷地内にあるテニスコート1面分(300㎡)の「ラディファーム」で野菜の栽培に取り組んでいます。1学期にはトマトやナスなどの夏野菜、2学期にはダイコンやサツマイモなど、土の開墾から始めて種撒きから除草、収穫まで行うもの。

晴山校長は、「今日も、土の中にキアゲハの幼虫やルリボシカミキリを見つけて大騒ぎでした。美しい生態に、虫が苦手な生徒も思わず近寄ってきて。収穫の喜びだけでなく、思わぬ出会いや共感が生まれる。それが体験型授業の醍醐味ですね」と話します。

部活動のなかに、四季の植物や動物の変化を観察したり、食べられる野草を見つけたりする「野外研究部」があるのも、自然豊かな環境の同校ならでは。生徒たちは収穫した野菜をレジ袋いっぱいに詰め込んで持ち帰るほか、家庭科の調理実習に利用するなど、さまざまな形で「教科横断型」の学びへ繋げています。

地域の文化を学び、自分で働き場所を見つける"職場体験"も

こうした「教科横断型」の学びは、各教科で行われています。社会科と家庭科の連携では、中1で地元伝統産業である八王子絹織物を使ってブックカバーを作ったり、中1では文楽に似た伝統芸能「八王子車人形」の実演に取り組むなど、体験を通じて地域の文化や歴史を学びます。

また、中3では働くことの意義を学ぶ"職場体験(2日間)"を実施。実際に仕事を体験することで、社会の仕組みを知り、自身の将来を考える契機とするキャリアプログラムの一つです。
「図書館、保育園、カフェ、レストランなど"職場"はいろいろですが、働き場所は自分で探して交渉することが、本校の特徴です。交渉する時の挨拶や話し方など、一つひとつが学びとなっています」と、晴山校長。「ここで役立つのが、本校伝統の礼法プログラムです。職場で働くという実際の体験のなかで、実感できることがたくさんあります」

真の美しさを身につける伝統の「礼法」教育

共立第二_「礼法」の授業で、和室での基本動作を学ぶ
「礼法」の授業で、和室での基本動作を学ぶ

共立女子第二では、道徳の一環として「礼法」の授業を設けています。各学年とも、年間8時間。武家の作法を今に伝える小笠原流礼法を基本とし、「和室と洋室の基本動作」や「座礼・立礼の基本」「食事の作法」など、TPOに合わせた正しい礼儀作法、美しい日常の所作を身につけていきます。

共立第二_家庭科の湊理香先生
家庭科の湊理香先生

「住環境の変化で、最近は和室のないご家庭も増えているため、畳のある和室で正座する習慣そのものが減っています。正座をする機会も減って、襖の開け方・閉め方、敷居や畳の縁を踏まないなど、基本的な所作を身につけることは、とても大事な時間だと考えています」と、家庭科の湊理香先生。
教室での「礼」の作法から始まり、電話の掛け方や手紙の書き方、蓋のついた茶碗でのお茶の飲み方まで、「礼法」で学ぶ内容は多岐にわたります。

共立第二_「和躾の日(日本文化講座)」の装道は、高3では「着物と袴の着付」に発展
「和躾の日(日本文化講座)」の装道は、
高3では「着物と袴の着付」に発展

また、高2では「茶道・華道・装道」を全員が学ぶ「和躾(なごみ)の日」を設け、外部の講師を招いてその作法を教わります。装道とは、衣服(着物)を身に着ける行為の理想を目指すもので、同校では、着物の入り口ともいえる「浴衣」を、帯結びまで含めて一人で綺麗に着られることを目標にしています。

こうした女子校ならではの教育は、社会に出てから役立つものです。「フリーアナウンサーの卒業生が、視聴者から"お辞儀をする時の手つきがとても綺麗です"と、お手紙をもらったそうです。共立女子第二での礼法教育のお陰と話していました。そうした話は、多くの卒業生の共通した体験なんですね。日々の繰り返しのなかから、自然で美しいふるまいが身についてくれることを願っています」と、同校の卒業生でもある湊先生は話します。

「まさに、10年後、20年後に、中高6年間で身につけたことが役立ってくる。そうした未来を見据えた教育が、共立女子第二の理念であり、伝統だと思っています」(晴山校長)

「食」の大切さに気づく、「食育」プログラム

共立第二_食育の一環として、ランチルームでみんなで昼をとる
食育の一環として、食堂で
学期に3回程度クラスみんなで給食をとる

2011年から実施している「食育」プログラムも同校の特徴の一つです。管理栄養士の指導のもと、1学期に3回程度(年間約8回)行っている「食育」プログラムでは、2クラスずつが食堂にに集合して、一緒に食事をします。その内容は、栄養バランスの取れた食事といった実学的なテーマから、おせちの雑煮や雛祭りなどの行事食、旬のメニュー、各地の名産を使った郷土料理など、メニューの数は6年間で約50種にも及びます。

ファームで収穫したダイコンやナスなどの野菜もメニューに取り入れて、収穫の喜びを味わうのはもちろんですが、魚のきれいな食べ方などの食事マナーから、旬の食べ物や食材の扱いなどの知識、カロリー計算などの実学まで、毎回さまざまなテーマが設定されています。

「ともすれば偏食やダイエットに走りがちな生徒たちですが、10代は身体を作る大切な時期です。食事を楽しみながら、食事マナーや食習慣の大切さを学び、"食"について考えるきっかけ作りをコンセプトとして行っています」(湊先生)

生徒たちにアンケートを実施すると、「栄養バランスに注意して食事をするようになった」「朝食をきちんと食べるなど、基本的な生活習慣が身についた」「食材の旬を気にするようになった」など、「食育」をきっかけに変化が見られるようになったそうです。

ちなみに、中3の家庭科の調理実習では、「いわしの手開き」が伝統の学び。「魚は、切り身しか見たことがないという生徒もいますから(笑)、これだけは毎年必ずやり続けようと決めています」と、笑う湊先生。これも、"食育"の一つです。

食育プログラムの集大成は、お弁当作り

共立第二_お弁当の時間。「今日も、おいしくいただきます!」
お弁当の時間。「今日も、おいしくいただきます!」

こうした食育プログラムの集大成として、中3では、4〜5人ごとのグループで、テーマを設定したお弁当作りに挑戦します。栄養バランス・彩りなどの採点基準に沿って生徒たちと先生方による投票が行われ、順位がつけられるというもの。クラス1位を獲得したお弁当は、本校の食堂が販売する「日替わり弁当」のメニューに採用される特典付きです。
「これも、体験重視の試みの一つです。実際に作ってみることで、毎日お弁当を作ってくれる親のありがたみや感謝の気持ちを実感できます」
(湊先生)

自ら発信できる女性を育てる、読書奨励「3-100計画」

「自立した女性になるには、核となる言語の力が不可欠です」と、晴山校長。これからの社会で活躍していくためには、深い教養に裏打ちされた"自分の言葉"で発信していく力が不可欠です。自分の言葉を獲得するためには、さまざまな知識を総合的に学ぶリベラルアーツ教育が重要です。

共立第二_オープンスペースで読書をしたり、自習をする生徒たち
オープンスペースで読書をしたり、自習をする生徒たち

言葉の力を獲得するために読書指導に力を入れている同校では、3年間で100冊の本を読もうというプログラム「3-100計画」を実施しています。

週に3日の朝読書(10分)の時間を設け、電車やバス通学の時間内での読書を奨励。約5万1000冊の蔵書を誇る図書館があり、教室や各階のオープンスペースにも本の紹介コーナーを設置しています。なかには6年間で475冊を読破した生徒も!

オールイングリッシュで進める、4技能統合型授業

共立第二_英語科の吉田裕子先生
英語科の吉田裕子先生

グローバル社会に不可欠な「英語力」を磨く英語教育の改革に着手して4年目。同校では、2020年の大学入試改革を見据え、「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランスよく学べる統合型の授業を目指しています。改革を進めてきた英語科主任の吉田裕子先生は、「 "4技能統合型授業"とは、できるだけ生徒たちが英語を使うような仕掛けを、4技能すべてに取り入れていくものです」と、話します。

中1・2では、"聞く"力をつけるために授業中に必ず英語の遊び歌"マザーグース"を歌ったり、"話す"力をつけるためにペアワークやグループワークで英語を使う時間を増やしています。キーワードは、"オールイングリッシュ" 。先生は日本語での説明を最小限に抑えて、生徒たちができるだけ英語を使う場面を増やしていくのです。"読む"力をつけるために、音読を積極的に取り入れ、読みトレや多読ライブラリーの充実も図っています。

共立第二_きれいな字で黒板に英文を書いていく生徒
きれいな字で黒板に英文を書いていく生徒

なかでも、もっとも重要視しているのが"書く"力をつけること。「日本の生徒たちは、24時間英語に接する環境ではありません。そこで、耳で聴いた英語を繰り返し、書き留める。話したり、読んだ英語を文字に書いて起こす。教科書を最低3回は書き起こすなど、つねに"たくさん書く"作業を取り入れています。つまり、聴いて→話して→書いて→発表する。インプットからアウトプットへの流れをスムーズにして、"英語脳"の回路をつくり出すことが英語力を育てる肝だと考えています」(吉田先生)

英語の教科書は、とことん使い切る

共立第二_ネイティブの先生とも積極的にコミュニケーション!
ネイティブの先生とも積極的にコミュニケーション!

中高一貫校向けの先取り教科書から、検定教科書に転換したことも大きな改革でした。「教科書につねに立ち戻ることをポイントに、中2の授業中も中1の教科書を復習するなど、繰り返し繰り返し使います。それによって基礎力の底上げを強化し、英語力を育てていきます」(吉田先生)

英語の授業は週6時間。4技能統合型授業が4時間、ネイティブの専任の先生による少人数の英会話の授業が1時間、分割の授業が1時間。日々の基礎トレーニングとしては、NHKの「基礎英語」で毎日、英語に触れることを推奨し、中1〜3では、「朝学習」で確認テストを行います。

また2017年から、中1〜高3の全学年に、PC回線を利用してマンツーマンの英会話レッスンを行う「オンライン英会話」を導入。家庭学習として利用できるシステムとして整えています(1回25分/年間15回)。

アメリカ人とイギリス人のネイティブの専任の先生2名によるイマージョン・ワークショップ(ハロウィンのランタン作りやクリスマスリース作り、イングリッシュ・クッキングなど)、毎年実施している英語暗唱コンテスト「レシテーションコンテスト」など、さまざまな場面で、生徒たちが自然に英語と触れ合う環境づくりを強化しています。

中2生全員参加のブリティッシュヒルズ(福島)研修と
ニュージーランドのホームステイ

共立第二_英国の街並を模した、ブリティッシュヒルズにて
英国の街並を模した、ブリティッシュヒルズにて

以前からのプログラムに加えて、全員参加の体験型プログラムを加えた新たな教育システムを整えています。その一つが、中2のブリティッシュヒルズ(2泊3日)での英会話研修です。

ここは、福島県内の羽鳥湖高原の敷地内に中世英国の街並みが忠実に再現された語学研修施設で、「パスポートの要らない外国」と称されています。施設内の公用語は英語。チェックインからすべて英語オンリーという環境です。

2017年から全員参加となったこのプログラムでは「イギリスにいるような気分」を味わいながら、宿泊体験をとおして24時間生きた英語を学ぶことで、異文化への関心を高めます。

共立第二_ニュージーランドホームステイでは現地校の授業にも参加
ニュージーランドホームステイでは現地校の授業にも参加

高校では、ニュージーランドでホームステイ(約2週間/希望者制)をしながら、現地校の授業に参加したり、現地の生徒に日本文化を紹介しながら交流を深めています。

また、2017年からは8月下旬にサマースクールを開校し、"ドラマメソッド"に初めて取り組みました。教科書に書かれた英文をもとに、行間のニュアンスを生徒たちが自由に考え、ドラマ仕立てに組み立てるというもの。「最終日には、発表会という形で英語劇を披露しました」(吉田先生)

卒業生は1万人超。大地に根を張り、花を咲かせる女子教育

共立第二_先輩方に負けず、明るく、元気で、積極的な在校生たち
先輩方に負けず、明るく、元気で、積極的な在校生たち

同校には、すでに1万人を超える卒業生がいます。なかには海外の研究機関で働く女性、ハーバード大学で日夜ガンの研究に打ち込む研究者などもおり、社会の第一線で活躍している多くの卒業生をもつネットワークが、同校の貴重な財産です。

そして、こうした卒業生を招いて体験を語るキャリア講演会「卒業生の日」を毎年複数回行います。母校の思い出を交えながら職場での体験を堂々と自信をもって語る卒業生の姿は、生徒たちにとって、まさに未来のロールモデル。自身の進路選択や将来について、具体的に考える契機となっています。

晴山校長が「共立女子第二の生徒たちは、伸びしろが大きい」と語るのも、こうした卒業生の姿を間近に見てきたからこそ、ではないでしょうか。美しいふるまいを自然に身につけ、自らの言葉で語る共立女子第二の教育によって、大地に根を張り、太い幹を育てるのです。

今は蕾でも、社会に出て太陽を浴びた時に、すくすく幹を伸ばして葉を広げ、大きな花を咲かせる。共立女子第二は、そんな女子教育を実践している学校です。

共立第二_来校したウィーン少年合唱団とコーラス部が共演!

来校したウィーン少年合唱団とコーラス部が共演!

共立第二_本格的な施設・設備が整う、全国でも強豪のゴルフ部

本格的な施設・設備が整う、全国でも強豪のゴルフ部

■アクセス〔学園スクールバス運行(無料・通学定期代不要)〕

●八王子駅ルート/JR中央線・横浜線・八高線「八王子駅」南口より約20分
●高尾バスターミナルルート/JR中央線・京王線「高尾駅」北口徒歩5分の学園バスターミナルより約10分
●みなみ野・七国循環ルート/八王子市めじろ台・みなみ野などの地域に居住する生徒のみ利用

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