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学校特集

富士見中学高等学校2017

西館が今春に完成した富士見では学内外での多文化交流が活発!
海外の生徒の受け入れにも積極的だから
学校にいながら国際交流できる

2018年に新校舎が完成予定の富士見中学校・高等学校。2015年に中学・高校の教室がある本館が完成。新校舎のシンボルとして新設された大階段の「センターホール」は学年を超えた交流の場となっています。2017年3月には特別教室を含む西館が、5月にはグラウンドが完成し、新校舎の全体像が鮮明になってきました。
富士見は今、外見だけでなく内面からも変わろうとしています。台湾の学校と富士見を互いに訪問し合う「台湾教育旅行」は今年で3年目を迎え、多文化交流のプログラムとして定着。今年度はオーストラリアの生徒との文通交流など新規のプログラムが複数始まるなど、英語教育や探究学習も見直して、さらなるステップアップを目指します。新校舎の完成とともに着実に進化している富士見の多様な取り組みについて、教頭の佐藤真樹先生にお話を伺いました。

学年専用教室ができて"1学年8教室"に

富士見_教頭 佐藤真樹先生
教頭 佐藤真樹先生

2017年3月に理科実験室など特別教室がある西館が、5月にはグラウンドが完成し、新校舎での学校生活が本格化してきた富士見中学・高等学校。昼休みにはグラウンドを元気に走り回る中1の姿が見られ、学校らしい姿が戻ってきました。4年ぶりに自分たちのグラウンドで行う体育祭は大いに盛り上がることでしょう。あとは図書館の完成を待つだけです(2018年7月完成予定)。

西館には習熟度別授業や選択授業で使う「選択教室」、本館には自由度の高い教室サイズの「コモンスペース」があります。これで各学年7クラスの普通教室とともに"1学年8教室"の体制が整いました。

中3の数学と英語演習で、2クラスを習熟度別に3分割します。旧校舎ではどうしても1つのグレードのクラスは普通教室から離れた教室に移動しなければなりませんでした。新校舎に学年専用の選択教室ができたことで、生徒の移動の負担が軽減されています。

富士見_各階に設置されているコモンスペース
各階に設置されているコモンスペース

コモンスペースには勾玉型の組み合わせ可能なテーブルを用意しています。そのためグループワークが教室よりも行いやすく、放課後、中学生が遠足のレポート発表会の準備などに活用。学年行事のお知らせを掲示して情報共有する場にもなっています。「オープンな空間を活かして、クラス横断的な活動に活用できないかとあれこれ知恵を絞っているところです」と、佐藤先生は話します。

新校舎建設に伴いICT環境も整備しています。今年度中に選択教室を含む全教室の無線LAN環境を整えて、来年度には生徒共用のモバイル端末を導入する計画です。どんな双方向授業が行われるかも楽しみですが、自ら率先して学校生活を創り出す富士見生のことですから、LHRや部活動、生徒会活動など、授業以外でのICTの活用も注目されます。

NZ留学は短期を増やし、1年留学も開始

富士見_2017年から始まったニュージーランド1年留学
2017年から始まったニュージーランド1年留学

ここ数年、富士見の活動で特に目を引くのが、多様なプログラムが充実している留学や海外研修、そして学内外での多文化交流です。

海外研修・留学は高1が対象です(希望制)。夏休み中に約3週間のアメリカやオーストラリアでの海外研修と、7月から約3カ月間のニュージーランド短期留学があります。2014年度から始めている短期留学は、生徒が別々の現地校へ行きます。希望者が多かったため、2017年度から提携校を増やして募集を4名から6名に増やしました。

ニュージーランド留学は、2017年1月から1年留学(1名)も始まっています。留学中の生徒から、学校生活やホストファミリーとの生活ぶりをまとめた英語レターが届いています。「化学の試験は『なぜそう考えるのか』を説明しなければならず難しかった」「家ではポップコーンを食べながら映画を見たりする」など、留学生活を楽しんでいる様子が伝わってきます。

中には「トビタテ!留学JAPAN」など外部の留学プログラムに応募して高倍率の選考を通った生徒もいます。富士見生はいろいろなチャンスを利用して世界を感じようとしています。

富士見_芙雪祭のオープニング
芙雪祭のオープニングで行われる校長先生たちの
パフォーマンスは富士見の恒例行事!
富士見_芙雪祭での工夫を凝らした出し物は必見です。
芙雪祭での工夫を凝らした出し物は必見です。

生徒が互いに学校訪問する台湾教育交流

富士見_台湾曙光女子高級中学が富士見を訪問。
台湾曙光女子高級中学が富士見を訪問。

「台湾教育交流」は2017年度で3年目を迎えます。夏は台湾曙光女子高級中学の生徒が富士見を、春には富士見生が台湾を訪問します。2年目は受け入れ側・受け入れられる側の両方を経験した生徒が増えて、「つながりが密になってきました」と佐藤先生は順調な交流を伝えます。

今年3月、中3から高2の30名が、3泊4日のホームステイを含む5日間の日程で台湾の学校を訪問しました。学校のイベント「桜祭り」では富士見生も創作ダンスを披露し、学校紹介のプレゼンテーションをしました。日本語を学んでいる台湾の生徒たちの勉強熱心な姿に刺激を受け、「もっとコミュニケーションできるようになりたい!」と語学学習のモチベーションにもつながっているようです。

さらに今年度は、夏に富士見を訪問した曙光の生徒のうち1〜2名を、来年2月の旧正月の1カ月間受け入れる計画があり、両者の交流はより親密になりそうです。

文通で国内にいながら外国人と交流

富士見_ニュージーランドでの出会いが新たな交流のきっかけに!
ニュージーランドでの出会いが
新たな交流のきっかけに!

「生徒全員が海外に行けるわけではないので、富士見にいながら海外とつながる機会をいろいろつくりたい」と佐藤先生。その1つが古典的な交流手段の「文通」です。デジタル世代の生徒にとって、文通は貴重な経験。

ニュージーランドの生徒との文通は、短期留学した富士見生が留学先の学校の生徒に「文通をしませんか」と誘って始まりました。生徒主導で教員はほとんど関与しません。留学している生徒が帰国する前に、どのようにやり取りするか打ち合わせをしてきます。代替わりの引き継ぎがうまくいかず、文通が途絶えそうになった時期もありましたが、新たに留学した富士見生が再度働きかけて、現在20名程度が参加しています。

2017年度には、オーストラリアの学校の生徒とも文通を始めました。文通相手は日本語を学んでいる中3〜高2の生徒たちです。高1が10名、高2が9名と、募集を上回る応募があり抽選になりました。文通の頻度は1〜2カ月に1回で、6月には2通目の手紙が届いたそうです。

5月には、文通先の学校から「低学年の生徒も文通を希望している」と追加の申し出がありました。6月に8年生(中2)との文通が決まり、富士見では中3を対象に13名募集したところです。オーストラリアの学校とはビデオレターによる交流も始めており、学校紹介の動画を作成しました。

海外交流校からの短期留学生受け入れも検討中

富士見_中国からは哈爾濱(ハルピン)工業大学付属中学校の皆さんが富士見を訪れました。
中国からは哈爾濱(ハルピン)工業大学付属中学校の
皆さんが富士見を訪れました。

富士見の国際交流の特徴の1つは、台湾教育旅行でわかるように、「海外の生徒の積極的な受け入れ」が挙げられます。
保護者もホストファミリーとして学校の国際交流をバックアップしています。

2018年度には、富士見が短期留学しているニュージーランドの学校の生徒を受け入れる計画も進んでいます。富士見のネイティブ教員が3名とも男性ということもあり、受け入れ体制を整えるべく、語学指導等を行う外国青年招致事業「JETプログラム」を活用して、今夏、ニュージーランド出身の女性の外国語指導助手(ALT)を採用しました。そのALTは、現地の学校をよく知っているので、受け入れはもちろん、留学する富士見生にとっても心強い存在になりそうです。

中2が留学生と歴史を学ぶプログラムも

富士見_模擬国連の大会にも積極的に参加!
模擬国連の大会にも積極的に参加!

ここまで紹介した多文化交流とは異なる新たな取り組みが、日本在住の外国人留学生(いわゆる主要国以外の出身者)を富士見に招いて、共に歴史を学ぶプログラムなど、新しい試みを計画中です。
3学期に英語科と社会科のコラボレーションで行う計画も進んでいます。

歴史認識は国によって異なりますが、歴史の共通理解は異文化を理解する上で避けて通れません。この難しいテーマに対し、中2がどこまで迫れるか、富士見生のがんばりに注目です。

"国内にいながら"の国際交流では、学外活動も活発になってきました。例えば、全日本高校模擬国連大会をはじめとする模擬国連の大会や練習会に、有志生徒が積極的に参加しています。2016年から大会後に報告会を行い、出場を希望する生徒が増えてきました。

「在学中に誰もが何らかの交流に関われるようにしたい」と佐藤先生。富士見の多文化交流は、特別なイベントから"日常の学校生活"になりつつあります。

英語は検定教科書以外の教材も採用

富士見_新校舎の和室で行われる礼法の授業。
新校舎の和室で行われる礼法の授業。

英語教育の改革にも着手しています。これまでは「検定教科書だけで堅実な進学実績を築いてきた」という自負がありましたが、「次の段階にレベルアップするには語彙力不足など検定教科書だけの限界も感じていました」と佐藤先生は振り返ります。

そこで富士見では、2017年度から検定教科書の他に『TIME ZONES』を採用することになりました。検定教科書にはない、ネイティブが使っているフレーズを多く取り入れた教材でアウトプットを鍛えます。「段階を踏まえて表現を習得することにこだわらず、使える表現はどんどん使うようにしています」と佐藤先生。

富士見では英検やGTEC、TEAPにも積極的にチャレンジしています。その成果は進学実績にも表れています。英語外部検定試験にTEAPを採用している上智大学の合格者の割合は、2016年度の卒業生が過去最高でした。

たくさんの英文に触れることができるように、洋書の多読の時間を設けています。長年多読を取り入れて来て英語の読解力も上がりました。「多読で長い文章に慣れたことで、長文読解への抵抗感がなくなっているため」と佐藤先生は分析します。

卒業研究はポスターセッション形式に

富士見_生命倫理をテーマに行われたグループ探究。
生命倫理をテーマに行われたグループ探究。

2016年末から「探究学習」にも力を入れるようになりました。「課題の設定」→「情報の収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現」という探究のプロセスを教員間で共有し、情報収集は図書館を有効活用できるように、司書教諭も支援します。探究のプロセスにグループワークを組み込んで、情報交換や意見交換を活発にして4つのプロセスを円滑に回せるようにします。高2の保健の授業では、「10代の妊娠」や「赤ちゃんポスト」など生命倫理のテーマをグループで探究し、問題提起を含め寸劇で発表したりもしました。

中3の「卒業研究」は、これまで論文にまとめて優秀な研究のみ講堂で発表していました。2017年度は、各自がポスターセッションのような形式でまとめて、全員が発表するようにします。この形式にすることで、見出しのつけ方や発表内容の取捨選択など、よりよい伝え方を考えるようになります。自分の発表に対して直接質問を受けたりするため、今まで以上にしっかりと自分の考えをまとめておかなければなりません。

富士見流のアクティブラーニングとは

探究のプロセスをうまく回すには、アクティブラーニングによる主体的な学びが欠かせません。富士見のアクティブラーニングは、「想起練習」と「振り返り」を徹底しています。

授業の始めは、「想起練習」として前回の授業の内容を自分で思い出します。これが案外出てこないと佐藤先生は言います。教員が「この前は○○をやったよね」と言うと、生徒は受け身で授業に入ってしまうので、最初から自分で考えさせるのです。授業の終わりには「振り返り」として今日の内容を書き出し、まとめた内容を生徒同士で確認します。

これなら教員も生徒もすぐに取り組むことができます。「『常日頃やれることをやろう』というのが、本校のアクティブラーニングのスタンスです。講義形式の授業だけではなく、生徒が教え合ったり、話し合ったりする時間も大切にしています。そしてすべての授業で日常的に行うからこそ、大きな効果が得られると考えています」と佐藤先生。堅実な富士見らしいアクティブラーニングの取り組み方と言えます。

新校舎建設とともに着々と進む富士見の学校改革は、これからもまだまだ続きます!

富士見_体育祭のフィナーレを飾る「扇の舞」
体育祭のフィナーレを飾る「扇の舞」
富士見_高3生による「扇の舞」は下級生たちの憧れです。
高3生による「扇の舞」は下級生たちの憧れです。
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