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学校特集

足立学園中学校・高等学校2018

生徒第一主義を貫き、志をもった男子を育成する
来年で90周年を迎える伝統校が、理想の男子校を目指して進化中!

掲載日:2018年8月22日(水)

「品格あるたくましい男子」を育てることを掲げて1929年に創設された足立学園。
以来、「質実剛健 有為敢闘」の理念のもと、生徒たちの「自ら学ぶ」姿勢と「心ゆたかに、たくましく」生きるための人間力を培ってきました。
4路線が交差するターミナル「北千住駅」からわずか徒歩1分という至近にある同校は、地域の清掃活動への参加や近隣大学との連携など、地域からの信頼度も高く、交流も盛んです。
2011年から学校改革を積極的に進めている同校の「現在(いま)とこれから」を今年度から新校長に就任した井上実先生に伺いました。

己の将来への強い意志="志"を培う男子教育

足立学園が日頃から重視しているのが「生徒第一主義」のスタイルです。「生徒がいかに学校生活を充実させ、将来の目標を見つけて努力し、"志"を持って未来に歩んでいけるのか。その手助けをしたいと教職員が一丸となって指導しています」と語るのは校長の井上実先生。

足立学園_校長 井上実先生
校長 井上実先生

今回の取材で井上先生の口から何度も出てきたのが"志"という言葉。そこには同校の教育の真髄が詰まっています。「志とは将来の夢や希望、卒業後に何をして生きていくのかを見据えた指針となるものです。生徒が進学先を考えたとき、有名大学だからとやみくもに目標にするのではなく、『その大学で何を学びたいのか』、『将来の夢のためにどんな勉強をし、どのようにして社会貢献をしていきたいのか』、それをしっかりと考え、『強い志=信念』を持って努力し続ける男子に育ってほしい」(井上先生)。これが井上先生をはじめとする同校の先生方の思いなのです。

その教育を実現すべく行われている学校改革の1つにコース制があります。
中学では、特別クラスと一般クラスの2コースを設置。特別クラスは難関国公立大学への現役合格を、一般クラスは早慶上理・GMARCHへの合格が目安として設定されています。このコース制を敷いたことで、生徒たちは将来の見通しを立てながら学校生活を送ることができます。さらに高校からは探究コース、文理コース、総合コースへと分かれることで、生徒たちの志をより明確なものにしていきます。中入生は原則として、探究コースもしくは文理コースへ進みます。

探究コースで行われる探究総合の授業では、答えの出ない課題に出合った時、どのように向き合い、答えを探究するかという、自ら学ぶ姿勢と能力の育成を目指します。

生徒の自己肯定感を高め、将来の可能性を広げる「探究総合の授業」

足立学園_課題探究で行われた「エッグドロップ®」
課題探究で行われた「エッグドロップ®」

探究コースで週2回行われる「課題探究」の授業では、多彩なテーマを取り上げ、生徒たちの知的好奇心を刺激しています。
例えば、生卵を3階から落としA 4の紙4枚を使って割れないように工夫する「エッグドロップ®」という実験を行いました。実験を成功に導くためには、物理や数学的な思考、発想力なども必要となりますが、1回目から成功したグループは全体の3割程度。しかし、成功法を思いついたことだけが評価の対象になるわけではありません。失敗した原因を分析し何度も考え直して成功させることに、このプログラムの大きな狙いがあります。

「入学したての生徒たちは自己評価が低い場合が多く、まだ自尊感情も培われていません。この授業では失敗することは当たり前という意識を持ち、恐れずトライアルアンドエラー(試行錯誤)を繰り返してほしいと考えています。成功の喜びを体感することで、自己肯定感を育てる意味合いも含まれているのです」(井上先生)

足立学園_ポスターセッション
ポスターセッション

他にも「新紙幣の肖像」や「新元号を考える」といった課題では、論理的に考えた根拠を示しながら忌憚のない意見を交わすことで、相手の意見を受け入れつつ自分の意見を述べることを学びます。これにより、議論のレベルが格段に上がり、生徒たちの思考力や表現力は向上しています。最後には授業の成果をポスターセッションやプレゼンテーションの形で発表するのが足立流の取り組みとなっています。

文理コースの探究総合の授業では、「進路探究」が行われます。キャリアデザイン講演会、職業レディネステストや夢ナビプログラムなど、自身の特性や興味関心を自覚し、将来について自分でしっかりと考えられるように導いていきます。総合コースでも、同様の進路探究を行うと同時に、スポーツや芸術などの得意分野を生かし、勉強だけではなく、さまざまな方向から将来を考えられるように指導していく方針です。

ICT教育が将来決定のキーポイントに!

足立学園_各教科で盛んに行われているICT教育
各教科で盛んに行われているICT教育

学校改革の一環としてICT教育にも意欲的に取り組んでいる足立学園。
生徒たちはそれぞれタブレットを所有しているため、課題提出や授業内容の確認も自宅から行うことができ、授業中の板書の写しも大幅に削減することができました。
各教科の先生がさまざまなアイデアでタブレットを活用し授業を効率化して生まれた時間は、生徒同士が話し合い、考え、発表するといった、アクティブラーニングの強化に費やされます。また協働学習支援ソフト「xSync(バイシンク)」を使うことで、タブレットと電子黒板とをつなぎ、お互いの考えを共有、思考の多様性に触れることもできます。

また同校では「eポートフォリオ」の活用も積極的に推進し、生徒たちの学びや活動実績、資格取得や検定結果など、活動の記録を積み上げていきます。中学生では手書きから練習をはじめ、高校生からはタブレットを活用。

これにより、自分の経験の積み重ねを容易に確認することができ、これまで意識してこなかった自分の志向や問題点を知ることができます。

自分自身の状況を可視化して振り返ることができるので、未来に向けて自分が何をするべきかという目標が見えます。そのため、日々の生活や学習へ主体的に向かい合えるようになり、将来に渡って学び続けられる力を涵養しているのです。

企業インターンで、社会に貢献できることを自覚する

足立学園_企業インターンワーク
企業インターンワーク

足立学園では2013年度から年間を通して、「企業インターンワーク」(中3)に取り組んでいます。2017年度は森永乳業、明治、日本航空、KDDIといった、日本を代表する大企業のインターンとして活動しました。

授業内では、チーム作りやグループ面談を経て、企業から提示された課題解決策に協働で取り組み、最適解を探ります。情報収集や分析、企画の組み立てを行い、課題解決の提案を原稿や台本を見ないでプレゼンテーションし、最後は4000字のレポートで1年間を振り返ります。

一連のプログラムの中で生徒たちは、自分たちが社会にどのように関わり、貢献していけるかを、身をもって知ることができる構成となっています。

毎日の学校生活では、生徒一人ひとりが主役に!

足立学園で大切にされているキーワードに「皆が主役になれる環境」があります。2007年に建て替えられた新校舎は、明るく快適な雰囲気が漂い、皆が集う学舎として大切に使われていることを実感できる空間。実際に、校舎に足を踏み入れると、男子校とは思えぬ清潔感に驚かされるとともに、いかに環境が重視されているかが納得できます。

また、生徒と先生の距離が近いのも同校の特徴です。例えば、新校長の井上先生。これまで37年間、同校の数学教師として生徒たちを見つめてきました。校長就任後も「生徒たちの目線で考える」姿勢に変わりはありません。「ちょうど今は試験前ですから『先生、数学教えてください!』と生徒たちが毎日のように校長室に入ってきます」と目を細める様子からも、同校のアットホームな校風をうかがい知ることができます。

足立学園_アメリカンフットボール部
アメリカンフットボール部

一方で、生徒同士のタテヨコの結束力が試される部活動も活発に行われており、近年は多くの部が全国レベルの活躍を見せています。

運動部ではアメリカンフットボール部が今年の関東大会で準優勝。柔道部も上位入賞と素晴らしい実績を残しています。しかもこの成績はスポーツ特待生だけによる成果ではありません。中学入学後に各スポーツに興味があると入部してきた生徒たちを、先生方がじっくりと指導し、勉強も両立させながらこの好成績を収めているのです。

足立学園_書道部
書道部

文化系は今年度、高校将棋部が個人戦2位、団体戦4位、中学将棋部がB級団体戦優勝という好成績を収めました。書道部も昨年度、日本武道館奨励賞と優秀団体賞受賞。鉄道研究部などにも、その博識ぶりが一目置かれる存在が揃うなど、生徒たちはそれぞれの得意分野を伸ばして、お互いの長所を尊重し合う毎日を過ごしています。

「本校の生徒たちは、親御さんに大切に育てられた、穏やかでやさしい性格の子が多い」と井上先生が語るように、入学時には必ずしも積極的ではなかった生徒たちが、6年間の学校生活の中でお互いに切磋琢磨し合いながら、たくましく成長していく姿は、本人の努力の賜物でもあると同時に、先生方の指導の成果とも言えるでしょう。

足立学園_鉄道研究部
鉄道研究部

また、全員が主役として快適な学校生活を送るためには、生徒のプラス面を伸ばすだけではなく、時にはマイナス面にも精力的に取り組む姿勢が必要となります。

足立学園では「いじめの芽」を早期から摘み取るために教員が専門研修を受けるなど、生徒たちが相談しやすい環境を整えています。

希望する生徒および保護者に対しては、学校臨床心理士によるスクールカウンセリング(毎週火・水・土曜日)も実施しています。

足立学園_OB懇談会
OB懇談会

このように温かな学園生活を送ってきた生徒たちにとって、母校は並々ならぬ愛着のある学舎です。当然、愛校心を持ち続ける卒業生も少なくありません。定期的に行われている懇談会では大学生や社会人が集い、後輩たちの前で講演を行います。時には教育実習生として母校に凱旋することも。「生徒たちは、身近な同級生や先輩だけでなく、OBの意見や経験に触れることで、多くのロールモデルを得ることができます」と井上先生。

こうして、同校の生徒たちは自らの進路に対する意識を一層強くし、"志"はより強固なものへと培われていくのです。

生徒の心を豊かに育む、さまざまなプログラム

足立学園_強歩大会
強歩大会

足立学園では生徒の心身を大きく育むイベントが豊富に用意されています。
例えば春に行われる「強歩大会」。中学1年生から3年生までが縦割りで班を作り、励まし合い、協力しながら約33km先のゴールを目指します。生徒たちはこのプログラムに参加することにより、最後まで諦めない精神力や先輩・後輩たちとの絆、そして自分が苦しい中でも他人を思いやる気持ちを学ぶのです。

足立学園_農泊体験
農泊体験

高校1年次に行う喜多方での「農泊体験」では農家に泊まり、種まきや雑草取りなどの農作業を手伝います。土に触れる機会が少ない都会の子どもたちにとって、普段味わうことのできない貴重な体験。事後学習では、現代の日本の農家が抱える問題点や改善点についても考えます。

これらの取り組みは、どのような社会でも他人に敬意を払い協働できる人間の育成、つまり今後の加速がますます予想されるグローバル社会を生き抜く力の養成にもつながります。

足立学園で現在、最も熱心に取り組んでいるのが、このグローバル化に対応するための海外語学研修制度です。
中学3年生〜高校2年生までの希望者が参加できる「イギリス語学研修」では、イギリスのラグビーサマースクールに参加。オールイングリッシュの授業はもちろんのこと、英国の歴史やスポーツ、アートなどを学び、寮生活を通して他国の留学生たちとも交流を図ります。

足立学園_イギリス語学研修
イギリス語学研修

さらに、2019年の1月からは高校1年生を対象に「カナダ特別留学プログラム(ターム留学・4週間留学)」が開始されます。現地ではホームステイを体験しながら、ESL(日本人向けの英語の授業)クラスを受講。歴史・美術などは現地の学生たちと一緒に受けることも可能です。同世代のカナダ人バディがサポートしてくれるため、安心して研修を受けることができるばかりか、さまざまなアクティビティを通じて、短期間でも英語力のアップが期待できます。また現地の小学校を訪問するなど、英語を使って日本文化を紹介するプログラムも予定されています。

先日、このプログラムへの希望者を募ったところ、22名の申し込みがありました。これは高校1年生の約1割。予想を遙かに超える応募者数だったそうです。彼らが3ヶ月間離れても安心して学園生活に戻れるように、バックアップ体制も万全。同校では今後もグローバル社会を見据えた取り組みを行っていきます。

生徒も教師も各々の志を持ち、より良い学校生活を追求する

新校長の井上先生は「吉田松陰の言葉に『山は樹を以って茂り、国は人を以って盛(さかん)なり』というものがありますが、学校は生徒たちによって創られるものです。たとえAIが勉強を教えることになったとしても心は教えられません。我々教員は、生徒の表情や気持ちに真摯に向き合い、人にしかできない教育を目指して行きたいと思っています」と、生徒第一主義を強調します。

その想いに足立学園の教職員たちは一枚岩となり、熱意を持って生徒たちの指導にあたっています。つまり井上先生は「生徒と教員の力によって、学校はもっと素晴らしい場所になる」と考えているのです。

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学園祭

井上先生に今後の課題を聞くと「生徒たちの自立です」と答えます。
「数年前まで、本校は面倒見の良さをアピールしてきました。しかし手取り足取り指導することは、ある程度までは引き上げられることができても限界があります。適切な距離を置きながら見守り、生徒の自主性を引き出す、それこそが真の面倒見であり、生徒自身の成長につながると考えています。大学合格実績、進学結果は大切ではありますが、重要なのはあくまでそのプロセスです。どうすれば人の役に立てるのか、社会にどう貢献できるのかということを真剣に考え、自分の志を貫くために『行きたい大学』を選んでほしい。その進路(志)に向かうための助力は惜しまないというのが、本校教員の共通の思いです」(井上先生)

生徒の志が幹ならば、同校での経験が枝葉や根となり大樹を育てます。生徒たちが自分の将来を思い描きその未来像を実現するために、同校の学校改革、学校生活や行事、そして先生方の強力なバックアップがあるのです。足立学園で過ごす6年間は、自らの足でしっかり立ち志を実現していく時間。じっくりと育まれることで、たくましく品格のある男子が羽ばたく礎となる場がここにあります。

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