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学校特集

西武台新座中学校2018

最先端の学びにこそ、人生の基本を
「凡事徹底」からたくましい人間力を育てる

掲載日:2018年10月20日(土)

 2012年の中学開校以来、時代を先取りする教育手法や最先端の教育テクノロジーを大胆に取り入れ、他校に先駆けて新しい学びを実現してきた西武台新座。
しかしそのイメージをもって学校説明会に行くと、少なからず驚かれるかもしれません。中高一貫教育の陣頭指揮を執られる小林正高副校長が一番強調するのは学びにおいても生活においても「凡事徹底」、つまり当たり前のことを当たり前に行うということだからです。
 どんな時代にも共通する「きちんと生きるために大切なこと」を確固たる土台として、生徒の本質的な人間力を育てていく。しっかりとした知識と、それを駆使して新たなことを考え出すことができる力を伸ばす。人生の基本と最先端の学びを組み合わせて「たくましい人間力を伸ばす」西武台新座の教育の秘密に迫ってみました。

【凡事徹底】日常をきちんとしてこそ、学びへの意識が研ぎ澄まされる

「凡事徹底」
なんでもないような当たり前のことを徹底的に行うこと、または、当たり前のことを極めて他人の追随を許さないことなどを意味する四字熟語(weblio辞書より)。

 多くの経営者や有名プロスポーツ選手が座右の銘として挙げることの多いこの言葉。しかし他校に先駆けてアクティブラーニングを提唱し、ICT機器をいち早く導入した、いわば最先端の学びを追求し続けている学校が大切にしている言葉にしては、多少泥臭いようにも感じられます。しかし独自の感性が求められる最先端の学びにこそ、「凡事徹底」が大切だと小林先生は話します。

 凡事徹底をかみ砕いて説明すれば、ありふれた毎日の生活をおろそかにせず、やるべきことをきちんと行い、きちんとできたかどうか毎日きちんと振り返ること。うまくいかなかったことについては、なぜうまくいかなかったのか、次回どうすればうまくいくのか考え、翌日以降実行することです。ビジネス用語で言い換えればPDCAのサイクルを日々の生活に取り入れて、きちんと生活していくことです。この繰り返しによって、身近な生活においてあらゆることにアンテナを張る習慣が身につき、生きていくうえでの感性が養われるのです。

西武台新座_
副校長の小林先生

「主体的・対話的で深い学びを目指す高等学校学習指導要領の改訂を見ると、学習者自身が追求する価値(自己学習課題)を見出すことが重視されています。課題を検討して、そこに自分なりの評価軸を作り、その軸に沿って解決方法を探ることや、記録を分析して次の段階への取り組みを計画すること、PDCAと同じ繰り返しによって最終的な結果を得ていくことを通して、目標の意識・思考力・判断力・表現力を育て、深い学びを実現していきます。(小林先生)」

【主体的・対話的で深い学びを】~体にしみこむような深い学びを実現~

学習課題を自ら見出すことで、学びの8割が決まる

 授業においても、「凡事徹底」はしっかりと息づいています。
 学習者一人ひとりが問題に取り組む中で、与えられた問題に取り組む意味、価値をきちんと認識すること、そして解決することで何ができるようになるのかというゴールを意識しながら学ぶことを重視した授業が展開されています。

西武台新座_
自分の感性で学習課題を見つけ出し、
プレゼンを通してクラスメートや教員と意見交換

「一番重要なことは、学習者自身が学習課題を自ら見出すことです。そこで学びの8割が決まるといっても過言ではありません。与えられた問題をどのように解釈し、どこに課題を見出すのか、それは人それぞれ。大事なことは自分の感性・価値観に基づいて課題を見つけることなのです。自分の感性・価値観は、普段の生活からきちんと意識のアンテナを張り、より良い結果を求めて試行錯誤すること、まさに凡事徹底によって育つものなのです。(小林先生)

 課題を発見した後も、PDCAのサイクルに共通する学びのプロセスが続きます。
「課題設定」「解決構想」「実践」「評価」「表現」という各段階において、常にクラスメイトや教員と意見交換します。異なる感性を持っている人の意見に素直に耳を傾けることで自分の考えに足りなかった部分を補強し、問題への理解の質を深めます。検証した結果自分の立てた仮説が間違えていることも多々あります。それは決して失敗ではありません。仮説のどこが間違えていたのか、どう解決していくかを考え、次の仮説を立てて学びのプロセスを進め、深めながら自分なりの正解に近づいていくことこそが対話的で深い学びの本質なのです。

知っているではなくできるようになる学び
知識が体にしみこむような深い学びを

西武台新座_
何を追求しているのか、そのために今どのような作業をしているのか、自分自身の学びとして取り組み、体にしみこんでいくような深い学びを、授業の中でしっかりと実現。

「このような循環型で長いスパンを要する学びを進めるうえで、指導者には生徒の学びの進行管理をしながら、主体的、意識的に学びを続けるようリードすることが求められます。目の前の作業だけを見て、全体の流れが見えなくなってしまっては意味がありません。今何を追求しているのか、そのためにどのような作業をするのかということを常に自覚させつつ、自分自身の学びとして取り組む姿勢を引き出すことが重要なのです。このような学びを通して、私たちは既存の講義型の授業では決してできなかったような、知っているだけではなくできるようになる学び、経験を伴った知識が体にしみこんでいくような深い学びを心掛けています(小林先生)。」

 社会人としてビジネスの最前線に立った時も既存の知識や常識が通じない状況で問題が発生したとき、どこに価値観を置いて解決すればよいか考える力や、周囲の意見を聴きながら調整する力として、このような学びをした経験は生かされることでしょう。

【教師も凡事徹底しながら、良い学びの雰囲気を作り出す】

良い授業づくりは、職員室から始まっている。

 アクティブラーニングの本質である、対話的で深い学びを実現するためには、授業のリーダーシップをとる教員が果たすべき役割も、解き方を教えたり正解を覚えさせたりする今までの授業とは大きく変わってきます。生徒一人ひとりが自身の感性を使って課題設定・解決構想・実践・評価・表現を繰り返して理解を深めていく流れを上手に導いていくという、プロデューサーのような役割がより多く求められます。教員がそのような役割を高いレベルで実践していくためには、職員室の雰囲気作りが大切だと小林先生は話します。

「職員室の雰囲気は、そのまま教室の雰囲気に直結します。オープンに話し合うことを授業で求めている教員自身が、職員室で上司の前で委縮したり、隠し事をしたりするようなことがあってはなりません。西武台新座では「ほう・れん・そう(報告・連絡・相談)」を徹底していますが、それ以上に我々管理職が「お・ひ・た・し(怒らない・否定しない・助ける・指示する)」ことを徹底しています。教員も業務において凡事徹底を実践しているのです。そのため職員室では教員全員が臆することなく意見を言い、助言し合い、お互いに高め合う良い雰囲気に包まれています。そのオープンな雰囲気がそのまま教室にも反映されているのです。(小林先生)」

驚くほど素直ではずむような好奇心にあふれた生徒たち

西武台新座_
驚くほど素直で知的好奇心のアンテナが
研ぎ澄まされた生徒たち

 そのような授業で鍛えられている西武台新座の生徒たちは、第三者から見ても驚くほど素直で、ともすると実年齢より少々幼く見えるほどです。以前筆者が生徒を取材させていただいた際も、彼らは全く物怖じすることなく、様々なことを話してくれました。そんな様子からも、彼らの知的好奇心のアンテナが研ぎ澄まされており、弾むような知的好奇心に満ち溢れていることがわかります。

 生徒も教師も「凡事徹底」を実践し、お互いに高め合う雰囲気が学校中に満ち溢れている西武台新座。ここで学んだ生徒が10年後・20年後にどのような花を咲かせるのか、とても楽しみです。

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