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学校特集

桜丘中学・高等学校2018

学校生活のあらゆる体験を通して他者とつながる力を磨く
新テスト対策も着々と進み、
ICTとマンパワーを駆使して生徒の可能性を引き出す

掲載日:2018年8月1日(水)

ICTの先進的な取り組みを始め、生徒の可能性を伸ばすチャレンジを続ける桜丘中学・高等学校。大学入試共通テスト(新テスト)に向けても着々と準備を進めています。
英語4技能の向上はもちろんのこと、学校ならではの活動を通して、「価値観が異なる他者と向き合い、つながることができる人づくり」に力を注いでいます。
個人の学習進度に最適化する「AI個別適応学習」、ソフトスキルを鍛える「ハウス制」など、次々繰り出す試みは「すべては生徒のために」という教員たちの熱い思いの表れに他なりません。「手応えがあったものは、時代にふさわしくアップデートして、よりよいものに仕上げていきます」と語る新校長の髙橋知仁先生に、桜丘の現在進行形の取り組みについて伺いました。

理想は「君は君、我は我也、されど仲良き」の関係性

桜丘_校長 髙橋知仁先生
校長 髙橋知仁先生

桜丘中学・高等学校は、校訓「勤労と創造」の具現化を通して、自己実現と社会貢献ができる、時代が求める人材を育ててきました。予測困難な時代に直面している今、新校長の髙橋知仁先生は、「正解のない課題に立ち向かうには、視点や発想、価値観が異なる人たちとちゃんとつながっていける力が一層大切になると思います」と語ります。似通った思考の集団よりも、多様な価値観の人たちと組むことで"化学反応"が起こり、解決のアイデアが見つけやすくなります。「価値観の違う人と出会ったとき、『私はそう思わないけれど、君のその考え、おもしろいかも!』と認める心持ちを育みたい。武者小路実篤の名言『君は君、我は我也、されど仲良き』のような関係性が目標です」(髙橋先生)。

人とつながるには、相手と面と向かって意見を交わすなどアナログ的な行動も必要です。毎日のように仲間が一堂に会する学校は、まさにうってつけの場といえます。桜丘では、「仲間と逞しく生き、感動を分かち合える」体験を数多く用意しているのです。

専任ネイティブを増やし生徒との接点増やす

桜丘_今夏からネイティブ教員が8人体制に!!
今夏からネイティブ教員が8人体制に!!

2020年度から導入される新テスト。中でも現行のセンター試験から大きく変更されるのが英語です。桜丘は英語の4技能を伸ばそうと、生徒が英語に触れる機会を増やしています。

同校では今夏から、ネイティブ教員(Native English Teachers:NET)を専任6名と非常勤2名の8名体制に増員します。専任が多く、授業だけでなく放課後の活動やホームルーム、学校行事など、生徒との接点が多いのは、桜丘の英語の特徴の一つです。体育祭ではお揃いのクラスTシャツを着た副担任のNETが生徒を熱烈に応援。日本人教員と同じような距離感のため話しやすく、日常会話そのものが英語のレッスンとなっています。

中1の英語は、週7時間中5時間をNETが受け持っています。まず外国人とコミュニケーションする楽しさを体感させて「英語欲」を灯すのがねらいだと、自身も英語教員の髙橋先生は言います。「英語は文のルールを覚えないと運用できません。でも、『英文法を覚えなければ』と思った瞬間、中学受験を経験した生徒は『また覚えないといけないのか...』と、英語にネガティブなイメージを持ちます。そうならないように、最初に『英語って楽しい!』と感じてもらう。やがて『もっと使えるようになりたい』という思いが強くなれば、英文法を覚える苦労も乗り越えられるでしょう」。

オンライン英会話講座でスピーキング力を強化

桜丘_オンライン英会話
オンライン英会話

英語4技能のうち、一斉授業で鍛えるのが難しいのがスピーキング力です。昨年度から始めた「オンライン英会話講座」(高1希望者対象)は、スピーキング力の向上に一役買っています。25分間、連続して英語での発話を求められ、濃密なマンツーマンレッスンが受けられます。昨年度は約30名が受講、今年度はそれを上回る40名以上が応募しました。

髙橋先生は、「スピーキングは、双方向でやり取りできる練習環境があれば、誰でもある程度までは話せるようになります」と、練習環境の重要性を強調します。「回を重ねるうちに失敗してもいいとわかった」という受講生は、チャレンジ精神という大きな収穫を手にしました。

桜丘_イングリッシュキャンプ
イングリッシュキャンプ

桜丘では、英語研修など"英語漬け"に身を置く機会も多く設けています。中3の「オーストラリアホームステイ体験」、その予行演習となるNET主催の「イングリッシュ・キャンプ」、中3・高1希望者対象の「夏休みセブ英語研修」、高2の選択必修は研修先にアメリカやオーストラリアの姉妹校を選べます。姉妹校への留学(3~10週間)もできます。

外部の催しも積極的に利用します。日帰りで英語体験できる「東京都英語村(TOKYO GLOMAL GATEWAY:TGG)」(2018年9月開業予定)のツアー参加を募集すると、すぐに定員に達しました。授業の他にも英語を使う場面があるので、桜丘の生徒たちの英語欲はますます"どん欲"になってきています。

中学の英語と数学の授業にAI個別適応学習を採用

桜丘_桜丘の生徒たちはツールとしてタブレットを使いこなします
桜丘の生徒たちはツールとして
タブレットを使いこなします

「ICTの活用で、今までできなかったこと、難しかったことができるようになりました」と髙橋先生。例えば、理解した・していないところは生徒一人ひとり違うため、一斉授業の限界を超えた個別のケアが可能となりました。

桜丘は昨年度、英検・数検個別対策講座に「AIソフトによる個別適応学習」を導入。中1から高1の希望者約80名が受講し、英検の合格率が大幅にアップしました。そこで、今年度から中学の英語と数学の通常授業に採用を開始。学習の抜け漏れがないように、個人のレベルに合ったサポートができるようになりました。なお、高校では放課後に希望制で行っています。

2018年4月に実施した中学の学力推移調査では、全学年とも平均偏差値が過去5年間の最高をマーク。これには「TUTOR(チューター)」の貢献も見逃せないと、髙橋先生は分析します。チューターは卒業生を中心とした大学生で、お兄さん、お姉さんのように学習や進路、生活にも相談にのってくれる存在です。「チューターは昨年の夏期講習で好評だったので、10月から毎週、英語と数学の成績下位の生徒を対象に、個別指導に近い形で教えた効果もあると思います」(髙橋先生)。桜丘はICTを有効活用しながら、必要なところにはマンパワーをしっかりかけて、生徒のやる気のエンジンを回しています。

2年目の「ハウス制」は番組制作にワクワク!

桜丘_マザー牧場で実施された「ハウス制」
マザー牧場で実施された「ハウス制」

新テストでは、「学力の3要素」として、①知識・技能のほかに、②思考力・判断力・表現力③主体性・多様性・協働性が評価されます。特に③は従来あまり評価されておらず、教科書や個人だけでは身につけられない力です。

「仲間と逞しく生き、感動を分かち合える」活動が、昨年度から始めた「ハウス制」です。中学3学年をまたぐ小グループ(最小単位6名)をつくり、同級生や興味関心が共通する部活動とは異なる"緩やかな上下関係"を体験します。初年度はマザー牧場にて、オリエンテーリングとバーベキューを体験し、仲間と協力する楽しさを味わいました。

2年目の今年はフジテレビの「職業体験型教育プログラム」に参加。『めざましテレビ』の番組制作を体験しました。いつも見ているテレビのスタジオに入ると生徒は大興奮! チームのモチベーションもぐっと上がります。

テレビに映るキャスターだけでなく、フロアディレクター、カメラマン、タイムキーパー、ナレーターなど番組を陰で支えるスタッフの仕事を分担します。成功のカギは、チームビルディングやコミュニケーション能力です。番組作りを通して、仕事は一人ではできないことを生徒たちは実感。成果を「番組」という目に見える形にできたことで、達成感も味わうこともできました。来年度以降もハウス制のバージョンアップが楽しみです。

カジュアルなテーマでプレゼンのハードルを下げる

桜丘_MC制度
MC制度

日直の進化版「MC(Master of Ceremonies)制度」も、主体性などを身につける取り組みとして効果を上げています。「これからの社会は相互補完的な関係性が必要になる」と髙橋先生。毎日入れ替わりで全員がリーダーを担う中、「リーダーの気持ちがわかるフォロワー」の素養を育みます。

中3のあるクラスでは、MCが自分の興味があることについて話す「ミニプレゼン」を行っています。ある生徒はネーミングがキャッチーなロングセラーのアイスキャンディーを取り上げ、パッケージデザインの変遷を紹介してみんなの興味を引いていました。

プレゼンテーションというと"フォーマル"なイメージがあり、「きちんとしなければ」とハードルが高くなりがちです。アイスキャンディーのようなカジュアルなテーマなら、話し手も聞き手も肩ひじを張らずに臨めます。クラスメイトの好反応を肌で感じたMCは自信を持ち、聞き手をもっと引きつけるにはどうすればいいか、プレゼンを工夫するようになります。

高校の有志集団「キャンナビ」は受験生の憧れ

桜丘_キャンパス・ナビゲーター
キャンパス・ナビゲーター

桜丘には、「キャンパス・ナビゲーター」(通称キャンナビ)という高校有志の集団があります。学校説明会や文化祭などのときに、桜丘の代表として学校を訪れる方々を案内(ナビゲート)します。

キャンナビは、まさに校訓「勤労と創造」の教えを実践しています。骨惜しみなく陰ひなたなく働き、どのようにおもてなしするか考え工夫して、誰かの役に立つことを愉しんでいます。自分の言葉で説明する難しさと喜びを感じながら試行錯誤する一方、来校者からの感謝の言葉や仲間からの信頼はキャンナビたちを成長させています。

受験生のときの校内見学でやさしく接してくれたキャンナビに憧れて入学する生徒も多いとか。今年度は100人を超える生徒がキャンナビの説明会に参加しました。初めて中学生にも声をかけると、「やってみたい!」と手を挙げた生徒も。桜丘の生徒たちの学校愛が伝わる出来事です。

ソフトスキルの評価を見える化し秘めた可能性を伸ばす

桜丘_留学体制も充実!
留学体制も充実!

新テストに向かって走り出している桜丘。新テスト元年に大学受験する高1に対しては、高校時代の学内外の活動記録から主体性などを評価する「eポートフォリオ」記載の全面的なサポートを既に始めています。

加えて、3つの思考スキル(批判的思考・創造的思考・協働的思考)を測定する「GPS-Academic」を取り入れます。例えば、クラスをまとめる力が高く、周りに気配りできる生徒は、他者を理解し、効果的なコミュニケーションが取れる「協働的思考」が優れていると評価されます。

いわゆる「社会で重宝されるタイプ」のような数値化が困難だったソフトスキルの評価を可視化して、「君にはこんな良い部分があるんだよ!」「客観的な指標でも評価されているよ!」と、生徒に自信を持たせてモチベーションアップにつなげます。

新校長として髙橋先生がいの一番に全教員に話したことは、「絶対評価を大切にしよう」でした。「学校における生徒の評価というのは、生徒を成長に導くためのものであるはずです。教員は『何のための評価なのか』を忘れてはなりません。絶対評価ではプロセスにも注目します。教員は生徒一人ひとりをよく観察して、昨日よりも今日、成長していることに目を向けて褒めます。そうするうち、やがて相対評価も上がってくるかもしれません」(髙橋先生)。

今春CLクラス1期生が卒業。来年英語入試を新設

英語力と国際感覚、リーダーシップを兼ね備える人材の育成を目指して設立した高校の「CL(Creative Leaders)クラス」は、今春1期生13名が卒業。英語をはじめ、入学時からの学力を飛躍的に伸ばし、個々の強みを活かして上智(総合グローバル)をはじめ、GMARCHなどの難関私大への合格を果たしました。10週間のセブ英語研修などCLクラス独自のプログラムの効果もあり、高3の1学期(年度の第1回検定)に全員が英検2級を取得、準1級を取った生徒もいました。時代の要請に応えるCLクラスは人気が高く、4期生は37名に上りました。

桜丘_4色に分かれて競われる体育祭
4色に分かれて競われる体育祭

また、桜丘は2019年度入試より英語入試を新設します。受験科目は、「英検の結果」と「英語インタビュー」、そして「算数」です。英検5級~準2級に応じた"みなし得点"を認定し、簡単な英語面接で最大15点加点できます。髙橋先生は次のように意気込みを語ります。「得意な英語を活かしてチャレンジしてくれるお子さんを歓迎します。入学後はNETとともに英会話の授業をリードしてもらいたいと思っています」。

「新テストの動向や社会の変化のスピードにしっかりキャッチアップしていく」と、前を見据える髙橋先生。桜丘が繰り出す取り組みに今後も目が離せません。

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