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学校特集

東京家政大学附属女子中学校・高等学校2019

理想の25歳を模索し、実現する女子教育
138年の歴史をもつ伝統校としての矜持を胸に、「KASEI」から「SEKAI」へ

掲載日:2019年9月20日(金)

東京家政大学附属女子中学校・高等学校は和洋裁縫伝習所として設立され、今年で創立138年。約9万平方メートルという広大な敷地の中で、小学校を除き幼稚園から大学生までが同じキャンパスで過ごします。生徒たちは大学生の姿をロールモデルに、世界で輝く自律した女性を目指して成長します。

同校での学校生活について、校長の篠澤文雄先生、英語科の諸坂喜美先生、卒業生の髙橋菜里さん、在校生代表として高3の石川桃子さんの4人が懇談しました。
髙橋さんは管理栄養士を志して高校から入学し、大学も東京家政大学で学びました。どのような学校生活を送り、現在に至ったのでしょうか。
石川さんは説明会などで学校の魅力を紹介するアドミッションスタッフとして活躍していました。
二人とも、在校生たちの憧れの存在です。彼女たちが語る、生の東京家政大学附属中学校・高等学校の姿をご紹介します。

■生徒が誇りをもって過ごす、「かせい」での6年間

東京家政大学附属女子_校長の篠澤文雄先生
校長の篠澤文雄先生

生徒たちに「かせい」という愛称で呼ばれる東京家政大学附属女子中学校・高等学校。同校の学校生活について篠澤校長はこう話します。
「現在、本校にはおよそ420人の中高一貫生がおります。その全員が、『自主自律』の建学の精神と、それを軸にした『Kaseiヴィジョン』と呼ばれる3つの生活信条『愛情・勤勉・聡明』を実践する学校生活を送っています」

授業外での活動も盛んで、ドリルチーム部やソフトボール部、ソフトテニス部など受賞歴をもつ部活動に、海外留学プログラムやイングリッシュキャンプ、海外修学旅行などの海外研修も数多く行われています。

東京家政大学附属女子_いつも美味しいランチに自然と笑顔がこぼれます。
いつも美味しいランチに自然と笑顔がこぼれます。

なかでも「かせい」らしさが現れる取り組みがスクールランチです。専任の栄養教諭が監修し、毎日異なるメニューが出されます。もちろんアレルギー対応です。中学生は全員、ランチルームで温かい食事を楽しみながら、献立の立て方、栄養学、アレルギー問題など、食育の基礎を自然と身につけることができます。

このような同校の魅力を伝えようと奮闘しているのが、石川さんが精力的に参加していたアドミッションスタッフです。生徒自身が立候補し、中1〜高2までの生徒が熱心に活動しています。同校の生徒たちが学校生活を心の底から楽しみ、誇りをもっていることがうかがえます。

■多様さを認め合い、共に高め合う女子校生活

東京家政大学附属女子_緑豊かなキャンパスでは、四季折々の自然を感じられます。
緑豊かなキャンパスでは、四季折々の自然を感じられます。

近年、共学に舵を切る学校が多いなか、同校は女子校としての教育実践にこだわり続けています。

「女子校では、異性の目を気にすることなくのびのびと育ち、何事も自分たちで対応する姿勢を身につけられます。社会で活躍する女性が女子校出身という例も少なくありません。共学には共学の良さがありますが、私たちは138年続く伝統校として、女子の特性を伸ばす教育をしていきたいのです」(篠澤校長)

学校内外のボランティア活動や公募の海外研修に参加するなど、何事にも全力で取り組んでいる石川さん。彼女は、共学校に進学した友人に「共学に行っていたら、たぶん浮いていたと思う」と言われたことがあるそうです。

「かせいの同級生たちは、私のようにいろいろなことに熱中してしまう生徒、それに対して的確な批評をくれる生徒、自分も参加したいと協力してくれる生徒など様々なタイプがいます。無意識にお互い尊重し合いながら過ごせていて、改めて私は恵まれた環境にいるのだと実感しています」(石川さん)

東京家政大学附属女子_英語科の諸坂喜美先生
英語科の諸坂喜美先生

諸坂先生は生徒たちの様子をこう続けます。「各授業で行うプレゼン発表を見てもその姿勢がうかがえます。声が小さい、しどろもどろになってしまったという時でも、彼女たちは同級生の失敗を冷やかしたりしません。『私も最初は全然できなかったよ』という言葉に励まされ、助け合いながら問題を乗り越えていきます」

また、髙橋さんは、女子校にいたからこそ多様な友人に出会えたと述懐します。
「高校卒業から10年経ちますが、かせいで得た友人は個性的で、なおかつ一本軸がある。それは女子校だったことと同時に、私たちが在校中に『ヴァンサンカン・プラン』を学んだことも関係していると感じています」(髙橋さん)

彼女が語る「ヴァンサンカン・プラン」とは一体どのようなものなのでしょうか。

■25歳時の「なりたい自分」をつぶさに思い描く、キャリアプログラム

東京家政大学附属女子_自分の将来を真剣に考えるから、高いモチベーションで毎日を送ることができます。
自分の将来を真剣に考えるから、高いモチベーションで毎日を送ることができます。

「ヴァンサンカン・プラン」とは、25歳をキーポイントとした、同校オリジナルのキャリア教育プログラムです。総合的な学習の時間を利用し、様々な体験・研究・言語活動などを行い、将来「なりたい自分」を想定し、そのためにどのような経験を積むべきかを考える力と目標に向けて努力する姿勢を養います。

「大学進学や卒業後の就職先をゴールと捉える風潮もありますが、本校ではその先を見据えてほしいと企図しています。大学を卒業し職に就いて3年、ある程度仕事もできてくるころが25歳、その時の自分がどうありたいか、折に触れ幾度も考えます」(篠澤校長)

中1でのテーマは「『自分』を知る」。自分史の作成やエゴグラム診断などを用いて自身を客観的に判断。その上で自分の目標と照らし合わせてみます。

東京家政大学附属女子_それぞれの体験を共有する機会も豊富です。
それぞれの体験を共有する機会も豊富です。

中2では「『働く』ことについて考える」。家族などに仕事についてインタビュー。「働く」ということを現実的に受け止めます。夏休みは社会の一員としてボランティア活動に参加することが義務付けられています。

中3は「『進路』について考える」。自分が希望する仕事の種類、その仕事が社会でどのような貢献をしているのか学び、学部や学科研究を行います。

そのほか、グループコミュニケーション、スピーチ大会、文化講演会、OG講演会などが実施され、高校でも引き続き25歳の自分を想定しながら様々な体験をします。この授業を経た生徒たちは、理想の25歳像への思いを強くしたり目標を改めたりと、各々で模索しながら歩き始めます。

東京家政大学附属女子_髙橋菜里さん(28歳)。大学4年次に食物アレルギー関連のNPO法人を設立し、現在は松下政経塾に通いながら、新たに食と健康に携わる分野での起業・経営を目指しています。
髙橋菜里さん(28歳)。大学4年次に食物アレルギー関連のNPO法人を設立し、現在は松下政経塾に通いながら、新たに食と健康に携わる分野での起業・経営を目指しています。

「在学中に、仮置きでもいいので、真剣に自分の未来の姿を考えたという経験が、確実に私たちの礎になっています。同じ学校に通っていても、食関連を志す、美術関連を生業にする、結婚し子どもの教育に注力するなど、『ヴァンサンカン・プラン』は様々です。しかし、一度『これを成し遂げたい』と突き詰めて考えたことがあるからでしょうか、卒業後に久しぶりに会っても信念の強さに刺激を受け、自分の目標への意気込みを新たにします」(髙橋さん)

この授業を通じて、ずっと先の自分の将来を具体的に考える機会をもったことにより、髙橋さんは現在でも、これから10年後に自分がどうなりたいか、そのためにこれから何をすべきかを考える習慣ができたのだそうです。

東京家政大学附属女子_高3の石川桃子さんは学校内外のボランティア活動に精力的に参加。その姿に彼女を慕い、その志を受け継ごうとする後輩たちが育っています。
高3の石川桃子さんは学校内外のボランティア活動に精力的に参加。その姿に彼女を慕い、その志を受け継ごうとする後輩たちが育っています。

石川さんは、「ヴァンサンカン・プラン」によって、入学時の志望が変動した生徒の一人です。

「入学当初は管理栄養士になりたいと考えていましたが、中2の時に参加したボランティア活動で自分のコミュニケーション能力の至らなさを思い知りました。それから中3の協働学習の授業で世界と日本における女子教育や社会進出の問題などを知り、国内海外の枠を超え、地球規模で何か私にできることはないかと考えるようになりました」(石川さん)

今後は外部大学を受験し、社会学を学ぶ予定です。多くのことを学んで視野を広げながら、理想の25歳に近づいていきたいと石川さんは教えてくれました。

■生徒の多様な未来に対応する『躍進 i 教育』

東京家政大学・同短期大学部は家政学部、人文学部、健康科学部などを擁し、管理栄養士、社会福祉士、看護師などの国家試験は非常に高い合格率を誇ります。附属高校から大学・短期大学への内部進学率は100名を越え、将来家政大学への進学を目指して入学する生徒も多数います。

東京家政大学附属女子_進路決定のサポートだけでなく、学習へのサポート体制も万全です。
進路決定のサポートだけでなく、学習へのサポート体制も万全です。

その一方で外部受験を目指す生徒も増加しています。そのために教育改革が行われ新設されたのが「特進(E)CLASS」です。国公立や早慶・GMARCHをはじめとする難関大学合格を目指し、高度な学力を積み重ねていきます。

「『ヴァンサンカン・プラン』関連の授業によって多彩な進路があることを知り、石川さんのように外部進学を考え始める生徒も少なくありません。入学後にどちらの道を志しても十分バックアップできるようにしたいという思いが込もっています」(篠澤校長)

このほか、探究学習と英語プレゼン力の強化を軸としたプログラムを『躍進 i 教育』として始動させています。生徒同士が協働しながら理数教育やICT教育に取り組み、問題解決能力と表現力を育成して理想の未来を実現するための力=『未来学力』をつけるのが狙いです。答えのない問いに自分なりの解答を見つけプレゼンをする協働学習、研究的要素を取り入れ、科学的に探究する心を育成する理数教育、膨大な情報から必要な情報を取捨選択し,編集・発信できるように一人一台iPadを貸与する双方向型授業などが行われています。

東京家政大学附属女子_授業以外でもイマージョンイベントや各種コンテストなど、英語を使う機会が多々あります。
授業以外でもイマージョンイベントや各種コンテストなど、英語を使う機会が多々あります。

「英語科は4技能を伸ばすプログラムに、ネイティブ教員と授業外に自由に会話できるコミュニケーションタイムを設けるなど、生徒たちが毎日英語を使う環境に置かれるように尽力しています」(諸坂先生)

篠澤校長は、同校のこれからを「不易流行」という言葉で表現します。
「本校が138年続いたのは、今まで脈々と受け継がれてきた『かせい』ならではの良さをご評価いただいたからだと思っています。私はここに、教師や生徒の多様性を加味していきたい。つまり、不易の部分に流行を取り入れ、新しい伝統を作り出していきたいのです。それを踏まえた改革が進んだ『かせい』では、生徒たちはより広い視野を持ち、『KASEI』から『SEKAI』へ、どこにいても輝く女性となってくれるはずです。その思いを共にする受験生・在校生と共に、私たち教員も成長していきたいと願っています」

東京家政大学附属女子_ミニ学校説明会では生徒が質問にお答えします。
ミニ学校説明会では生徒が質問にお答えします。

同校では、「かせい」の魅力を深く伝えたいと、学校説明会を重ねて行っています。通常説明会のほかに、小グループで開催し、授業見学・施設見学をはじめ個別相談にも対応するミニ学校説明会、スクールランチ試食会、秋のオープンスクールなど。毎回違う内容をアドミッションスタッフの生徒たちが手作りで企画しており、何度も参加する受験生も少なくありません。

「彼女たちが質疑を受けて、ありのままの学校生活を語ります。見学に来られた皆さんが、生徒たちの姿に感動して帰っていかれます。ぜひ説明会にお越しください」(篠澤校長)

今秋以降同校では、10月26日・27日の文化祭のほか、説明会が5回、ミニ学校説明会が16回のほか、スクールランチ試食会やオープンスクールや個別相談会も開催予定です。「かせい」の魅力に触れ、その輪に加わる絶好のチャンス。ぜひお見逃しなくご参加ください。

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