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学校特集

日本学園中学校2021

歴史は古く、教育は新しく 学ぶことの面白さを伝えたい
-体験を経験に変えて自ら学ぶ子を育てる-

掲載日:2021年9月1日(水)

日本学園(東京都世田谷区)の前身は今を遡ること136年、1885年に創立された東京英語学校です。国の有形文化財に指定されている歴史ある校舎と豊かな緑を擁するキャンパスの中で、脈々と続いてきた伝統的な教育を土台に、次代に通用する新しい教育が行われています。 卒業生でもある校長・水野重均先生は「私がここで学んできたことを生徒たちに伝えたい」という思いを胸に、生徒たちと日々、向き合っています。水野先生の中に息づく熱い思いと学びの本質を追求する日本学園の教育について伺いました。

体験を経験に変えるプログラム「創発学」

日本学園で学んだ水野先生は、「この学校で学ぶことの面白さを知りました。生徒にはその経験を踏まえて"勉強ではなく勉学に励みなさい"と話しています」と力をこめます。
「勉強」は読んで字のごとく、強いて勉めること。強制される学びはつまらないし、長続きしません。しかし「勉学」は学ぶために勉めることで、主体的な学びを意味します。

日本学園_卒業生でもある校長の水野先生
卒業生でもある校長の水野先生

水野先生が教員時代の平成15年から始めた「創発学」は、同校の教育理念を体現する象徴的なプログラムです。創発学が始まった時のことを、水野先生はこう振り返ります。
「それまでも本校には行事がたくさんありましたが、事前学習をし、行事を実施するだけで終わっていました。しかし、教育には物語性や連続性が必要で、1つの行事は次章へのプレリュード(前奏曲)です。1つ1つの行事を断絶させず、次の行事や学習につなげていきながら、少しずつ今の形を作ってきました」。

【生活の原風景に触れて感性を磨く】
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木、草、実...森は学びの宝庫

創発学の一歩目である1泊2日の「林業体験」は、中学入学式の数日後に実施されます。専門家と一緒に説明を受けながら林を歩き、木や木の実を見たり動物がかじった後の食痕を観察し、専門家に質問したり自分で調べたりして学びにつなげます。夜は飯盒炊爨で火のゆらぎや木が焼けてパチパチはじける音を体感し、2日目はのこぎりで木を切ることで木の香り、ドーンと音を立てて木が倒れる感覚を身をもって感じることができます。ふだんはできないリアルな体験は人間の生活の原風景で、感性を呼び覚まし、鍛えることにつながります。
こうして生徒は入学早々に「これが日本学園の学びなんだ」と実感を深め、共同作業を行うことで友達同士もすぐ仲良くなり絆を深め、自信をもって学校生活に踏み出していくことができるのです。

【農業・漁業体験は新聞を作って発表】
日本学園_中1夏の漁業体験は朝4時起き
中1夏の漁業体験は朝4時起き

中1の夏には沼津の内浦漁港で2泊3日の漁業体験を実施。養殖アジの生簀、早朝の水揚げや積み込み現場を見学し、2日目は朝4時起きで沼津魚市場のセリを見学します。
「聞いただけの知識は忘れがちですが、自分で質問したことなら定着します。また、"漁業体験後は子どもが魚を食べるようになりました"と、保護者から感謝の声が届くのも嬉しい副産物です(笑)」。
中2の夏休みに行われるのは、栃木・那須で2泊3日の農業体験。いろいろな農家に分泊して、その家で作っている農産物――梨、きゅうり、ナス、きくらげなどの世話や収穫を手伝います。収穫後は品質によって分別し、店舗での販売を手伝うこともあります。

日本学園_壁新聞は力作ぞろい
壁新聞は力作ぞろい

漁業体験と農業体験は手書きで新聞を作り、学園祭で発表します。昨今はパワーポイントで発表を行う学校も増えていますが、同校では敢えて手書きの新聞にこだわります。
パワーポイントなら簡単に見栄えのいい資料を作れますが、自分で工夫する余地はあまり多くありません。手書きで自分なりの工夫をこらして新聞を作ることで感性が育ち、より深い学びにつながります。
「体験を経験に変えることが何よりも大切」と水野先生は熱く語ります。「よく見る」「よく聞く」「よく考える」そして「まとめて伝える」。これが創発学の原点であり、今に続く源流なのです。

第一次産業をすべて体験して仕事の面白さや苦労を知った上で、中2でキャリア教育「あつき恵み教室」を行います。これはたとえばJAXA職員、大使館スタッフ、CGクリエーター、保育士などさまざまな職業の卒業生や保護者を招き、職業について考える時間です。グループ単位で興味のある職業の方に、仕事の苦労や醍醐味、その職業に就くために必要な学力や能力などについて話を聞きます。こうした学びを経て、生徒たちは少しずつ自分の将来や希望の進路、仕事を考え始めます。

【創発学の集大成は中3の研究論文】

2年間の体験や学習を経て、中3で取り組むのは「研究論文」。テーマは「15 年後の自分」です。中3で将来を考えるのは難しいように感じますが、それまでに体験学習とキャリア教育を積み重ねてきた生徒たちは、自分がどんな職業に就きたいか、何をやってみたいかを考える土台ができています。

日本学園_全員が中学生の前で発表
全員が中学生の前で発表

「ウルトラマン」をテーマに据えて円谷プロに取材に行って論文をまとめた生徒は、大学卒業後はイベンターになりました。化石の研究をした生徒は恐竜研究を志し、新潟大学に進学しました。また、大学卒業後に大手電機メーカーに就職した卒業生は、面接で「コンピュータは本当に人を幸せにしているのか疑問。僕はコンピュータで人を豊かにしたい」と話し、一発で合格をもらったそうです。

その生徒は本校の先生に「これは創発学で養った力です!」と話したそう。中1からの学びが生徒の土台を作り、伸ばし、確実に希望のキャリアにつながっているのです。

日本学園_高校の創発学はグループワークが中心
高校の創発学はグループワークが中心

これまでは中学生のみだった創発学の可能性をさらに広げるため、高校でも創発学を実施しています。中学生は体験重視の活動ですが、高校では抽象的な概念にも触れ、「AI に奪われない力はどうすれば身に着くか」といったテーマでグループディスカッションやPBL (課題解決型授業)を行います。満を持して始動した高校での創発学がこれからどんな広がりを見せるのか、先生も生徒も大きな期待を寄せています。

「4技能プラス1」を目指す英語教育「NGP」

日本学園_東京英語村では様々な場面の会話を学ぶ
東京英語村では様々な場面の会話を学ぶ

日本学園のオリジナル英語プログラムは「NGP(日本学園・グローカル・プログラム)」。グローカルは、Global(地球規模の、世界規模の)と Local (地方の、地域的な)を組み合わせた造語で、「地球規模の視野で考え、地域視点で行動する」という意味です。大学入試改革における英語では4技能が問われますが、同校の英語教育の目標は「4技能プラス1」。相手の文化を知ったうえで、文化や生活環境なども踏まえて、自然な会話ができることを目指しています。
そのため常駐のネイティブの先生が持ち回りで朝のHRから参加し、日ごろから英語に触れる環境を作っています。

また、同校が英語で大事にしているのは「CLP(コンバインド・ランゲージ・プログラム)」日本語がきちんと使えないと英語は使いこなせないので、母国語を大事にして日本語と英語を同時に鍛える学習プログラムです。そのために国語などとも連携し、さまざまな体験学習を通して自然な英語を学びます。

●中1:TOKYO GLOBAL GATEWAY(東京英語村)
ホテル、飛行機、キャンパスなどでの会話を体験します。

●中2:ブリティッシュヒルズ語学研修(福島)
2泊3日で英語漬け合宿を行います。

日本学園_中3語学研修ではワイン作りも生
中3語学研修ではワイン作りも

●中3:オーストラリア語学研修
全員参加のホームステイプログラム。2つの学校に分かれて授業を受けますが、単なる語学留学ではなく実学を多く採り入れているのが特徴です。「教室に黒板がなく壁一面がホワイトボードだったり、技術室が工場並みの設備だったり。メディテーションルームで瞑想したりぶどうを摘んでワインを作る授業もありました」(水野先生)。豊かな自然の中で現地の生徒とのびのび過ごし、授業では日本との違いを実感し、まさに現地でしかできない体験を積むことができるのです。

●高1:ターム留学
希望者参加の短期(1月~3月まで)留学。留学期間中は全てホームステイでの生活です。留学中および事前事後を通して、英語力向上のみならず異文化理解や問題解決力を向上します。帰国した生徒が次年度向け説明会で「とてもいい経験になった」と話してくれるようになり、参加したいという生徒の声が増えています。TOEICは留学後のわずか半年あまりで平均258点も上がりました。

日々の学習で学びの基本を作る

日本学園_365日記入する「デイリーレッスンノート
365日記入する「デイリーレッスンノート

さまざまな先進的な取り組みを行っている同校ですが、「いちばん大切なのは日々の学習」と、水野先生は断言します。
「当たり前のことを当たり前にこなさないと伸びないが、男の子はコツコツやるのが苦手。"やりたくないことはやらない"という男子の特性を理解して、学習習慣をつける仕掛けを作っています」と水野先生は話します。

全員に配布される『デイリーレッスンノート』は365日続けるレッスン帳。見開き単位で「3行日記」「英単語」「漢字」が印刷されていて、週末も長期休暇中も毎日この3つをこなすのがお約束です。しかも書いて終わりではなく翌日の授業や小テストでチェックし、できないと残ってやり直すことも。ノートは毎日提出し、先生が漢字のトメ・ハネなどをチェックしコメントをつけて帰りのHRまでに返却しています。

「まずは机に向かうこと。次に覚える・理解すること。そしてそれを継続すること。このノートで3つのステップが自然に身につくのです。1日分をこなすのに、かかる時間は30分ほどですが、毎日の積み重ねは大きな力になります」(水野先生)。

日本学園_もっと学びたい生徒向けの講座も
もっと学びたい生徒向けの講座も

また、中学生対象に放課後に行うのが「にちがく講座」。得意科目を伸ばし、苦手な単元を克服するためのもので、自学自習で課題に取り組みます。主に高校生対象に、朝や放課後に行う「モジュール講習」は、年間50ほどの講座が開かれます。
学年別の講座もあれば縦割りの講座もあり、中には中学生が参加できるものも。英検などの検定試験前には検定対策講座が開かれ、高3向けにはセンター対策や学校別対策など受験演習が行われます。
ここでも、先生がたは「男の子の特性」を重視してプログラムを組んでいます。「男の子は長く続けるのが苦手で、飽きてしまう。1か月半くらいの短いスパンで行うことで、生徒たちは集中力を保って学習し、効果をあげることができます」(水野先生)。

日本学園_クラブ活動で縦のつながりもできる
クラブ活動で縦のつながりもできる

「教える」というより、男の子の気持ちにいかにして火をつけ、学ばせるかを重視している同校。「比較的、入りやすい学校ですが、6年あれば確実に伸ばしてあげられます」と水野先生は胸を張ります。
古い歴史を誇りながら、新しい教育を積極的に採り入れ、生徒に真摯に向き合って学問する素地を作っている同校。6年間で大きく成長したい、自ら学ぶ姿勢を身につけたい、将来の夢につながる道をつけたい――そんな思いを抱く受験生と保護者は、ぜひ一度、同校に足を運んで学校の熱意を体感してみてください。

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