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学校特集

佼成学園女子中学高等学校2021

時代や社会に合わせ柔軟に変化。革新的な取り組みで進化を続ける

掲載日:2021年10月5日(火)

京王線・千歳烏山駅から徒歩5分、閑静な住宅街の中にある佼成学園女子中学高等学校。この数年、特に志願者数・入学者数が急増している注目校です。教育の大きな柱は、グローバルな舞台で活躍できる「人間力」と「英語力」の育成。時代の変化を捉えた21世紀型教育を積極的に推進しながら、これまでの概念を覆すような"学校改革"にも果敢に取り組んでいます。同校が実践する新時代に向けた教育と学校改革について、教頭の西村準吉先生にお話を伺いました。

従来のやり方に固執せず、今の時代や社会に合った教育を目指す

 2020年度から、様々な新しい取り組みを始めている佼成学園女子。授業スタイル、評価制度、担任制度など、その範囲は学校生活全体に及ぶもので多岐に渡ります。そんな学校改革において現場で指揮を執るのが、3年前に佼成学園(男子校)から異動し、現在は女子校の教頭を務めている西村準吉先生。高校で現代文の授業を担当するほか、佼成学園全体(男子校・女子校)の進路指導も行っているため、大学入試や進路についても広い知見をもっています。

佼成女子_教頭の西村準吉先生
教頭の西村準吉先生

 西村先生は、現在取り組んでいる同校の新しい取り組みについて次のように話します。
「これから生徒たちが活躍していく時代は、我々が生きてきた時代とは異なります。さらに大学入試も変革の時期を迎えています。そういった新しい時代や社会・環境の変化、また生徒の多様さに合わせて学校や教育も変わっていかなければなりません。そのためには、従来のやり方を見つめ直し、現時点での最適解を探り、勇気と確信をもって実施していくことが大切だと考えています」

 生徒が主体的に学ぶ探究学習、また電子黒板やiPadを使った授業にも力を入れる同校。教育面だけではなく、試験や評価制度の在り方、学校生活全体に関することについても新たな手法を探り、取り入れ始めているのです。

「21世紀型教育」を強力に推進していくための改革

 同校の新しい取り組みは主に以下の5つになります。

① 中間試験を廃止し、小テストを増やす
佼成女子_行事や部活動も盛んです(写真は文化祭の様子)
行事や部活動も盛んです(写真は文化祭の様子)

 中間試験の廃止にあたっては、探究的な学びの時間が増えていること、様々な行事との兼ね合いでスケジュール調整が困難になってきたという背景があります。そして、同校が考える新たな教育観とも紐付いています。

「中間試験を廃止するのは勇気のいることでした。知識をインプットし、アウトプットする機会を減らすことになりかねないからです。学習習慣のついていない生徒は試験がなければ勉強しなくなるのでは、という懸念もありました。しかし、我々が考えたのはそこからの脱却です。つまり、『試験がなくても勉強する生徒を育てる』ということ。これこそが、新しい時代の学びではないでしょうか。試験のためにバランスよくすべての教科を勉強することも大切ですが、それは同時に生徒が興味のあることについて主体的に深く学ぶ時間を奪うことにもなってしまいます」と西村先生。

 廃止した中間試験の代わりに小テストを頻繁に実施。生徒が試験のために一夜漬けで勉強するのではなく、学習を積み重ねて知識を蓄えていくことが狙いです。

② 新しい評価システム「3:3:3:1制」の導入
佼成女子_3:3:3:1制のイメージ
3:3:3:1制のイメージ

 中間試験の廃止に伴い、評価制度も一新。従来は「中間試験40%、期末試験40%、平常点20%」で評価を行っていたところを「期末試験30%、アチーブメントテスト・小テスト30%、発表・協働学習・表現活動30%、平常点10%」に変更したのです。

「全体で見ると、従来型学力観による評価が60%、新しい学力観による評価が40%となります。この『3:3:3:1制』の肝は、『発表、協働学習、表現活動も重要な学力である』という考えのもと評価を行っている点です」(西村先生)

 これにより、授業のスタイルにも変化が見られるようになりました。

 例えば、西村先生が教える現代文の授業では、『山月記』の李朝の人物像について生徒たちに自由に表現させたところ、文章、イラストや絵、チャート図、花言葉に当てはめる......といった様々な表現手法が見られたと言います。

「ただ教師が教え込むだけではなく、生徒が自由に考えて表現する時間があることで、授業にもメリハリがつきます。このシステムが優れているのは、生徒の得意分野や個性を多面的かつ総合的に評価できること。例えば、期末テストの出来がそこまで良くなかった場合も、表現活動が素晴らしい場合は、総合評価として見たときには良い結果になる、ということもあります。15~20年後には、このような評価制度がスタンダードになるのではないでしょうか」

 実践していくなかで、「3:3:3:1制」の価値を確信したと話す西村先生。基本的には全教科でこの評価制度を取り入れていますが、体育や技術など教科によって難しい部分は調整や見直しを随時行って柔軟に対応していると教えてくれました。

 従来型の学びをしっかりと残しながら、新しい学びも積極的に取り入れ、これまでとは異なる学力観についてもきちんと評価を行う仕組みが整いつつあります。

③ 「少人数ゼミナール」で長期間かけて取り組む学びを
佼成女子_ゼミで自分の探究心を伸ばします
ゼミで自分の探究心を伸ばします

 日々の授業とは別に、長期スパンで取り組む学びも重視したいと話す西村先生。そのため、年間を通して各々の興味関心に合わせたテーマを深掘りする「少人数ゼミナール」を開講しています。各自の問題意識を深めていくことで、大学での高度な学びにつなげ、人生の難題に自ら取り組んで道を切り拓いていく「問題解決能力」を養うことがその狙いです。

「高1でプレゼミ、高2で本格的に始動します。1ゼミあたり4~6人の少人数スタイルをとり、各ゼミが設定したテーマに沿ったフィールドワークや研究を重ね、論文にまとめていきます。この学びで得たスキルは、総合選抜時や大学でもきっと役立つでしょう。大学での学びは、深いですし専門的。ですが、ある程度理解し、体験していたら、大学での学びにもすっと入っていけますよね」と西村先生。

 今年のテーマは「哲学」。過去には、「茶道を通じて日本文化を知る」、「持続可能な社会の実現」などをテーマに実施してきました。毎年、10月の文化祭で中間発表、2月のプレゼンテーションデーで最終発表を行っています。
プレゼンテーションデーは、中学生も参加して講堂で実施される大きなイベントですが、コロナ禍では各教室の電子黒板に映し出し、オンラインで開催。プレゼンは日本語だけではなく、英語で行われるものも多いのが特長です。

 西村先生は、
「発表を日本語で行うのか、英語で行うのかについては生徒たちに委ねています。本校は英語が得意な生徒が多く、英語での発表に対してもあまり抵抗がないんですね。昨年のプレゼンテーションデーには、本校と連携している成城大学の副学長や東京都市大の教授にもご参加いただき、とても充実したものとなりました」と話します。

 高大連携を積極的に進めている点も同校の特長。西村先生が非常勤講師を務める成城大学をはじめ、上智大学や青山学院大学などとも連携を図っています。

「今の時代、学びは校内だけで行うものではなく、実社会とのつながりが必要と考えています。その分野の専門家や知見のある方の見解を聞くことや議論することが大切です」(西村先生)

④ チーム担任制の導入
佼成女子_もともと生徒と教員の距離感が近い同校
もともと生徒と教員の距離感が近い同校

 同校の中学校は現在3学年とも2クラスですが、2020年度から1クラス1担任制ではなく、2クラス3担任制を導入しています。つまり、教員3名が2クラスを担当しているのです。

 西村先生は
「生徒たちにも多様さが見られるこの時代、1クラス30人を教師ひとりの価値観で率いていくのはもう難しいのではないでしょうか。チーム担任制なら、何か問題が起こったときも教師ひとりが抱え込むのではなく、チームで共有して解決していけますし、ひとつの物事を多様な価値観の中で捉えることができますよね。生徒側からすれば、進路相談ならこの先生、身体的な問題なら女性の先生、というように相談したい内容によって教師を選べる良さがあります」と話します。

 教師たちは、生徒一人ひとりの情報をClassiで共有し、常に最新の状況を把握できるようになっていると言います。
 教師側はより多くの生徒について目を配ることができ、生徒側はより快適な学校生活を送りやすくなるという、良いことづくしの取り組みです。

⑤ 充実の「校内予備校」と「卒業生チューター制度」
佼成女子_先輩だから素朴な疑問にも応えてくれる安心感があります
先輩だから素朴な疑問にも応えてくれる安心感があります

 同校では、放課後と長期休み期間には校内で特別講習を実施。中学校ではサポート講習(補習)に加え、中上位向けの講習を、高校では「校内予備校」を用意しています。「校内予備校」は外部から大学受験専門のプロ講師を招いたものですが、費用は大手塾の1/3程度に抑えられているため、時間もお金も節約しながらハイレベルな講義を受けられます。

 さらに「校内予備校」には、大学受験専門スタッフ(フェロー)が常駐しており、生徒の成績管理や進路相談を実施。そのほか、卒業生のチューターが30名ほど在籍しており、生徒は、自分とより近い立場の先輩から親身なアドバイスをもらったり、自分の志望大学・学部の先輩から個別指導を受けながら受験勉強に励むことができます。

「チューターは、1日3~4人が当校に来てくれています。大学生活についての生の声、具体的なアドバイスを直接聞けるのはとても有意義なことだと思います。英語が優秀なチューターも多く、英検1級を取得しているOGは6人もいますから、英検に役立つアドバイスや学習法が聞けることもありがたいですね」と西村先生。

 同校の場合、生徒たちの英語の習熟度が極めて高く、およそ半数の生徒は中学時代に英検2級を取得するほど。高校進学後も、チューターの存在によって更なる高みを目指した英検へのチャレンジが続きます。

中学生から始まる、将来を見据えた素地づくり

佼成女子_生徒たちはどんな状況でも前向きなマインドをもっています
生徒たちはどんな状況でも前向きなマインドをもっています

 今後は、中学生が高校の授業を見学したり、高校の教師が中学で授業を行ったり、校内予備校の模擬授業の実施も予定している同校。
 中学から入学した生徒は、充実した教育環境下でぐんぐんと学力を上げ、めざましい大学進学実績を出していることにも注目が集まっています。同校においては、中学生のうちから、「21世紀型教育」=次世代で活躍するリーダー育成の素地づくりが始まっているのです。
 時代にフィットした新しい教育と学校体制を求めるすべての受験生のニーズに応える学校として、年々人気が高まっているのが佼成学園女子中学高等学校なのです。

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