受験生マイページ ログイン

学校特集

城北中学校・高等学校2023

「個」として立ち、信頼関係を築いて絆を結ぶ6年間
教育目標「人間形成と大学進学」のもと、真の文武両道を行く青年を育成

掲載日:2023年6月1日(木)

「責任ある自由によって理性的に自己と向き合う時間をもらった。『己を知り、伸ばす』を培えた」「『自分で見よ。自分で考えよ。自分らしく生きよ。』、これが城北で築かれた私の原点です」。これらは卒業生の言葉ですが、ここには城北が実践する教育が端的に表われているように思います。1941年創立の男子進学校。「人間形成と大学進学」を教育目標に掲げる同校で、少年たちはどのようにして志高い青年に育っていくのでしょうか。進学指導部長の高橋慶臣先生に伺いました。

教育指針
いかに生徒に寄り添えるか、
どれだけの環境をつくれるか

 この見出しの言葉は、教育目標である「人間形成と大学進学」を直視する先生方の思いです。

城北_進路指導部長の高橋慶臣先生
進路指導部長の高橋慶臣先生

高橋先生:「生徒にとって最も大切なのは、挑戦して失敗することです。失敗しなければ、その経験をバネに自分を高めていこうとする気持ちは芽生えませんし、心も強くなりません。ですから、『まずは、自分ができることを探して挑戦してみよう』というところから始めますが、そのための仕掛けはあちこちにあると思います」

 創立者の深井鑑一郎先生は「教育の使命は、社会に役立つ有為なる人間の育成にある。そのような人間とは、まず優れた人間性を備え、その上に広い教養と高い専門性を修めた者である」と言いました。そして、まだ大学に進学する人が少なかった時代に、「上級の学校への進学を希望する生徒がいたなら、その志望を遂げさせるのも重要な責務である」とも。

 具体的な取り組みは時代に応じて更新しながらも、この「人間形成」と「大学進学」は創立から82年間綿々と受け継がれ、文武両道を貫く同校の教育指針となっています。

 だからこそ先生方のサポートは実に手厚く、対面ではもちろんのことICTを活用したやりとりも頻繁で、勉強関連の質問や悩み相談に留まらず、先生からのお勧めイベントの紹介などにも及んでいます。
 ちなみに、同校では先生、生徒、そして保護者の方々全員がアドレスを所持しています。

高橋先生:「これまで、外部主催のイベントの告知はポスター掲示だけだったのですが、せっかくICT環境が整っているのだからと、対象学年別に『これはおもしろいよ』というものをメールで具体的に紹介し始めたところ、参加者が格段に増えました」

城北_火〜金の8:15〜9:00は、学年ごとに主体的な特別活動を実施
火〜金の8:15〜9:00は、学年ごとに主体的な特別活動を実施

 例えば、読売新聞社が主催した「ノーベル賞フォーラム」では、同校のために用意された40席を大きく上回る約100名もの参加希望があり、抽選で決めるのは忍びないと思っていたところ、主催者側がもう20席を用意してくれたのだとか。また、別のイベントでも、参加希望者数が他校とは桁違いのため、主催者から「どのように紹介してくれているのか」と、問い合わせがあったそうです。
 これも、生徒の学びの裾野を広げるため、先生方が丹精を込める「環境づくり」の一例です。

高橋先生:「生徒が本当に学びたい学問、行きたい大学を見つけるには、自分は何が好きかを知らなければなりません。そのためには実際に足を使って見に行くことも重要になりますから、我々はいかに生徒の触覚を刺激して自分の志向性に気づかせるか、ということを常に意識しています。良い土であれば、立派な植物が育ちます。我々教員の使命は良い土を作り、種を撒くという『環境づくり』にありますから」

 メールなどでの個々の相談にも親身に対応するなど、先生方の労力はかなりのものだと思われますが、「対面で話すことが苦手な生徒でも、ドアがたくさんあれば自分に合ったところから入れます。そうすることで、聞こえる声も確実にありますから」と、高橋先生は言います。

学びの環境
充実した施設・設備が
日々の学習と学校生活を支える

城北_食堂では、お弁当を買うこともできる
食堂では、お弁当を買うこともできる

 都内有数の環境を誇る同校は、中高合わせて8つの理科室、iPadとMac Bookが計500台とICT機器が整うiRoom、スポーツジム並みのトレーニングルーム、昼だけでなく朝夕にも食事が供される食堂など、施設・設備が充実していることでも知られていますが、昨秋にはさらに1,1000㎡にも及ぶ23区内最大級の人工芝グラウンドが完成しました。

城北_広大な人工芝グラウンド。体育や部活動にも拍車がかかる!
広大な人工芝グラウンド。体育や部活動にも拍車がかかる!

 普通教室や廊下も広く設計され、休み時間には明るく開放的な空気が満ちあふれますが、ホームルームや授業の際には一転。姿勢を正し、呼吸を整える「静座」からスタートしてスイッチを切り替えるのです。

 各教科の小テストや定期テスト、校内実力模試、夏期・冬期講習会、選択ゼミ講座(高校)など、進学校らしく学習面のサポートもきめ細かですが、学習については後述することにし、まずは多彩な行事を通して、生徒たちが成長の階段を一歩一歩上っていく様子をお伝えしましょう。

人間形成
テストも多いけれど、
自主・自立を促す行事も豊富!

 困難な状況をも乗り越えて、仲間との信頼関係を築き、絆を深める。その姿勢を育む場の一つに学校行事があります。城北には学年に応じて多様な行事がありますが、ここでは中学校での例をご紹介しましょう。

城北_大町オリエンテーションにて
大町オリエンテーションにて

高橋先生:「中1の1学期に、長野県大町市にある大町山荘でオリエンテーションを行っていますが、これは『第2の入学式」とも呼ばれるものです。さまざまなバックグラウンドを持つ、まだ12歳の生徒たちですから、最初はぎこちなさが拭えません。でも、チームビルディングのためのゲームや飯盒炊爨などを通して共同生活を学び、信頼関係を築く素地を作っていくのです」

 学年によって大町オリエンテーションの取り組みは微妙に異なりますが、班行動で実施される木崎湖オリエンテーリングや夜の星空観察会、BBQなど、生徒たちがワクワクするイベントや冒険心をくすぐるプログラムでいっぱいです。 また、以前の飯盒炊爨では風向きを考えながら石を積んでかまどを作り、火起こしのためにはどんな木が燃えやすいかと試行錯誤するところから始めていたそうです。

城北_英語の授業にて。授業、行事ともにプレゼンの機会が多い
英語の授業にて。授業、行事ともにプレゼンの機会が多い

 そして、中2のテント泊を実施する夏期林間学校などさまざまな行事を経て、中3の京都・奈良研修旅行では、宿泊場所以外の訪問先の多くを生徒が計画するまでになります。

高橋先生:「本校には自分の考えを反映させられる場面はけっこう多いと思いますが、研修旅行での訪問先やそこで行う研修内容についても、生徒たちが事前学習で得た知識をもとに話し合ったりプレゼンしたりして決めています」

自分の意見を発信できる場所。
それは、行事にも生きている
(以下は抜粋)

●私の主張コンクール(中1・2)
 国語教育の一環として実施される弁論大会では、生徒全員が発表者とともに採点者も努めます。上位数名によるクラス代表決定戦を経て、講堂での決勝大会へ。中1は身一つで、中2はスライドを用いたプレゼンの形で発表します。

「テーマは自分が関心のあることでいいのですが、社会問題を論じる生徒も少なくありません。でも、あるクラス代表は『ディズニーランドとディズニーシーはどちらが楽しいか』というテーマで発表していました(笑)。みんな、のびのびとやっていますね」(高橋先生)

城北_鉄道研究部の展示(写真は文化祭でのもの)
鉄道研究部の展示(写真は文化祭でのもの)

●文化部フェスタ
 文化部に所属する生徒の発声から誕生したのが、この「文化部フェスタ」。22年度末に初めて開催されたイベントです。当日はすべて生徒主体で運営し、文化部計14部(文化部24・運動部23)が参加。ダンス部や演劇部の発表、鉄道研究部や地学部の展示などが行われました。

「ひと昔前は運動部を希望する生徒が多かったですが、いろいろなタイプの生徒が入学していますので、文化部に入部する割合も増えていますね。運動部は対抗試合などが頻繁にありますが、それに比べれば文化部は発表の場が少ないので、生徒から声が挙がりました」(高橋先生)


●卒業研究 (中3)
 自分で選んだテーマで自由に研究し発表するのが、「総合学習」の集大成として実施される中3の「卒業研究」です。作品は生徒同士で評価し合い、選ばれた作品は中学修了式で発表します。テーマは多岐にわたりますが、これまでの例として、「データから見た日本ハムファイターズ」「コオロギの共食い」「東日本大震災の復興事業とそれに関連する地域の実例」などがあります。

大学進学
個々の志望に寄り添う
きめ細かな進路指導

 中高6年間は発達段階に応じて3つのステージ「基礎期」「錬成期」「習熟期」に分かれますが、その学校生活は3つのレールから成り立っていると高橋先生は言います。

城北_休み時間からは一転、授業では真剣な眼差しに。イイ表情だ
休み時間からは一転、授業では真剣な眼差しに。イイ表情だ

高橋先生:「第1のレールは『日々の小テストや定期試験、実力試験』での学力育成、それと並行する第2のレールは『部活動』などの自主的活動による人間力育成、そして第3のレールは『教員が種蒔きする刺激』で見聞を広げさせることです。この3つがあってこそ、生徒たちは自分自身を見つめていくことができると思っています」

 中1・2の基礎期ではネイティブとも交流するT.T.やICT機器を使って理解を深める授業や多くの実験など、本物に触れて好奇心や探究心をくすぐり、また日々の小テストなどで苦手をつくらないよう丁寧に指導されます。そして、中3・高1の錬成期には選抜クラスを2クラス設置(毎年入れ替え)。高2の習熟期からは文系・理系に分かれますが、大学受験に最適な専門科目・選択科目を受講できるコース制(文Ⅰ・Ⅱ/理Ⅰ・Ⅱ)に。選択授業では、大学別の対策講座も設けています。
 ちなみに、高校での文・理の比率はクラス数でいうと4:6と、やや理系が多くなっています。

城北_自習室には、ピリリとした空気が漂っている
自習室には、ピリリとした空気が漂っている

 大学受験に向けては、先生方手作りの教材やオリジナルの指導法をもって、基礎的学力の定着から最高峰の大学入試対策までをカバー。自習室も夜8時まで開放され(高2・3対象)、いつでも先生に質問ができる体制が整っています。

 また、選択授業の中には、生徒からの要望で開講されるものもあります。高橋先生は国語を担当していますが、昨年も高2の生徒たちに請われ、始業前に講座を開いたそうです。

高橋先生:「生徒たちが声を掛け合い、『人数を集めたので、補習をやってください』と言ってきました。授業では教えたことのない生徒でしたが、講習会で講座を受けたことがきっかけだったそうです。このように積極的に行動できるのは、それまで生徒たちに関わってきた教員たちが、生徒の要望に丁寧に応えてきた積み重ねがあるからこそだと思います」

城北_2階建ての図書館にて。蔵書は6万冊
2階建ての図書館にて。蔵書は6万冊

 長期休暇中の講習会は中学からありますが、高3では長野県の大町山荘で「大町学習室」が実施されます(希望者のみ/80名×2班)。授業は行わず、9泊10日で計100時間以上、完全に自学自習形式で行われる勉強合宿ですが、ここでも帯同した先生が常に質問に答える体制が整えられています。
 この「大町学習室」ですが、10日間の形で行っていたものを、今年度は若干短縮することになりました。

高橋先生:「学年の教員たちが生徒たちの声を聞いたところ、もう少し短くてよいという意見が多かったからです」

 授業ではなく、自学自習形式のためかもしれませんが、実態に即して生徒たちの声を大切にする。ここにも、「いかに生徒に寄り添えるか」を実践する先生方の姿がありました。

進路・キャリア教育を通じて
生徒の視界を広げていく
(以下は抜粋)

●卒業生や保護者による「将来を考える講演会」(中3・高1対象)
 ここでは、卒業生や在校生の保護者の方々を招いてさまざまな職業についての話を聞きます。自分の関心を開くきっかけに、また文系・理系選択の材料の一つにするためのものです。

●卒業生による「入試懇談会」(高2・3対象)
「毎年、主に大学1・2年生を中心に全国に散らばった卒業生80人くらいに声をかけ、失敗も含めて自分の受験体験や大学で行っている研究内容を語ってもらうのですが、みんなスケジュールを調整し、喜んで来てくれます。しかも、声をかけていない卒業生まで数十人単位で来てくれるんですよ(笑)。『先生に会いたくて』と嬉しいことを言ってくれたりもしますが、その日は同窓会のようになりますね」(高橋先生)

仲間との絆
それぞれが「個」として立っているからこそ、
互いを認め合い、「人間関係が熱い」学校

城北_中3と高1の音楽履修者は、ヴァイオリンの演奏も!
中3と高1の音楽履修者は、ヴァイオリンの演奏も!

高橋先生:「大学受験を終えても受験を続けている仲間のために登校して一緒に勉強し、わからないところを教えてくれる生徒を毎年のように多数見かけます。以前、地方の大学のAO入試に失敗した生徒が二次試験を受けることになったのですが、前日まで付き添って一緒に勉強し、当日彼には内緒で現地まで応援に行った生徒たちがいました。その生徒は合格しましたが、そのように仲間を思って行動する姿を見ると、本当に生徒たちを誇りに思います」

 卒業生たちはみんな、たとえ大学受験に失敗しても、後輩のために自分の得点結果を公開してくれるのだそうです。このこと一つとっても、生徒と生徒、先生と生徒の間にある強い絆、そしてそれを後に続く人たちに繋げていこうとする姿勢は、城北の教育から自然に生み出された伝統的気風なのだと感じさせられました。

城北_解法を求めるのではなく、解くための引き出しを増やす学びを実践
解法を求めるのではなく、解くための引き出しを増やす学びを実践

 一人ひとりが「個」として自立し、その個と個が手を結んで1本の線を作り、それぞれを縦横に繋げていく。そして他者のために、世の中のために、自分たちの持てるものを生かしていく。その力を育むことが、城北が実践する教育の核なのです。

 冒頭でご紹介した、「責任ある自由によって理性的に自己と向き合う時間をもらった」「私の原点である『自分で見よ。自分で考えよ。自分らしく生きよ。』が築かれた」という卒業生たちの言葉が蘇ります。
 高橋先生は「卒業生には、良い思い出ばかりが残っているのかもしれませんが」と苦笑していましたが、生徒たちの将来像についてこう語ってくれました。

高橋先生:「生徒たちには、端的にいえばノブリスオブリージュを望みます。本校には個々それぞれ才能に恵まれた生徒が入学し育っていますが、自分の能力を自分のためだけに使うのは宝の持ち腐れです。究極的には、社会のために自分の能力を生かしていける人になってほしいですね」

順天堂大学との高大連携がスタート!

 毎年、一定数の生徒が医学部医学科に進学している城北。順天堂大学といえば医学部のイメージが強いですが、来年度には薬学部も開設されます。ただ、同大医学部は指定校推薦の入試枠を設けていないため、この高大連携はそういったメリットを狙ったものではありません。
 自分の興味や関心を広げ、チャレンジする裾野を広げるためです。そこは一貫してブレることなく、実際に足を運び、現場を見て、その声を聞く機会をさらに増やすためなのです。

「講演会などで聞く海外ボランティア医療や僻地医療などの話にも胸を打たれますが、医学生は日常をどう過ごしているのか、現場の医師はどう大変で、どのような人材をほしがっているのかなど、リアルな話が聞けることが大きいですね。また、最先端の医療機器を目にすることは、例えば工学部志望の生徒にとっても良い機会になると思っています」(高橋先生)

資料請求はこちらから 学校ホームページはこちら 学校データベースはこちら