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学校特集

武南中学校2022

生徒に寄り添う教育が可能性を大きく広げる
2022年、遠藤修平先生が新校長に就任

掲載日:2022年9月1日(木)

中高一貫校である武南中学・高等学校(以下、武南)が開校したのは今から9年前の2013年のこと。武南高等学校の併設校として「グローバルリーダーとして必要な確固たる人間性と知性の育成」を教育目標として誕生しました。その特色はICT教育やアクティブラーニング型授業などによる21世紀型スキルの習得、そして国内外のフィールドワークや芸術鑑賞会を始めとする体験型学習の実践です。
そんな武南が創立10年目を迎えた2022年春、遠藤修平先生が新たに校長に就任しました。遠藤先生は伊奈学園総合高等学校の校長を退職後、2020年に武南に着任。教育現場を知り尽くした経験を活かし、武南の新たな取り組みへの準備を進めるとともに、生徒の進路進学指導にも力を注ぎました。そして、武南と併設の武南高校の校長を兼任することになったのです。武南の今後のビジョンを遠藤先生と入試広報担当の鷲田雅幸先生に聞きました。

「武南スピリッツ構築の10年間」へ

武南_校長の遠藤修平先生
校長の遠藤修平先生

遠藤先生:「本校の建学の精神は『自主・自学・自律・協同』です。武南高校が創立されたのは、1962年のことでした。今から60年も前に『自学』という言葉を用いたのは、創立に携わった方々に先見の明があったといえます。『自主』と『自学』と『自立』。いずれもコロナ渦にある教育現場で重要視された言葉でした。私が本校に着任した2020年は、日本国内で初めて新型コロナウィルスの感染者の発生が確認された年です。以来、感染者が増加の一途を辿り、ついには緊急事態宣言によって、本校を始めとする中学や高校は日本全国で休校となりました。

武南_ベトナム市内見学
ベトナム市内見学

 先生方は学校が再開するまで、どのように生徒を自宅で自学自習をさせるかに心を砕いたのです。しかし、本校では、建学の精神に基づく教育により、すでに在校生には自学自習の習慣が身についていました。新入生に対しても、本校の教員は生徒の自学自習を促すためのノウハウを持っていたため、生徒を自宅で机に向かわせることができたのです。私は本校の教員や生徒の姿を目にして、建学の精神が行き届いていることを実感しました。
 また、建学の精神には『協同』という言葉も掲げられています。文部科学省の新学習指導要領には『協働的な学び』と記載されています。こちらは『同じ』の『同』ではなく、『働く』の『働』です。この『協働』には『いっしょに活動しながら学ぶ』という意味があります。一方、『協同』には『同じ目標に向かって、みんなで力をあわせ、その目標を達成する』という意味があります。『協同』も非常に素晴らしい精神だと思います。

武南_カンボジアアンコールワット遺跡見学
カンボジアアンコールワット遺跡見学

 そこで、今年度からこの建学の精神に基づき、これまでの10年間を『武南スタイル構築の10年間』、これからの10年間を『武南スピリッツ構築の10年間』と位置づけることにしました。『武南スピリッツ』にあふれた生徒は、自分で考えて行動でき、志を成し遂げられます。高い学力と幅広い教養を兼ね備えています。様々な考え方を持つ仲間と力を合わせて目標を達成できます。そんな生徒の育成する教育を実践していきたいと考えています」

武南_ハーバード大学体験授業
ハーバード大学体験授業

 武南では、これまでの10年間、建学の精神に基づいて、世界に通用するグローバル人材の育成を旗頭にした教育に取り組んできました。海外のフィールドワークでは生徒全員が中2の「アジア研修旅行」でベトナムとカンボジアを、高1の「アメリカ研修」でボスントンを訪問。高2の「古都研修」では京都・奈良を巡り、日本の伝統文化の素晴らしさを再認識します。グローバル人材として活躍するには自国文化を海外に向けて発信できる力が求められるからです。
 また、国内では理科のフィールドワークで、日本地質学発祥の地である長瀞や、埼玉県立自然の博物館を訪問。社会科のフィールドワークでは鎌倉を散策したり、JICAやUNICEF、民間企業を見学したりします。
 武南の学習の目的は、生徒が自ら調べ、理解し、活きた知識を蓄積し、運用できるようにすることです。こうした学びは、授業だけでなく、国内外のフィールドワークや芸術鑑賞会でも行われています。こうして「武南スタイル構築」がなされていったのです。

武南_社会科フィールドワークJAICA 地球広場
社会科フィールドワークJICA 地球ひろば

遠藤先生:「コロナ禍による休校が明けて授業が再開されてからも、どの学校も感染防止対策によって国内の宿泊行事までが中止になり、海外語学研修も見送られることになりました。本校も同じです。創立以来、実施してきた「アジア研修旅行」も「アメリカ研修」も現在は休止を強いられています。その代替案としてオーストラリアの現地校の生徒とオンライン交流会を開いたり、体験型英語学習施設であるTOKYO GLOBAL GATEWAYで語学研修を行ったりしています。今年は「アメリカ研修旅行」の代わりに福島県にあるブリティッシュヒルズで英語研修を行います。このように海外研修に代わるプログラムを用意し、生きた英語にふれる機会を生徒に継続的に与えながら、再開に向けて準備を重ねていきます。
 また、これまで本校では、フィールドワークなどに行くたびに、クラスメイトと協同して事前学習や調べ学習をし、実際に現地で学んだことを生徒の前で発表していました。『武南スピリッツ構築』に向けた取り組みとして、こうした生徒自らが考える探究活動を授業にも取り入れていき、教育の柱に据えていきたいと考えています」

STEM教育やプログラミングの導入も

武南_SDGsワークショップ
SDGsワークショップ

「本校では「SDGsプログラム」と題して、中学2年次に毎年、社会科のフィールドワークでJICA地球ひろばを訪問し、発展途上国の現状やSDGsについて学んでいます。そこで、今後は新たな取り組みとして、SDGsの達成に向けた教育を各教科の授業に取り入れていきたいと思っています。世界の諸問題を自分事として捉え、世界が直面する様々な課題を解決するために、自分に何ができるかを授業の中で生徒が考えるのです。その準備として、本校の教員たちはSDGsの専門家を講師に招いた研修を受けています。

武南_プログラミング学習
プログラミング学習

 もうひとつの新たな取り組みが、STEM教育の導入です。STEMはScience(科学)、 Technology(技術)、Engineering (工学)、 Mathematics(数学)の総称です。この4分野を横断的に学ぶSTEM教育の一環として、本校では埼玉大学准教授で、STEM教育研究センター長で、ロボット工学の専門家・野村泰朗先生を招き、中学2生を対象にしたプログラミング学習を行っています。教材は「えんぴつプログラマー」です。基板に鉛筆で書き込むことでプログラミングをして、模型のクルマを自分が意図した通りに走らせます。生徒はみな楽しそうに取り組んでいます。普段、授業では目立たない生徒が力を発揮している姿を目にすることができます。プログラミング教育は様々な知識の集合体です。創造力や発想力、問題解決能力の育成にも役立ちます。今後、プログラミング教育を理科など多くの教科の授業に取り入れることも考えています」

鷲田先生:「また、文理の別け隔てなく幅広く勉強することが、生徒の可能性を広げるという考え方から、本校では2023年度の入学者から、高校2年次に進路希望によって『文系』と『理系』ではなく『Ⅰ型』と『Ⅱ型』に分かれるカリキュラムを導入しました。『Ⅰ型』は文学部や経済学部、国際関係学部などへの進学に向けた学習に、『Ⅱ型』では医学部や理学部、工学部、薬学部、農学部など進学に向けた学習に取り組みます」

遠藤先生:「私は生徒によく『ピラミッドの中に巨大な空間があります。それを発見したのは物理学者です』という話をしています。こうして文理融合の大切さをわかりやすく説いているのです。たとえば、心理学科は多くの大学で文学部に設置されていますが、心理学を専攻するには、統計学を学ばねばなりません。かつて早稲田の法学部長が『数学のできる法律学者がほしい』と述べておられたように、法律を学ぶにも数学的な思考力が求められます。国語学でも統計を使います。推理推論といってこの言葉の後にどのような言葉が来るのかを推定するのです。古典の研究でも推理推論が必要となります。そのためには、コンピュータを使えねばなりませんし、データサイエンスの知識や技術も要求されます。自分の専門分野だけを熟知しているだけでは、実りある研究や調査ができないのです。東京工業大学もリベラルアーツ研究教育院をつくり、教養をしっかり身につけて正しい判断ができる学生を育成しようとしています。教科の枠を超えた知識を身につけることが、これからを生きていく力になります。
 ですから、本校の生徒に能や狂言や文楽などの古典芸能やオペラなどの芸術を鑑賞する機会を10年にわたって提供し続けてきたことは、非常に意義のあることだと私は考えています。しかも、生徒は事前学習をし、鑑賞後は、感じたことや学んだことを各自が持っているタブレットにまとめて発表します。こうした学びができるのは、中高一貫教育ならではのメリットです。私はこれからの10年に向けて、豊かな教養を育む教育をさらに推進していきたいと思っています」

武南_

鷲田先生:「本校では本物を見て、肌で感じる教育を大切にしてきました。特にオペラは中学全学年が対象でから、3年間で3回も体験できます。今年の夏には、日生劇場でオペラの名作『セビリアの理髪師』を鑑賞しました。
 また、社会科のフィールドワークでは中学生が東京国立博物館で特別展を鑑賞した後、生徒は学年によって国立西洋美術館や東京都博物館を見学します。特に東京国立博物館には、教科書にカラー写真が載っている国宝や重要文化財が展示されています。中学時代にこうした本物にふれる体験は、自国の文化を深く知ることにもなり、将来、国際社会に貢献する上で大きな糧となるはずです」

遠藤先生:「さらにグローバル教育と探究活動を融合させた取り組みも今後行っていきたいと思っています。武南高校の卒業生が現在、世界トップレベルの大学であるMIT(マサチューセッツ工科大学)の大学院で学んでいます。彼は現役で九州大学工学部機械航空工学科に進学しました。卒業後、アポロ15号の乗組員がミシガン大学出身であったことから、この大学に留学した後、MITの大学院に進んで宇宙工学を学んでいます。『アメリカ研修』で本校の生徒はハーバード大学やボストン大学と合わせて、このMITも訪問し、現地の大学生と交流します。そこで、MIT大学院に進学したこの卒業生の力を借りた探究活動も検討中です」

困難に立ち向かう力を支える

 遠藤先生のリーダーシップのもと『武南スピリッツ構築の10年間』がこれから本格始動する武南。では、それ以前の『武南スタイル構築の10年間』の集大成ともいえる合格実績はどのような結果になっているのでしょうか?
 2018年から2022年までの4年間で、国立大学では東京工業大学、東京農工大学、電気通信大学、埼玉大学、茨城大学、宇都宮大学に合格者を輩出しています。難関私立大学では、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、GMARCHクラスの大学に多くの生徒を合格させてきました。中国屈指の名門大学である北京大学にも合格者を出しています。いずれも現役です。なお、今年卒業した4期生の合格実績は以下のようになっています。

4期生20名の進学実績(のべ人数)

【国公立大学】埼玉大学1
【最難関立大学】早稲田大学1・東京理科大学1
【MARCH他】明治大学1・立教大学1・中央大学1・法政大学2
【有名私立大学】成蹊大学1・獨協大学1・國學院大学1・日本大学3・東洋大学1
        津田塾大学1・日本女子大学2
【工業系】芝浦工業大学1


遠藤先生:「今年、早稲田大学に現役合格を果たした卒業生は、開発途上国の発展に寄与したいと私に常々話していました。そこで、私は彼女に将来、世界銀行で働いてはどうかとアドバイスしました。日本人で初めて世界銀行の副総裁を務めたのは女性であり、世界銀行なら女性が活躍できる国際金融機関だと思ったからです。彼女が開発途上国の支援に興味を抱いたきっかけは『アジア研修』やフィールドワークでの学びだったと振り返っています。彼女の早稲田合格は本校の教育が実を結んだ結果といえるでしょう」

 国語の教員だった遠藤先生は、他にも文学部を総合型選抜で受験する生徒などの小論文指導をきめ細かに行う他、武南の受験生のサポートに尽力しました。たとえば、大学で物理を学びたいという生徒を、夏休みに国立理化学研究所の仁科加速器科学研究センターに連れて行ったこともあります。この研究センターに務めている、遠藤先生のかつての教え子と会わせるためでした。その生徒と教え子の研究員は意気投合して、時間を忘れて物理の話をしていたそうです。そこで、遠藤先生はその生徒に『そんなに物理が好きなら、この研究所で活躍できるように一生懸命勉強しようね』と激励したといいます。彼は第一志望の最難関国立大学には届きませんでしたが、東京理科大学の合格を勝ち取ることができました。

武南_教員と生徒の距離が近いのも同校の魅力!
教員と生徒の距離が近いのも同校の魅力!

遠藤先生:「私は武南に着任して、受験は個人戦ではなく団体戦であることを改めて実感しました。大学受験に向けていつもいっしょに勉強していたグループがその良い例です。1人は指定校推薦での受験を考えていましたが、もう1人の生徒は一般選抜で難関大学を受けようとしていました。その姿に触発され、指定校推薦を選ばずに努力を積み重ねて一般選抜に挑んだのです。その結果、受験した大学はすべて合格して難関私立女子大学に進学しました。
 私たち教員の役割は、困難に立ち向かう力を支え、支援することだと思います。ハードルを下げることなく、高い目標に向かってチャレンジできるように、本校は生徒一人ひとりに家族のように寄り添っていきます。
 私が本校に着任して驚いたのは、生徒が朝早く来て朝職員室前のテーブルで自学自習に励んでいたことでした。私は思春期の子どもたちにとって、職員室は煩わしい場所だと思っていたのですが、本校は違っていたのです。両親の近くで勉強しているような安心感があり、しかも、勉強していてわからないことがあれば、気軽に職員室にいる教員に質問ができるからでしょう。特に高3生たちは大学入試の直前まで、放課後残って、職員室の前で勉強していました。その中の1人が私に『土曜日は、先生は何時までいますか?』と聞いてきたことがあります。教員がいる限り、生徒も学校にいることができるからです。「夕方5時までいますよ」と答えると生徒は「夜7時まで勉強していたいのですが...」といいました。その声に応えて、私は土曜日も7時まで残って仕事をしたものです」

武南_鷲田雅幸先生
鷲田雅幸先生

鷲田先生:「本校の強みは、こうした生徒との心の距離の近さや、一人ひとりに目が行き届く手厚い指導だと思います。また、6年間を通して同じ校舎で、気の合う仲間たちとともに過ごしながら切磋琢磨できることも大きな強みといえるでしょう。その結果、生徒の多くが6年間で学力を大きく伸ばし、自分の将来像を明確にした上で『行ける大学』ではなく『行きたい大学』に進学しています。今年も卒業した4期生たちが来校し、メディアホールで大学合格体験を後輩たちに語りました。自分たちの身近にいた先輩たちのサクセスストーリーを聞き、5期生や6期生や7期生は『あの先輩ができたのだから僕にだってできる』と大きな勇気と自信を得られたはずです。この生徒たちがどこまで伸びていくか、教員一同楽しみにしています。
 また、今年は本校の受験者が去年と比較して1.7倍に増えました。本校の認知度がさらに高まった結果だと自負しています。多くの生徒に本校に入学していいただき、可能性を大きく広げて、未来へと羽ばたいてほしいと考えています。

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