青稜にヴンダーカンマーができました
この春、青稜中学校・高等学校にヴンダーカンマーができました。ヴンダーカンマーは、多種多様なものが展示されている空間のこと。日々(企まずして)目に入るモダンアートが、生徒の“何か”を刺激します。(取材・まとめ/市川理香)
知らず知らずのうちに思考訓練
生徒の感性を刺激し思考訓練のできる空間、ヴンダーカンマーを作りたい、というのが青田泰明校長の念願でした。現在、モダンアートが好きな青田校長のコレクションや学校関係者から寄贈された作品が展示されています。特定の作家や主義の作品を収集しているのでもなければ、油絵とか版画といった表現方法を限定しているのでもありません。誤解を恐れずに言えば、脈絡がない、といった風情。
隅に小さく、作者・作品名を紹介した学校サイトにリンクされたQRコードがひとつあるだけで、解説らしきものも皆無。自由に観て、感じて欲しいといいます。それも今すぐに何かのインスピレーションになれば・・・というものではなく、今日でもいいし、明日でもいいし、卒業してからでもいいし、いつかどこかでヴンダーカンマーで感じ考えた回路から芽が出てくれればいい、という気の長い願い。
青田校長は、社会で起こっていることを学校に取り入れたいとアンテナを張り巡らせているのでは、と広報の伊東充先生は言います。伊東先生が美術科の先生に、「何を感じたらいいのでしょう」と聞いたところ、「なんでもいい、自分の感じるままに」と言われたそう。あれこれ理屈をつける必要はなく、まずは見たまま感じたままから始めればいいのだと肩の力が抜けたそう。
コンパクトな校舎の中に、生徒の可能性を広げる企みがありました。
【制服】
藤原ヒロシ氏デザイン。ブレザー、ダウン、フーディー、ベストなどいくつもの組み合わせ方ができる。全アイテムを揃える必要はなく、自分のセンスでコーディネートすれば、むしろ過去の制服よりも安価だそう。LDH apparelがプロデュースしたユニセックスの体操着も目をひく
- この記事をシェアする
