受験生マイページ ログイン
受験情報ブログ

浅野中学校の2026年入試レポート

2026年2月3日(火)に行われた浅野中学校の入試の様子をお伝えします

2026年2月3日(火)、首都圏の男子校で単日の出願者数では最多となる浅野中学校(神奈川県横浜市)の入試が行われました。首都圏屈指の学力を誇る男子受験生たちが集結する、同校の入試についてレポートします。〈取材・撮影・文/市村幸妙〉

文武両道で学校生活を満喫する在校生たち

1920年創立の伝統校である、浅野中学校・高等学校。「九転十起」と「愛と和」を建学の精神とし、文武両道かつ自由な校風として知られています。

「九転十起」とは、大きな目標は一度では成し遂げることは難しいけれども、失敗を恐れず努力を重ねて目的を達成するという、創立者の浅野總一郎翁の志を表しています。

また、「愛と和」は初代校長の水崎基一先生の教育理念であり、他者への思いやりや気遣い、連帯力、協働力を培うことを意味しています。

長く受け継がれているこれらの精神は、多様性に富み、先の見通せない現代によりマッチ。学力だけでなく、きちんと挨拶ができ、相手を思いやれる、そして時間や約束を守るといった、人として当たり前のことを当たり前にできること、努力や工夫を厭わない姿勢を養うことで、確かな人間性を備え、世界のどこでもタフに活躍できる精神力を持つ男子を育んでいるのです。

学業も部活も行事も熱心に行い、バランスの良い人間教育には定評がありますが、2025年春の卒業生(卒業生数261名)の大学合格実績にも注目が集まりました。

例えば、東京大学へは現役・現浪合計ともに過去最高の51名(現役46名)の合格者数を輩出。
国公立医学部医学科は、現役13名(現浪合計17名)で、東北大学・東京科学大学・横浜市立大学・千葉大学をはじめとする難関校へも現役合格者を多く送り出しました。
また、慶應義塾大学が115名、早稲田大学へは91名の計206名が現役合格を果たしています(人数はのべ)

卒業生たちは自分自身の将来に向かい邁進しましたが、それを支えた先生方の姿勢が同校HPの大学進学実績の総括として書かれていた言葉から見て取れました。

「合否の結果にかかわらず、まずは各々の目標に向かって努力を重ね、挑戦した卒業生諸君に敬意を表したいと思います」

生徒たちは仲間たちと切磋琢磨し、先生方とも確かな信頼関係を築きながら、熱い6年間を過ごします。

生徒たちの学びやすさを優先し、学校改革を実施

所在地の神奈川県はもちろん、都内からも通いやすい同校では、広域から首都圏最高峰の学力をもつ男子受験生たちが一堂に介します。

2025年入試より、募集定員をそれまでの270名から240名に減らし、各学級の人数も45名から40名に変更して、時代の要請に応じ学習環境を整えました。

浅野中学校の入試は2月3日の1回のみ。出願者数は、2025年入試の1711名から少し減った1632名でしたが、受験倍率は6.8倍。首都圏の男子校の中で、単日としては最も多くの出願者数を誇りました。

2026年入試の実受験者数は1340名で、合格者数が523名でした。受験者平均得点率は55.2%、合格者平均得点率は63.5%、合格者最低得点率は57.5%(国語・算数:各120点、社会・理科:各80点の400点満点で、合格者最低点230点)という発表がされています。

朝日を全身に浴びて前進する受験生たち

同校はJR京浜東北線の新子安駅ならびに京急線の京急新子安駅から徒歩8分、横浜ベイブリッジを眼下に見る高台に位置します。

駅を出たところで歩道橋を通り、ゆるりとした坂を登っていきますが、学校へとまっすぐ進む道に出ると一気に視野が開けます。朝日を浴びながら力強く歩みを進める受験生たちの姿に心の中でエールを送ります。

駅から学校までの道のりには、プロの警備の方々だけでなく、中2の生徒たちもサポート役として誘導してくれているので、とても安心感があります。

なお入試当日、駅前の歩道橋には2月3日に入試を行う旨を記した「ご通行の皆様へのお願い」という看板が設置されていました。

「当日の七時頃より八時半頃までは大変な混雑が予想され、ご通行の皆様には多大なご迷惑をお掛けいたしますが、事情をご賢察賜り、よろしくご協力をお願い申し上げます」と書かれていました。

こうしたことからも、同校が私立学校として地域との関係性を強固なものにしてきたのだろうことが窺えます。

7時の入校時には約50組もの受験生親子が待機

開門は7時、集合時間は8時です。6時45分頃に筆者が学校前に到着すると、すでに正門は開いていたものの、受験生親子は保護者控室でもある体育館「打越アリーナ」前の「早朝待機場所」と記されたところで列を作り入場を心待ちにしています。

到着時は20組ほどでしたが、7時の開門の頃にはおよそ50組もいるのではというほど、たくさんの受験生親子が行列を成していました。

7時5分ほど前になると、入試広報部長の徳山 直先生が待機する受験生親子に、この先の進み方についてアナウンスされていました。もしも受験票を忘れた場合の対応なども話され、受験生たちへのケアがなされていると感じ入りました。

その後、そのまま徳山先生の誘導により、校舎方面への移動を開始。坂道を共に上がりながら、お話ししたり、肩を抱いていたりと、向かい方はそれぞれ。各ご家庭のこれまでのストーリーがそこにはあり、それぞれの温かな関係性が見えてくるようです。

自然豊かな校内をぐんぐん進む

その後も駅から同校へと向かう受験生親子の行列が続きます。学校到着7時15分あたりが最初のピークのように感じました。

歩行者や通行車両などにも配慮しながら、歩道で待機して安全確認後に正門前の横断歩道を渡れるようにと、先生方が交通整理をされます。特に7時40分くらいまでは、受験生親子で本当に長い列ができていました。

さまざまなクラブで活躍する生徒たちを称える横断幕が掲げられたテニスコートを横目に、左手に広がる、学園創立者・浅野總一郎翁の銅像が立つ、銅像山の茂る緑を認めながら、受験生たちは歩を進めていきます。

上り切ったあたりでルートはふたつに分岐。受験生は右側に、保護者は左側に分かれ、それぞれのルートを進みます。受験生と保護者はここで一旦お別れです。

そのため、名残惜しそうにしている受験生と保護者の姿も見られました。

受験生のサポートをしているのは中2の生徒たち。駅から学校までの誘導、校門前、そしてこの分岐地点など、さまざまなところで彼らが活躍しており、明るいあいさつと「がんばってください!」というエールの声があちらこちらで響いています。

中には自転車で登校する受験生を案内するための看板を持っていた生徒も見かけました。

このように各所で活躍する在校生の姿に、自身のお子さんの少し先の未来を重ねて見た保護者の方も多かったのではないでしょうか。

ちなみに、ふたりの中2生に「自分自身の受験の時を思い出しますか?」と尋ねたところ、奇遇にもふたりとも「実はあんまり覚えていません」と話してくれました。

それは当時、一生懸命に受験に向き合ったからであり、現在の浅野での学校生活に熱中しているからこその返答なのでしょう。

緊張感が漂う試験会場内

試験会場である教室へは登校順に入ります。試験会場では受験票の確認や諸注意などが行われていました。真剣に耳を傾ける受験生たちに、中2生がQRコードを配布します。

同校教頭の吉澤久光先生によると、コロナ禍前は受験番号順に教室へ入っていましたが、現在のQRコードを用いる形態を取るようになり、より試験運営がスムーズになったのだそうです。

多くの受験生を集める、浅野ならではの工夫や滞りなく行われていく様子に感心します。

試験会場に入る受験生数もコロナ禍以前の50名から、今年度は40名に減少させました。

ひと教室、数名の減少であっても、受験生数がダントツに多い同校ですから、試験会場となる教室数は増加。それでも受験生たちが少しでもゆったりと試験に臨んでほしいという学校側の配慮が見えます。

なお、保護者はそのまま進むと控室である体育館の「打越アリーナ」へのルートが確立されています。

合格発表は、翌4日(水)の9時〜16時にインターネットのみで実施、新生活に向けての入学説明会は2月14日(土)に行われました。

それぞれの受験生たちのこれまでの頑張りが、春から一層大きく花開いていくのです。

この記事をシェアする
  • リンクをコピーしました

あわせて読みたい関連ワード記事