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学校特集

千葉日本大学第一中学校・高等学校2015

「自分で考える力」、「発信力」を鍛え、自主性を育てる
濃密な6年間で人生を自らの手で選択できる人材を育成
掲載日:2015年4月1日(水) 最新の記事はこちらから

「こんにちは!」
放課後、校内へ足を一歩踏み入れると、部活に励んでいる生徒たちからの元気な挨拶があちらこちらから聞こえます。 日本大学理工学部に隣接し、充実した施設、広大なグラウンドを有する千葉日本大学第一中学校・高等学校。
「千葉日」と称され、親しまれている同校は、1913年に開校した日本大学第一の分校として、1968年に高等学校、70年に中学校が設立されました。
今春2015年4月より、校長に就任された村中隆宏先生と進路指導部主任の伊藤一明先生のお話しから、同校の魅力を紐解いてみましょう。

重視しているのは、自分の頭で考えて、努力すること。
仲間と協力し合いながら、大きく成長を遂げる6年間

 

「精神的自立」を教育目標の一つに掲げる千葉日本大学第一中学校・高等学校。校長の村中隆宏先生が、具体的な取り組みを教えてくれました。
「本校の考える『精神的自立』は、自分で考え、判断し、行動し、反省して、次につなげていくというものです。例えば中学生になるとき、入学後には『自分で起きるように』と伝えています。目覚まし時計はもちろん使っていただいてけっこうですが、精神的自立のために、まず基本的な生活習慣の確立が重要だと思っています」
学校生活の中では、チャイムが鳴ったら着席している状態を目指す「チャイム着席」の実践に取り組んでいます。
「時間の観念を特に大切にしています。教員はチャイムが鳴る前に教室に行き、チャイムと同時に授業を始められるように、全校で声掛けして実施しています。本校の生徒たちの"自分で取り組む姿勢"は、こういったところからも見えてくると思います」(村中先生)

校長_村中隆宏先生
校長 村中隆宏先生

自立を促す一つの事例に、中3の5月に京都・奈良で実施される修学旅行があります。 「基本的に5~6名の班に分かれ、自主見学で行います。事前指導・事前学習は実施しますが、実際に現地では、公共交通機関のみの利用で、朝出発して夕方宿に帰ってくるまで、自分たちで動くように指導しています。 迷いながら、考えて工夫して、自分自身の足でたどり着いたところなら、しっかり見たいと思うでしょうし、深い印象となると思います。みんなで協力しながら、努力し苦労してがんばったぶん、得るものも大きいでしょう」(村中先生)

この考えること、協力すること、理解を深め合うという、同校の教育が結集された行事が11月に開催される文化祭です。中3が学年全員で模擬裁判を行っています。 「例年、弁護士の方にご協力いただき、社会問題になっているような刑事事件を仮定します。例えば昨年のテーマは『介護殺人』について。生徒は10人ずつ弁護士役、検事役、裁判官役に分かれ、弁護士の先生に話をうかがいながら、自分たちで質問を考えたり相談して、文化祭まで準備を行います」(村中先生)

弁護士作成によるシナリオはあるものの、弁護士役と検事役の生徒それぞれが考えた質問を繰り広げながら真実に迫ろうとする姿は白熱。裁判官役の生徒たちは別室で集まり、有罪・無罪を決定します。他の生徒や保護者などは傍聴人として、評決を行い、弁護士の代表の方から、全体的な講評で裁判は終了します。生徒たちは、話し合うことの大切さに加え、双方の意見を見定めること、自分と異なる意見も大切にする姿勢を学びます。

村中先生は、この取り組みについて「模擬裁判は今年で6年目を迎えました。弁護士の先生方から毎年言われるのは、『"疑わしきは罰せず"の精神を忘れない』ということです。傍聴人席は状況判断で熱くなってしまうこともありますが、裁判官役の生徒たちは別室に集まって話し合うなかで、授業で習ったこの裁判の原則を思い出して判断することもあるようです。生徒たちの気付きや意見に、我々教員が考えさせられることも多々あります。生徒のなかには意識の高い子がおり、勉強のために裁判の傍聴に行くこともあるようです」と言います。

ディスカッション力、プレゼン力を付け、磨き、
体験を通して表現する力を養う

伊藤一明先生
進路指導部主任 伊藤一明先生

伊藤先生は社会科の教諭ですが、高3の授業で、推薦で進学先が早く決まった生徒たちと行った授業で受けた感銘について話してくれました。 「社会科は受け身になりがちな科目ですが、『プレゼンや発表など、自分たちで決めてなんでもいいのでやってごらん』と水を向けてみたら、本校の生徒たちはすごいんです。模造紙やパワーポイントを使って発表するグループがいるなかで、ある生徒たちは『集団的自衛権』について、演劇という表現方法で発表したことには驚きました。面白可笑しくみんなで考え、作っていたのです。テーマを含めて生徒たちが考え、アピール方法も彼らが考えたものです」(伊藤先生)

生徒が自主的にさまざまな発表方法を試行し、実行したことに提案者である伊藤先生は驚嘆されました。その他に同校では、高3で希望制で小論文の授業を実施していますが、ただ書かせるだけでなく、グループディスカッションをしたり、発表することも大切にしています。 中学では国語の時間にスピーチの発表をしたり、英語のレシテーションコンテストなど、生徒たちの表現法は、さまざまな場面で鍛えられているのでしょう。自分で考えてプレゼンテーションすることにより、自分から知識を蓄えアウトプットしたり、他者の意見を聞いて推考しながら成長する土壌が日常的にあるのです。

例えば中学全学年で、夏休みに実施している理科の自由研究では、生徒たちに少し背伸びして挑戦するくらいの課題を目指す指導をしています。 最初は原稿用紙10枚くらいから、指導後の翌年はさらに深みをもてるように、最終的にはレポート用紙1冊でも足りないほどの量のレポートにまとめてみることを推奨しています。

村中先生は、「中1からプレレポートの段階から成長過程に合わせながら、丁寧に指導しています。優秀作品は文化祭で発表するので、生徒たちの励みになっており、今後さらに発展させることができると思います。発信することをこれからも大切にしていきたいですね」と言います。

医療現場の体験授業
学部の選択肢が広い日大付属だから
医療現場の体験授業も!

千葉日本大学第一では、このように表現することを大切にしていますが、それと同等に「体験すること」も重視しています。 高2を対象にした理系の生徒たちによる3日間の「研究室体験」では、日大の医学部、歯学部、薬学部など各自が志望する学部を経験し、最新研究に触れることができます。終了後には、医学博士である理事長の指導のもと、保護者も招き、自分たちでどういう勉強をしてきて、それが何につながるのか、体験してきたことの報告会を行います。ただし定員が決まっているため、理系の生徒全員が参加できるわけではなく、選抜があります。この経験を経た生徒たちの話を聞いて刺激され、改めて医歯薬の道を目指す生徒もいます。

「この学校に入ったこと」が誇りになる。
生徒をはじめ、すべての学校関係者が「愛校心」をもてる学校を目指して

千葉日本大学第一が誇る大スケールの設備の数々。
この環境が生徒の健全な成長を約束します。

新校長に就任された村中隆宏先生に、千葉日本大学第一のビジョンをうかがいました。 「最も大切にしたいことは『愛校心を育む』ということです。一人ひとりの生徒が愛校心をもち、『この学校に来て良かった』、『中高6年間、充実した毎日だった』と心から思える教育を行いたいですね。保護者の方にもその思いを共有していただきたいです。先生方をはじめとした教職員も学校に誇りをもち、みんなが愛校心を感じられる学校にしていきたいと思っています」(村中先生)

この愛校心の表れの一つに、先生方の中に卒業生がいるというのが、千葉日本大学第一の特徴です。今春からまたひとりのOBが教壇に立っています。 その先生の担任を務めていた伊藤先生は、「東京藝術大学で学び、教員として戻ってきたことは非常にうれしいことです。クラブ活動で後輩への指導や、大学の授業と授業の間に顔を出すなど、本校は卒業生が本当によく訪ねてくる学校だと思います。6年間持ち上がり担任制のため、教員との距離もいい意味で近いのでしょう」と教えてくれました。

実は、村中先生も同校の卒業生です。村中先生は、高校生の時、当時の担任の先生に「教員にならないか?」と言われ、教職を目指したそう。その先生は未だ、同校の事務長として在職されているということで、不思議なつながりを感じているそうです。伊藤先生は、兄弟校である両国の日本大学第一の卒業生。同校は兄弟校を含めると専任は9名、講師は5名の卒業生の先生が活躍しています。

このように教員と生徒の距離感が近い千葉日本大学第一では、どうやって信頼関係を構築しているのでしょうか。 「本校の先生方は、本当に面倒見がいいと思います。生徒たちにとっても質問しやすい雰囲気だと思います。生徒へ何回でもきちんと教えています。 教科のことだけでなく、個人的な生活のことや進学の悩みなどにも、先生方は真摯に答えていますね」(村中先生)

村中先生はこの信頼関係の厚さは、学校創立の40数年来、積み重ねられてきたものだと言います。 「まだ幼さの残る中1から、悩みを抱える思春期を乗り越えて、共に大学受験を乗り越えて高校卒業までというのは長いですよね。ある意味で、ご両親よりも教員のほうが話をする機会が多い時期かもしれませんね。生徒に寄り添うので、本当に密な関係ができます」(村中先生)

伊藤先生は同校の卒業式について、「保護者の方たちへの感謝の気持ちを伝えるほか、教員への声掛けもあります。例えば、『6年間、先生方に指導してもらっていて、悪いことはできなかった。それは先生方が見守ってくれていたことがわかっていたから』など、とても心温まることばが多いのです。もちろん先生のニックネームや特徴をネタにしてウケを狙うこともありますが、温かな関係性が伝わってきます。退場の際、教員だけでなく男子の卒業生までもがわんわんと泣いているほど、感動的ですね」と教えてくれました。

勉強にもスポーツにも全力投球

勉強にもスポーツにも全力投球!

このバランスが最大の魅力です。

このバランスが最大の魅力です

「子どもたちにいろいろな経験をさせてあげたい」という思いを
学校で叶え、多くの経験を生きるための糧とする

自然体験学習
自然体験学習では
農業や乗馬などを体験

参加してきた多くの生徒の心に強烈なインパクトを残している行事が、中3の夏休みに希望者制で行っている「自然体験学習」です。
「20年以上続く行事です。岩手県一関市大東町の農家へ30~50名ほどの生徒と3泊4日でうかがい、3~4名一組でステイさせていただきます。『農家を体験する』ために行くので、農家の方々には中尊寺などの観光施設をめぐるなど、特別なことはしないでくださいと言っています。食事もいつも召し上がっているものを出してくださいとお願いしています。見ためが悪かったとしても、農家で食べられている食事は本当に美味しいものです。それを生徒たちに伝えていただきたいのです。 農家の仕事をお手伝いさせていただくなかで、どう野菜が栽培され、どんな経路で市場へ野菜が出回るのかを学ぶことができます。文化祭の時には、農家の方々をご招待し、農作物の販売などを一緒に行っています。 お世話になった方にご挨拶するために、保護者が学校へ来たり、リピーターとして再度泊まりに伺う生徒が多いようですね」(村中先生)

生徒たちにとって農家の方はご高齢の方が多く、いつも接している世代とは異なること、普段の環境と違うことなどは貴重な体験となっています。 この大東町は、陸前高田まで車で30分という立地にあります。村中先生は、「2011年の東日本大震災の時、断念すべきかという連絡をしたところ、農家の方から『こういう時だからこそ来てほしい』、『いろいろな様子を見てほしい』と言われました。みなさん、ものすごく大変だったと思いますが、『せっかくこれまで続いてきたんだから、途絶えないように続けていきましょう』と、先方からの力強いおことばに力をいただき、うかがうことにしました」と言います。その後、うかがった際には陸前高田や気仙沼へ行き、復興の現状を目の当たりにしています。

村中先生は、農家の方と生徒たちの関係についてこう教えてくれました。 「僕は毎年参加しており、農家の方々とも懇意になっています。教員はお世話になっているご家庭へレンタカーで回るのですが、あるお宅へ伺っていた際、偶然大きな地震が発生しました。 すると『おばあちゃん、大丈夫だった!?』と、以前そのお宅にお世話になった本校の高校生や卒業生から次々に電話がかかってくるんです。いざという時にこういう優しさが発揮する生徒たちを誇りに思いました。 4日間ですが、この経験は生徒たちの感受性に大いに訴えるものがあり、そこまで密な関係性を築くことができるのだと思います。そこで何を感じてくれるのかを考えると意味のあるものだと思っており、生徒たちにとって大きな糧になっています」

先生を信じる生徒と、生徒のがんばりを引き出す先生の 二人三脚で考える大学進学

進学指導も充実
付属校ながら、進学指導も充実

「日本大学の付属校ではありますが、生徒たちの希望をしっかりと聞きながら、進学指導をより充実させていこうと考えています」と言うのは、校長の村中先生です。 これまでも国公立大や早慶上智、ICU、東京理科大などに進学者を輩出してきた同校。中1から「自分を見つける・見つめる」といったキャリア教育を実施しており、2020年の大学入試改革に対応できる教育を行っています。

今年3月の卒業生375名のうち、200名(53.3%)が推薦入試とAO入試で日本大学へ進学しました。先に触れた「研究室体験」などにより、医歯薬系を志望する生徒たちが増えています。実は日大の医学部の推薦枠は、付属25校の中で15名なのですが、今回は同校の生徒4名が推薦を取りました。伊藤先生は「偶然、志望者が多く、成績などの条件などが揃っていた結果だと思いますが、それ以外にも東邦大の医学部や薬学部などへの進学者が多いのは、経験が生きていると思います」と謙遜しながらも熱く語ってくれました。

村中先生は「生徒たちの希望を受け止め、それを充実させ、実現するために、どんな勉強をしていけばいいかを話し合い、適切に指導していくことが大切です。生徒の頑張りだけでなく、学年全体の担任などの先生方が目標に向かって努力した結果ですし、進路指導部のバックアップ体制がしっかりとしていたのでしょう」と言います。

若手とベテラン教員のバランスの良さが魅力
若手とベテラン教員のバランスの良さが魅力!

伊藤先生は生徒たちの進学先や進路指導について「今年、油絵で東京藝術大学に現役合格した生徒には、美術の先生が熱心に指導していました。例えば留学を経験した生徒は東京外国語大学や上智大学、国際基督教大学など国際感覚が養えるような大学を選択し、『将来は国連の職員になりたい』といった夢を持っています。 上智大学の法学部に入学した生徒は、最初から法学部に入って法曹を目指すと話していました。中学生の時の模擬裁判の影響があったのかもしれませんね」

3月には、難関大学に受かった卒業生9人を学校に招き高2生との座談会が行われました。希望制ですが会場は60人ほどが集まり、熱気にあふれ、在校生は「来年は自分が話すのだ」と思ったことでしょう。

「司法試験に受かったり、社会人になった卒業生が来てくれることもあります。それを聞いた在校生が、実際に司法試験を目指したこともあり、つながりの深さを実感します」(村中先生)。 生徒と教員、先輩後輩などの人間関係の中で信頼関係を紡ぎ合いながら、自分自身の進路を努力と希望により掴み取れるよう、大きく成長する千葉日本大学第一の生徒の姿がありました。

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