受験情報ブログ

聖学院中の2/4「難関思考力入試」レポート〈その2〉

2月4日(日)午前、聖学院中学校の「難関思考力入試」が実施されました。〈その2〉

2月4日午前、昨年までは「思考力ものづくり入試」と「思考力+計算力入試」の2つの思考力入試をいち早く実施してきた聖学院中学校で、今春から新設された「難関思考力入試」が実施されました。(取材・撮影・文/株式会社FlipSilverlining 福原将之)

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最後の難問、150字でレゴ作品と自分の考えを説明しよう

レゴブロックの作品作りがひと段落すると、受験生は最後の難問、作文に取り掛かります。


問5の作文は「問4で作ったレゴ作品を詳しく説明してください」、そして問6の作文は「(問4で作ったレゴ作品の中において)あなたの考える人間の果たすべき役割について記述してください」となっています。どちらの作文も150字程の記述が必要なため、文章で表現する力が求められます。


一般的な男女の発育の違いから、この歳の男子は女子に比べ、自分の考えをそのまま言葉に落とし込むことが苦手だと言われています。しかし聖学院の難関思考力入試では、「レゴブロックを使って表現をする」という問4がクッションの役割を果たしており、どの受験生も集中して作文に取り組むことができていました。


興味深かったのは、問4のレゴブロックの課題と問5の作文が、相互補完のように機能していた点です。作文を書いている途中にレゴ作品の手直しのアイディアが湧いたり、反対にレゴブロックを修正している最中に良い文章表現が浮かんだり…。実際、多くの受験生が「レゴ作品の手直し」と「作文」を行ったり来たりしながら、時間ギリギリまで真剣な表情で取り組んでいました。

プレゼンテーションとルーブリックによる採点

85分の試験時間が終わると、10分間の休憩を挟んでプレゼンテーションの試験に移ります。


プレゼンテーションの試験といっても、「1人1人順番に前に出てプレゼンする」という形式ではありません。5〜6人のグループを作り、そのメンバーに対して自分の作品を説明する、というグループワークの形式をとります。


そして受験生全員の説明が終わったら、今度は「それぞれのレゴ作品の関連性」について、グループでディスカッションしながら考えていくワークに取り組むことになります。

最初は緊張した面持ちの受験生も、自分の作ったレゴ作品には大きな思い入れがあるからでしょう、自分のプレゼンテーションの番になると目を輝かせて熱心に説明をしていました。


またグループディスカッションのワークでは、ファシリテーション役の先生の手腕もあり、入学試験中とは思えないほど議論が白熱していました。

そんな受験生たちの様子を傍から真剣に見つめているのは、この日のために特別なトレーニングを積んできた8名の採点官の先生達です。


手元のバインダーには評価基準である「聖学院ルーブリック評価表」があり、採点官である先生たちは受験生のレゴ作品や発言などから「受験生の思考レベル」がどの段階にあるかを採点していきます。


しかしながらこの“採点”、実は一筋縄ではいかないのです。一般にはあまり知られていませんが、レゴ作品やディスカッションの様子から思考レベルを採点するのは大変難解な作業となります。例えば、同じレゴ作品を見たとしても、採点する人によって評価が異なってしまうことが多いのです。これでは公正な試験になりません。

そこで聖学院では、思考力入試の試験官となる先生たち全員に特別な学内研修を課しているのです。


1年間かけて行われるその研修では、過去のレゴ作品や在校生のディスカッションの様子などを題材に、思考レベルの採点のロールプレイを行っていきます。


こうした研修を積み重ねることにより、最初は先生によってバラバラだった採点も、全員が同じ点数を出せるようになったそうです。


加えて実際の入学試験では、1人の受験生に対し5名の先生が採点にあたることで、“評価の精度”を高める工夫がされています。聖学院のすべての思考力入試では、このようにして試験の公平性が保たれていたのです。

最後はこれまでの振り返りと面接試験

プレゼンテーションとグループワークが終わると、これで思考力試験パートは終わりになります。


残すは面接試験パートですが、その前に思考力試験パートの振り返りを行う時間が用意されています。振り返り(リフレクション)とは、「用意された基本的な観点(チェックリスト等)を用いて、自分の活動を振り返ることで、生徒たちに反省や気づき、行動の改善を主体的に促す」という教育手法になります。


今回の振り返りでは、「(グループワークで)他人の意見を聞いて気づいたことはどこですか」と「他の人の意見を聞いて、解答(レゴ作品)に修正するとしたらどんなところをどのように直しますか」の2つの観点から行われました。

振り返りが終わると、いよいよ最後の面接試験になります。受験生は1人ずつ別室に呼ばれ、4人の面接官の前でレゴ作品のプレゼンテーションと質疑応答を約10分間で行います。この面接では、文章でうまく書けなかったことについて身振り手振りを加えて説明をしたり、意気込みをアピールしたりすることができます。


面接官からの質問も、最初は「他の人のレゴ作品で気になったものはありますか?」「自分のレゴ作品に修正をするとしたら、どこを直しますか?」といった共通の内容でしたが、面接が進むにつれて受験生ひとりひとりにカスタマイズされた質問へと変わっていきます。


実はこの面接試験の評価にも、先ほどのルーブリック評価表が使われているのです!例えば、面接官はここまでの受験生のルーブリック評価を確認しながら「この受験生の創造的思考力は、ルーブリック表の4段階目と5段階目のどちらだろう。それを見抜くための質問をしよう」となるわけです。


10分間の面接が無事に終わると、受験生たちは安堵とやりきった表情で挨拶をして退室します。最後の受験生の面接が終わったのはお昼の11時15分頃でした。

思考力入試対策は学校説明会と思考力セミナーへ!

来年2019年の中学入試でも、聖学院の3つの思考力入試「思考力ものづくり入試」、「思考力+計算力入試」、そして今回の「難関思考力入試」は大きな注目を浴びることでしょう。


関心のある小学生と保護者は、ぜひ今後の聖学院の学校説明会と思考力セミナーに足を運んで頂くことをお勧めします。特に聖学院の思考力セミナーでは、本番の思考力入試に近いスタイルで授業(セミナー)を体験できるため、入試対策としてもお勧めです。


思考力セミナーに参加した多くのお父様お母様は、「自分の子がこんなに作文ができると思わなかった」「こんなに楽しそうに勉強している姿は初めて見た」など、今まで気づかなかったお子さんの一面を発見して驚かれるそうです。是非この機会に、新しい時代の新しい入学試験を、わが子の進路の選択肢のひとつとして検討してみてはいかがでしょうか。