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受験情報ブログ

聖セシリア女子の新しい入試、「英語表現入試」

2月3日、聖セシリア女子中学校(神奈川県大和市)の新しい入試、「英語表現入試」が行われました。

ディズニーランドのアトラクション、It’s a Small Worldへ行くとしばらくは、その音楽が頭を離れない。そんな経験はありませんか。2月3日に聖セシリア女子中学校「英語表現入試」の取材を終えてしばらく経つ今も、まるでIt’s a Small World後のように口をついて出る♪clean clean clean the room♪。なぜでしょう?(取材・撮影・文 / 市川理香)

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なぜ、英語表現入試を実施「できた」のか

聖セシリア女子の2022年入試は、A方式(2科4科選択、2科)と、B方式(グループワーク型適性検査、英語、英語表現)で行われました。このうち新しく設けられたのが、「英語表現入試」です。入試要項の「英語面接、身体表現(ジェスチャー、ダンス)」だけ見ると、何を、どう表現するのだろう。しかも英語で?と思ってしまうかもしれません。
英語芸術学校マーブルズと提携した「イングリッシュエクスプレス」という、聖セシリア女子の“授業”を知れば、この疑問は氷解するのではないでしょうか。
それは学校サイトで、「『英語で自分を表現する』ことを目標に英語の歌を歌い、英語の台詞を覚え、ダンスも加えて、仲間とともに年2回、英語でのミュージカル発表を行います」と紹介されている、名前通りのプログラムで、英語力だけでなく、表現力や協調性も育まれるというもの。英語入試を行う学校が増えてきているとはいえ、「身体表現」は、聖セシリア女子だから始めることができた入試だと腑に落ちます。
初めてのことですから学校は事前に、受験生向けに、どのようなことをするのか、動画でサンプルを提示したり、1月には体験会も行なったりしました。

英語面接と英語身体表現の2パート

出願は13名でしたが、前日の筆記型の「英語入試」で合格した人もいました。それでも違うタイプの英語入試を受けてみたいという受験生も中にはいて、英語が好きという6名が、初めての「英語表現入試」本番に臨みました。
9時30分に集合場所の体育館から試験会場の控え室へと案内され、胸に番号を書いたシールを貼って待機。全員の準備が整ったところで、一人ずつ面接会場へ入り、一対一の英語面接が行われました。会場は鏡張りのバレエスタジオ。
受験生はあらかじめ、1分程度の英語による自己紹介と、同じく1分程度の英語暗唱(歌詞、名文、著名人スピーチ、絵本、自作話など)ができるような準備を求められています。

まず、面接官と英語で挨拶ののち、好きなこと、将来の夢など自己紹介。それについての英語での質疑応答、そして“Are you ready for presentation?” と促され、椅子から立って英語暗唱という流れで進みました。
6人が準備してきたことはそれぞれ異なり、ミュージカル曲やJ-POPは歌詞をただ暗唱するのではなく歌ってみせるなど、しっかり準備してきた様子が伝わってきて、周囲で見守る先生方からも自然に拍手も沸き起こる、暖かな雰囲気に包まれていました。

“警戒”が解けて笑顔に

次は、全員で(距離を取りながら)身体表現。英語で指示される簡単なストレッチや動作で気持ちと身体をほぐしたら、全員揃って、3つの場面設定に合わせた動きと台詞を覚えます。

部屋を掃除する(このシーンの台詞が、“clean clean clean the room”)。舞踏会への招待状が届いて喜び飛び跳ねる。ドレスを選ぶ。それぞれのシーンごとにリズミカルにダンスをしたり身振り手振りで体を動かしながらセリフを覚えていくうちに受験生に現れる変化は、マーブルズの先生が「皮がむけていくよう」と表現する通りで、動きには思い切りが出てきて、強張っていた表情に笑顔が浮かび、英語の台詞も感情がこもって声が大きくなっていく・・・。実はこれ、シンデレラと継母のやりとりで、物語に入りながら英語を覚えられるように工夫したシナリオを入試にアレンジされたものでした。

自然にアドリブも

各シーンを繋げ、流れを掴んだら、最後にペアを組んで、シンデレラと継母を演じます。台詞に合わせてシンデレラに命令する居丈高な感じを出してみたり、ワクワクした気持ちをダンスに込められるようになったり、身体で表現することを楽しいと感じていることが伝わってくるようでした。他の受験生が観客として見守る中、詰まっても何とか言葉を探して決して投げ出さず3組とも最後まで見事に演じきり、中には、シンデレラに部屋の掃除を命令するとき、ゴミを捨てるアドリブまで加えて継母の意地悪さを表現した受験生もいたのは驚きです。

好きな英語で「表現」することに心が躍る

事前のデモ動画でも、この入試で見たいのは“PASSION”と伝えられていたように、評価の最大のポイントは「英語ができることより、やってみようという精神」と言います。もちろん英語面接では、スピーチになっているか、会話ができているか、準備をしてきたかもしっかり採点されます。身体表現の弾け方もそれぞれですが、個々を大切にするという姿勢は、日頃の学校の姿勢そのもの。
試験終了後、一人ずつ感想を述べたとき(ここは日本語可)、「思った以上に楽しかった」「シンデレラになりきれた」という素直な言葉を伝える笑顔には、自信のようなものさえ感じられました。

♪clean clean clean the room♪が頭から離れないのは、取材中、繰り返し聞いたからではなく、受験生が言葉と体を使って表現する姿が本当に楽しそうで、いつの間にか一緒に受験生になっていたからだったのかもしれません。

WEB出願・発表が大勢を占め、掲示発表併用も徐々に姿を消す昨今ですが、聖セシリア女子は、WEB発表翌日の校内掲示を残しました。張り出された受験番号に合格の喜びを噛み締めた受験生の姿も少なくなかったそうです。