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11月16日、「女子高生サミットin熊本」開催

2019年11月16日、全国の女子校5校が集まり「女子高生サミットin熊本」が開催されました。

2019年11月16日、熊本市内の「くまもと県民交流館パレア」に、高校生や一般の参加者約350名が集まり、「女子高生サミットin熊本」が開催されました。参加したのは、熊本信愛女学院(熊本県熊本市)、賢明女子学院(兵庫県姫路市)、セントヨゼフ女子学園(三重県津市)、南山女子部(愛知県名古屋市)、鷗友学園女子(東京都世田谷区)です。
(取材・文 / 市川理香)

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医学部入試の女子受験生差別問題がきっかけ

2019年11月16日、熊本市内の「くまもと県民交流館パレア」に、高校生や一般の参加者約350名が集まり、「女子高生サミットin熊本」が開催されました。

全国各地から集まった女子校5校。熊本信愛女学院(熊本県熊本市)、賢明女子学院(兵庫県姫路市)、セントヨゼフ女子学園(三重県津市)、南山女子部(愛知県名古屋市)、鷗友学園女子(東京都世田谷区)です。鷗友学園女子は高1生、他4校は高2生による5人のチームで、それぞれが身の回りから気になるテーマを取り上げ研究したことを発表しました。

サミット発起人は、熊本信愛女学院の生徒さん。きっかけは、昨年の、医学入試で女子受験生への差別が発覚したことでした。開催資金を募ったクラウドファンディングサイト「READY FOR」で、次のように語っています。

「医学部志望この問題が発覚した際、私たちは"女子"だからという理由だけで、将来の可能性が小さくなってしまうのか不安になり、なぜ男子と女子の扱いに差があるのかと強い疑問をいだきました。実際に大学進学にむけて勉強し、医学部を目指すクラスメイトがいる私たちにとっては、この出来事は決して他人事ではなく、さらには医学部を目指す受験生だけの問題ではないと強く感じました」

熊本では熊本信愛女学院生による協賛を依頼する企業訪問やサミットを広報するテレビ出演などが行われ、参加校同士はインターネットで会議を重ねて当日を迎えました。5校の生徒たちの研究発表と提言を中心に、「女子校サミットin熊本」を振り返ります。

様々な視点からの研究発表

研究発表の一番手は熊本信愛女学院。「ジェンダー形成と教育」。医学部入試が露呈した現実にあるジェンダーの問題を考え、「10年後20年後に自分が苦しめられる問題」、理不尽な現状への「悲しみと憤り」が、「未来を変えられるのは自分たち」という会を貫くエネルギーの源として感じられました。そして、熊本で開催することには、2016年の地震からの復興途上の熊本を見て欲しいという思いが込められ、様々な地域から集まったことには住んでいる環境・地域が生む意識の差を共有し変えていきたいという決意がにじむことも忘れてはいけない点です。サミット翌日のことになりますが、育った環境も、住んでいるところも全く異なる者同士。参加5校から一人ずつがグループを作って、熊本信愛女学院生による熊本案内が行われたそうです。

SNSやYouTubeで「和」を広げカルチャーを創造しようと呼びかけたのは、「誰もが能力を活かせる社会作り」を発表した賢明女子学院。

アメリカ・カナダ・フィリピンとの国際交流を通して日本との違いを考察したのは、セントヨゼフ女子学園。「世界の女性の働き方」として発表し、改革よりも考え方を変えよう、そして地域環境に即した頼り頼られる関係作りが大切だと主張しました。

保護者に行ったアンケート調査から「働く女性と家庭」を発表した南山女子部は、働く女性の声を政策に反映できるための女性の政治参加が必要、家庭に入ることが当たり前ではない生き方もある今、ライフプランを性別で制限しないで欲しいと訴える一方で、男性にも家事の体験の場や教室を開催することで男性側の変化を生む提案も示しました。

さて鷗友学園女子では、このサミットに参加したいと7チームが手をあげ、校内のセレクションがあったそうです。それぞれが見つけた課題を調べ、高1生全員の前で発表。生徒による投票で選ばれての出場です。取り上げたテーマは、『広告から見る女性差別』。おむつの広告から、育児への既成概念やワンオペ育児の問題点をあぶり出して見せ、女性誌の特集やCMが押し付けるステレオタイプの女性観に言及。表現の自由にも触れながら、「多様性を認め社会の問題と向き合う姿勢が必要。おかしいんじゃないかと声をあげ、間違った常識を変えていきたい」と結びました。

自分たちが発表するだけでなく他校の発表にも熱心に耳を傾け、質問できる場合は疑問を投げかける姿に、様々な視点や考え方に触れることも、このサミットの大きな意義であることが伺えます。

基調講演とパネルディスカッション

第二部は、昭和女子大学総長坂東眞理子氏による「聖く、明るく、美しく、そして賢く」と題した基調講演。内閣府男女共同参画局長などを務めた経験も踏まえ、女性のキャリア戦略の変化などをデータや社会背景から解きほぐしつつ説明。「能力、適性を発揮することが目的なのではなく、自己実現の結果、社会をどうしたいのか、社会のために力を使って欲しい」と女子高生にエールを送りました。現在、女子大の総長を務めるだけに、「20世紀には、職業人を育てる役割は社会が担っていたが、これからは高校・大学の教育機能のパワーアップが必要」との言葉には、重みがあります。

第三部のパネルディスカッションは蒲島熊本県知事、熊本出身のタレント・スザンヌさん、熊本在住の医師と社会福祉法人会長、それに各校代表5名。司会を含め知事以外は女性という布陣で、進路に悩んだ時、チャレンジし続けるコツ、誰もが生きやすい社会にするにはといった点について、意見を述べ合いました。

「人生のハンドルを握るのは自分。手を離さないで」
「声なき声を置き去りにせず、代弁者になってください」
「男女の良いところを認め合っていきましょう」
「自分を肯定する、自分で自分を褒める」
「何回失敗しても大丈夫」

そんな女子高生への言葉の数々。参加した高校生はもちろん、会場の熊本の人々の心にも届いたことでしょう。

「女子高生サミットin 熊本KUMAMOTO」提言

最後に、開催に尽力した熊本信愛女学院の皆さん、各地から馳せ参じた高校生たちの「未来への第一歩」、発信された提言を記します。

「女子高生サミットin 熊本KUMAMOTO」提言

「女子高生サミットin KUMAMOTO」を通して、私たちは男女がお互いに尊重し合い、共に輝き合える社会を目指します。
その理想を実現するために、

1. それぞれの「自分らしさ」を大切にし、互いに認め合うことのできる人を目指します。

2. 「自分らしさ」を積極的に表現し、よりよい在り方へと高めていくことのできる人を目指します。

3. 社会の中に存在する不合理に対しては、仲間とともに手を取り合い、考え行動を起こすことのできる人を目指します。

4. 「持続可能な社会の実現」に向けて、グローバルな視点を持ち、社会に貢献できる人材となることを目指します。

                     令和元年11月16日
                      「女子高生サミットix KIMAMOTO」女子高生一同