受験生マイページ ログイン
受験情報ブログ

日本大学豊山女子中学校の「プレゼンテーション(課題発見)型入試」(2021年2月2日PM)

2月2日の午後に行われた日大豊山女子中の「プレゼンテーション(課題発見)型入試」を取材しました。

2021年2月2日の午後、日本大学豊山女子中学校では今年新設されたプレゼンテーション(課題発見)型入試が実施されました。受験生は事前に「興味のあるテーマ」について自分の考えをまとめておき、それを試験会場で発表します。事前にいくらでも準備ができるという、ちょっと珍しい日大豊山女子のプレゼンテーション(課題発見)型入試を取材しました。〈取材・撮影・文/福原将之〉

続きを読む

日大豊山女子のコロナ対策と温かいおもてなし

2月2日の午後、日大豊山女子ではプレゼンテーション(課題発見)型入試と2科入試が実施されました。


受験生が安心して試験にのぞめるように、しっかりしたコロナウイルス感染症対策が取られていました。来校時の検温と手の消毒はもちろんのこと、校舎入り口で渋滞にならないように土足で入れるスペースを広く確保されていました。

プレゼンテーション(課題発見)型入試では、受験生のプレゼンがひとつ終わるたびにホワイトボードや荷物置き場、備品の全てを先生方が丁寧に消毒されていました。


コロナ対策は万全です。

例年であれば、日大豊山女子の在校生たちが受験生たちを出迎えて案内するのですが、今年はコロナ対策のため在校生はお休みです。


その代わり、「在校生の直筆応援メッセージ」が書かれたホカロンが受験生に渡されます。身体だけでなく心も温まるおもてなしですね。

15時30分、試験開始!まずはプレゼンテーションカードの記入

プレゼンテーション(課題発見)型入試の開始は15時30分からですが、開始20分ほど前には受験生全員が受験生控室に到着していました。試験開始までの待ち時間には、用意してきた発表資料や原稿を入念にチェックする姿が見られました。


15時30分になると、担当の先生から試験についての説明が始まります。本番のプレゼンテーション面接は別室にて一人一人行われるのですが、その前に受験生にはプレゼンテーションカードが配られました。

プレゼンテーションカードとは、自身のプレゼンテーションの概要について試験官の先生に伝えるためのA4サイズのプリントです。記入する項目は、「プレゼンテーションのテーマ」「テーマを選んだ理由」「プレゼンテーションの方法」「アピールポイント(準備で工夫したこと、苦労したことなど)」の4つです。


実はこのプレゼンテーションカード、試験の合否には全く影響がないそうです。なんのために記入するのかというと、プレゼンテーションの質疑応答で「受験生の良いところ」を試験官の先生が引き出すためだそうです。素晴らしいですね。


プレゼンテーションカードが配られると、どの受験生もみな真剣な表情で記入を始めました。まるで筆記試験の会場であるかのように、静かな教室にコツコツと鉛筆の音だけが響きます。受験生たちのプレゼンテーションカードには、熱意のこもった文章がびっしりと書き込まれていました。

いよいよ本番!プレゼンテーションと質疑応答

プレゼンテーション(課題発見)型入試では、受験生自身が日常生活で感じている問題点や課題(不便に感じていることなど)を一つあげて、それを解決するための方法等を発表します。発表に使う道具も完全に自由です。


15時45分、いよいよプレゼンテーションがスタートです!受験番号順に一人ずつ呼ばれるので、受験生は隣の別室に移動して発表を行います。プレゼンテーションの時間は約10分で、試験官の先生は2名です。

プレゼンテーションの様子を取材していて驚いたのが、受験生が選んだテーマの多様さです。LGBT問題、日本の人口減少、自転車による交通環境の悪さ、感染防止のための小銭入れ、コロナ禍での体操の活動についてなど、どれも大変興味深かったです。


特に強く感じたのが、どの受験生も本気で課題を解決させたいと思ってテーマに取り組んでいたという点です。プレゼンテーションの様子からも、受験生たちの本気度がひしひしと伝わってきました。


また、しっかりと練習してきたであろう「流暢な喋り」はもちろんのこと、発表時の姿勢の美しさや身振り手振りも大変素晴らしかったです。ある受験生は、課題解決のために自分で発明した「小銭入れのプロトタイプ」を2種類もみせてくれました。どの受験生も小学生とは思えないクオリティの高さでした。

受験生のプレゼンテーションが終わったあとは、質疑応答の時間になります。先ほど記入したプレゼンテーションカードを参考に、試験官の先生方が「受験生の良いところを引き出す質問」をしていきます。時間は5分程度です。


先生からの質問は、「このテーマに関心を持ったきっかけは何ですか?」「調べるにあたって工夫したことを教えてください」といった内容から、「このデータを見るとスペインが特に多いことが分かりますが、それは何故でしょうか。どう思いましたか?」といった踏み込んだ内容までありました。受験生は堂々とした様子で「自分の考えとその根拠」を答えていました。


以上で日大豊山女子のプレゼンテーション(課題発見)型入試は終わりになります。別室に入室してからの面接時間は15分程度でした。

今までの課題から生まれた新しいプレゼンテーション入試

今年新設されたばかりのプレゼンテーション(課題発見)型入試、実は2017年から実施してきた思考力(プレゼン)型入試の課題感から新しく生まれた試験なのです。


日大豊山女子の思考力(プレゼン)型入試では、プレゼンのテーマ決定から情報収集、まとめ作業、そして発表までを試験会場で行います。受験生は学校が用意したテーマの中から好きなものを選び、それについて図書館の本やインターネットで情報収集を行います。そして文章や絵、図や表などを用いて自分の考えや意見を用紙やスライドにまとめた後、それを試験官の先生の前で発表します。詳しくは去年の取材レポートをご覧ください。


https://www.syutoken-mosi.co.jp/blog/entry/entry002094.php


思考力(プレゼン)型入試では、受験生の「疑問を持つ」「調べる」「まとめる」「発表する」力を見ることができる一方で、どうしても試験時間の都合から「一発勝負の試験」になりがちでした。例えば、まとめ作業中に文字や図表が用紙に対して小さすぎたと思っても、試験時間が限られているため修正することができません。また、90分という短時間で自分の考えをまとめることが苦手な受験生もいるでしょう。


これらの課題を解決するために新しく作られたのが、今回のプレゼンテーション(課題発見)型入試なのです。受験生は“自分の好きなテーマ”を“好きな方法で情報収集”して、“好きな方法でまとめ”て、“好きなだけ発表練習”をして、試験にのぞむことができます。時間をかけてじっくり考えて準備することが得意な受験生にマッチした試験だと言えるでしょう。

もちろんプレゼンテーション(課題発見)型入試を行うにあたって懸念点もありました。例えば、「本人ではなく親や先生が事前準備を全部行っていたらどうするのか」という声が学校内でもあったそうです。


しかし、入試本番にプレゼンテーションをしている受験生を見れば、こうした心配は杞憂だったことが分かります。受験生の真剣な様子をみれば、熱心に事前準備を重ねてきたことが聞いている側には伝わってきます。仮に大人任せに準備をしてきた受験生がいれば、プレゼンテーションの様子とその後の質疑応答で見抜かれてしまうことでしょう。


日大豊山女子中学校では、自分で疑問を発見し、考え、意見を発信する力を問うために思考力型入試を導入してきました。プレゼンテーション(課題発見)型入試と思考力(プレゼン)型入試という2つの思考力型入試によって、より確実に思考力をもった生徒を見つけ出すことができるようになったことでしょう。


なお、日大豊山女子の思考力(プレゼン)型入試は、2月11日(木・祝)の午前に実施されます。当日の朝7時までWEBで出願できますので、興味のある受験生はぜひ挑戦してみてください。